開拓登山口に もう着くという頃、
登山口を歩き出した方の姿が 木々の向こうに見えた。
その方に近づいた時、挨拶をして訊いたら、
ここから歩くのは初めてで、1~2時間ほど歩いたら折り返してくるつもり、
とのこと。
「あ、あの~ 後ろから付いてって いいでしょうか!」
・・・思わず言ってしまった。
南高ヒュッテ付近で戻ってきた理由をお話し、
私はノロノロペースなので、自分のペースで後から歩いて行くこと・・・ということで。
一瞬 戸惑った表情をされたけれど、(そりゃ そうだ)
いいですよ~と言って下さった『うどん』さん、ありがとうございます。

ということで・・・
12:45 開拓登山口のすぐ手前から 再び南高ヒュッテの方へ歩き出した。
サクサクと登って行くうどんさんから離れ過ぎるのも不安なので、
キョロキョロはするけれど 撮る回数を少なくして登ることにした。
鳳来山まで行きたい気持ちの方が大きかったので・・・。
水場のある沢を渡り、南高ヒュッテの方へと斜面の道を登り始めてすぐ、
ふと沢の反対側を見たら・・・
炭焼き窯跡がある!Σ(゚Д゚) 今まで全然気づかなかった!

今まで何度も歩いた道だけど、そのほとんどが積雪期だったし、
無雪期でも 木々などの葉で目立たなかったからだろう。
炭焼き窯跡があったことで、
周辺に大木が無く、樹齢数十年くらいかと思われる細い木々の林である理由がわかった。
南高ヒュッテの前を通って かくれ山分岐に上がると、
そこから上には イノシシのトレースは無かった。
勇気を出して あとちょっと登れば、うろうろせずに 鳳来山まで行けたのにな・・・
と思ったけれど、仕方ない。
予想通り、
尾根に出ると ビュービュー冷たい西風が吹き付けてきた。

登るにつれて 少~しずつ雪が増えていく。
と言っても ツボ足で大丈夫なくらい。


1ヵ月前に滝ノ小屋まで行ったときとは違う、冬の景色。

雪が積もると大きな雪庇ができるところ。
木々の向こうには、右に鳳来山、左奥に大黒台の方が見えた。

その先、右前方に見えるのは、
家族旅行村の方から鳳来山へと登る時に通った斜面だ。

強風が吹いたためだろう、
雪の上には たくさんのブナの殻斗が散らばっていた。

強い西風が吹き抜けるこの辺りは、
積雪期でも雪が少ないところ。

雪が周りに少しあることで、
ブナの大木の根元の迫力が強調されていた。

根元もすごいし・・・
見上げた幹や枝もスゴイんだよね。

少~しベージュがかったブナ。
“木登り名人ムラカミさん“が 以前おっしゃっていたことを思い出す。
「ブナの幹に触れると、
夏はヒンヤリ冷たくて 冬はほんのり温かいんですよ」

この日は 冷たい西風が強く、手袋を取ってブナの幹に触れる余裕は無かったけれど、
そんな時は、ちょっと頬を幹にくっつけてみるのもいいかも。
尾根の東側、
これから この辺りに あんな雪庇ができるんだなぁ・・・
と、1・2月ごろの様子を思い出しながら見る。

ズボズボしてきた。
そこを うどんさんは 力強くガシガシと登って行く。

足元に 鳥の可愛い足跡。

雪の上をちょこちょこ歩いて・・・あの小さな穴へ?

冷たく強い西風が吹き付ける西側と 東側で
地衣類の付き方が全然違うブナの樹皮。

「そっか、地衣類の付き方で おおよその方角がわかるじゃん!」
と思ったことがあったけれど、
それは どこの山でも同じなわけでななかった・・・。(;^ω^)
灰色だった景色が 急にパッと明るくなった。

相変わらず冷たい西風は吹き続けていたけれど、
雲間から陽が差してきたのだった。

降り返ると 陽の光が差し込んでいて、
木々の間からは 日本海がキラキラ光っているのが見えた。(撮らないでしまって残念)

鳳来山山頂と横堂への巻き道との分岐まで来た時には、
また空は灰色に。

鳳来山山頂への急斜面も 強風に吹き飛ばされて雪が少ないイメージがあったけれど、
この日は 15~20cmくらい、場所によっては それ以上の雪があった。
そんな急斜面も うどんさんは力強くガシガシ登って行く。

所々うどんさんの足跡をお借りしつつ・・・
私も ズボズボ登った。
雪を自分で踏みながら歩く感覚が、雪山歩きのオモシロイところだもんね。
斜面の木々にも少し雪がついていたけれど、
まだまだ雪が少ない。

急なところを登り切って ややなだらかになった辺りは、
雪がふかくなっていて 踏み抜きやすくなっていた。

家族旅行村の方から上がってくる方も、まだまだ雪が少なく、
藪ヤブで 歩ける状態ではなさそう。

14:07 鳳来山山頂に到着。

東側。

西側。 うっすら飛島も見えてる。

日本海。

庄内平野。

こんな日には こんな日ならではの 素敵な景色を眺めることができた。
(北側を撮らないでしまった)
風が穏やかなら コーヒーを飲みながら もう少し景色を眺めたいところだけど、
今日は寒いので 山頂にはちょっとだけ居て・・・
14:13 下山開始。
雪がたくさん降って雪庇が出来れば、ここを歩いていけるけれど、
今はまだ こんな状況。

夏道を歩く。

「雪があると楽ですよね~」
と急斜面を滑るように下っていく うどんさんの後から、
私は へっぴり腰で下った。
・・・「下る」+「滑る」に なぜかとっても恐怖感・不安感がある。
過去に何か怖い体験があったか?

大黒台の方を見る。
その奥に見えていた月山森の方は、見えなくなってしまっていた。



ブナの大木が並ぶ辺りの端で 毎年目にする赤い実。

全てのものが少しずつ変化している中で、
毎年 同じ場所で会えるものがあるって、うれしい。

順調に下って・・・南高ヒュッテの前を通り・・・小沢を渡って・・・
その先の道を下っていると・・・
前を行くうどんさんが 立ち止まった。
イノシシの新しい足跡があるのだった!

日中も動き回ってるのか~!! ( ゚Д゚) ガ~ン・・・

鳳来山まで登ってくることができて良かったなぁ・・・という気持ちで下ってきたのに、
ここまで来て 驚きとショックとが・・・。

最後にまたザワザワした気持ちが残ったけれど・・・
15:12 開拓登山口に到着。
独りでは行けなかった鳳来山に 行ってくることができて・・・
うどんさんに感謝です!
ありがとうございました。

それにしても・・・
イノシシが この辺も歩き回っていることはショック。
キョロキョロしながら あちらこちらで立ち止まって のんびり独りで歩くことが多いのだけれど、
独りで歩くのが 今までより 怖くなった・・・。( ノД`)