LETSHUOER Ember

こんにちは。今回は 「LETSHUOER Ember」です。14.8mm平面駆動ドライバーを搭載した「S15」から派生しつつ、チタン合金製の個性的デザインのシェルと「EFECCT」製ケーブルを備えた999台限定のスペシャルなモデルです。音質面でも平面駆動らしい質感を維持しつつ、低域にフォーカスしたエモーショナルなサウンドで、刺さる人には相当刺さりそうな楽しさがあります。

■ 製品概要と購入方法について

「LETSHUOER」は2016年に創業したユニバーサルIEM/カスタムIEMのファクトリーブランドで、中国国内ではカスタムIEMビジネスのほか話題のモデルを数多くリリースしています。平面駆動ドライバーを搭載した「S12」で一躍人気ブランドとなり、すっかり定番イヤホンのひとつとなりました。また同社のユニバーサルモデルではマルチドライバー構成のミドル~ハイグレード製品も多く、自社製品および同社ODMと言われている各製品も含め手堅い音作りは定評があります。
→ 過去記事(一覧): LETSHUOER製品のレビュー

今回の「LETSHUOER Ember」は14.8mm 平面駆動ドライバーを搭載するフラッグシップ製品のひとつである「S15」から派生した999個限定のモデルです。
LETSHUOER Ember」は完全アップグレードされた平面駆動型ドライバーを搭載。従来より性能を約20%向上させ、より優れた音質と安定性を実現しています。さらに「EFFECT AUDIO」により専用に開発されたケーブルを採用することで、両者は完璧な相乗効果を生み出します。
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LETSHUOER Ember」の本体はマットブラックのチタン合金製シェルとアルミニウム合金製フェイスプレートを組み合わせた堅牢な構造を採用。フェイスプレートに施された銀色の炎の彫刻は、製品名称の「Ember」を象徴しており、燃え盛る炎の光と影をデザインしています。

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完全アップグレードされた14.8mm平面駆動ドライバーに加えて大きな特徴である「EFFECT AUDIO」製の専用ケーブルは、0.78mm 2pinコネクタ、4.4mmバランス接続プラグ仕様で、導体にはUP-OCC単結晶銅を採用し、26AWGの4芯構造を採用。手作業で丹念に編み上げられたケーブルは、より豊かでダイナミックな音像を作ります。滑らかで力強いエネルギー伝達を実現し、平面駆動型ドライバーの潜在能力を最大限に引き出します。
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「LETSHUOER Ember」の価格は499ドル、日本では85,800円で販売されています。

Amazon.co.jp(Letshuoer公式ストア): LETSHUOER Ember


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして LETSHUOER より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

パッケージはフェイスデザインの燃え盛る炎の光と影をイメージしたモノクロームデザイン。なんつーかメタル感ありますね(^^;)。
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内箱は観音開きで、ベースとなった「S15」よりかなり大きさのあるボックスサイズです。
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パッケージ内容はイヤホン本体、Effect Audioコラボケーブル(4.4mmプラグ)、イヤーピース(3タイプ、各S/M/Lサイズ)ケース、説明書など。
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本体はブラック基調のチタン合金シェル+アルミ合金フェイスプレート仕様。フェイスプレートに「炎」をモチーフとしたデザインが彫刻されています。なかなかのワイルド感ですね。フェイスサイズやシェルサイズはベースとなった「S15」を踏襲していますが、金属シェルとなったことで結構印象が変わります。
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14.8mmの大口径平面駆動ドライバーを踏査していることもあり、丸みを帯びたフェイスプレートはやや大きく見えますが、シェルサイズ自体は比較的耳に収まりやすい形状にまとまっており、装着感は比較的良い印象。
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イヤーピースは3種類のタイプが各サイズ付属しますが。好みに応じてよりフィット感の高いものに交換するのも良いでしょう。
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もうひとつの大きな特徴である「EFFECT」ブランドのケーブルはUP-OCC線でブルーグレーの被膜に覆われた4芯線タイプ。この手のケーブルとしては太さはやや細めで、取り回ししやすいケーブルという印象ですね。


■ サウンドインプレッション

LETSHUOER EmberLETSHUOER Ember」の音質傾向は中低域寄りの緩やかなドンシャリ。バランスとしては低域をブーストしたU字または若干のW字傾向です。オリジナルの「S15」と比較するとより低域がフォーカスされており、深さと太さが増した濃密な印象です。全体的にウォーム寄りの印象ですが、平面駆動らしい歪みを抑えた直線的な印象で見通しは良く、優れた解像感は維持されています。大口径の平面駆動ドライバーは構造的に低域にメリットがありますが、その特徴をより分かりやすく鮮明に表現したサウンドだと感じます。ニュートラル寄りのサウンドが好みの方にはかなり方向性が異なり、原音忠実性とは結構無縁な印象ですが、外観通りハードなロックやメタルなどの音源と非常に相性が良い印象です。というか、見たまんま「メタル特化」なのでは、と思ったりしなくもないかも(^^;)。「S15」譲りの質感を持ちつつ、より臨場感のあるサウンドを楽しめるリスニングイヤホンだと思います。

LETSHUOER Emberインピーダンス30Ω、感度103dB/mWと、多くの14mm級製品同様に「平面駆動としては」鳴らしやすいほうですが、それでもしっかりと駆動力のある再生環境で、かつハイゲインで再生することが望ましいでしょう。

LETSHUOER Ember」の高域は明瞭さを感じつつも若干暗めの印象で、刺激を抑えスムーズさと滑らかさのある音で鳴ります。「S15」よりさらにピークを抑え、ウォーム寄りの調整になっていますが、平面駆動らしい直線的な伸びは維持されています。それでも「S12」シリーズのようなキレの良さとは異なる印象ですが、「EFFECT」製のバランスケーブルの恩恵もあり伝送性は高く、解像感は高く詳細な音もしっかり捉えることができます。

LETSHUOER Ember中音域は、「S15」よりウォームで厚みがある印象ながら音像ははっきりしており、自然でリッチなサウンドを楽しめます。中高域には若干のアクセントがあり女性ボーカルはやや前傾し、滑らかで瑞々しい印象で再生されます。男性ボーカルも下がることは無いものの定位は自然で豊かな低域に下支えされた豊かさを感じます。また音像は際立っており、息づかいや倍音なども非常に魅力的に響きます。この辺の音作りで「LETSHUOER Ember」は「S15」よりさらにエモーショナルで、ニュートラル寄りの「S12」シリーズとはアプローチの明確な違いを実感します。
LETSHUOER Ember」の音場は非常に深く厚みのある中低域~低域のアプローチにより広がりがあり、壮大さを感じる印象。ウォームでキレ重視のサウンドでは無いものの平面駆動らしい分離や低域のよさから混雑する印象は無く、優れた解像感による音像表現と臨場感が両立しています。

LETSHUOER Ember低域は「LETSHUOER Ember」のポイントとなる音域です。大きくブーストされた豊かな量感を持ちつつも平面駆動ドライバーらしい歪みを抑えたレスポンスの良さを持ちつつ、非常に深い響きのある重低音と、濃密で力強いミッドベースが印象的です。
レスポンスの早さと音像のタイトさから、音数の多いハードロックやEDMなどもしっかり捉える表現力があるものの、分析的な解像感より、深さや響きを優先している印象もあり、より気持ちよいリスニングにフォーカスしたサウンドだといえます。


■ まとめ

というわけで、「LETSHUOER Ember」は「S15」をベースとしつつ、約500ドルで限定999台という特別仕様で、ある意味「好きな人には確実に刺さる」が「好みがハッキリと分かれる」サウンドに仕上げられた非常に趣味的なイヤホン(褒め言葉)だと感じました。また「外観」との「サウンド」のマッチ率ではかなり高いと思います。その点では中華イヤホンでは結構稀有かもしれませんね。
LETSHUOER Ember実際のところ、この価格帯のイヤホンともなれば相応のマニア以外は見向きもしないわけで、それなのに右も左もハーマンターゲット準拠、あるいは最近の「メタ」(または「New Meta」)寄りばかりでは面白みに欠けるのではと思います。そういった意味で、このように特定の方向性に全振りした印象の特別なモデルというのは尊さを感じますね。国内でも販売されており専門店では試聴もできるようですので、まずは「この外観にピンときた方」はいちど試聴してみるのもお勧めです。結構好みに合うのではと思います。


タグ :
#構成:1DD
#ドライバー:平面駆動
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:ミドル&ハイグレード
#有線イヤホン:ミドルグレード以上(5万円前後~)