HIDIZS MP145 PRO

こんにちは。今回は 「HIDIZS MP145 PRO」です。現在Kickstarterで募集中の最新モデルで、大口径平面駆動ドライバーを搭載した「MP145」をアップグレード。内部構造を全面的に再設計し、アップグレードされた14.5mm超精密ナノグレード平面駆動ドライバーは、磁束40%向上・銅密度30%増強でさらに透明度とコントロールを高めました。さらに広大な音場と高解像度を両立し、さらに完成度を向上させています。

■ 製品概要と購入方法について

HIDIZS」はコンパクトなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やスマートデバイス用のオーディオアダプターの分野で人気の高いブランドですね。さらに最近ではイヤホンも高音質・高品質な新製品を精力的にラインナップしており、どのモデルも多くのユーザーから高い評価を受けています。
→ 過去記事(一覧):「Hidizs」製品のレビュー(イヤホン/DAP・アダプターなど)

HIDIZS MP145 PRO」は同社の人気平面駆動モデル「MP145」をベースに、ドライバーまわりの磁気回路、振動板、装着性、ケーブル、付属品までを見直して仕上げたアップデートモデルです。14.5mm の大型平面ドライバーを継承しつつ、無印版よりも低域の制動を高め、中域の色付けを抑え、より見通しの良い空間表現と伸びのある高域を実現しています。また、「Whale and Dolphin Conservation(WDC)」とのコラボレーションも引き続き継続しています。
HIDIZS MP145 PROHIDIZS MP145 PRO
ドライバーには 14.5mm 超精密ナノグレード平面駆動(Ultra-Precision Nano-Grade Planar Diaphragm)ドライバーを搭載。振動板は従来比で銅材量および配線密度をアップし、1テスラのフルシンメトリカル磁気回路と7+7配列の N54Hマグネット構成を採用。磁束密度が 40%向上し、明瞭さ、ダイナミックレンジ、過渡応答を改善しています。

本体はアルミ合金シェルを採用し、「MP145」を踏襲した鯨の尾びれをイメージしたフェイスプレートと、隠しベンチレーション構造を組み合わせています。これはクジラの胸鰭(むなびれ)から着想を得た「バイオニック・ベント構造」を最適化し、平面駆動特有の圧迫感を排除した自然な抜け感を実現しています。
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さらに「HIDIZS MP145 PRO」においても、3種類の空気圧サウンドチューニングフィルターに対応。3種類のフィルターは「シルバー」(高域強調モード)、「ローズゴールド」(バランス)、「レッド」(低域強調)に対応します。さらに「MP145」を踏襲した3種類のイヤーチップと、追加で「ET01 Sea Anemone」イヤーチップを同梱し、幅広い音楽ジャンルや個人の好みに応えるサウンドスタイルを提供します。
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ケーブルも「MP145」よりアップグレードされた高純度単結晶銅+銀メッキのハイブリッドケーブルが付属。3.5mm / 4.4mm の交換式プラグに対応します。

HIDIZS MP145 PRO」の価格は209ドル。現在Kickstarterで最大24% OFFで購入可能です。

Hidizs 公式サイト(hidizs.net): HIDIZS MP145 PRO


Kickstarter(Hidizs): HIDIZS MP145 PRO


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HIDIZS より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

HIDIZS MP145 PRO」のパッケージはブラックを基調としたパッケージデザイン。今回は「ゴールド」モデルで届きました。
HIDIZS MP145 PROHIDIZS MP145 PRO
パッケージ内容は、本体、ケーブル、交換用3.5mm/4.4mmプラグ、交換式チューニングフィルター、イヤーピース3種類3サイズ( 9 ペア)、「ET01 Sea Anemone」イヤーピース 3サイズ、収納ケース、マニュアル、保証書など。
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HIDIZS MP145 PRO」の本体はオリジナルの「MP145」を踏襲したクジラ型デザインですが、フェイスプレートの意匠やノズルまわりに変更が加えられています。クジラをモチーフにした外観は HIDIZS らしい個性がありますが、内部には通気を最適化する隠しポート構造も組み込まれています。
HIDIZS MP145 PROHIDIZS MP145 PRO
14.5mmの平面駆動ドライバーを搭載し、かつ意匠的にもかなりの大型シェルではあるものの、片側 9.5g 以下と軽量に仕上げられており、装着性を維持しています。質感自体は高く、アルミニウムシェルの精度感も良好です。
HIDIZS MP145 PROHIDIZS MP145 PRO
HIDIZS MP145 PRO」の装着性については、「MP145」同様にかなり大きめですが重量配分が良く、意外に装着しやすい印象があります。しっかり装着できれば長時間の利用でも大丈夫そうです。もっとも、耳の小さい人や浅め装着を好む人には好みが分かれる可能性はあります。
また「HIDIZS MP145 PRO」においても、3種類のフィルターと多彩なイヤーピースの組み合わせによるサウンドチューニングも「MP145」から踏襲されており、標準の「Rose Gold」フィルターのほかに、「Silver」と「Red」のフィルターが付属します。各フィルターの特徴も「MP145」を踏襲しているもののキャップ風だった「MP145」に対してノズルごと交換するタイプの「HIDIZS MP145 PRO」ではこの仕様変更にあわせてノズルのサイズも微妙に変更されています。
HIDIZS MP145 PROHIDIZS MP145 PRO
裏面のフィルター材の厚みによる調整で、「Silver」が高域強調、「Rose Gold」がバランス、「Red」が低域強調となっています。実際には「Silver」は裏面のフィルター材無し、「Rose Gold」と「Red」がそれぞれ薄いフィルター材と濃いフィルター材、といった違いですね。

イヤーピースは「MP145」同様の3種類のイヤーピースと、新たに「ET01 Sea Anemone」を加えた4種類のイヤーピースがそれぞれS/M/Lサイズで付属します。通常タイプは黒色は「低域強調」、黒軸の白色タイプが「標準」、白色の開口部の広いタイプが「ボーカル」向けとなっており、さらに「ET01 Sea Anemone」ではより優れた装着性を得ることが出来るようです。
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ケーブルは 6N 高純度銀メッキ単結晶銅 4 芯構成で、0.78mm 2pin、交換式 3.5mm / 4.4mm プラグ対応です。「MP145」よりも太さや質感の向上していますね。取り回しも良く情報量も向上している印象です。


■ サウンドインプレッション

HIDIZS MP145 PROHIDIZS MP145 PRO」の音質傾向は、オリジナルの「MP145」のサウンドバランスをある程度踏襲しつつよりV字方向、またはU字方向に調整されリスニング性を高めている印象です。オリジナルの「MP145」も「H-2019」(ハーマンターゲット)準拠としつつも実際は比較的低域に厚みのある弱ドンシャリという印象でしたが、「HIDIZS MP145 PRO」では中高域から高域にかけての明瞭さをより実感出来るようになり、全体的にニュートラル方向でよりクリーンな印象のリスニングサウンドに調整されています。また透明感の向上とともに、全体のスピード感も増している印象を受けます。

各フィルターではオリジナルの「MP145」がやや低域寄りの印象だったため高域強調の「Silver」のほうがスッキリした印象があったものの刺激などが強くなる点が気になりました。今回は標準の「Rose Gold」でのバランスが結構ニュートラル寄りのため、通常はこれを基準にして好みに応じて「Silver」または「Red」を選んでみるのも良いでしょう。また「HIDIZS MP145 PRO」もある程度リケーブルによる影響を受けやすいため、組み合わせるケーブルによっては「Silver」または「Red」フィルターの方が相性が良くなる場合もありそうですね。
HIDIZS MP145 PRO鳴らしやすさの点では平面駆動型のなかでは比較的駆動しやすい14mm級のモデルで、そのなかでも「HIDIZS MP145 PRO」は結構扱いやすいモデルといえるでしょう。そのため小型のドングル型のオーディオアダプターなどでもある程度駆動させることはできますがインピーダンス性能やSNの高さなども影響しやすくなります。実際、音源の良し悪しとあわせて再生環境のクリアさもある程度は印象に影響しそうです。「Hidizs」製品では最新の「AP80 PRO MAX」では十分に駆動し再生が可能で、さらに次回アップデート記事を掲載予定のピュアカッパー筐体を採用した限定版「AP80 PRO MAX Limited Edition」ではさらに透明感が増し、より澄んだ印象のサウンドになりました。色々な再生環境で試して見るのも楽しそうですね。

HIDIZS MP145 PRO」の高域は、オリジナルの「MP145」よりも透明感が高く、見通しの良さと超高域での空気感を感じやすい印象になりました。直線的な伸びの良さがあり、よりスッキリした明るさと鮮やかさがあります。解像感も高くシンバル音は輪郭が明瞭で細かなニュアンスを捉えやすい印象。いっぽうで硬質になりすぎず、過度なザラつき感やドライな印象は抑えられています。標準の「Rose Gold」フィルターでも刺激をコントロールしつつ、適度な煌びやかさがあり、さらに「Silver」フィルターではよりブライトでシャープさが増します。「Red」フィルターではやや落ち着きが出る印象です。

HIDIZS MP145 PRO中音域は、「HIDIZS MP145 PRO」がオリジナルの「MP145」と比較してもっとも変化を感じる音域で、全体的にスッキリした印象の明瞭感が向上し、平面駆動らしい歪みを抑えた解像感と透明感が向上しています。オリジナルの「MP145」ではややウォームで音源によってはV字方向の印象を感じやすい場面もありましたが、「HIDIZS MP145 PRO」ではより分かりやすいU字またはW字寄りのチューニングが行われており、ボーカル域はやや前傾し、前後のレイヤー感により演奏との分離も向上しています。女性ボーカルは抜けが良く、余韻が綺麗に伸びやすい印象で、男性ボーカルも痩せることなく平面らしい癖の無い音像とより向上したスピード感のなかで輪郭を維持しています。全体的にやや寒色寄りとなりスッキリした印象のため、オリジナルの「MP145」のウォームさのほうが濃厚さは感じやすいかもしれませんが、透明感による見通しの良さは向上しており、「より平面駆動らしい」サウンドになったという印象もありますね。
音場は平面駆動型のイヤホンの中でもかなり広めの印象で。横方向だけでなく高さや奥行きも感じる空間表現でより立体的な印象があります。定位は左右の分離だけでなく前後のレイヤー表現も良く、音数が増えても崩れにくいのが印象的です。演奏も精緻で誇張のない自然な描写ながら瑞々しさがあります。

HIDIZS MP145 PRO低域は、よりニュートラルなバランスを維持しつつ、平面駆動らしい歪みを抑えた非常に深い重低音を中心にU字方向に適度にブーストされています。力強さがあり、アタックの速さと、立ち上がりの鋭いタイトな質感を持ち合わせている印象。ミッドベースは若干ブーストされ適度な厚みを持ちつつも、キレと締まりがあり、パンチ力のあるサウンドを鳴らします。重低音は深い沈み込みと解像感の高さとスピード感があり、キレ重視ではないもののタイトで音数の多い曲でも濁ること無く再生されます。ウォーム系のグルーヴ感とは異なりますが、ニュートラル系のリスニングサウンドとして質の高さを感じる印象ですね。


■ まとめ


HIDIZS MP145 PROというわけで「HIDIZS MP145 PRO」、「MP145」の特徴を踏襲しつつもより明瞭で透明感のあるリスニングサウンドにアップグレードされていました。多少アプローチというか「味付け」が異なるため両方持っている方でも両立できそうなのも印象的です。
オリジナルの「MP145」は大口径平面駆動型の特徴を活かしつつもやや低域の量感を感じるウォームな印象のサウンドが印象的でした。これに対し、「HIDIZS MP145 PRO」ではドライバーを含めたアップグレードにより透明感や解像感が向上し、バランスとしてもやや寒色寄りで明瞭さを感じるニュートラル系のリスニングサウンドに仕上がっています。結果として大口径平面駆動型の歪みを抑えた音像表現やケール感、広く立体的な音場、高い分離性能という強みを維持しつつ、よりニュートラルで締まりのある低域、明瞭で透明感の高い中音域、スッキリとした伸びやかさのある高域とバランス良く引き上げています。
また価格的にも従来モデルをある程度踏襲した範囲でまとめられており、仕様を考慮するとお買い得感も感じられます。興味のある方は挑戦してみるのも良いと思いますよ。


タグ :
#Hidizs
#構成:1Planar
#ドライバー:平面駆動
#価格帯/グレード:200-399USD
#有線イヤホン:3万円台
#中華イヤホン(A200USD~)
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin