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ねこと喪失

 

 

2025年11月29日、ぐらが息を引き取った。

12歳。悪性リンパ腫。診断が出たのは7月末だが、おそらくその前からガンは進行していた。抗がん剤を使って一度は安定したが、11月に入ってからはもう坂道を転がり落ちるように悪くなっていって、何もできなかった。

 

 

 

 

亡くなってからちょうど一ヶ月。僕は意外と生きている。自分がねこを喪う時のダメージはきっと生死に関わるものになるだろう、と思っていたが、意外とちゃんと生きている。でも悲しいのは悲しい、本当に悲しい。心にぽっかり穴が空いている。

 

 

 

 

その穴は四六時中意識しているわけではなくて、例えば仕事中なんかはちゃんと仕事に集中できているのだけど、ふとした瞬間に思い出してしまう。それは必ずしも家でぐらの思い出の品を見た時とかじゃなくて、病院から遺体を連れて帰って来た夜と同じような夜とか、火葬場に遺体を連れて行った朝と同じような朝とか、そういう時に思い出す。

 

 

 

 

抗がん剤治療中、いつもの病院とは違う大学病院に通っていた。背中に背負うタイプのキャリーバッグで、自転車で。ぐらはキャリーの中で病院がイヤだと文句を行っているので、話しかけながら走る。「今日は暑いねえ」とか「なんか涼しくなってきたねえ」とか。夏から通院が始まり、秋を過ぎて冬まで続いた。春を見たかったな。「桜咲いてるねえ」とか話したかった。

 

 

 

 

闘病生活の詳細な記録を書くこともできたのだけど、やめた。ぐらはいいねこで、12年一緒に生きたパートナーで、僕はいくらでも思い出せる。最期の一ヶ月は本当に辛かったけど、今はもう大丈夫かな。天国に飽きたらいつでもこっちに遊びに来ていいんだよ。それがどんな姿でも、僕にはわかるから。

 




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