ハマダイコンのサヤが食べられるらしい
川原などに生えている野生の大根、ハマダイコンの葉や根を何度か食べたことがあるのだが、野草マニアに言わせると、春にできる「サヤ」こそ食べるべきなのだとか。
サヤっていうのは種が入る部分のこと。サヤなんて食べられるのかいなと思ったが、エンドウマメもインゲンマメも、そういえばサヤを食べる野菜だよなと気が付いて、さっそく案内をしていただくことにした。
観察会を開いてもらった
ということで、お願いした案内人は365日野草生活ののんさん。
『ラーメンに合う野草を探す』と銘打たれて、4月22日に参加者多数で開催されたのでした。

多摩川の某所に集合し、さっそくハマダイコンのサヤを収穫。
まだ花も残っていて、サヤの成長もてんでばらばら。生で食べても大丈夫ということなので、どれくらいが食べ頃なのか、実際に口に運んで確かめてみる。

十字の花弁はアブラナ科の証拠だそうです。へー。



一番食べごたえがありそうな、種の育ってきたのを食べてみましょうか。

うおおー!
すっごい大根の味がする!
味が強い!辛い苦い!こりゃ大根おろしの固形物だ!それも先っぽ側の辛い方!
すごいな、サヤ。大根よりも大根の味がするよ。
そして大きいのは筋がきついので、まだ膨らんでないくらいのが食べ頃なのかな。
サラダにするなら、花がいいかもね。

下のサヤから成長しているのがよくわかる。



スーツを着たまま駆けつけたみやけんさん。

ここまで育つと、かっこいいけどサヤが固くて食えたもんじゃない。
でも茹でたら食えるかしら。

せっかくなので、いろいろとっていきましょうか。



ハマダイコンだけど、この時期の根っこは硬くて食べられないな。ゴボウ以上、木の根未満という感じ。

こうみえて芋虫とか苦手なので、ギャーと乙女な声を上げてしまった。

この黄色い花は同じくアブラナ科のカラシナ。これは葉っぱが茎から離れるように出てくるけど、菜の花は葉っぱが茎を抱くように育つそうです。
さてマスタードができるサヤはどんな味ですかね。

これがカラシナのサヤ。ぜんぜん膨らまないのね。食べても筋っぽい感じで、食用という雰囲気じゃない。やっぱりカラシナは新芽を食べるか、種を食べるかだな。

擬態を発見してキャー!

いろんな植物を教えてもらう
のんさんの野草観察会は、もちろんハマダイコンの観察だけではない。
歩き慣れた多摩川だけに、この時期ならどこにどんな草木が生えているのかを把握してるので、その辺を一周するだけですごい情報量のレクチャーをわかりやすくしてくれる。
見たことのある草木も多いが、ほとんどは名前を知らず、ただ草木と認識していたもの。その名前を知ることで、グッと世界は広がっていく。

これは皆さんご存知のクワ。まだ実は小さかった。

クワの葉もお茶にしたり有効活用できるそうです。

エノキは葉っぱの主脈を軸として微妙に左右非対称だそうです。秋になれば実が食べられるとか。身近過ぎて知らなかったよ。

桜の葉っぱは、こんな感じで付け根にポツポツがあるとか。

群生するイタドリ。
白土三平さんの本で読んだ、茎の中で育つというイタドリムシを食べたいな。


オオイヌノフグリ。よく犬のキンタマだといわれるけど、オオイヌノフグリはキンタマっぽくなく、イヌノフグリという草こそが犬のキンタマだそうです。
見てみたい、イヌノフグリ。

ぞろぞろ。なんだこの団体は。

シャクチリソバ。ソバだけど実は食べられず、若葉が食べられるのだとか。実が食べられるならソバにしてみたかった。


根っこが葛粉になることで有名なクズ。新芽が食べられるそうです。天麩羅にしてみようかな。

ヤブカンゾウ。食べるには育ちすぎているけれど、逆にもう少し育つとつぼみを食べるという楽しみがあるとか。今度また来よう。

クコ。実は薬膳料理でよく出てくる赤いやつ。葉っぱも食べられるそうです。こう見えてナスの仲間。

外来種のヘラオオバコ。オオバコが人などについて種を飛ばすのに対して、これは風で飛ぶタイプで、現在絶賛拡散中。ムーミンのニョロニョロみたいだ。

きもい。

よくみかけるこいつはアカメガシワというそうです。カシワの仲間ではない。若い葉っぱは食べられるそうです。イモみたいな味だとか。赤いのは星状毛が密生しているからで、擦るととれる。


そして衝撃のキョウチクトウ。インド原産。公害などに強いため、なんやかんやあって全国の公園などに植樹されているけれど、これが強烈な毒草で、バーベキューの串にしたり、箸として使っただけでも中毒をおこすとか。そんなものを公園に植えちゃいかんだろとようやく気が付いたけれど、処分するにも燃やした灰や煙が危険物、腐葉土もまた毒という厄介者だとか。多摩川のやつも中途半端な感じで枝が切られていた。なかなか難しいですね。

そんな話を聞きながら、へーっと無意識でキョウチクトウの葉っぱを指で摘んでいたら、のんさんから真剣な表情での教育的指導をいただいた。口に入れちゃダメなのはもちろん、触わるのもダメ。なぜならその手で目とかをいじったら、大変なことになるんだよと教わりました。ありがたや、ありがたや。
その辺の植え込みとかにも普通に生えている木なので、食べたり、触ったり、男・岩鬼(ドカベンネタ)のマネをして咥えたりしないように気をつけましょう。

カラスムギ。こいつからオートミールができるそうです。がんばって粉にしたら麺ができるかしらね。大変そうだなー。

ヨコヅナサシガメ。どすこい。大陸からの帰化昆虫で、人間も刺されるらしいぞ。

クローバー(シロツメグサ)に寄生しているヤセウツボ。これもまた外来種で、多摩川の植物はその9割が外来種(国内移入種含む)だとか。ひえー。
ヤセウツボ、負けるな一茶、ここにあり。違うな。


ハマダイコンを食べてみよう
はい、ようやく食べる話です。
採ってきたハマダイコンのサヤをよく洗い、付け根部分の茎をチマチマととる。
うわ、めんどくせええ。

これをバーッと全部茹でる。

ラーメンの具を探そうという会だったような気もするけれど、製麺するのも大変なので(己の趣味の否定)、とりあえずマヨネーズで食べましょうか。

すっごい大根の味。大根よりも大根。やっぱりおもしろいなー。茹でたやつをポテトサラダとかに入れるとアクセントになっていいかもね。
こうして茹でてみても、やっぱり食べ頃は膨らむ前の細いサヤですね。
サヤが膨れるまで育つと、エンドウマメなんかと同じで、茹でても筋が固くて美味しくない。
でも育ちきってしまうと、サヤの中の豆が美味しいので、グリンピースみたいに利用できるかも。ちょっと小さすぎるかな。

葛の新芽はそのまま天麩羅にしてみた。

デンプン質の甘みがあっておいしいんだけど、剛毛が喉に引っかかって厳しいっす。ケガニを殻ごと食べるくらい無理があった。
よくよく聞いたら、食べるときは皮を剥いてから料理しないとダメなんだって。だよねー。野草を美味しく食べるって大変だよねー。

ということで、いろいろな発見のある観察会でした。
ハマダイコンのサヤ、おもしろい味なので、また来年も食べようと思います。
講師ののんさん、ありがとうございました。
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