
こんにちは。今回は 「IOAUDIO VOLARE」です。今年に入ってマニアの間で注目されている「IOAUDIO(または「I\O AUDIO」)のデビュー作にしてアッパーミドル級の上位モデルですね。
4基のESTを含む4EST+4BA+1DD構成のマルチドライバーハイブリッド構成で、穏やかさのあるニュートラルなサウンドながら透明度の高い空間表現と原音忠実性の高い描写が特徴的です。
■ 製品概要と購入方法について
「IOAUDIO(または「I\O AUDIO」)は新しいイヤホンブランドで、現在「VOLARE」および「SOGNO」の2種類の製品をリリースしています。私のブログでも以前「SOGNO」(2DD+6BA)をレビューしています。今回は1DD+4BA+4EST構成を採用する上位モデルの「IOAUDIO VOLARE」で、音を生き生きと描き出し、より自然なサウンドステージを実現することで、キレのあるクリアな音楽体験を届けることを目指しています。
「IOAUDIO VOLARE」は、1基のダイナミックドライバー、4基のBAドライバー、4基のEST(静電)ドライバーによる、新開発の 4Way クロスオーバーを備えたマルチドライバー構成を採用。ダイナミックドライバーが低域を担当し、フルレンジで稼働する4基のBAドライバーが音色の一貫性を確保。さらに4基のESTドライバーが高域~超高域の補強を行い独特の明るくスムーズな音色を実現します。このようにバランスの取れたドライバー構成によって、可聴帯域を余すことなくカバーし、滑らかで一体感のあるサウンドを提供します。


「IOAUDIO VOLARE」が搭載する4基の高電圧静電ドライバー(EST)は40kHz までの超高域再生を実現し、広大な帯域幅を確保。
また新開発の2種類のデュアル構成バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーが連携しフルレンジで再生することでBAドライバー間の電子式クロスオーバーへの過度な依存を抑え、より最適な音響構成を実現しています。
そして低域専用には、振動板にシリカゲルサスペンションとバーチ(白樺のウッド製)ドームを採用した8mm ダイナミックドライバーを搭載。開発に1,000時間を費やしたこのダイナミックドライバーにより低域の歪みを従来比で半減させ、優れた質感を実現するとともに、中低域のつながりをより密接なものにし、全体としてより自然でスムーズなサウンドに仕上げています。


シェルはHeyGearsの3Dプリントにより高精度で成形されたシェルを採用。キャビティには耳への圧力を最小限に抑え、疲労を軽減する空気圧調整技術を採用しています。この技術による圧力低減はドライバーの保護にも役立ち、機能寿命の延長にも役立ちます。
また内部では精密3Dプリントによる厳格な音響管構造と革新的な電子および物理クロスオーバーシステムを採用。電子クロスオーバーは異なるドライバー間の周波数帯域の干渉を低減し、さらにフィルタリングととインピーダンス調整を優先したダンパー(物理クロスオーバー)の採用で全周波数帯域における歪みを効果的に低減しクリアなサウンドを実現します。
また内部では精密3Dプリントによる厳格な音響管構造と革新的な電子および物理クロスオーバーシステムを採用。電子クロスオーバーは異なるドライバー間の周波数帯域の干渉を低減し、さらにフィルタリングととインピーダンス調整を優先したダンパー(物理クロスオーバー)の採用で全周波数帯域における歪みを効果的に低減しクリアなサウンドを実現します。


ケーブルは4.4mm、2.5mm、3.5mmの交換可能なプラグを備えた 6N OFC 無酸素銅銀メッキ線を使用した4芯ケーブルを付属。被膜には非常に柔軟な酸化防止剤で修飾された ABS スキンと繊維コアとして引張アラミド繊維を使用しています。
「IOAUDIO VOLARE」の価格は599ドル、アマゾンでは73,099円です。
Amazon.co.jp(LEAUDIO-JP): IOAUDIO VOLARE
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして AliExpressJPのプロモーションにより製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
というわけで、「IOAUDIO」(「SOGNO」のレビューではメーカーロゴにあわせて「I\O AUDIO」と表記していましたが今回は各製品サイトの表記に合せてバックスラッシュは省略しています)ですが、AliExpressのプロモーション担当からも特にオススメの製品のひとつしてラインナップしている関係で、上位モデルの「IOAUDIO VOLARE」をサンプル提供をいただくことになりました。実際クーポンなどを駆使するとかなりお買い得になると思います。
「IOAUDIO VOLARE」はイヤホンのパッケージとしては相当に巨大な、キューブ型のボックスです。


パッケージが巨大な理由は引き出し3段+ケース段のパッケージになっているから。最近は1000ドル級の製品でも結構シンプルなパッケージも珍しくないので久々の豪華さですね(^^)。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ(3.5mm、2.5mm、4.4mm)、6.35mm変換プラグ、イヤーピース(5種類、それぞれS/M/Lサイズ)、クリーニングクロス、レザーケース、説明書、保証書など。
「IOAUDIO VOLARE」のシェルはHeyGearsによる医療グレードのレジンを使用した3Dプリントシェルを採用しています。フェイスデザインの木の幹のようなデザインが非常に印象的ですね。品質は非常に高く、高級感があります。


片側9ドライバーのマルチドライバー構成で、内部写真を見るとドライバーやPCB基板などがびっしりと収納されているのが印象的ですが、その結果としてシェルサイズは大きすぎずフィット感は非常に優れています。ステムノズルはやや長めのため少し小さめのイヤーピースで耳奥まで装着することで快適な装着感と高い遮音性を持っています。


「IOAUDIO VOLARE」のシェル形状は「SOGNO」ともほぼ同じで、フェイスデザインの意匠の違いが外観上は主な相違点のようです。
ケーブルはブラックの被膜の4芯タイプの撚り線ケーブルが付属します。線材は6N OFC無酸素銅銀メッキクロス編みで4.4mm、3.5mm、2.5mmの交換式プラグを採用しています。適度な太さがありますが被膜は弾力があり、重すぎず取り回しも良い印象です。


イヤーピースは、自社ブランドのIO-TW45、IO-TW43、IO-TT55、IO-ST50、IO-F49 の5種類のイヤーピースが各サイズ付属します。F49のみがウレタン製であとはシリコン製ですね。
■ サウンドインプレッション
「IOAUDIO VOLARE」の音質傾向は比較的明るめの印象でフラット方向のニュートラルサウンド。バランスとしては「SOGNO」同様にハーマンターゲットに準拠したU字寄りの弱ドンシャリです。低域は若干ブーストされ、しっかり沈むものの中低域は直線的で、ボーカル域はやや前傾しつつ滑らかな中音域があり、分離感・解像度に優れクリーンで見通しがよい印象。さらに4基のESTにより高域~超高域の伸びが向上し刺激を抑えつつ透明感や空気感が増しています。
同社の「SOGNO」よりやや温かく穏やかさを感じるサウンドで、ウォームになりそうな部分をESTで補完し情報量やスピード感を向上させている印象です。
仕様としてはインピーダンス 4.8Ω、感度 121dB/mW と小型のオーディオアダプター等でも鳴らしやすい印象ですが、特にアンプ部分の仕様によってかなり影響を受ける印象があります。これは「IOAUDIO VOLARE」の設計ポリシーとして温室に影響の大きい電子クロスオーバーを可能な限り使用せず、物理フィルターによる微調整を優先するアプローチに少なからず影響します。
例えば「Kinera Imperial」のハイグレード製品や、UEなどトラディショナルなCIEM製品なども、ダンパー等の物理フィルターのみ、または物理フィルター優先の設計をしていますが、これらのマルチドライバー製品は総じてインピーダンスが非常に低く、上流に影響されやすい傾向があります。「IOAUDIO VOLARE」についてもESTの鳴り方などで、据置きの「FiiO K9 PRO LTD」と、十分に駆動力のあるDAPでも印象に違いがありました。むしろ出力はそこまで大きくなくても自社でもマルチドライバー製品をリリースしているHidizsのDAPのほうが「FiiO K9 PRO LTD」同様に自然な印象に感じるなどメーカーごとの相性も多少はある印象ですね。この辺はリケーブルなどでも同様に変化しますので使用する環境に合せて好みに合うアプローチを探してみるのも良さそうですね。
「IOAUDIO VOLARE」の高域は4基のESTを活かし、比較的上の方の帯域に適度なアクセントがあり、全体としては比較的穏やかさを感じる印象ながら、同時に伸びが良く空気感と明瞭感があります。
高域の主張については前述のように再生環境にも左右されるのですが、より相性が良いと思われる環境では、EST搭載機にありがちな高域のちょっと人工的な伸び感、あるいは「わざとらしさ」みたいな印象はほぼ感じること無く直線的に伸びる印象です。超高域の伸びやかさによりより音場の広さを感じさせる要素にもなっています。
ハイハットなどシンバル音は粒立ちが良く、明瞭な輪郭を持ちつつも過度に硬質にならず自然な印象。透明感のあるスッキリした印象も感じつつ穏やかで、優れた解像感や分離を持ちつつ聴き疲れを抑えた調整が行われています。
高域の主張については前述のように再生環境にも左右されるのですが、より相性が良いと思われる環境では、EST搭載機にありがちな高域のちょっと人工的な伸び感、あるいは「わざとらしさ」みたいな印象はほぼ感じること無く直線的に伸びる印象です。超高域の伸びやかさによりより音場の広さを感じさせる要素にもなっています。ハイハットなどシンバル音は粒立ちが良く、明瞭な輪郭を持ちつつも過度に硬質にならず自然な印象。透明感のあるスッキリした印象も感じつつ穏やかで、優れた解像感や分離を持ちつつ聴き疲れを抑えた調整が行われています。
中音域は、癖の無いニュートラルな印象で凹むことなく再生されます。ボーカル域は若干前傾し、女性ボーカルやピアノの高音など中高域に若干のアクセントがあり、ある程度の主張でより鮮明に描写されます。男性ボーカルはややドライでスッキリした印象もありますが、しっかりとした存在感があり淡泊に感じることはありません。若干の温かみがあり滑らかな印象もある中音域ですが、解像感は高く音像ははっきりしており、息づかいなどの細かなニュアンスも精緻に描写します。
演奏との分離も適切で、楽器も色づけの無い素直な印象で、原音を忠実に表現します。いわゆるリスニング的な演出も無いため、音源の良し悪しが出やすいタイプですね。そういった意味でよりフラットな印象を持つ方も多いと思います。そのためいわゆる「きしめん状」のポップスやアニソンの音源は輪郭が強調されやすくあまり向かないかもしれませんが、クラシックやジャズやしっかり録音された音源などではグルーヴ感が驚くほど綺麗に描写され気持ちよく感じることができるでしょう。音場は広さおよび奥行きとも十分で、大きなホールでのコンサートのような音源でも余裕を持って描写されます。定位も中央を基準に正確に配置され、分離感も非常に優れています。
低域はほぼニュートラルなバランスで重低音を中心に若干ブーストし、量感がアップしています。とはいえ強調感はほぼ皆無で、自然かつタイトな低音で中高域を下支えする印象。重低音はしっかりと沈み込み、解像感やキレも良いため、音数の多いEDMなどでもしっかり描写します。
ただし重量感はあまりないため、臨場感のあるサウンド好まれる方には向かないでしょう。ミッドベースはやや抑え気味で、中高域との分離を向上させ、タイトでスピード感のある音を鳴らします。中音域は滑らかですが低域は結構ドライでキレが良い印象ですね。
スピード感があり、減衰も早いため早い曲でも混雑するような印象は無くスッキリと再生されます。リズム感や低音の粒立ちの良さという点では良い質感をもった低音だと思います。
ただし重量感はあまりないため、臨場感のあるサウンド好まれる方には向かないでしょう。ミッドベースはやや抑え気味で、中高域との分離を向上させ、タイトでスピード感のある音を鳴らします。中音域は滑らかですが低域は結構ドライでキレが良い印象ですね。スピード感があり、減衰も早いため早い曲でも混雑するような印象は無くスッキリと再生されます。リズム感や低音の粒立ちの良さという点では良い質感をもった低音だと思います。
■ まとめ
というわけで、「IOAUDIO VOLARE」は「SOGNO」同様にハーマンターゲットに準拠したニュートラルなバランスで調整しつつ、よりフラット方向で楽しめる上質なサウンドが印象的な製品でした。比較すると「SOGNO」のほうがややV字寄りでリスニング的なアグレッシブさがありますね。低域はタイトで解像感重視のチューニングを行いつつ、フルレンジ稼働するBAで構成される中音域および中高域は、十分に広さのある音場と解像度の高いサウンドにより、フラット方向で原音忠実性の高いサウンドをやや穏やかな印象で奏でるのが特徴的でした。ともするとややウォーム寄りにも感じそうなチューニングですがここで4基のESTを補完することで伸びやかな高域と超高域とともに空気感や残響感を自然に描写することでより広い音場とスッキリした明瞭感を全体に与えています。
海外レビュー等では構成的に「Moondrop Variations」と比較する記事もありましたが、個人的には価格的にも音質傾向的にも「Moondrop Meteor」あたりと競合する製品かなというイメージでした。「Meteor」がややボーカル寄りなのに対し「IOAUDIO VOLARE」はオーケストラなどを含めた演奏を含めた原音忠実性の高さが特徴という感じでしょうか。上流を調整するなどアッパーミドル、またはハイグレード特有の留意点はありますが、非常に良いイヤホンだと感じました。