LETSHUOER Astralis

こんにちは。年度末シーズンから新年度シーズンにかけてひたすら出張しまくっている今日この頃ですが(汗)、そんななかでも書きかけレビューは快調にたまっております。これがまた良い製品が多く悩ましい。。。というわけで、今回は 「LETSHUOER Astralis」です。積極的なマーケティングもあって界隈でもすっかりお馴染みとなったLETSHUOERですが、製品はブレずにブラッシュアップを続けているのが好感できます。今回は同社の代名詞ともいえる平面駆動タイプの新機軸、15.5mm環状平面駆動型ドライバー搭載となった新モデルです。

■ 製品概要と購入方法について

「LETSHUOER」は2016年に創業したユニバーサルIEM/カスタムIEMのファクトリーブランドで、中国国内ではカスタムIEMビジネスのほか話題のモデルを数多くリリースしています。平面駆動ドライバーを搭載した「S12」で一躍人気ブランドとなり、すっかり定番イヤホンのひとつとなりました。また同社のユニバーサルモデルではマルチドライバー構成のミドル~ハイグレード製品も多く、自社製品および同社ODMと言われている各製品も含め手堅い音作りは定評があります。
→ 過去記事(一覧): LETSHUOER製品のレビュー

今回の「LETSHUOER Astralis」は独自の15.5mm 第5世代独自開発環状平面駆動ドライバーを搭載したモデルです。従来の14mm級平面ドライバーよりさらに大口径で、かつ従来の角形ではなく円形の平面振動板を採用した新世代モデルです。

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LETSHUOER Astralis」には、LETSHUOERによる第5世代の独自開発ドライバーである「15.5mm 環状平面駆動型ドライバー」を搭載。平面駆動型ドライバーの構造を全面的に再構築し、従来の正方形タイプの平面振動板を円形に置き換えることで、音響特性を最適化。低域の拡張性と瞬時レスポンスが向上し、没入感あふれる豊かな音の層を体感できるリスニング体験を実現しています。
またドライバーのボイスコイル回路には直接はんだ付け構造を採用。インピーダンスを効果的に最小化し、直接的で高効率な信号伝送を実現。音響性能が向上に加え、部品寿命も大幅に延長され、根本的な性能を高めます。
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また「LETSHUOER Astralis」のシェルにはCNC加工されたアルミニウム合金製筐体を採用。フェイスプレートには青色の星がアクセントとして施され、環状平面駆動型ドライバーの集中したエネルギーを象徴しています。シェルデザインは力強い金属質感と優雅なラインを融合しています。

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ケーブルは216芯 高純度銀メッキ銅ケーブルを付属。0.78mm 2pinコネクタ仕様で、3.5mmと4.4mmの交換式プラグが標準装備。また「DT01 Pro」3.5mm to Type-C DACアンプケーブルが付属します。

LETSHUOER Astralis」の価格は189ドル、日本国内では33,000円で販売されています。
Amazon.co.jp: LETSHUOER Astralis


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして LETSHUOER より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

パッケージはイメージイラストが描かれたシンプルな化粧カバーで覆われたボックス。
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パッケージ内容は、本体、ケーブル、交換プラグ(3.5mm/4.4mm)、「DT01 Pro」 3.5mm to Type-Cケーブル、イヤーピース(2種類、各S/M/Lサイズ)、ケース、説明書、保証書など。
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LETSHUOER Astralis」の本体は、アルミニウム合金製の金属シェルで、シルバーのシンプルなデザインでまとめられています。15.5mmの大口径ドライバーを搭載しているためフェイス部分は丸みを帯びた形状で、半分は濃紺のデザインの意匠でまとめられています。
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フェイス部はやや大きめのデザインですが、耳への収まりがよく装着感もまずまず良好です。耳をふさぐような装着感で遮音性も高めの印象。アルミ合金による軽量設計のため金属製ながら耳から落ちることも無く、イヤーピースでしっかり合わせると長時間でも使いやすい印象。
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14mm以上の大口径の平面ドライバーを搭載したモデルでは大きめのシェルとなりがちのため、他社では装着に癖がある製品もありますが、「LETSHUOER Astralis」も含め同社の製品は装着性については毎回よく考えられている印象ですね。
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ケーブルは216本の導体で構成される銀メッキ単結晶銅の4芯撚り線仕様です。プラグ交換式を採用しており、取り回しも比較的良好な印象。太めのステムノズルにあわせて付属イヤーピースも軸が太めで、2種類のタイプが各サイズ付属。装着感もまずまず使いやすい印象です。


■ サウンドインプレッション

LETSHUOER AstralisLETSHUOER Astralis」の音質傾向は、ニュートラル方向の癖の無い印象で適度な温かみを持ちつつも歪みのない見通しの良さと解像感を持つサウンド。バランスとしては同社の「S12」のメリハリのあるV字方向より最新の「S12 Ultra」に比較的近い、ニュートラル方向のU字で、「S12 Ultra」より若干「メタ」寄り、という感じの「イマドキ」のチューニングで仕上げられています。
「メタ」寄りという点は、中高域からの立ち上がりのピークは「S12 Ultra」より早めに来るため、女性ボーカルなどの高音は綺麗に伸びるものの全体としてややウォームさを感じる印象ながら、逆に超高域により強いピークがあり全体としての空気感や透明感を感じさせるチューニング。これによりボーカル域などは寒色過ぎず自然な温度感を持ち、高域は伸びやかさを持ちつつ刺激を抑え聴きやすく、かつスッキリとした見通しの良さを持つ、という、ニュートラル方向における「いいとこ取り」なリスニングサウンドを楽しめるわけです。
LETSHUOER Astralisまた、「LETSHUOER Astralis」の15.5mm環状平面駆動型ドライバーは歪みを抑え、より優れた過渡応答により、平面駆動らしい広さと豊かさとともに非常に精緻で瑞々しいサウンドを実現。より大口径となった環状の平面駆動振動板により音場は広く、低域は豊かで深さがあります。バランスとしては「S12 Ultra」と同様のニュートラル寄りのU字ながら、非常に深いところので鳴っているような空間表現は、イヤホン(IEM製品)としては特筆すべきレベルといえるでしょう。思わず音量を上げてより細かい音を捉えたくなるような魅力を感じさせます。

インピーダンス20Ω、感度104dBと平面駆動型としては14mm級同様に極端に鳴らしにくいではないものの、この新しいドライバーの真価を確かめるためには相応の再生環境が望ましいでしょう。余裕のある上流では低域の締まりや音場感などに影響に、より鮮やかさと立体的な表現を引き出すことができるでしょう。

LETSHUOER AstralisLETSHUOER Astralis」の高域は、歪みを抑えた直線的な印象でスッキリした伸びの良さと透明感や空気感を持っています。いっぽうで中高域からのピークは早めで、刺激を抑えてきどな温かみも持っています。海外レビューでのf値では2kHzあたりの中高域でピークがあり、さらに8kHz付近の超高域でより大きいピークがあることがわかります。この高域のバランスはいわゆる「メタ」(または「New Meta」)と呼ばれるチューニングに近く、中音域を中心とした温かみを強調し、高域は刺激を抑えつつ伸びやかさ見通しの良さを維持させる傾向にあります。もちろん、このバランスでしっかり再生できる解像感や分離、歪みの無さ、過渡応答などのポテンシャルが求められるわけですが、「LETSHUOER Astralis」の新しいドライバーは極めて自然に、かつ余裕を持ってドライブしているのが伺えます。明瞭でかつ聴きやすく、自然な質感を持った高域です。

中音域は、平面駆動型らしくフラット方向に癖の無い音で、凹むことなく再生されます。ボーカル域も多くのU字型ののように前へ張り出すタイプではありませんが、自然な定位で埋もれる感じはなく、広い音場での見通しの良さと粒立ちの良い1音1音の分離感のなかでしっかりと存在感があります。
LETSHUOER Astralis女性ボーカルは高音などの中高域は綺麗に伸び、適度な艶感があります。男性ボーカルは中低域の豊かさによりやや厚みがあり、ニュートラルなベースながら淡泊にならず若干の温度感を加えた表現で再生されます。高域同様に見通しは良く透明感があり、音像は自然な輪郭で細らずしっかりと描かれる印象。この辺が寒色にならずやや温かく感じる要素といえるでしょう。
解像感や分離は高く定位も自然で、音場は横方向に広く、レイヤー感は自然ながら、上下にも余裕があり、特に深いところの表現が秀逸です。いっぽうで音場は不自然に広がることはなく、しっかりと定位と密度を保ったまま余裕のある空間を描く印象ですね。

低域は「LETSHUOER Astralis」の大型の環状平面駆動型ドライバーの特徴が特に顕著で、ニュートラル方向のバランスながら、押し出しの強さを感じるパワフルなミッドベースと、非常に深く沈み込み底の方までしっかりと描写する重低音の解像感の高さが印象的です。大口径平面駆動型らしい歪みの無さと余裕を持った空間表現に、新ドライバーによるスピード感と分離の良さにより、低域の存在感をより引き立たせています。とにかく深い重低音は音源によってはかなりゾクゾクさせますね。ミッドベースは量感がありますが、直線的でレスポンスも早く締まりも良い印象。俊敏なアタックがありつつ寒色に振らず余韻もある程度の厚みで感じさせます。重低音は非常に深く、解像感とレスポンスの速さが印象的です。
LETSHUOER AstralisLETSHUOER Astralis
また、「LETSHUOER Astralis」には3.5mmからType-Cへ変換する「DT01 Pro」アダプタケーブルが付属します。高性能なDAPやアンプには及ばないものの、よりメリハリのある印象で「LETSHUOER Astralis」のサウンドを手軽に楽しむことができます。


■ まとめ

LETSHUOER Astralisというわけで、「LETSHUOER Astralis」は最新の15.5mm環状平面駆動型ドライバーを搭載し、「LETSHUOER」の「S12」から続く平面駆動型のサウンドをよりイマドキに、さらにより高い次元にブラッシュアップする製品でした。寒色系のキレの良いサウンドや、わかりやすいV字傾向のドンシャリサウンドを好まれる方にはあまり合いませんが、同社のニュートラル傾向のイヤホンを好感されているユーザーであれば、その進化に驚くかもしれませんね。また傾向としては多少「メタ」寄りでイマドキのチューニングではありますが、新型ドライバーを活かした低域の表現など、単純に流行りに合わせることはなく、手堅く仕上げている点も好感できます。価格は為替の影響で3万円台となっていますが、実は200ドル以下と、かつての「S12」の価格のアップデート程度にまとめているあたりに誠実さも感じ、トータルで改めて非常に良い製品だなと感じました。


タグ :
#LETSHUOER
#構成:1Planar
#構成:1DD
#ドライバー:平面駆動
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:100-200USD
#有線イヤホン:3万円台
#中華イヤホン(A100USD~)