
こんにちは。今回は 「TRI i2 KONGTONG」です。コンパクトでソリッドなアルミニウム合金製シェルに特許技術を使用した12mm平面駆動ドライバーを搭載したモデルです。1万円台前半の手頃な価格設定ながら、明るく明瞭な弱ドンシャリ傾向のリスニングサウンドで、気軽に楽しめるサウンドが魅力的。付属品も充実しているのが嬉しいですね。
■ 製品概要と購入方法について
「TRI Audio」は、中華イヤホンブランドとしてマニアの間ですっかりお馴染みになった「KBEAR」の兄弟ブランドとして、よりこだわりのあるハイグレードモデルを多く手がけている印象がありますね。同社はファブレスのブランドのため、どのファクトリーで製造しても同社による一貫したマネジメントが行われたサウンドチューニングを実施しており、製品ごとに個性的・魅力的な仕様と価格、安定した音質を両立することで多くのマニアの間で定評を得ています。
今回の「TRIi2 KONGTONG(KongTong 12)」は、12mmの平面駆動ドライバーをシングルで搭載したモデル。CNC加工された軽量なアルミ合金製の個性的デザインも魅力的です。


ドライバーには特許技術を採用した12mm平面駆動ドライバーをシングルで搭載。高剛性と俊敏性を両立する複合ポリマー素材の超薄型振動板を採用しており、より高速な過渡応答に対応します。またCNC加工されたアルミニウム合金製のシェルは4gと非常に軽量な仕上がりとなっています。


ケーブルには5N 高純度OFC銀メッキ線ケーブルを採用。プラグは4.4mmバランス接続仕様です。


「TRI i2 KONGTONG」の価格は129ドル、アマゾンでは12,999円で販売されています。
Keephifi(keephifi.com): TRI i2 KONGTONG
Amazon.co.jp(Yinyoo-JP): TRI i2 KONGTONG ※12,000円のセール価格でで販売中
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Keephifi より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージデザインは最近のKBEAR/TRIの傾向を踏襲したイメージイラスト風。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル(4.4mmプラグ)、イヤーピース(通常タイプおよび「TRI Clarion」、各S/M/Lサイズ)クリーニングクロス、クリーニングブラシ、ケース、デザインカード、説明書。


本体はアルミニウム合金製で非常に軽量な仕上がりの金属製シェル。幾何学なカッティングラインのフェイスデザインでコンパクトに仕上げられています。


シェルサイズはコンパクトで耳への収まりも良い印象。ステムノズルが比較的長く、イヤーピースとケーブルでしっかり固定する印象ですね。


イヤーピースはTRI製の「TRI Clarion」が各サイズ付属します。どちらかというとイヤーピースで固定するタイプのデザインのため、質の良いイヤーピースが付属するのは有り難いですね。ただし形状やサイズ的に耳に合わない場合は、よりフィット感の良いものに交換する方が良いでしょう。


ケーブルは比較的太さのある高純度OFC銀メッキ線の2芯ケーブルが付属。プラグは4.4mmタイプで、3.5mmプラグが使いたい場合は変換アダプターを別途用意するかリケーブルを行います。手触りも良く質感も良い印象。取り回しも良好です。
■ サウンドインプレッション
「TRI i2 KONGTONG」の音質傾向は緩やかなV字、または僅かにW字寄りの弱ドンシャリ傾向。12mmの平面駆動ドライバーは中高域~高域付近にフォーカスし、全体的に明るめのバランスで明瞭に再生されます。また低域もミッドベースを中心にパンチ力のあるインパクトを与えつつ平面駆動らしい歪みを抑えたサウンドが印象的です。
TRIというか同クラス以上のKBEARあたりではお馴染みのドンシャリ傾向のチューニングです。中華イヤホン界隈もハーマンターゲットや最近だと「メタ」傾向が中心ですが、そんななかで手堅くトラディショナルなV字傾向のイヤホンをリリースし続ける同ブランドはある意味貴重な存在かも知れませんね。同社の系列ではCCZが特に低域に注力している印象で、一概には言えませんがKBEARがより分かりやすいドンシャリ傾向で、TRIは全体的にはKBEARの方向性を踏襲しつつ、よりニュートラル、またはブライトな方向のサウンドのイメージがあります。「TRI i2 KONGTONG」はまさにこの印象でチューニングされた印象で、明るく伸びのある高域と、V字傾向ながら分離が良く明瞭なボーカル、スピード感のあるキレの良い低域が心地よいバランスで再生されます。
仕様としてはインピーダンス16Ω、感度100dB/mW(±3dB)ですが、平面駆動らしく、ある程度パワーのある再生環境でしっかり鳴らしてやる方が良いでしょう。標準で情報量が多い太めのケーブルで4.4mmバランス仕様である点もこの傾向を前提とした設計であると思われます。「TRI i2 KONGTONG」の高域は最も特徴的な音域で、明るく鮮明な音を鳴らします。過度に硬質な印象はないものの全体的にキレとスピード感があり、解像感も高い印象。見通しが良く、高高域に伸びやかさと空気感があります。刺激は刺さる手前でコントロールされていますが、それなりに高域の主張があるため強い高域が苦手な方にはややキツめに感じる場合もあるかもしれません。
中音域はV字寄りのため音域としてはやや凹みますが、ボーカル域にはアクセントがありボーカル域は若干前傾します。高域同様にキレが良く見通しの良い印象で、音数の多いJ-POPやアニソンなども混雑すること無く鮮明に描写されます。
女性ボーカルの高音など中高域にアクセントがあり、伸びやかで綺麗な音で再生されます。男性ボーカルは締まりのある印象ですが低音に少し厚みがあり、不足を感じる印象はありません。音場は自然な広さで奥行きも一般的ですが、平面駆動らしい歪みを抑えた分離感とV字傾向によるレイヤー感により窮屈に感じない印象で表現されます。定位は比較的正確なためゲーミング用途でも利用できるかもしれませんね。低域はミッドベースが若干ブーストされアクセントとなっていますが、量感はニュートラル方向のバランス。全体的にブライトなサウンドのため、低域の量感や臨場感を求める方には多少物足りない場合もあります。それでもパンチ力のある音で歯切れ良くなるため心地よく全体を下支えする印象です。ミッドベースは適度にブーストされていますが締まりが有り直線的な印象で、中高域との分離も良い印象。重低音は沈み込みは深いものの重量感より平面駆動らしい解像感やスピード感を重視した印象です。
■ まとめ
というわけで、「TRI i2 KONGTONG」は独自の12mm平面駆動ドライバーと軽量なアルミシェルを搭載しつつ、特にJ-POPやアニソンなどのボーカル曲と相性の良いブライト方向で明瞭なサウンドが印象的なリスニングイヤホンでした。1万円台前半の価格設定は手頃感が有り付属品、特にケーブルやイヤーピースなどは基本的に交換不要で実力を発揮するため、結構お買い得感のあるパッケージだと感じました。またコンパクトでシンプルながらこだわりのある金属シェルのデザインも色々なシーンで使いやすい印象ですね。最近ではバランス出力では結構パワーのあるドングル型オーディオアダプターも増えていますので、そういった製品と組み合わせて気軽に楽しんでみるのも良いのでは、と思います。