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『鈴木さんにも分かるネットの未来』感想

Rebuild.fmで言及されていて興味をもち読んでみたのだが、 なるほど評判どおり興味深い内容だった。

ネット業界の一大プレイヤーでありながらコンテンツホルダーでもあるドワンゴを率いている立場ゆえなのか、 著者の視点の鋭さにはただただ感心させられる。


インターネット神話

ネットに身を置く者は、程度に差はあれ、大抵はある神話を信じている。

「フリー」で「オープン」であることは無条件に正義で、あらゆる問題を解決してくれると。

かくいう僕も少年期にロードオブモンスターズⅢで回線ごしに世界とつながる楽しさを見出し、 梅田望夫氏の『ウェブ進化論』にワクワクした類の人間なわけで、 やはりどこか無意識的に「神話」を信奉している部分はあったように思う。

これからも様々なものが「フリー」で「オープン」になり既存のサービスを駆逐していくのだろう、 そんな風に無邪気に考えていた。


見えざるコスト

だが本書では、神話は神話に過ぎないのだと看破している。

ネットの「フリー」は実のところ見えざるコストを既存のコンテンツホルダーに押し付けているだけであり、 押し付ける先があるうちは良いが、それが無くなれば立ち行かなくなると。

そしてそうなれば「オープン」ではいられなくなると。

なるほど言われてみれば、昨今のウェブサービスやスマホのアプリストア界隈のクローズドな志向も そういった流れがあって故のことに思える。


UGCは集合知?

個人的に本書で一番おもしろいなと思ったのが集合知の話。

「集合知」といえばネット文化の優位性を語る際に、 さもそれが自明であるかのように説得力をもって語られるキーワードである。

いわく「ネットワークによりコミュニケーションのコストが下がることによって集合知を発揮しやすくなる」であるが、 その好例として語られるUGCの数々は実際のところ「集合知」と呼べるのだろうか?

そのあたりについて、本書では鋭いツッコミを入れている。

あくまでも「優れた個人がより活躍しやすくなった」=「部分知を拡張」しているだけであるというのだ。

それを踏まえて眺めてみると、今成功しているUGCの多くについて見え方が変わってくる。

本書に則って考えれば、UGCでは「みんな平等に」を志向するよりも、 いかに「優れた個人を選別するか」の方が重要なデザインなように見える。



一見すると「ネットについてよく分からんおっさんへの指南本」的なタイトルだが、全くもってそんな生易しいものではなく、 『ウェブ進化論』的な幻想に鋭い現実を突きつける内容だった。

この本を読んでいると、さすがにネット言説のすべてを無邪気に信じきっているわけではないにしろ、 自分がそういった幻想にどこか心地よさを覚えてしまっていたことに気付かされる。

ネットどっぷりな人間が自分を相対化するためにも、 そしてこれからのインターネットでのコンテンツのあり方を考える上でも、 非常におすすめできる一冊だと思う。


この本と近い方向性だと、少し前のものになるけど『ソーシャルもうええねん』もなかなか面白かった。

  • 作者: 村上福之
  • 出版社/メーカー: ナナ・コーポレート・コミュニケーション
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