こんにちは!IDCF運用システム部の飛田です。
エンジニアの皆さん、日々の業務の中で「やりたい開発はあるのに、ライブラリのバージョンアップや脆弱性対応に追われて時間が取れない…」と感じることはありませんか?
あるいは機能開発に追われ、やらなければならないバージョンアップが後回しになっていたりしないでしょうか?
特に、フレームワークのメジャーアップデートや、EOLに伴う対応作業は、影響範囲が広く、地道な修正とテストの繰り返しになりがちです。
今回は、VS CodeのCopilotエージェントモードを活用して、こうした「守りのタスク」をAIに丸投げ…もとい、強力にバックアップしてもらった事例をご紹介します!
はじめに:なぜバージョンアップは「重い」のか
プロダクトを健全に保つためには、依存ライブラリの更新は避けて通れません。しかし、いざ着手すると以下のような「沼」にハマることがあります。
- 破壊的変更への対応: Aを直したらBが壊れた
- 依存関係の連鎖: フレームワークを上げたら、周辺ライブラリも一斉に上げなければならなくなった
- 環境構築の壁: バージョンを変えた途端にビルドが通らなくなり、エラーログと格闘する時間が続く
これらは必要な作業ではありますが、機能開発に比べると顧客に届ける価値の向上に繋がり難く、腰が重くなってしまうこともあるかと思います。
ここをAIで効率化できないか?というのが今回の試みです。
今回のターゲット
社内で利用してる運用アプリのフロントエンド環境を対象に、以下のアップデートを実施しました。
- webpack: 4 → 5
- vue-cli: 4.5 → 5
- uiフレームワーク: 1.3.5 → 1.10.3
Copilotエージェントモードとは?
今回活用したのは、VS CodeのCopilot Chatから利用できる「エージェントモード」です。

単にコードを生成するだけでなく、「エージェントが自らターミナルでコマンドを実行し、その実行結果(エラー内容)を見て次の修正を行う」という自律的な動きが可能です。
実践!AIエージェントへの指示(プロンプト)
エージェントには、以下のような指示を出しました。
このリポジトリ ~/hoge で MySQL版 docker compose ファイルを使って環境を起動し、フロントエンドのエラーを解消するようwebpackパッケージの5系への更新を実施してください。 エラーが解消するまで起動と修正を繰り返してください。手順は以下です: (1) 作業ディレクトリを /home/tobita/hoge にして開始 (2) 環境起動: docker compose up -d (3) フロントエンドログ確認: docker compose logs hoge-frontend (4) フロントエンドのエラーログを確認し、問題が解消する様にパッケージ更新。問題がなければパッケージのアップデートを実施 パッケージの更新は1つずつ実行してください パッケージのバージョンは最低限の更新に留めてください パッケージ更新コマンドはフロントエンドのコンテナ内で実行してください ファイルの修正は frontend/package.jsonと frontend/yarn.lock のみ行ってください (5) エラーが出なくなるまで(2)~(4)を繰り返す
実際の動き
- 解析: エージェントが package.json を読み、更新が必要なパッケージを特定
- 実行: ターミナルで yarn install や yarn build を実行
- デバッグ: ビルドエラーが出ると、そのスタックトレースを読み取り、「webpack 5ではこの設定項目の書き方が変わっていますね」と判断して必要な修正を実施
- 検証: 再度ビルド
これを人間が見守る中で自動的に繰り返してくれます。
実際の様子

やってみて分かった「成功の秘訣」
実際に触ってみて、AIエージェントを使いこなすためのポイントが見えてきました。
「スモールステップ」で指示を出す
一度に「全部最新にして!」と言うのではなく、「まずはこのライブラリだけ」「次はビルドが通るまで」と、ゴールを細分化して伝えると精度が劇的に上がります。
明確な「完了定義」を与える
「ビルドが成功すること」「テストが全てパスすること」など、AIが自分で「終わった」と判断できる基準をプロンプトに含めるのがコツです。
人間は「承認」に専念する
エージェントモードではコマンド実行前に人間の承認を挟むことができます。セキュリティや破壊的操作を防ぐためにも、実行されるコマンドの内容はしっかり確認しましょう。
結論:AIに「作業」を任せ、人間は「価値」を作る
今回の検証を通じて、webpackやvue-cliのメジャーアップデートという骨の折れる作業を、驚くほどスムーズに完了させることができました。
体感になりますが、全て自力で対応した場合に比べて3~4割程度は早く終われたように感じます!
「誰がやってもだいたい同じ結果になる、しかし大変な作業」こそ、AIエージェントが最も輝く場所です。
EOL対応や脆弱性対応をAIに任せられるようになれば、私たちエンジニアは「プロダクトをどう良くするか」「ユーザーにどんな体験を届けるか」という、よりクリエイティブな課題に時間と脳のリソースを割けるようになります。
皆さんもぜひ、Copilotエージェントを「頼れる後輩」として開発チームに迎え入れてみてはいかがでしょうか?
おわりに
IDCフロンティアでは、最新のAIツールを積極的に取り入れ、開発プロセスの改善に取り組んでいます。
AIとの共生に興味がある方、ぜひ一緒に語り合いましょう!