大河ドラマ「光る君へ」が最終回を迎えた。本当に毎週毎週、日曜日は8時にテレビの前に座ってリアルタイムで視聴。感想や解説をネットで読んで1週間を過ごし、そしてまた日曜日を楽しみに待つという、久しぶりに「テレビ」を楽しんだ1年だった。
そんな中でぼくの選ぶ個人的名シーンをまとめておきたい。誰に伝えたいわけでもないが、とにかく自分が勝手に名シーンをまとめたい。いいから黙って聞いておくれ。
第3位「詮子の懇願」
道兼が倒れ、後継を弟の道長か、道隆の子の伊周にするかのシーン。吉田羊が「母を捨てて后をとるというのですか?」「お上!どうか、どうか……」と涙ながらに懇願するシーン。ここの吉田羊の迫力はすごかった! 歴史の分岐点としても、ここで後継が道長になるか、伊周になるかで大きく変わっていたと考えると、この母・詮子の懇願が日本の行く末を大きく変えたとも言える場面だったはず。吉田羊の演技が本当に鬼気迫るもので、序盤の名場面としてとても見応えのある場面でした。
第2位「彰子の告白」
口数が少なく、何も喋れなかった彰子様が一条天皇に告白するシーン! ファンミーティングでも取り上げられてたけど、やっぱりこのシーンは良すぎた!! まひろから「お心の内を帝にお伝えなされませ」と言われ、振り絞るように、そして力強く発した「お慕いしております!」の声。表情といい、言い方といい、まじで最高オブ最高の演技だった!
源氏物語の中の若紫を自分に重ねる彰子様。「光る君の妻になるのがよい。なれぬであろうか。藤式部、なれるようにしておくれ」と作者にお願いするのも可愛すぎた。
第1位「枕草子誕生」
「いや、そっちかーい!」ってなるかもしれないけど。紫式部が主人公の物語なのに、ぼくが1番感動してしまったのは清少納言が枕草子を生み出すシーンだった。
父が死に、兄の伊周が権力争いから脱落し、子を産めない自分は出家して全てを失った中宮定子様。生きる気力を失っていた彼女のもとに差し入れられた一枚の紙に書かれていたのが、かの有名な「春はあけぼの」で始まるあの文章。ぼくが中学生のときに覚えさせられたあの意味もよくわかってなかったあの文章が、あんなにも美しくも儚い文章だったとは!
暗く、静かな廊下に1人映し出されるファーストサマーウイカの清少納言。そこにナレーションで挟まれるのがこの台詞。
もう、今この文章を書いただけでもちょっと泣けてくる。それほどまでに美しい台詞。枕草子は知っていたけど、まさかこんなカタチで物語に登場するとは思わなかった。絶望の暗い闇の中に、まさに差し込む一筋の光のように差し出された文。中宮がこれを読んで、なんとか生きる希望にしていった様子は本当に美しかった。
「文章が主役」と語られる今作品の中で、「源氏物語」と対を成すもう一つの作品「枕草子」。ただ広く読まれただけでなく、その文章が実際に1人の人間を救い、助ける光となったのは、「文章の力」をこれでもかと感じさせて、溢れ出る涙を止めることはできなかった。
番外編「もう、衛門の好きにしていいわ」
感動とはまた別だけど、この黒木華の演技も最高オブ最高だった。もう今作品の黒木華は裏ヒロインと呼べるくらいの活躍だったし、ラストの「まひろVS倫子」の吉高由里子と黒木華は、演技力と演技力のぶつかりあいというか、表情だけで会話してるというか、もうめちゃくちゃとんでもない演技の個人技を見せつけられた。中でもこの赤染衛門に向けた「好きにしていいわ」の抜けた表情が絶妙で、素晴らしすぎた。もともと黒木華好きだけど、倫子様役が黒木華で本当に良かった。
というわけで、好き勝手に名シーンを並べさせてもらった。もう満足です。今作品がぼくにぶっ刺さったのは、「文章の力」をテーマにしているからかもしれない。こうやってブログに拙い文章を書くのが好きなぼくだけど、今作品で様々な形で「文章」が人間を、世界を、歴史を変えていくところが見れて、なんか信じていたものの強さを見せてくれたような気持ちになった。本当に素晴らしい作品に出会えて良かった。