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NVIDIA GTC 2026 の前に見ておきたいポイントを整理してみるぞ

こんにちは、ネットワールドの海野です。

今年は NVIDIA GTC 2026 に現地で参加する予定なのですが、実は現地参加は今回が初めてです。NVIDIA GTC 2026 は、現地時間で 2026年3月16日(月)から 3月19日(木)まで、米国カリフォルニア州サンノゼで開催されます。

この画像は私がネットワールドに転職する直前にサンノゼを訪れた際に撮影した GTC 2013 当時の写真です。

ということで、現地で各セッションを見る前に、今年の GTC で特に見ておきたいポイントを、自分向けの予習も兼ねて整理してみます。あわせて、現地で話を追いかけるうえで押さえておきたいキーワードも、ざっくりまとめておこうと思います。

なお、現地で見てきた内容については、2026年3月27日(金)15:00 から 16:00 に開催予定のネットワールド Web セミナーでもご紹介する予定です。GTC の内容を効率よく追いたい方は、よろしければこちらもご覧ください。

https://form.networld.co.jp/seminar/nvidia/20260327

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今年の GTC 2026 は何が違いそうか

GTC の公式ページや NVIDIA Newsroom を見ていると、今年は単なる GPU の新製品発表会というよりも、AI スタック全体をどう見せるかにかなり重心が置かれているように見えます。NVIDIA 自身も、AI Factory、Agentic Systems、Physical AI、Open Models といった言葉をかなり前面に出しています。

個人的には、ひとつのモデルやひとつのチップの話というよりも、電力、ネットワーク、推論基盤、モデル、アプリケーションまでをひとまとまりで捉える視点が、これまで以上に強く出てきそうだと感じています。現地でも、個別製品名だけでなくその前後で使われるキーワードを意識して聞いておくと、全体像を追いやすそうです。

1. AI Factory は「学習」より「推論」が主役になりそう

ここ数年の流れを見ていても、AI インフラの関心は「いかに大きく学習するか」から「いかに効率よく推論を回すか」へかなり移ってきたように感じます。GTC 2026 の案内でも、AI Factory や Large-Scale Inference がかなり大きく扱われています。

この文脈で見ておきたいのは、単純なピーク性能だけではなく、推論時の効率、長文脈の扱い方、GPU 以外を含むシステム全体の設計です。会場で Tokens/Watt や Long-Context、KV Cache といった言葉が出てきたら、単なる流行語ではなくいまのインフラ設計の中心論点として聞いておくとよさそうです。

このあたりで押さえておきたいキーワード

  • AI Factory : 推論インフラを単体サーバーではなく、データセンター全体の設計として見るときの基本語になりそうです。
  • Inference : 学習よりも実利用時の処理をどう回すか、という話の中心にある言葉です。
  • Tokens/Watt : 推論効率を語るときの代表的な指標で、消費電力あたりにどれだけトークン生成できるかを見る考え方です。
  • Long-Context : 長い文脈をどこまで扱えるかという論点で、推論基盤の設計にもかなり効いてくる言葉です。
  • KV Cache : 長文脈を扱うときのメモリ効率やレイテンシを考えるうえで重要になる、LLM 推論の基本用語です。

2. Agentic Systems を支える基盤も存在感が強まりそう

最近は、AI が単に質問に答える存在ではなく、複数のツールを使いながらタスクを進める前提で語られることが増えてきました。GTC 2026 の事前案内でも、Open Models や Agentic Systems という言葉が明確に出てきています。

そうなると、重要なのはモデル単体の性能だけではありません。実際にどうやってツールを呼び出すのか、どこでガードレールを掛けるのか、どう監査するのか、といった実行基盤まで含めて見ないと全体像が見えません。現地ではアプリケーションの派手さだけではなく、裏側の Runtime や Orchestration の話も拾っておきたいところです。

このあたりで押さえておきたいキーワード

  • Agentic Systems : 生成 AI を単体で使うのではなく、タスク実行まで含めた仕組みとして捉えるための軸になる言葉です。
  • Tools / Tool Use : エージェントが外部ツールや API を呼び出して処理を進める前提を理解するうえで欠かせません。
  • Guardrails : エージェントの暴走や不適切な動作を抑えるための制御や制約の考え方です。
  • Runtime : エージェントを実際にどこで、どう動かすのかという実行基盤の話につながります。
  • Orchestration : 複数のモデルやツール、ステップをどう順序立てて回すのかという設計の話でよく出てきそうです。

3. NeMo ファミリーと周辺ソフトウェアの話も押さえておきたい

Agentic Systems の文脈で、今年は NeMo ファミリーの話も見逃せないと思っています。NVIDIA は現時点で、AI エージェントのライフサイクルを扱うソフトウェアスイートとして NeMo を前面に出していますし、2025年の GTC では Llama Nemotron の reasoning モデル群も発表されています。

Nemotron 側は Open Models としての位置付けがかなり明確で、Nano、Super、Ultra といったサイズ展開も含めて、いかに企業向けの Agentic Systems を組み立てるかという流れにきれいにつながっています。加えて NeMo がエージェントのライフサイクル側の話だとすると、Run:ai は AI Workloads や GPU Orchestration をどう回すかというインフラ運用側の話として見ておくと整理しやすそうです。

つまり、NeMo だけ見ていても片手落ちで、実際には「エージェントをどう作るか」と「その基盤をどう共有運用するか」の両方を見る必要があると考えています。一方で X を見ていると NemoClaw のような名前も見かけるのですが、公式ページで前面に出ているのは現時点では NeMo、Nemotron、NeMo Agent Toolkit、NVIDIA Run:ai あたりです。X でのウワサレベルですが、あと、本当だとすると名前の由来が Claude からの OpenClaw ということで、ちょっとおもろいなと思いました。もし本当に NemoClaw のような名前が出てくるとしても、そのあたりも含めて現地でどういう言葉が実際に使われるのかは気になっています。

このあたりで押さえておきたいキーワード

  • NeMo : NVIDIA が Agentic Systems のソフトウェア基盤として押し出しているブランド名で、学習、評価、運用まで広く関係してきます。
  • Nemotron : NVIDIA 系のモデル群を指す名前で、Open Models の流れを追ううえでも見ておきたいキーワードです。
  • Llama Nemotron : NVIDIA が reasoning を意識して展開しているモデル群で、企業向けの実装文脈でも出番が増えそうです。
  • NeMo Agent Toolkit : エージェントを作るためのツール群として、NeMo の中でも実装寄りの話を拾うときの重要語です。
  • NVIDIA Run:ai : AI Workloads と GPU Orchestration を扱う基盤で、NeMo のような上位ソフトウェアを現場で回すときの運用面につながります。
  • Open Models : Nemotron をどう位置付けるかを見るうえで、モデルの提供形態や使い方を考えるための軸になります。

4. 次世代ハードウェアは推論特化の流れがさらに進みそう

ハードウェアの話も、汎用 GPU をひたすら強くするだけではなく、推論の特性に合わせてどう最適化していくか、という方向がかなり強くなってきました。2026年1月の CES では Rubin プラットフォームが発表されており、Rubin GPU、BlueField-4 DPU、ConnectX-9、NVLink 6、Spectrum-6 まで含めた全体像がすでに示されています。

さらに、Rubin CPX のように Massive-Context Inference を意識した製品もすでに打ち出されていますので、GTC 2026 ではこの流れがロードマップの話に留まらず、より具体的なシステム像として見えてくるかもしれません。Jensen の基調講演では、単一の GPU 性能よりも、推論コストやコンテキスト処理の効率をどう説明するのかに注目しています。

このあたりで押さえておきたいキーワード

  • Rubin : NVIDIA の次世代 AI プラットフォームを理解するうえで中心になる名前です。
  • Rubin CPX : Massive-Context Inference 向けにどう差別化してくるのかを見るうえで注目したい製品名です。
  • BlueField-4 : 推論インフラを GPU だけでなく DPU を含めた全体で語るときの重要コンポーネントです。
  • NVLink 6 : GPU 間接続のスケーリングを考えるうえで避けて通れないキーワードです。
  • Inference Token Cost : 単純な理論性能ではなく、推論をどれだけ現実的なコストで回せるかという視点につながります。

5. Groq を主軸に推論プレイヤーの動きも見ておきたい

推論特化という観点では、NVIDIA の中の話だけを見ていても少しもったいない気がしています。最近の NVIDIA を見ていると、Groq がわかりやすく打ち出していた「低遅延推論を前面に出すシンプルさ」や「推論を体験として見せる感じ」を、自社のスタックの中にかなり取り込んでくるように思っています。各メディアにおいてもこの取引は「事実上の買収」と表現されていました。

一方で、OpenAI の GPT-5.3-Codex-Spark が Cerebras 上で Research Preview として動いている、という話も出てきました。これは単に「速いモデルがある」という話ではなく、低遅延推論そのものがプロダクト体験を変える、という話として見たほうがよさそうです。ちなみに私は Codex や Claude Code のようなエージェンティックな使い方大好きマンなので、 GPT-5.3-Codex-Spark は何に使うんだ…?という感じでしたが、ガチの開発者の方の場合ではペアプログラミング的なコードサジェストのほうがよい、というふうなお話も伺いました。

さらに、ネットワールドでも昨年から注力している Tenstorrent の取り扱いが始まっていますので、推論の視点から、こうした AI Accelerator がどう広がっていくのかという切り口でも見ておきたいと思っています。

GTC 自体は当然 NVIDIA のイベントですが、周辺プレイヤーの動きを頭に入れておくと、NVIDIA が何を守り、何を広げようとしているのかが逆に見えやすくなります。Groq を主軸にしつつ、Cerebras や Tenstorrent も比較軸として頭に置いておくと、NVIDIA の見せ方の変化も追いやすそうです。

このあたりで押さえておきたいキーワード

  • Groq : 推論特化のプレイヤーとして、低遅延推論を考えるときの比較軸になりそうです。最近 NVIDIA に事実上の買収をされているように解釈しています。
  • Compound : GroqCloud 上で使える Agentic AI System で、Server-Side Tool Use まで含めた形で提供されている点が特徴です。
  • Cerebras : Wafer-Scale Engine を軸に、高速推論の文脈で存在感を強めているプレイヤーです。
  • GPT-5.3-Codex-Spark : OpenAI と Cerebras の協業で出てきた Ultra-Fast Coding Model で、低遅延推論の価値を考えるうえで象徴的な名前です。
  • Tenstorrent : ネットワールドでも注力している AI Accelerator のベンダーで、推論基盤の広がりを見るうえでみなさまにもご注目いただきたいメーカーです。

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6. Physical AI はデータセンターの外でも広がりそう

AI の話はどうしてもデータセンターの中に寄りがちですが、ここ最近は Physical AI や robotics の存在感もかなり増してきました。GTC 2026 の案内でも Physical AI は主要テーマのひとつですし、年初には NVIDIA から Physical AI 向けの新しいモデルや基盤の話も出ています。

この領域は、単にロボットが動くというデモを見るだけではなく、Omniverse のようなシミュレーション基盤、Isaac 系のロボティクス基盤、Jetson のようなエッジ側の実装まで、どこまでひとつのストーリーとしてつながっているかが見どころになりそうです。現地でも、データセンターの中の AI だけではなく、現実世界に AI を持ち出すための基盤として見ておきたいと思っています。

このあたりで押さえておきたいキーワード

  • Physical AI : 現実世界で AI を動かすという全体テーマを表す言葉で、今年の GTC でも外せない軸になりそうです。
  • Robotics : ロボティクス文脈の話題を追ううえで最もわかりやすい入口のキーワードです。
  • Omniverse : シミュレーションやデジタルツインの基盤として、Physical AI と強く結び付いている名前です。
  • Isaac : NVIDIA のロボティクス基盤を指すブランドで、デモやセッションでも頻出しそうです。
  • Jetson : エッジ側で AI を実装する話につながるので、データセンター外の展開を見るうえでも重要です。新しいやつが欲しい。

7. GTC 2026 でも vGPU まわりの話は当然チェックするぞ

全体としては推論や AI エージェントが主役になりそうですが、EUC や仮想化の目線で見るとやはり vGPU まわりの動きも気になるところです。2025年の vGPU 18.x では Proxmox VE のサポートや Windows Server 2025 における GPU-P の話が出てきましたし、2026年3月現在では vGPU 19.x が Long-Term Support Branch、vGPU 18.x が Production Branch という位置付けになっています。

もちろん、GTC 全体の中で vGPU がどこまで大きく扱われるかはわかりませんが…(ブレイクアウトセッションもいまのところなさそうだし…)、我々のお客様の現場では GPU をいかに仮想化し、どう業務で活用するかということは相変わらず重要です。当然最新情報をキャッチアップし、みなさまにお届けするつもりです。

まとめ

現時点で見えている情報をざっくり整理すると、今年の GTC 2026 は「より大きな学習」そのものよりも、「推論」「Agentic Systems」「Physical AI」、そしてそれを支えるインフラ全体の話がより強く打ち出されるイベントになりそうです。

現地でセッションを追いかけるうえでも、個別製品名だけを追うより、AI Factory、Agentic Systems、NeMo、NVIDIA Run:ai、Groq、Cerebras、Physical AI、Rubin、vGPU といったキーワードを頭に入れておくと、全体のつながりが見えやすくなりそうです。もちろん、実際にどこまでが基調講演や各セッションで語られるのかは現地で見てみないとわからないところもありますので、そのあたりも含めてしっかり確認してこようと思います。

あとがき

この手のイベント前は、X を見ていると少し先走った話や、だいぶ景気のいい話もいろいろ流れてきます。実際、今回もそうした情報はかなり目に入ってきました。

ただ、調べてみると完全な与太話でもなさそうなものもありますし、逆に言葉だけ先行して中身はこれから見極めたいものもあります。初めての現地参加ということもありますので、そのあたりの温度感も含めて、しっかり空気を見てこようと思います。

また、現地で情報収集した内容は、2026年3月27日(金)15:00 から 16:00 に開催予定のネットワールド Web セミナーでもご紹介する予定です。GTC に参加できなかった方や、ポイントだけ効率よく押さえたい方はぜひこちらもご覧ください。弊社 久保が喜びます。

https://form.networld.co.jp/seminar/nvidia/20260327

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