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2024年に読んで良かった小説

今週のお題「読んでよかった・書いてよかった2024」

 

今年は、1年間で読んだ小説や観た映画を記録してみたんだ。一応そこに点数をつけておいたのだけれど、人生でベスト級に心に残った作品が2作ある。

 

 

1作目は司馬遼太郎の「新史太閤記」。豊臣秀吉の一生を綴った作品だ。もともとは三谷幸喜の「清須会議」が面白すぎて豊臣秀吉に興味を持ち、この本にたどり着いた。

もちろん司馬遼太郎の脚色があることは理解するが、やはり豊臣秀吉の人柄や武将としての戦い方が心底かっこいい。

「かならず勝つ、という態勢ができてからはじめて戦さをする。戦さは、それをはじめる前にすでに勝っていなければならぬ」

こんな台詞が作中にあるが、この作品で描かれる彼の戦いはまさに上のとおり。その戦い方が痛快で、それでいてこの思想は現代の社会人にも通用する考え方でもあると感じ、とても共感した。

司馬遼太郎の文章もとても読みやすく、人物の描き方も魅力がある。これからも人生をとおして何度も読み返したい作品だった。

 

 

 

もう1作品は津村記久子の「ディス・イズ・ザ・デイ」。これはJリーグを舞台としたサッカー小説である。週末、各地で行われるJリーグ。そのスタジアムに通う様々な「ファン」の姿を描いた短編集である。

この作品が面白いのは、Jリーグを舞台とした小説にもかかわらず、サッカーの描写が殆ど出てこないことだ。描かれるのはピッチの中で起こるサッカーではなく、それを観ている観客の姿。青森から東京に出てきた若者や、家族で別々のチームを応援するようになった親子、そしてあるベテラン選手に自分を重ねる中年男性。Jリーグのスタジアムには場所にはよれど数万人のお客さんが入場するが、その一人ひとりに普段抱えた日常があり、そしてドラマがあるということを思い出させてくれる。

ひとつのゴールが、ある人には歓喜のゴールかもしれないし、ある人には絶望の失点かもしれない。そこに自分の人生を重ねる人もいれば、それが生まれて初めて観た試合の人もいるかもしれない。そこにいる数万人はみんな同じものを観ていても、それによって受けとる感情は人それぞれであり、そこには数万通りのドラマがあるということだ。

ぼくもJリーグが好きで、年に数回はスタジアムで実際に観戦に行っているが、単にサッカーを観る以上のなにかがそこにはある。それは思っている以上に「自分ごと」であるし、「結局応援しているチームが勝とうが負けようが自分には関係ない」ことを何よりも理解しながら、それでもやっぱり勝ち負けに関わらずいろんなものを受け取って、そして受け取った感情そのものは何よりも自分だけのものだったりする。今まで意識したことがなかったけれども、そんな見えない感情に移入してめちゃくちゃ心を揺さぶられてしまった。

 

この2作はたぶんこの先何度か読み返す作品になると思うし、ぼくを表す小説10作を選ぶとしたら絶対に入れたい作品になった。




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