MUSE HiFi M6 Double

こんにちは。今回は 「MUSE HiFi M6 Double」です。「MUSE HiFi」のアンプ製品は小型オーディオアダプターからスタートし、「M4」で高音質USB-DAC/ワイヤレスアンプ、そして「M5 Ultra」では「真空管モード」を搭載し話題となりました。そして今回は同様に2基の「JAN6418」真空管を搭載し、さらに画面表示用に 世界初のニキシー管インジケーターを搭載。2種類(ダブル)の真空管を搭載し、さらにDACにはハイグレードな「ES9039」を搭載し音質面も強化。音質および外観の両面で強力にアップグレードした限定1,000台の特別なワイヤレス対応ポータブルDAC/アンプ製品です。

■ 製品概要と購入方法について

「MUSE HiFi」は2022年に中華系メーカーのエンジニアが独立し誕生した新興のポータブルオーディオブランド。個性的なイヤホン製品を相次いでリリースしているブランドですが、同時にリケーブル製品やオーディオアダプター製品にも注力しており、オーディオアダプターでは「M1」「M1 Smart」「M3」「M3 II」と性能アップとともに進化し、「M4」でワイヤレス化、「M5 Ultra」で真空管アンプ化と進化を続け好評を得ています。

そして今回の「MUSE HiFi M6 Double」は1,000台限定で販売され、ワイヤレス対応のポータブルDAC/ヘッドホンアンプとしての性能を「M5 Ultra」より大幅に向上。真空管アンプとデジタルアンプの切り替え機能も搭載され、真空管アンプ用にはミリタリーグレードの「JAN6418」真空管を2基搭載。さらに「IN-7」ニキシー管を使用した音量表示のネオン管ディスプレイを備え、外観と音質、「ダブルの真空管」によるフラグシップに相応しい独創的な製品となっています。
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MUSE HiFi M6 Double」は音量表示にニキシー管を使用した世界初のポータブルDAC/ヘッドホンアンプ製品です。主に1950年代にネオンとして広く使われたニキシー管ディスプレイのノスタルジックな技術を復活させ、外観にヴィンテージ感を加えます。「MUSE HiFi M6 Double」では世界最小のニキシー管である「IN-17」を採用。真空ガラス管には低圧不活性ガスが充填されており 陽極に170V以上の高電圧を加えることでネオンカラーに輝きます。寿命は約20万時間と非常に長く、アクティブな音量表示を行います。

また音質面においても「MUSE HiFi M6 Double」はデジタルアンプ(トランジスタモード)に加え、真空管アンプにも対応。ミリタリーグレードの直熱五極管NOS真空管「JAN6418」を2本搭載し、温かく滑らかな中音域と、柔らかく緻密な倍音を​​持つ高音域を実現します。真空管は堅牢なショックアブソーバーに収納されており、マイクロフォニックを抑制し、あらゆる振動や衝撃から真空管を保護します。
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さらに「MUSE HiFi M6 Double」では外観と音質の2種類の真空管を搭載するために専用設計された電源アーキテクチャを搭載。ニキシー管「IN-17」用の170V、音響用「JAN6418」用の25V電源を独立して確保し、さらに4500mAhの大容量バッテリーにより「MUSE HiFi M6 Double」のオーディオ回路を構成する各コンポーネントへの安定した電源供給を行い8時間の稼働を実現しています。

音質面においてもフラグシップ級のESS「ES9039」32bit DACチップを採用し、「M5 Ultra」の「ES9038Q2M」からアップグレード。超低THD+N性能と高SNR、高DNR性能により、非常にクリアな出力を実現します。またワイヤレス機能についてもQualcomm「QCC5125」チップを搭載し、Bluetooth 5.2対応、LDAC/aptX Adaptiveなどのハイレゾコーデックへの対応をサポートします。
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MUSE HiFi M6 Double」は1000台の限定販売で、価格は399ドルです。

HiFiGo(hifigo.com): MUSE HiFi M6 Double


AliExpress(HiFiGo Store): MUSE HiFi M6 Double


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

というわけで今回は発売前の段階でサンプル用のモデルが届きました。またオマケのニキシー管ネオンユニットがオレンジのボックスで付属していました。
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パッケージ内容は、本体、レザーケース、USB OTGケーブル、USB Lightningケーブル、USB Type-A変換コネクタ、充電用USBケーブル、マニュアル。マニュアルはA4サイズの冊子で本体およびアクセサリーの操作説明が英語で詳細に記載されています。
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なお、サンプル機の付属ケースはちょっとサイズ的に合ってなかったため、後日修正したケースが届きました。おそらく製品版ではこちらの修正したケースが同梱されると思います。

MUSE HiFi M6 Double」はアルミ製のソリッドなデザインの筐体で、121.2×81.3×24.5mm、285gで、ポータブルアンプと言うよりミドル級のDAPくらいのサイズ感があります。ガラスパネルの貼付けなどに若干コスト的な要素を感じますが、金属製の筐体自体はかなりしっかりしている印象で、レザーケースなどを併用して可動部分を無理に扱わなければ、さほど問題は無さそうです。
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ただDAPならば液晶ディスプレイがありそうな上面はガラス面で基板が見える「M4」以降のデザインを踏襲しており、前面部分に1ichiほどのステータスディスプレイと、ニキシー管によるボリュームインジケーターが並びます。
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右側側面には、ボリュームノブ、電源ボタン、マルチファンクションボタン「M」、矢印ボタン「<」および「>」が並びます。このボタン部分のダンピングがちょっとカチャカチャして安っぽく感じるのは少し残念な点ですが、こちらも付属のレザーケースに入れると良い感じかなとも思います。
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後面には3.5mm、4.4mm出力、USB Type-C端子が2系統(充電用とDAC用)備えられています。充電ポートで充電を行いながら電源をONにして使用することも可能です。また裏面には各種認可と合せて日本の技適マークと認可番号もしっかりプリントされています。

MUSE HiFi M6 Doubleディスプレイは入力モード(「USB」と「Bluetooth」)、ゲイン(L/M/H)、フィルター、バッテリー残量、アンプモード「TM」(トランジスタモード)/「VT」(真空管モード)、シャットダウンタイマーが表示されます。画面中央には「USB」モード時は「PCM」「DSD」表示、「Bluetooth」モード時にはコーデックが表示されます。

MUSE HiFi M6 Double」の電源を投入するとディスプレイにはロゴ表示アクションのあとステータス画面となり、ニキシー管では音量をオレンジ色の温かみのある色彩で表示します。ニキシー管による表示は他には無い「エモさ」があり、これだけでも非常に魅力的です。50代のおっさんである私の場合、昔ながらのネオン管のある古いバーに通っていた時のことを少し思い出したりしています(^^)。

なおレビューサンプル機は限定1,000台の対象外(シリアルは0000で統一)で、各レビュアーの名前をシルクスクリーンでプリントされているほか、起動アクションで自身のロゴを表示してもらうサービスを提供いただきました。シリアル番号よりオーナーを特定しているという点でなるほどと思いました(個人的にはとても嬉しい限りです)。
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また同梱されていたA4サイズの「説明書」では、搭載される真空管については詳細な情報が記載されていたのに対し、「MUSE HiFi M6 Double」そのものについては製品サイトの説明と同程度の機能紹介が記載されているだけで、具体的な操作方法については特に記述はありませんでした。しかし全般的にシンプルで特に迷うことなく設定や操作を行うことができました。

またオレンジのボックスで同梱されたオマケのニキシー管ディスプレイクロックは数字の切替で日時を表示するデジタル時計のアイテム。「MUSE HiFi M6 Double」が搭載する音量表示のギミックを分かりやすく体験できるアイテムとなっています。
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円形の本体にニキシー管を取付け、USBケーブルで電源を入れることで利用可能です。SELボタンで年/月日/曜日(01-07)/秒/時分を切替えて表示します。もうひとつの+ボタンを組み合わせて時刻設定を行うことができる仕様です(初期値で中国の時刻設定になっているため、日本時間にするためには1時間遅らせる必要があります)。
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起動するとニキシー管の数字表示が小刻みに切り替わり日時を表示し、本体もカラブルに点滅し、イルミネーション効果を演出します。ノスタルジックさとデジタルの両面を実感出来る、とても楽しいアイテムです。


■ サウンドインプレッション

MUSE HiFi M6 Double」のUSBモードは、USB Audio Class 2.0対応デバイスとして、スマートフォンやMac/PCなどにそのまま接続して利用できます。またWindows用のASIOドライバーも「MUSE HiFi」のサイトからダウンロードが可能です(ただしhttpサイトのためChromeなどでは警告が出ますので、対応は自己責任でお願いします)。

MUSE HiFi M6 DoubleUSB-DACモードでの主要なスペック(出力やノイズ特性など)は公開されていないため詳細を確認することはできませんが、以前レビューした「M5 Ultra」と比較してノイズ特性は同等以上、出力(バランス接続/ハイゲインモード時)は「M5 Ultra」より高いものの、800mW以上の高出力なポータブルアンプよりは強力ではない、という感じで最大500~600mW程度かなと推測します。また「M5 Ultra」同様にノイズ特性も非常に高く、トランジスタモードはもちろん、真空管モードでも感度の高いイヤホン等でもホワイトノイズなどは発生せずクリアなサウンドを楽しめます。
またサンプリングレートなどについての仕様も「M5 Ultra」と同様で最大384kHz/32bit PCMとDSD256ネイティブ再生に対応します。なお、MacなどDSDをDoP転送するデバイスの場合はDSD128までの対応となります。

MUSE HiFi M6 DoubleMUSE HiFi M6 Double」の音質傾向はまずベースとなる「トランジスタモード」ではフラットな傾向のニュートラルサウンドで再生されます。パワーのある安定電源を備え、アンプ回路に十分なパワーを供給することで余裕のあるサウンドで再生されるため、小型オーディオアダプターにあるようなV字方向の調整や逆にボーカル中心の(ややカマボコな)調整などは行われていない、素直なサウンドという印象です。解像感はハイグレードに位置づけられる「ES9039」DACチップの恩恵もあり、「M5 Ultra」より向上している印象で(おそらくS/Nなども向上しています)、より透明感が高く、輪郭が明瞭に感じられます。そのため低域はよりタイトでインパクトがあり、高域の伸びの良さもしっかり反映されます。また透明度の高さから空間表現も秀逸で特にスマートフォンとワイヤレスイヤホンでストリーミングの音源等をメインで聴いている昨今の大抵のユーザーであれば、同じ音源でもその立体的な音響や微細な音の表現に驚くのでは思います。とはいえベストとまでは言えませんが、500ドル以下クラスでのポータブルアンプとしての音質は十分に満たしており実用的な印象です。

MUSE HiFi M6 Double真空管モードでは「トランジスタモード」でのフラットで解像感と透明度の高いサウンドを踏襲しつつ、「適度に真空管のエッセンスを加える」と言った印象で味付けが行われます。やや輪郭やエッジが丸みを帯び、若干の暖かみが付与され、低音はミッドベースを中心に自然な厚みが加わります。解像感の減少は最小限で、明瞭感を維持しつつ滑らかさをより感じさせる程度、という印象です。
そのため据置きなどの伝統的な「真空管アンプ」のウォームでゆったりしたサウンドと比較すると、「MUSE HiFi M6 Double」の「真空管モード」はかなり解像度が高くかなりスッキリした印象に感じそうですね。ただ個人的には音源の雰囲気をしっかり活かしつつ、よりリスニング的な濃密さが加わった印象でこれはこれで「やみつきになる」サウンドだなと感じました。


■ Bluetooth ワイヤレス接続について

MUSE HiFi M6 Double」の「Bluetooth」モードは「LDAC」「aptX Adaptive」「aptX HD」「aptX」「AAC」「SBC」の各コーデックに対応します。コーデックはペアリングしたデバイス側での設定となるため、Androidの場合は「開発オプション」を有効にして設定するか「Bluetooth Codec Changer」などのアプリを併用する必要があります。
MUSE HiFi M6 DoubleMUSE HiFi M6 Double
ワイヤレスの接続性は良好で、もっとも転送レートの高いLDACを使用している場合で多少離れていても安定した接続を維持できました。
音質的にはワイヤレス経由での若干の輪郭の緩くなる点はあるものの解像感は高く、音質傾向もUSB-DACモードをしっかり踏襲しつつ「トランジスタモード」「真空管モード」ともそれぞれの特徴をしっかり捉えて再生されました。やはりLDACモードでの音質が最もクリアで、aptX Adaptiveモードとの比較でも透明感や見通しの良さに実感出来る違いがありました。ペアリングするデバイスが対応出来る場合はLDACモードをできるだけ使用したほうが音質的にはメリットがあるようですね。


■ まとめ

MUSE HiFi M6 Doubleというわけで、「MUSE HiFi M6 Double」はポータブルアンプ製品としては十分に実用的で、かなり魅力的なアイテムだと感じました。このシリーズ、特に「M5 Ultra」と今回の「MUSE HiFi M6 Double」はその製品キャラクターから「真空管サウンド」特化モデル的な印象を受けがちですが、どちらの製品も実は真空管をOFFにした「トランジスタモード」での音質が非常に良好で、実用的であることにも注目したいところです。出力の強さなどのスペック面ではFiiOなどの製品には及びませんが、「ES9039」DACのニュートラルな解像感を自然に引き出しており、癖の無いサウンドはとても使いやすい印象です。
また「真空管モード」では「トランジスタモード」での癖の無い透明感や解像感を踏襲しつつ適度に真空管的な味付けを行うことで非常に心地よいリスニングサウンドを楽しむことができます。
そして何より「MUSE HiFi M6 Double」のニキシー管による表示の「エモさ」は何物にも代えがたい魅力がありますね。興味のあるマニアの方は1台持っていると結構幸せになれるのでは、と思いますよ(^^)。


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