
こんにちは。今回は 「KEFINE ARNAR」です。14.5mmの平面駆動ドライバーに Knowles 製BAを組み合わせたハイブリッド構成を採用。大口径平面駆動らしい解像感やニュートラルさに鮮やかさを加えつつ、全体的にはKEFINEらしいニュートラルで温かみも感じる自然なサウンドに仕上げられています。全体の質感も高く、非常に手堅い印象のイヤホンです。
■ 製品概要と購入方法について
今回の「KEFINE ARNAR」は精力的に製品をリリースしている中華イヤホンブランド「KEFINE」による新モデルで、14.5mmの平面駆動ドライバーとKnowles 製BAを組み合わせたハイブリッド構成を採用。
14mm級平面ドライバーに高域を補完するためにピエゾを組み合わせるケースは時々ありますが、BAの組み合わせというと「DUNU Talos」(14.6mm平面+2BA)くらいでしょうか。フルレンジ用の14.5mm平面ドライバーに上をKnowles製BAで補完する構成は一見すると似ていますが、「KEFINE ARNAR」では800Hz以上の中高域より上を補完しているという意味ではBAの守備範囲が広く、音作りのアプローチも全く異なるようです。


ドライバーには、14.5mmの大型平面駆動ドライバーと、カスタム仕様のKnowles社製バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載。平面駆動による深みのある低音と、中高音域を正確に補強するBAドライバーのシームレスな連携により、高域の刺さりを抑えた滑らかで透明感のあるサウンドと、広大なサウンドステージを実現。


さらに3種類のチューニングノズルに対応し、標準のバランスの取れた「シルバー」、透明感と高域の伸びを引き立てる「ゴールド」、温かみのある豊かなサウンドの「ブラック」の3種類のステンレス製ノズルが付属します。
本体はCNC加工のアルミニウム製で、フェイスプレートには格子系デザインを採用。ケーブルは 392芯の銀メッキOFC線ケーブルが付属。3.5mm / 4.4mm のモジュラープラグを備えています。


「KEFINE ARNAR」の価格は189ドル、アマゾンでは28,000円です。
Amazon.co.jp(KEFINE): KEFINE ARNAR
AliExpress(KEFINE Store): KEFINE ARNAR
AliExpress(Angelears Store): KEFINE ARNAR
HiFiGo(hifigo.com): KEFINE ARNAR
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免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして KEFINE より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージは今回も製品画像を載せたシンプルなデザイン。今回は「KEFINE ARNAR」に加え、オプションのUSB Type-C用の交換プラグが別途同梱されていました。


「KEFINE ARNAR」のパッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、3種類のチューニングノズル、4種類、各サイズのイヤーピース、収納ケース、説明書など。


イヤホン本体はCNC加工されたアルミニウム合金製による軽量設計。14mm級平面駆動ドライバーを搭載しているためフェイスサイズは少し大きめですが、耳に収まりやすいサイズ感にまとまっています。フェイス部分はシルバーのメッシュパーツで裏打ちされた格子状のデザインに、表面にはガラスパネルで覆われています。そのため一見すると開放型ぽく見えますが実際はデザイン的な意匠のみですね。


平面駆動型によるやや大きめのデザインですが、耳へのフィット感は良く、装着性は比較的良好です。長時間の使用でも快適な装着感を維持できるようです。


またステムノズルは交換式で、標準の「シルバー」のほか、「ゴールド」「ブラック」の3種類のノズルを選択可能。メーカー記載では「シルバー」(ナチュラル・リファレンスサウンド)、「ゴールド」(透明感重視)、「ブラック」(ウォーム・豊かさ重視)と、フィルター密度により音色を変化させることができます。


ケーブルは、4芯392芯の高純度銀メッキOFC線を採用。0.78mm 2pin使用でモジュラー式プラグを採用。3.5mmと4.4mmを簡単に付け替え可能です。取り回しは非常にしなやかで、タッチノイズも抑えられています。またオプションでUSB Type-Cタイプの交換用モジュールも用意されているようです。


イヤーピースは開口部の広さが異なるタイプなどが合計4種類(各3サイズ)付属します。
■ サウンドインプレッション
「KEFINE ARNAR」の音質傾向は、KEFINEブランドらしい適度に温かみのある印象でまとめつつ、平面駆動らしい解像度の高いニュートラルさとKnowles製BAによる鮮やかさを持ったサウンド。バランスとしては緩やかなカーブを描くU字方向のニュートラル、または僅かにW字寄りの印象です。全体的に平面駆動らしい歪みを抑えた見通しの良い解像感を維持しつつ、低域に適度な厚みがあり、高域は 見通しの良さを維持しながら、刺さりや金属感を抑えるややウォームな方向で調整されています。ドンシャリ系の派手なサウンドとは一線を画したKEFINEらしさを感じさせつつ、自然な厚みと整った分離で心地よくリスニングを楽しめるサウンドですね。使用としてはインピーダンス13Ω、感度107dB±3dBで、多くの14mm級平面駆動型同様に、同タイプのイヤホンの中ではそこまで鳴らしにくいという印象ではないですが、やはり十分な駆動力のある再生環境の方が良い印象。平面駆動らしく、駆動力で中低域の密度感や空間の整い方が変わりやすく、また音源の良し悪しも捉えやすい印象ですね。
「KEFINE ARNAR」の高域は、見通しの良い明瞭感と伸びやかがあり、Knowles製BAによる繊細さとスッキリした明るさもあります。ただしウォームな印象により若干影を感じる場合もあります。解像感は高くシンバル音もクリアですが、BA的な煌めきや鋭さはかなりマイルドに抑えられている印象ですね。そのため寒色にあまり寄らず、ニュートラル感のある音で刺激を抑え、聴きやすい印象で再生されます。3種類のフィルターは中高域付近で最も反応し、標準の「シルバー」に対し、「ゴールド」は透明感重視でもっとも高域が強く、逆に「ブラック」は抑えることで相対的に中低域が厚く感じます。
中音域は、適度な主張があり凹むことなく再生されます。U字またがW字寄りの印象でボーカル域に適度なアクセントがあり、自然な厚みがあります。
ボーカルは自然で耳当たりが良く、無理に前へ押し出すのではなく、演奏との一体感を保ったままきれいに定位する印象です。女性ボーカルは高温に適度に主張があることで透明感のある印象ですが、適度な温かみもあり刺激をコントロールしいます。男性ボーカルは適度な厚みとと温かみを伴って落ち着いて聴かせるタイプで、派手なメリハリは感じないものの、淡泊にもなりにくい自然なバランスです。
音場は自然な横の広がりと奥行きにより、まとまりの良い空間表現があります。定位の比較的正確で、演奏との分離も良い印象。楽器の音色は刺激を抑えつつ原音を綺麗に再現しています。
低域は、14.5mmの大口径平面駆動ドライバーらしい、歪みを抑えた直線的な解像感と、深みのある重低音が印象的です。量的にはニュートラルバランスですが、優れた解像感があり、キレ重視では無いものの適度なスピード感により滑らかなさと自然で明瞭な輪郭があり、質の高さを感じます。アタックには適度な弾力があり、重低音の沈み込みもしっかりと感じられ、楽曲の土台を力強く、かつ優しく支えます。ミッドベースは膨らむこと無く直線的で全体の厚みを整える方向です。■ まとめ
「KEFINE ARNAR」は14.5mmの平面駆動ドライバーらしい解像感とニュートラルにKnowles製BAで中高域を補完することで、KEFINEらしい温かみを持ちつつ、スピード感と解像感のあるサウンドに仕上がっています。平面駆動ドライバーにドライバーを追加する場合、より寒色方向の明瞭サウンドに向かいがちですが、「KEFINE ARNAR」では解像感と見通しの良さを維持しつつ、適度なウォームさを持った自然で滑らな印象を維持しており、想像以上に「上品」な印象を持ったサウンドだと思います。また3種類のチューニングノズルによる調整に対応し、アルミ製シェルはビルドクオリティも高く、付属品的にも一通り揃えるなど、200ドル以下の製品としては非常に手堅くまとめている点も好感できますね。同社の製品は派手さやパッケージングの華やかさこそありませんが、今回の「KEFINE ARNAR」も音質面でも非常に手堅く、長く使える良い製品だと感じました。