
2024年2月16日
いよいよ手術当日。
開始予定時間の少し前から病室で横になり、点滴を打ちはじめる。
前の手術が押しているようで、なかなか呼ばれない。
私の手術は、その日の最後だった。
看護師さんが呼びに来た。点滴が生理食塩水から安静剤に切り替えられる。
いよいよだ。
「いってきます」
ベッドに横たわったまま、家族に言い残して手術室へ向かう。コンタクトもメガネも外しているから、景色はほとんど見えない。だが、顔上を流れていく廊下の天井を見て思った。
(裸眼でこの景色が見れるのは、これが最後かもしれないな)
覚悟を決めていてもやっぱり怖いものは怖い。
そんな感傷も束の間、私は前日の夜にドクターから聞いた言葉を思い出して身震いしていた。
「この手術は部分麻酔です。術中は意識があります。麻酔注射は目頭から打ち込むのですが、、、はっきり申し上げると、かなり痛いです。」
「 また手術を確実に行うために、眼球を動かす4つの筋肉に糸をひっかけて強制的に動かします。この動作が、麻酔が効いていても、これまたかなり痛いです。」
意識がある中で、痛みと戦いながら、目を切られる。
もはや想像の域を超えすぎていて、恐怖よりもむしろワクワク感のほうが勝っていた。
あのとき震えていたのは、武者震いだったのか。
そうこうしているうちに、眼の前に見える景色が、薄暗いベージュから明るい照明に変わった。
どうやら手術室についたらしい。
中にはドクターと助手の皆さんが待っていた。
(続く)