
- 1. そもそも「リフト」と「シフト」とは? ~老舗旅館の引越しに学ぶ~
- 2. 「とりあえずリフト」の後に待つ3つの落とし穴
- 3. 株式会社シー・エス・エスのコンサルティングは何が違うのか?
- 5. まとめ:50年の信頼を、貴社の新たな武器に
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こんにちは!デジタル・マーケティング部の山内です。
製造業の経営者様、あるいは情報システム部門を統括される皆様。
工場の生産管理システムや、全社の基幹システムの「クラウド移行」を検討される中で、このような言葉を耳にすることはないでしょうか?
「サーバーの保守期限(EOS)が迫っているから、とりあえずAWSに移しておこう」
「まずはクラウド化して、それからDXを進めよう」
これは、多くの企業様が最初に直面する選択肢であり、決して間違いではありません。しかし、この「とりあえず」という判断の裏側には、移行プロジェクトが完了した後に初めて顕在化し、経営を圧迫しかねない「巨大な落とし穴」が潜んでいます。
本記事では、年商50億~2,000億円規模の製造業のお客様に向けて、クラウド移行における「リフト&シフト」の真実と、創業50年を迎える私たち株式会社シー・エス・エスが提案する、移行後の運用まで見据えた「失敗しない移行戦略」について解説します。
1. そもそも「リフト」と「シフト」とは? ~老舗旅館の引越しに学ぶ~
専門的なIT用語を使わずに、「老舗旅館の引越し」に例えてご説明しましょう。
長年使い込んだ、趣はあるが設備の古い木造旅館(オンプレミス)から、最新鋭の高層ビル(クラウド)へ移転するプロジェクトを想像してください。
移行には、大きく分けて2つのアプローチがあります。
・リフト(Lift)
「とりあえず引越し」です。木造旅館で使っていた重厚な座卓、大きな屏風、紙の宿帳などを、そのまま高層ビルのフロアに運び込みます。
配置も変えません。ビルの最新設備(カードキーや自動空調)があっても、使い方が分からないので、相変わらず手書きの宿帳を使い、重い鍵をお客様に渡します。場所は最新ビルになりましたが、中身は「昔のまま」です。
・シフト(Shift)
「リニューアルオープン」です。高層ビルの間取りや設備に合わせて、運営スタイルを根本から見直します。
重い座卓は運び込まず、ビルの内装に合った機能的な家具を新調します。手書きの宿帳はやめて、タブレットでのチェックインを導入します。ビルの最新設備をフル活用し、少人数でも快適なサービスを提供できるように「作り変える」のです。
多くの企業様は、「まずはリフト(引越し)を済ませて、落ち着いてからシフト(模様替え)しよう」と考えます。
「とりあえず荷物を運んでしまえば、後はどうにかなるだろう」と。
しかし、クラウドの世界において、この「後はどうにかなる」は通用しません。むしろ、「とりあえずリフト」を選択した瞬間から、じわじわと真綿で首を絞められるような問題が発生し始めるのです。

2. 「とりあえずリフト」の後に待つ3つの落とし穴
「リフト」だけを行って安心してしまうと、運用開始から数ヶ月後に「こんなはずではなかった」という悲鳴が上がることになります。具体的にどのような事態が待ち受けているのか、3つの落とし穴を見ていきましょう。
① コストの落とし穴:請求書を見て青ざめる「従量課金」の罠
最も多いトラブルがコストです。「クラウドにすればハードウェア管理費がなくなるから安くなる」と思っていませんか?
クラウドは電気代と同じ「従量課金制」です。使った分だけ請求されます。
オンプレミスのサーバーは、製造業で言えば「自社発電所」のようなもので、一度建ててしまえば、どれだけ電気を使っても追加料金はかかりません。そのため、従来のシステムは「ピーク時(月末処理など)に合わせて最大パワーで動かす」ように設計されています。
これをそのままクラウドに「リフト」するとどうなるか。
誰も使っていない深夜や休日であっても、最大出力の巨大なサーバーが高額な料金メーターを回し続けることになります。クラウドならではの「使わないときは自動で電源を切る(オートスケーリング)」という機能を使えるように改修していないためです。
結果として、「期待したほどコストが下がらない」どころか、「以前の維持費の1.5倍、2倍の請求が来た」という事態に陥ります。これは決して珍しい話ではありません。
② 運用の落とし穴:「クラウド=全自動」という危険な誤解
「クラウドに移せば、運用は全部Amazon(AWS)がやってくれるんでしょう?」
これもよくある誤解です。
クラウド事業者が保証してくれるのは、あくまで「場所」と「インフラ(電源やネットワーク)」の安全までです。その上で動くOS(Windowsなど)や、皆様の業務アプリケーションの面倒までは見てくれません。これを「責任共有モデル」と呼びます。
「リフト」しただけのシステムは、中身が古いままです。
OSのセキュリティパッチ当て、バックアップの確認、ウイルス対策ソフトの更新……これら情シス部門を悩ませてきた「泥臭い作業」は、クラウドに行ってもそのまま残ります。
むしろ、クラウドという慣れない環境になった分、設定ミスによる情報漏洩リスクなどは高まります。「楽になる」と思って移行したのに、情シス担当者は「慣れないクラウドの管理」と「減らない運用作業」の板挟みになり、以前より疲弊してしまうのです。
③ DX停滞の落とし穴:データはクラウドにあるが、誰も使えない
最大の落とし穴は、ビジネスの成長機会を失うことです。
「クラウド化したから、これで工場のデータをAI分析できるぞ」と意気込んでも、「リフト」しただけでは何もできません。
なぜなら、データが「古いタンス」に入ったまま運ばれてきただけだからです。
各工場の生産データはバラバラの形式で保存され、連携されていない。データベースの構造も古く、最新のAIツールでは読み込めない。
結局、担当者がクラウド上のサーバーからCSVデータをダウンロードし、Excelで手作業で加工してメールで送る……という「昭和のアナログ業務」が残ります。
これでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の入り口に立っただけで、中に入れない状態です。多額の費用をかけて引越しをしたのに、得られたのは「場所が変わった」という事実だけ。これでは、経営判断として成功とは言えません。
3. 株式会社シー・エス・エスのコンサルティングは何が違うのか?
では、どうすればこの落とし穴を回避できるのでしょうか。
私たち株式会社シー・エス・エスは、単に「AWSへの移行作業」を代行するだけのベンダーではありません。
私たちは1976年の創業以来、約半世紀にわたり、「絶対に止まってはいけない」金融・証券業界の基幹システムを支え続けてきました。国内有数の大手証券会社様や大手金融グループ様のプライム(元請け)パートナーとして、システム開発の最上流工程から深く関わってきた実績があります。
クラウド移行において最も重要なのは、技術選定ではなく「何のために移行するのか」という目的の定義です。
株式会社シー・エス・エスは、証券システム開発で培った強力な要件定義力に定評があります。「現行通り」に移すのではなく、「あるべき姿」を描き出し、最初からデータ活用やコスト最適化を見据えた「シフト(最適化)」へのロードマップを策定します。
技術ありきではなく、お客様のビジネスゴールから逆算できる点が、私たちの最大の強みです。
4. 自社SaaS「Qube」開発で培う、実践的な技術力
私たちが提案する「クラウド活用」や「AI導入」は、机上の空論ではありません。
シー・エス・エスでは、BtoBコミュニケーションプラットフォーム「Qube(キューブ)」を自社で開発・運営しています。
Qubeはクラウドネイティブな環境で構築されており、現在も最新の生成AIを活用した機能の実装などを進めています。
自社製品として実際にクラウドサービスを運用し、日々機能改善を行っているからこそ、「運用フェーズで何が起きるか」「どこでコストが膨らむか」を熟知しています。教科書的な知識ではなく、自社の痛みと成功体験に基づいた「生きたノウハウ」を、お客様のシステムに還元します。

5. まとめ:50年の信頼を、貴社の新たな武器に
「とりあえずクラウドへ」という号令で動き出したものの、具体的な道筋が見えず不安を感じているプロジェクトはありませんか?
株式会社シー・エス・エスは、まもなく創業50年を迎える歴史あるIT企業でありながら、クラウドやAI活用を経営トップ主導で推進する「変革企業」でもあります。
金融業界で長年培ってきた「約束を守る力(プロジェクト完遂力)」と、自社プロダクト開発で磨き続ける「最新技術の実践力」。この両輪で、貴社のクラウド移行を単なる「サーバーの引越し」で終わらせず、次の成長を生み出す「投資」へと変えるお手伝いをいたします。
まずは、現状のシステム課題や、将来実現したい姿についてお聞かせください。上流工程に精通した私たちのコンサルタントが、貴社の言葉で対話させていただきます。
クラウド移行、AI活用による業務改革、基幹システム刷新に関するご相談は、お気軽にシー・エス・エスまでお問い合わせください。
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この記事を書いた人

名前:山内 恵美
経歴:転職でシー・エス・エスに入社の2年目。SE6年、マーケティングは1年目。
趣味:カフェに行くこと、ドラマを見ること、散歩
マイブームは、本の音読です(笑)