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映画『ガルム・ウォーズ』感想

裏路地のこ汚い料理屋に入ってどんな料理が出てくるものかとワクワクしてたら割と普通の定食が出てきちゃった、 個人的にはそんな感じの印象だったりする。


惑星アンヌーンを舞台に人々=ガルムは延髄についたプラグにより記憶を継承して世代を重ね、 空飛ぶ戦艦や戦闘機、戦車を駆り、終わりなき戦争を繰り返してきた。

そんな闘争を宿命付けられたはずの主人公たちが戦線を離れ、 部族の垣根を超えた道連れと共に世界に仕組まれた秘密を暴く物語。

スペースオペラ的なファンタジー世界にサイバーパンクの想像力が付加された、 そんな作品だった。

そんなわけでSF好きとしては概要だけでワクワクしてしまう好物ド直球な物語なはずだったんだけど… 歳をとってしまったことを悲しむべきなのか、 物語的にも映像的にもあまり目新しさを感じられず、 どうにも楽しみきれなかった。


空飛ぶ艦隊はLast Exileを彷彿とさせられた。

(Last Exileは話自体はそれほどでもないんだけど、世界観とか美術とかは抜群に好きですね。 一話の銃兵隊の狂気じみた戦闘なんかはフェティシズムをすごく刺激される。)

確かに空を覆うような巨大戦艦や自由自裁に飛び回る個人機なんかがSFXで表現されるということ自体にはワクワク感はあるのだが、 Last Exileの時のような造詣の優美さを感じられなかったし、 局所的なカットが多くあまり「艦隊戦の迫力」みたいなものも感じられなかった。

ハリウッド映画やゲームの実写と見まごうようなものを見慣れてしまったこともあり、 SFX表現自体にもさほど感じ入るものがなかった。


押井監督の作品はそれなりにおさえているつもりなのだが、 本作は押井作品としては異例のわかりやすさだった。

キャラクターたちが設定や目的をちゃんと言葉にしてくれるし、 物語自体が極めてストレートな冒険譚となっている。

いつもの押井作品は設定過多な世界観に意味深ながら説明しないセリフ回し、 フェティッシュな映像表現なんかが特徴だと思う。

やや乱暴な言い方になるが、難解さそのものが娯楽に昇華されている、 脳みそを思いっきり空吹かしさせられることの心地よさ、 それが押井作品の魅力だと個人的には思っている。

(個人的には立喰師列伝の意味ありげな無意味さがその極地なように思う。嘘ウンチクに塗り固められて虚構の世界が立体感を帯びて感じられてくるのが、そのまま作中のゴトのようで・・・)

で、翻って本作なのだが、観ていて特に考える必要もなく分かってしまう、 それがどうにも物足りなさとして感じられてしまった。


物語の裏側にある設定自体も、ナウシカ原作やErgoProxyなど近年ではすっかり見慣れてしまったものだ。

(逆に言うとこのタイプの作品を見慣れてない層には本作って「難解」に映るのかもしれない)

本来ならば物語の展開にしたがって明らかになる世界の謎に驚いたりするべきなのだが、 正直なところ前半で筋が読めてしまったのがつらいところ。

このあたりは構想15年という年月とか僕自身が年老いてスれてしまったとかそういうところの問題で、 これが2000年ごろの作品ならば、あるいは僕がまだ十代であったならドハマリできたかもしれないと思うと過ぎる歳月の儚さを感じてしまう。

…読み返してみると、我ながら老害くさい感想でちょっと嫌っぽい。

でも小説版はレビュー悪く無さそうなのが気になる。




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