以下の内容はhttps://blogs.networld.co.jp/entry/2026/03/19/172731より取得しました。


【現地からお届け】NVIDIA GTC 2026 Day3 の ジェンスン・フアン登壇セッションレポート

こんにちは、ネットワールドの海野です。

前回までに、NVIDIA GTC 2026 について3本の記事を書いてきました。

今回はその続きとして、Day 3 のセッション Open Models: Where We Are and Where We’re Headed [S82480] の内容をご紹介します。

なお、本記事は NVIDIA の公式ブログや公式レポートに基づくものではなく、現地での私の拙い聞き取りと、一部文字起こしメモをもとに執筆しています。

そのため、細かな表現やニュアンスの取り違いが含まれている可能性があります。その点につきましてあらかじめご容赦ください。

セッションの録画は後日配信されるようです。私が確認した 2026年3月19日 日本時間 16:00 時点では、セッションページ上のステータスは Recording Processing となっていました。実際のニュアンスを確認したい方は、ぜひ GTC 2026 に登録のうえ、後日公開される録画もあわせてご覧いただくのがオススメです。

ジェンスン・フアンと AI 業界の主要プレイヤー、すごい

これを見るために朝10時から並んだわけですが、今日 3月19日のサンノゼはやばめの熱波でした。東京はまだそこまで暖かいわけではないので、若干油断していました。直射日光の中で2時間並ぶのかと思うと、これは終わった…と思いました。

ですが、さすが世界一の企業 NVIDIA のイベントです。スタッフから水の配布があり、さらに日傘や日焼け止めまで貸し出してくれました。まさに超運営。

そして2時間ほど並び、ようやく会場である San Jose Civic のドアがオープンすると、会場の空気は一気に変わります。開場と同時に前方へ向かってスゴイ勢いで人が流れ込み、「これはガチのジェンスン・フアンが登壇するやつだな…!」というパワフルな熱量がありました。前方は招待ゲスト向けということで、私はアリーナ中盤あたりからの参加となりましたが、それでも十分に現場感がすさまじい!やっぱりジェンスン・フアンが登壇するセッションは一味違うぜ…!

暑い

セッションの概要と雰囲気

このセッションのタイトルだけを見ると、「オープンモデルの現在地」を議論するセッションのように見えました。しかも AI 企業の錚々たるメンツを集めたパネルディスカッションですから、オープンとクローズドの違いをそれぞれの立場から語る回なのかな、と最初は思っていました。

ただ、実際に聞いてみると印象はなかなか違いました。ここで議論されていたのは、単に「オープンが良いのかクローズドが良いのか」という話ではありません。AI を LLM 単体ではなくシステムとして捉え、そのうえでオープンモデルを基盤に置き、ハーネスで束ね、最終的に OpenClaw のようなエージェントへつないでいく。そんな全体像を語るセッションだったと思います。(もちろんその他のトピックもありましたが…。)

しかも興味深かったのは、クローズドを全否定するような雰囲気ではなかったことです。むしろ「クローズドが強い場面もある」「ただしコンプライアンスやガバナンス、信頼性が重要になるほどオープンの意味が大きくなる」という話し方が多く感じられ、エンタープライズ環境でも活用できそうなレベルで実践的な内容になると思いました。

なので今回の記事では、このセッションを次の3つの大きなポイントで整理してみます。1つめが OpenClaw によるエージェント化、2つめがハーネスエンジニアリング、3つめが基盤としてのオープンモデルです。

1. OpenClaw は「新しいコンピューター」である

今回いちばん印象に残ったのは、OpenClaw が単なる「すごい OSS エージェント」としてではなく、「新しいコンピューター」のカタチとして語られていたことです。

LLM のモデル単体はあくまで「脳」であって、それだけではまだ使いにくい。そこに OpenClaw が手足、つまり行動するたえの機能を与えた、という見方がかなりしっくりきました。研究の言葉でいうモルフォロジーをいまのモデルに対してひとまず実用になる形で与えたのが OpenClaw だ、という話ですね。

※ ここでのモルフォロジーはざっくり言うと「その AI がどう動けるか」「どんな手足を持っているか」ということを示します。今回の内容ではモデル単体ではなく、コンピューターやツールを使って実際に行動できる形を指しています。

ここで重要なのは AI が「答えるもの」から「行動するもの」へ移っている、という点です。実際にセッションでも「答えること」から「行動すること」への転換が明確に語られていました。プロンプトに答えて終わるのではなく、ツールを呼び、ファイルを触り、タスクを継続して進める存在として AI を捉え直しているわけです。

さらに OpenClaw 的なエージェントには、常時稼働、プロアクティブ、エージェント ID、メモリといった特徴も挙げられていました。ここまで来ると、もはや「賢いチャットUI」ではありません。自分専用の席や権限や履歴を持ちながら、継続して仕事を受け持つ存在に近づいています。まさにエージェント(代理人)ですよね。

この感覚はいまのコーディングエージェントやコマンドラインベースのエージェントを触っていると実感しやすいのではないでしょうか。何かを説明してくれる AI ではなく、ファイルや環境に触れて一緒に作業する AI へ。OpenClaw はその方向性を、わかりやすく可視化した存在として扱われていました。

2. ハーネスエンジニアリングが AI システムの実体になる

今回もうひとつ重要だったのが、harness engineering という言葉です。これは要するに、モデルのまわり全部をどう設計するか、という話です。

※ ハーネスエンジニアリングとは、ひとことで言えば「モデルを実際に仕事で使えるようにするための周辺設計」です。どのモデルを使うかだけでなく、ツール接続、権限、ワークフロー、役割分担まで含めて組み立てるイメージです。

どのモデルをどの役割で使うのか、どのサブエージェントを挟むのか、スキルを持たせるのか、ファイルシステムやコンピューターや外部ツールとどうつなぐのか。こうした「モデルの外側」を設計する仕事がいま急激に重要になっているということです。

Perplexity Computer の説明も、まさにその文脈でした。AI ができること全部を束ねるオーケストレーションシステムを作り、ユーザーは「どのモデルを使うか」を意識せずにタスクだけ渡せばよい。モデルが楽器で、サブエージェントが演奏者で、全体の仕事がシンフォニーだ、という例えはわかりやすかったです。(聞き取りがあっていれば。オーケストレーションだからたぶんあってます。)

ここでおもしろいのは、これはオープン系の話に限らないという点です。ChatGPT や Claude については結局のところハーネスをとても作り込んでいます。もちろんその他のハイパースケーラー AI もそうです。つまり、いま本当に競争しているのは「モデル単体の頭のよさ」だけではなく、それをどんな実行環境に置き、どういうワークフローに仕上げていくか、というシステム設計の部分なんだと思います。(ランタイムを実行環境と訳しました。)

3. 基盤としてのオープンモデル

そして、その上に何を土台として置くのかという話が、基盤としてのオープンモデルです。

このセッションでは、「オープンモデルは常にフロンティアより少し遅れるものだ」という立場に対して明らかな異論が出ていました。いまはたまたまそう見える時期かもしれないが、本質的にオープンとクローズドが別物というわけではない、とのことです。

一方で、エージェントが実行レイヤーに入ってくる以上、どこにデプロイされ、何が動いていて、どう止められるのかを自分で把握したい。API 依存だけではなく、レジリエンスやコントロール (コンプライアンスやガバナンス、信頼性) を持ちたい。ここはエンタープライズの現場感に近い話だと考えています。

さらに、専門化の土台としてオープンモデルが必要だ、というトピックもありました。ChatGPT や Claude 、 Gemini といった巨大なクローズドモデルは一般的なユースケースに非常に強い一方で、ヘルスケア、法務、防衛、製造業のようなセンシティブだttりミッションクリティカルな専門領域では、独自の知識や制約や IP をモデルに教えたくなります。そういう場合はオープンモデルをベースにした専門化の方が自然です。

つまりオープンモデルは、思想というより、制御、専門化、信頼性、研究促進のための基盤として位置付けられているわけです。ここは今回のセッションのなかでも大事なポイントだったと感じられます。

GTC 2026 キーノートの OpenClaw / NemoClaw と今回のセッションはどうリンクするか

前回のキーノート記事では、OpenClaw / NemoClaw がアピールされていたとお伝えしました。エージェントを単なる賢いチャットではなく、ポリシー、ネットワーク制御、プライバシー、実行基盤まで含めて企業で回すものとして見せ始めた、という話です。

今回のセッションを聞いてその考えはとても補強されました。キーノートで NVIDIA が見せたのは単なるデモや話題づくりではなく「これからの AI はこういうシステムとして作られていく」というひとつの方向性だったのだと思います。

  • なぜ OpenClaw のようなものが必要なのか
  • なぜモデル単体ではなくハーネスが重要なのか
  • なぜその土台としてオープンモデルがよいのか

この3点が非常にハッキリつながったように感じます。

なので、3本目の記事で感じた OpenClaw / NemoClaw の存在感は、NVIDIA だけの演出ではなかった、というのが今回の収穫です。GTC 2026 全体を通して AI はモデル競争だけではなく、エージェント・実行環境・オーケストレーション、そして信頼性を含むプラットフォームの競争に入っている。その流れがこのセッションでは強く言語化されているように感じました。

まとめ

今回のセッションをひとことでまとめるなら、AI = LLM ではなく、AI = システム だという話だったと思います。

しかもそのシステムは、単一モデルで完結するものではありません。オープンモデルが基盤を与え、ハーネスが役割やワークフローを束ね、その先に OpenClaw のようなエージェントが「手足があって働く存在」として立ち上がってくる。そんなビジョンとアーキテクチャがクリアに見えたセッションでした。

個人的にはタイトルにあるオープンモデルという言葉について、単体モデルの性能比較として読むよりもこれからの AI システムをどう組み立てるかという視点で読む方が全体の意味がつかみやすいと感じました。

特に GTC 2026 のキーノートで OpenClaw / NemoClaw が気になった方にとっては、「なぜいまそれが前に出てくるのか」を理解するために最適なセッションだったのではないでしょうか。あと、シンプルに豪華でおもしろかったです!

また、現地で見てきたその他の内容については、2026年3月27日(金)の 15:00 から 16:00 に開催予定のネットワールド Web セミナーでもご紹介する予定です。GTC の内容を効率よく追いたい方はぜひこちらもご覧ください。

form.networld.co.jp

あとがき

今日は最強暑かったです。日焼け止めを貸してくれて NVIDIA 最高です!

暑い、さすが NVIDIA

あと、謎のロボットが走り回ってました。地元っぽい女性のひとが"It's crazy!"と言っていて、爆笑してました。

謎のドローンや謎の二足歩行ロボットもいて未来すぎました




以上の内容はhttps://blogs.networld.co.jp/entry/2026/03/19/172731より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14