Juzear Harrier (冒険者)

こんにちは。今回は 「Juzear Harrier (冒険者)」です。1DD+6BA+2 Micro Planarの片側9ドライバー構成により全方位に安定したサウンドバランスと音像表現が印象的。チューニングでは初めての「Tuned with Squiglink」コラボ製品として最適なチューニングが行われている点もポイントですね。

■ 製品概要と購入方法について

Juzear Harrier (冒険者)」は1DD+6BA+2マイクロ平面ドライバーによる9ドライバー構成のトライブリッドモデルです。世界初の「Tuned with Squiglink」仕様の製品でもあります。
「Squiglink」は周波数応答(FR​​)測定のための包括的なプラットフォームで客観的なオーディオデータを共有・比較するための中心的な存在となっています。「Tuned with Squiglink」は「Squiglink」の開発者であるMark Ryan Sallee氏(Super* Review)によるプログラムで、顧客にとって最高のサウンドになるようにIEMをチューニングすることを目指しているとのことです。
Juzear Harrier (冒険者)Juzear Harrier (冒険者)

Juzear Harrier」は初めて「Tuned with Squiglink」に準拠し、正確でバランスの取れた、自然なサウンドシグネチャーを実現しているとのこと。両側に9基のドライバーを搭載し、低域用にカーボンベース振動板を備えたカスタムメイドのダイナミックドライバー、中音域用に4基のカスタムBAドライバー、高域用に2基のKnowles 31736 BAドライバー、超高域用に2基のカスタムマイクロ平面ドライバーを搭載しています。
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これらのドライバーは、4つの独立した音響チューブを備えた高精度の4Wayクロスオーバーを実施。Squiglinkとのコラボレーションによりチューニングされ、IEF Neutral + Bassブーストのサウンドカーブに基づいて洗練された周波数応答を実現しています。
シェルは高精度のDLP 3Dプリントハウジングを採用。さらに本物のブルータイガーアイ(青虎目石)をCNC彫刻で削り出した精巧なデザインのフェイスカバーにニッケルメタルのアクセントが施され、洗練された高級感のある仕上がりとなっています。
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Juzear Harrier (冒険者)」の価格は329.99ドル、アマゾンでは50,799円です。

HiFiGo(hifigo.com): Juzear Harrier ※299ドルで販売中。


AliExpress(HiFiGo): Juzear Harrier


Amazon.co.jp(HiFiGo): Juzear Harrier(ブルー)Juzear Harrier(イエロー)


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

パッケージは製品画像を掲載したデザインで従来のパッケージを踏襲していますね。今回はロゴアクセサリーがオマケで届いています。
Juzear Harrier (冒険者)Juzear Harrier (冒険者)
パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、交換式プラグ(3.5mm/4.4mm)、イヤーピース(シリコンタイプ2種類、液体シリコンタイプ、フォームタイプが各サイズ)、レザー調ケース、リストストラップ、クリーニングクロス、説明書。
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本体はDLP 3Dプリントによるレジンシェルでステムノズルは金属製。フェイスプレートはCNC加工されたブルータイガーアイ(青虎目石)が使用され、メタルプレートによるロゴなどの装飾を加えた上で透明なレジンコートで覆っています。落ち着いたデザインながら高級感がありますね。
Juzear Harrier (冒険者)Juzear Harrier (冒険者)

シェルサイズは片側9ドライバー構成ということで大きめですが、フィット感の良い形状で装着性はまずまず良好です。ただし耳の小さい方はイヤーピースなどで調整する必要があるかもしれませんね。
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ケーブルは左右2芯タイプの6N単結晶銅(SPOCC)導体+単結晶銅銀メッキ(SCCW)導体のミックス線ケーブルで交換式プラグに対応します。透明な被膜は適度な弾力があり、取り回しは良い印象です。
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イヤーピースは通常シリコンタイプが2種類(グレー、ホワイト)でそれぞれS/M/Lサイズ、フォームタイプが1ペア、ブルーの軸の液体シリコンタイプが4サイズ付属します。写真では赤軸のグレータイプをそのまま取付けた状態で撮影しましたが、実際は液体シリコンタイプを選択しました。


■ サウンドインプレッション

Juzear Harrier」の音質傾向は製品説明に記載の通り「IEF Neutral+軽い低域持ち上げ」というチューニングが行われているとのことですが、実際にニュートラル寄りでやや低域をブーストした緩やかなU字傾向で、さらに最近のトレンドに合せて高域のピークを早めに設定して過度に尖らせず聴きやすいサウンドでまとめている印象です。
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同製品がコラボレーションしているMark Ryan Sallee氏(Super* Review)による「Squiglink」でのf値を見ると、ブーストされた低域を含め全体的にはハーマンターゲットカーブにアジャストしつつ、中音域~中低域付近および高域は、メタ(New Meta)傾向のベースになっているCrinacle氏のターゲットにもかなり寄せていることが伺えます。文字通り「いいとこ取り」というか、「Tuned with Squiglink」としての「最適解」のチューニングなのだろう、と想像します。

Juzear Harrier (冒険者)閑話休題、「Juzear Harrier」では基本的には中音域がやや前傾するU字または緩やかなW字でボーカル域の主張を中心とした印象で、刺激を抑え聴きやすくまとめています。それでも高域は中高域のアクセントと超高域の伸びにより適度にスッキリした印象を維持しています。低域は重低音を中心にブーストしている印象で全体的なニュートラルさを維持しつつ下支えする印象です。
仕様としてはインピーダンス32Ω、感度112dB/mW(±1dB)と比較的どのような再生環境でも使いやすい印象ですが、ドライバー数の多い製品ということもあり十分な駆動力のあるプレーヤーのほうが鮮やかさや輪郭の明瞭さが増し本来の実力を発揮できるようですね。

Juzear Harrier」の高域は適度な明瞭感をもちつつ滑らかさのある印象で再生されます。ピークは中高域の上の方で早めにあり、刺激を抑えた印象でやや温かみのある音で鳴るのはメタ(New Meta)寄りの印象ですが、2基のマイクロ平面ドライバーにより超高域を補完することでスッキリした伸びやかさも感じさせます。ただし、ミドルグレード以上の他のマイクロ平面を搭載した製品と比較すると見通しの良さはそこまで高くはないかもしれません。この辺は好みによる部分も大きいと思いますが、高域の透明感や空気感を重視する方には注意したいポイントになるでしょう。
Juzear Harrier (冒険者)なお、個人的に他社のコラボ製品でも時々思うことですが、メーカーサイドでドライバー配置などの設計を行った上で、コラボ先からのf値ベースでのチューニングを行うことで、サウンドバランスとしては最適化されるいっぽうで、設計時に想定したドライバーの特性を活かしきれない可能性も考えられます。例えば「Moondrop DUSK」では「Blessing 3」をベースにしつつCrinacle氏のチューニングに合せるためドライバー構成を一部変更していますが、ケースバイケースではあるものの、音作りの大変さを感じますね。

中音域はボーカル域を中心に主張があり、ニュートラルで癖の無い印象ながら質の高い音像表現が印象的です。カスタマイズされたミッドレンジ用BAドライバーは解像感や輪郭の明瞭さより滑らかさに重点を置いたチューニングで、自然な鮮やかさと瑞々しさがあるサウンドは非常にエモーショナルに感じることができます。
Juzear Harrier (冒険者)U字傾向を踏襲し、女性ボーカルの高音など中高域にアクセントがあるため多少前傾し伸びやかさと抜けの良さがあります。男性ボーカルも存在感があり、淡泊になることなく再生されます。また前後のレイヤー感もあり、演奏も前後で綺麗に分離する印象。楽器の音色についても音源を自然に捉える印象があります。音場は広さは一般的(曲によっては若干狭い)ですが前後と上下のレイヤー感で平坦にはならずに再生されます。

低域はニュートラルなバランスを維持しつつ、重低音にフォーカスしたブーストが行われており、深く沈みつつ自然な音色を奏でています。他の音域同様に適度な温かみと滑らかさを持ちつつミッドベースは適度な締まりのある印象で、中高域とも綺麗に分離します。ミッドベースは存在感を持ちつつ過度に主張せず締まりのある音で下支えしています。いっぽうで減衰は自然な速度でキレより滑らかさや温かみも感じさせるのが印象的です。重低音は適度な重量感と深さを与えており、解像度も高い印象。そのためEDMなど音数の多い音源も籠もること無く再生されます。


■ まとめ

Juzear Harrier (冒険者)というわけで、「Juzear Harrier (冒険者)」は1DD+6BA+2 Micro Planarの9ドライバー構成による多ドラ構成をベースとしつつ、「Tuned with Squiglink」によるチューニングを経てバランス的な「最適解」を目指したニュートラル方向のリスニングサウンドが印象的です。刺激をコントロールし、様々なジャンルの音源で破綻することで聴きやすくまとめているのは好印象です。ボーカル域や中音域を中心とした音像の自然さ、長時間のリスニングでの疲れにくいサウンドを求める方にはかなり良い選択肢のひとつとなりそうです。ただし、V字傾向的なメリハリ感や低域の強さ、臨場感とは異なるアプローチで、高域についても見通しの良さや空気感を求める方には多少物足りない可能性があります。この辺は好みによる部分で、300ドル級のイヤホンで様々な選択肢が提案されることは非常に良いことだと思いますし、ジャンルを問わず自然なサウンドを楽しめる点はメリットだと思います。


タグ :
#JUZEAR
#構成:6BA+1DD+2Planar
#ドライバー:平面駆動
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:200-399USD
#中華イヤホン(A300USD~)
#有線イヤホン:ミドルグレード以上(5万円前後~)