
こんにちは。今回は 「Questyle ZEN」です。DACやアンプ製品で知られる「Questyle」がリリースした1万円以下の有線イヤホンが「ZEN」です。静けさや集中感、長時間でも聴き疲れしにくい自然なサウンドにより、落ち着いて音楽に浸るためのイヤホン、といった印象ですね。
■ 製品概要と購入方法について
Questyleは2012年設立のオーディオブランドで、ドングルDACやポータブルDAC/アンプでの知名度が高い印象がありますね。「Questyle ZEN」は新たにリリースされたエントリークラスのイヤホンで、「禅」をイメージした、静けさ・集中・空気感を意識したコンセプトで製品化されています。


ドライバーは9.6mmダイナミック型。高弾性PUエッジと天然植物繊維ベースによる複合振動板を採用。さらにフロントキャビティの容積や導音構造も含めて最適化することで、低域の弾力感と中高域の自然さ、全帯域のつながりの良さを重視した設計となっています。
シェルにはオールメタルハウジングにPVD蒸着コーティングによる鏡面仕上げを採用。流線型のハウジング形状と専用イヤーチップの組み合わせで装着性と遮音性を両立し、ミニマルながら質の高い仕上がりとなっています。


イヤーピースは専用設計で、イヤホン本体の3D構造に合わせて設計された素材と形状を採用。内側に緩やかなカーブを持たせた形状により、耳道に自然にフィットし、長時間使用でも圧迫感を抑えます。
ケーブルは3.5mmプラグの着脱式で、0.78mm 2Pin仕様。線材には銀メッキOFCが用いられています。


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Questyle より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
というわけで、依頼をいただいたのは少し前ですが、このタイミングでの紹介となりました。
パッケージは製品画像を掲載したシンプルなデザイン。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、専用シリコンイヤーピース5サイズ、マニュアル/保証書類。


本体は丸みを帯びた金属製シェルで、PVDコーティングにより鏡面処理され、流線型のシンプルながら上品さを感じるデザイン。いっぽうで細かな傷はつきやすそうなので、雑に扱うタイプのイヤホンではなさそうですね。


シェルサイズはコンパクトで耳に収まりやすい形状。専用イヤーピースを組み合わせることで長時間でも使いやすい装着感を実現しています。比較的重量感のある材質ですがしっかり装着することで落ちにくく違和感も少ない印象。


イヤーピースは独自形状のシリコン製で5サイズ付属。耳穴を塞ぐ形状のため遮音性を高める設計になっているようで、しっかり装着できれば相応に効果はあります。ただし耳との形状で印象が少し変わるため合う/合わないの相性は多少有ります。私はXSサイズで遮音性は確保出来るのは確認出来ましたがまだ少し合わない感じだったので、ラディウスのディープマウントZONEに交換しました。


ケーブルは銀メッキOFC導体を使用しており、コネクタは0.78mm 2Pin仕様。コネクタ部分は本体デザインとの統一感があり、一体感のあるデザインになっています。
■ サウンドインプレッション
「Questyle ZEN」の音質傾向は、適度な温かみを持つサウンドでバランスとしては若干の中低域寄りで緩やかなV字を描く弱ドンシャリ。全体としてはウォーム寄りで、滑らかさを感じる自然でやや落ち着いたサウンドという印象です。長時間のリスニングでも負担が少なく楽しめるタイプですね。
高域は刺激を抑え繊細さを感じる印象で、定期は力強さを持ちつつ見通しが良い印象。ボーカル域は温かみのある音で存在感を示し心地よい余韻があります。
仕様としてはインピーダンス22Ω、感度106dBですが、小型のオーディオアダプターなどでの比較的鳴らしやすい印象。次回レビュー予定のQuestyleの小型USB Type-Cアダプタ「Qlink-C」との連携が想定されており、鳴らしやすさの視点では使いやすいイヤホンだと思います。
高域は、刺激を抑え穏やかや印象で、自然な伸びで滑らかさを感じます。暗い印象まではいかないもののブライトな高音では無く、適度な柔らかさや温かみのほうが感じやすい感じですね。そのため明瞭な伸びや透明感などをイメージすると多少印象は異なりますが、イメージとしては価格帯の範疇ではある物の多少の上品さを意識した音作りかなと思います。メリハリの良さやシャープさ、キレ感などハッキリした輪郭より、自然な温かみと滑らかさでニュアンスを柔らかく感じさせる方向。そのため聴きやすく、落ち着いた印象で楽しめるというメリットもあります。
中音域は緩やかなV字傾向のため自然な距離感で定位するため、前へ張り出す印象はありませんが、ボーカル域は自然で温かく、落ち着いた印象でしっとりと再生されます。
女性ボーカルは適度な伸びや抜け感は維持しつつ、刺激を抑え、滑らかさと艶感を感じさせます。男性ボーカルは温かみがあり厚みと落ち着きのある印象で豊かに再生されます。V字寄りでやや凹むバランスでもボーカルが埋もれることなく、自然な存在感を感じさせます。音場は横方向には一般的ですが、V字的なレイヤー感による奥行きで窮屈にはなりにくい印象。寒色系のイヤホンほど明瞭や透明感や見通しの良さとはことなるものの、演奏との分離も適切で、演奏は前後の定位で綺麗に鳴ります。
低域は量感を適度に持たせたミッドベース寄りの表現で、他の音域同様にウォーム寄りの印象で厚みと弾力感があります。ドライバーの高弾性PUエッジによる量感と弾力感があり、全体として豊かさを感じさせる音作りです。
キレやスピード感を強調することはありませんが膨らみ過ぎることは無く、中高域との分離は維持しています。そのうえで適度な柔らかさと余韻をもって包み込むような印象がありますね。重低音は十分な沈み込みがあるものの強調した印象は少なく、低域の重さや響き重視ではない印象。全体としては低域重視と言うより、中低域寄りの自然なバランスで中低域の厚みで安心感を作るバランスです。
そのため、ポップスなどのボーカル曲や、ジャズなどのアコースティックな音源による曲との相性が良く、EDMやハードロックなどでは多少物足りないかもしれませんね。
■ まとめ
というわけで、「Questyle ZEN」はQuestyleのブランドイメージを尊重しつつ、1万円以下の手頃な価格での製品化を実現した、想像以上に上品で落ち着いた印象のイヤホンでした。金属シェルのシンプルモダンなデザインのなかに、丁寧に調整されたドライバーを搭載し、ウォーム方向で手堅くまとめた印象で、聴きやすく滑らかさを感じる自然な中高域と、厚みのある低域により、長時間のリスニングも楽しめる落ち着いたサウンドに仕上がっています。
派手さはありませんが、上品さを感じるアイテムのひとつとして興味深い製品のひとつだなと感じました。