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「需要リスク ⇔ 供給リスク」「ボトムアップ ⇔ トップダウン」でスタートアップを整理する

ハイグロース・スタートアップに限らない話ではありますが、新規事業全般はリスクとアプローチがそれぞれ少しずつ異なります。その類型を簡単に分類してみようという記事です。

結論としては、

  • アプローチ:トップダウン ⇔ ボトムアップ
  • リスク:需要 ⇔ 供給

の2つの軸で4象限を作り、自分たちの事業がだいたいどのあたりにいるのかを整理できるのではないか、という内容です。(上記のスライドは NotebookLM が出したものです)

① 需要リスクなのか供給リスクなのか

まずリスクですが、どういったリスクを取るのかについては事業ごとに異なります。

多くの場合、需要リスクと供給リスクのいずれか、もしくは両方について、他の企業ではなかなか取れないリスクを取るのがスタートアップです。

  • 需要リスクは、主に市場側のリスクで、本当に顧客がいるかどうか分からないリスクや、総需要(市場)が大きくなるかどうか分からないといったリスクです。
  • 供給リスクは、主に技術のリスクが中心となり、開発できるかどうか分からないことや、量産や拡大が十分にできるか分からないといったリスクとなります。

スタートアップの多くは、どちらかで「無茶」なリスクを取ります。その無茶がうまく成立すれば、大きく成長できる、というわけです。

② ボトムアップなのか、トップダウンなのか

まずアプローチですが、「ボトムアップ」か「トップダウン」の2つのアプローチに分かれます。

ボトムアップアプローチは、足下の機会から考え、そこから大きな機会に辿り着くという、「探索的・偶発的」なアプローチです。

トップダウンアプローチは、目指すべき地点や大きな機会から考え、そこから逆算して、足下の参入方法を考える、という「計画的」なアプローチです。

それぞれがきっぱりと分かれるわけではなく、途中途中でそれぞれの比重を変えながらやっていくことになるとは思いますが、大きな事業戦略としてどちらの色が強いかは分かれます。

なお、B2Cなどはボトムアップ向き、B2Bはトップダウン向き、といった相性などはあると思いますし、若者の起業家はボトムアップ向き、大人はトップダウン向き、といった違いもあるように思います。

 

ボトムアップの特徴

ボトムアップアプローチは、足下に大きな不確実性があるときは有効です。一方で自社の成長はその不確実性任せになります。

探索的なアプローチであるため、試行錯誤の回数が成否を分けることになります。リーンスタートアップなどの相性が良いですが、「目の前に最適化し続けていれば大きな機会に辿り着ける」という前提や条件がある場合のみ、急成長することにもなります。

技術的なボトムアップもあります。たとえば、「研究室の面白い技術を商用化する」というのはボトムアップアプローチです。

 

トップダウンの特徴

アプローチは目標値点を決めて、そこから逆算していくスタイルです。最初にどこから参入して、次にどの領域を攻めるのか、などをある程度事前に計画しておきます。

コンパウンドスタートアップなどはどちらかというとトップダウンのように見えます(ボトムアップから入ってトップダウンに直した、ということもあるかもしれませんが)。

研究室の技術を使うとしても、「特定の事業を作るために、研究室の技術を使う」という場合はトップダウンアプローチでしょう。

トップダウンアプローチは、計画的であるがゆえに既存企業が得意とする資源ゲームになりがちですし、勝ち筋を深く考える必要があります。スタートアップらしく、不確実性を前向きに生かしていく、というのもその時々では重要となるでしょう。

たとえば、技術のトップダウンアプローチの場合、まだ実現されていない技術の理論的限界値を計算した上で、その技術開発に成功すれば大勝ちできる、といった方法があります。

 

まとめ

以上、それぞれの象限の事業では、考えることや最適な資金計画も異なるため、どういったアプローチやリスクを取ろうとしているかによって、考え方を変えるべきだろうと思います。

 

また1つの事業であっても、「今の事業がどの象限にいるのか」は時間とともに変わっていくのだろうと思います。PMF前はボトムアップや需要リスクが大きいかもしれませんが、PMF以降はトップダウンや供給リスクが大きくなるかもしれません。

もし時間があれば、今の自分たちの事業がどの象限のどのあたりにいるかについて、一度考えてみていただいても良いと思います。

なお、これまでの多くのIT系スタートアップは、プラットフォームの大きな変化を背景に「ボトムアップ」かつ「需要リスク」を中心としたアプローチだったと思います。

それは確かに2010年代の一部の領域で機能していたものの、プラットフォームの変化が一段落した今はなかなかそうしたアプローチでの「急成長」が難しくなっていると感じています。さらに日本でボトムアップアプローチをしてしまうと、大きな市場を持つアメリカと違い、アップサイドの限界があることもある程度見えてきたように思います。

そうした背景から、ハイグロース・スタートアップのエコシステム全体でも、現在の事業や環境にあったアプローチやリスクの取り方を改めて考えて行く必要があるのだろうと考えています。

 




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