AFUL Performer 8S

こんにちは。今回は 「AFUL Performer 8S」です。AFULのミドルグレードの人気モデル「Performer 8」をドライバー構成を一新してグレードアップした新モデルです。サウンドチューニングは踏襲しつつも新ドライバーと新技術でより質感が向上。ベント開閉による音質変化も楽しめる新たな高音質イヤホンに仕上がりました。

■ 製品概要と購入方法について

AFUL Acoustics」は現在ではマニアの間で人気ブランドのひとつとして認知されている、中国の新進気鋭のポータブルオーディオのブランドで、これまでにリリースされた製品はすべて数々の独自特許技術に裏付けられた質の高いサウンドにより高い評価を受けています。
→ 過去記事(一覧): AFUL製品のレビューおよび製品情報

今回の「AFULPerformer 8S(Eight S / P8S)」は、従来のPerformer 8からドライバー構成および内部設計を一新。「1DD+6BA+1 Passive Radiator + 1 Micro Planar」のクアッドブリッド構成を採用しています。さらに搭載されるパッシブラジエーター(PR)を物理的に開閉して低域キャラクターを切り替える「デュアル・ベース・モード」を搭載。一般的なチューニングスイッチやノズル交換とは異なるアプローチで2種類のサウンドを実現しています。
AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S
AFULPerformer 8S」のドライバー構成は1DD+6BA+1パッシブラジエーター(PR)+1マイクロ平面(Micro Planar)の9ドライバー構成。既存の「Performer 8」(1DD+7BA)とはドライバー構成を一新しており、さらに新技術も投入しています。
クロスオーバーにはAFULの特許技術としてお馴染みの「RLCネットワーク補正」に加え、「RESInators」(3Dプリント・マイクロ共振チャンバー)で帯域間の整合性、ピーク抑制、さらに滑らかさを制御します。
AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S
さらに「AFULPerformer 8S」では低域を補完するパッシブラジエータを搭載し、さらにベント(空気孔)の開閉により低域の質感を切替えることが可能な設計になっています。標準ではシールにより「Closed」の状態になっており、タイトでパンチ、輪郭が明瞭な低域を鳴らし、ベントを「Open」するとより深く、弾力的でソフト、空気感を伴う低域を実現します。ベントはシールまたはプラグによって開閉が可能です。
AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S

AFUL Performer 8S」の価格は389.99ドル、アマゾンでは62,980円で販売されています。

HiFiGo(hifigo.com): AFUL Performer 8S


AliExpress(HiFiGo): AFUL Performer 8S


Amazon.co.jp(HiFiGo): AFUL Performer 8S ※クーポン配布中、59,831円で購入可能。


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

今回はAFULから「AFUL Performer 8S」の4.4mmモデルが届きました。パッケージは製品画像とイメージバックの背景のデザインでエネルギッシュな雰囲気を感じさせます。
AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S

パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル(3.5mmまたは4.4mm)、イヤーピース(3種類、それぞれS/M/Lサイズ)、ベント開閉用プラグ、ベント閉鎖用シール、クリーニングツール、ケース、マニュアル。
AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S
本体は3Dプリントによる樹脂製でシェル形状は既存の「Performer 8」を踏襲しています。コンパクトで装着性にも優れた形状です。非常に軽量で質感は非常に高く、写真以上に高級感もあります。フェイスデザインは土星のリンクのようなストライプのイメージでより凝った意匠となっています。
AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S
また側面のパッシブラジエーターが配置されている箇所は透明になっており、ロゴ越しにパッシブラジエーターの銀色の振動板が見える意匠になっています。開閉式のベントは側面のパッシブラジエータの横にあり、標準ではシールが貼られて「Closed」の状態になっています。同様の予備シールは20枚(10ペア)、また取付け/取り外し可能なピンが6個(3ペア)付属します。
AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S
あとは、またステムノズルにはメッシュパーツが貼付けられている点も「Performer 8」との相違点ですね。シェル形状そのものは同様のため、耳へのフィット感も良く装着性も良好です。
AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S
ケーブルは4N 単結晶銅銀メッキ線と単結晶銅線の6芯撚り線(392線)ケーブルが付属。プラグは購入時に3.5mmまたは4.4mmが選択できます。線材の被膜は薄くしっかり編み込まれているため取り回しは良好です。イヤーピースはシリコンタイプが3種類各サイズ付属。付属品のほかよりフィット感の良いイヤーピースに交換するのも良いと思います。


■ サウンドインプレッション

AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S」は原音忠実性の高いニュートラルさを維持しつつ、適度な温かみをもち、雄大で豊かさを感じるサウンドにアップグレードされました。サウンドバランスそのものはオリジナルの「Performer 8」を踏襲したチューニングが行われていますが、高域~超高域用のマイクロ平面ドライバーと、低域および音場表現を拡張するパッシブラジエータが効果的に機能し、高域用BA、中音域用BAの組み合わせによる6BAと低域用ダイナミックドライバーによる高・中・低でクロスオーバー処理されるトラディショナルなレイアウトを補完しているのが伺えます。
またAFULの代名詞ともいえる電子クロスオーバー技術「RLCネットワーク補正」に加え、超精密3Dプリントによる微共振を抑制する技術である「RESInator」により、ドライバー間のギャップを完全に調整し、「Performer 8」を超える優れた整合性と音域間の滑らかさを実現しています。結果として、どちらかというと自然な温かみを持つサウンドながら、非常にクリーンで見通しが良く、優れた分離感と正確な定位により、1音1音の詳細な描写を含め、非常に高い質感を感じることができます。

仕様としてはインピーダンス26Ω(±20%)、感度108dB/mWとドライバー数に対して比較的鳴らしやすくチューニングされているものの、特にパッシブラジエータの質感や「モードの違い」を感じやすいという点など特にアンプ性能で違いがあります(駆動力がありインピーダンスが低めのほうが好印象なようです)。

AFUL Performer 8Sまた「AFUL Performer 8S」の大きな特徴であるパッシブラジエータのベントプラグは標準では円形のシールで「塞がれて」おり、「Closed」の状態になっています。この状態ではより温かみがありニュートラルさを感じさせるチューニングとなりますが、シールを剥がし「Open」の状態にするとパッシブラジエータの「抜け」が向上することで低域のメリハリ感が若干強調され、曲によっては鮮やかさを感じる印象となります。なお海外サイトでのf値を見ると、どちらのモードでも周波数特性そのものに大きな変化は無いようですので、パッシブラジエータが補完する「音色」に違いが出る、という感じですね。いちどシールを剥がしてからまた「Closed」に戻すためには付属する予備シールを貼るか、同じく津属する樹脂製のピンで塞ぎます。ピンは取り外しができますが非常に小さく、私のように多少老眼がはいっているオッサンには。。。(汗)。

AFUL Performer 8SAFUL Performer 8S」の高域はスッキリした明瞭な音を鳴らしつつ、刺激を抑えた印象で再生されます。マイクロ平面ドライバーによる超高域の補完により伸びやかさと見通しの良さを確保しており、ニュートラルなバランスと適度な温かみを持ちつつ「Performer 8」より輪郭のシャープさを感じやすくなりました。
製品説明の中で「RESInator」技術により微共振をより制御できたことで35kHzまでの超高域での滑らかさについて言及がありましたが、その辺の効果が印象の変化として感じられるようです。個人的には高域の印象は「Performer 8」より「Performer 5+2」などのモデルのほうが好感していたので、今回の「AFUL Performer 8S」のアップデートは良い変化だと思います。

中音域は多少ウォーム寄りに豊かさや濃密さが増した印象ながら、同時に分離感や透明感も非常に高く、見通しの良さにより音像や輪郭がはっきりと描かれるようになりました。非常にフォーカスのはっきりした印象ながら、印象としては滑らかでより自然、という、ひとことで言えば「質が向上した」という感じなのですが、なかなか有りそうで無い音像表現だと思います。
AFUL Performer 8Sオリジナルの「Performer 8」の中音域も非常に豊かで多少カマボコに感じられる存在感がありましたが、「AFUL Performer 8S」では、同様の濃密さにさらに透明感や明瞭さを高次元で組み合わせている印象。女性ボーカルの高音などの中高域には心地よいアクセントがあり伸びやかで適度なスッキリ感で抜けの良さもあります。男性ボーカルは厚みとともに余韻も豊かで、どちらも解像感は非常に高く、精緻な印象。
音場もより広さと深さがあり、リアルな定位感と臨場感を醸成します。ベントが「Closed」の状態では締まりが向上し、より厚みのある印象となり、「Open」状態では抜けの良さとともに空間の広がりが増し開放的な印象となります。臨場感を楽しみたい場合は「Closed」、よりディテールを瑞々しく感じたい場合は「Open」状態が良い印象となりそうです。

低域はパッシブラジエータが厚みと深さを与えることで「Performer 8」よりリスニング方向にグレードアップしており、ニュートラルバランスの質感を維持しつつ、より豊かで臨場感のある印象で楽しめます。
AFUL Performer 8Sベントの開閉はこのパッシブラジエータの反応を制御する仕組みのため、低域の印象に直接的に影響し、標準の「Closed」状態では、より厚みがあり、音像はタイトな印象で再生されます。ここで「Open」にすることで、低域そのものは多少ソフトな印象に変化しますが、ミッドベースは弾力が増し、重低音はより深い音を捉えることができるようになります。音数が多くスピード感のある曲では「Open」状態のほうが解像感が高く感じられるでしょう。いっぽうでライブ音源などでの臨場感やエネルギッシュな印象を楽しむ上では「Closed」状態が非常に楽しく感じます。


■ まとめ

というわけで、ドライバー構成を一新し、全く新しく生まれ変わった「AFUL Performer 8S」ですが、全体の(f値的な意味での)サウンドチューニングの方向性はオリジナルの「Performer 8」を踏襲しつつ、新技術も積極的に取り入れながら完全に再構築することで、さらに次元がひとつ上がったような体験を楽しめるようになりました。
AFUL Performer 8SAFULが当初から行ってきた音作りのアプローチは、現在他のメーカーもそれぞれの手法などにより同様に実現してきており、同価格帯での競合も激しくなっていますが、いっけんするとマイナーチェンジにも見える「AFUL Performer 8S」というモデル名で、最新のAFULの姿(と技術力)を見せてくる姿勢はなかなかにクールだなと感じます。
もちろん音質傾向的な好みはあると思いますので一概には言えませんが、製品としての完成度はまた一段とアップしており、間違いなくオススメできる製品のひとつだろうと感じました。



タグ :
#AFUL
#ドライバー:平面駆動
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:200-399USD
#中華イヤホン(A300USD~)
#有線イヤホン:ミドルグレード以上(5万円前後~)
#構成:6BA+1DD+1Passive+1Planar