HIDIZS MK10 ArcSonics

こんにちは。今回は 「HIDIZS MK10 ArcSonics」です。100ドル以下で精力的に新モデルをリリースしラインナップを強化しているHIDIZSの最新モデルです。シングルダイナミック構成で、デュアルマグネティック、デュアルキャビティ仕様の10mm SCC(Silicon Carbide Crystal)振動版ダイナミックドライバーを採用。同クラスのモデルと比較しより明瞭で情報量の多いサウンドを実現しています。

■ 製品概要と購入方法について

HIDIZS」はコンパクトなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やスマートデバイス用のオーディオアダプターの分野で人気の高いブランドですね。さらに最近ではイヤホンも高音質・高品質な新製品を精力的にラインナップしており、どのモデルも多くのユーザーから高い評価を受けています。
→ 過去記事(一覧):「Hidizs」製品のレビュー(イヤホン/DAP・アダプターなど)

HIDIZS MK10 ArcSonics」は10mm SCC(Silicon Carbide Crystal)振動版ダイナミックドライバーをシングルで搭載するモデルで、鏡面仕上げされたZA12亜鉛合金製シェルも特徴的なイヤホンです。
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HIDIZS MK10 ArcSonics」が搭載するドライバーは、高品質N52マグネットを採用し、精密に調整されたデュアル磁気回路とデュアルキャビティ構造を採用。磁束密度を高め、振動板の動きをより正確に制御し、エアフローを最適化し、不要な共鳴を低減することで、深みのあるクリアでパワフルなサウンドを実現しています。
振動板には希少なSCC(Silicon Carbide Crystal/シリコンカーバイドクリスタル)振動板を採用し、高い剛性と低質量を両立し、従来の振動板を凌駕する優れた明瞭度と過渡応答を実現します。高音域は耳障りな音にならずに自然に伸び、中音域と高音域は滑らかでありながらディテールを保ち、全体としてクリーンで広がりのあるサウンドを実現します。
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本体シェルには頑丈なZA12亜鉛合金製のユニボディを採用し、耐久性、耐振動性、構造的安定性を確保。表面は鏡面仕上げされています。その外観は自分だけの「スチールアーマー」を装備しているような感覚になります。またステムノズルは3種類のフィルターを採用しており、交換が可能です。
ベースノズル(ブラック)はパワフルで深みのある低音が楽しめ、トレブルノズル(シルバー)は滑らかで軽やかな高音と豊かなディテールを表現。ボーカルノズル(クリムゾン)はボーカル曲に最適なに最適な、温かみのある親密な中音を提供します。
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HIDIZS MK10 ArcSonics」の価格は89ドル、アマゾンでは10,999円です。3.5mm版と4.4mm版のケーブルが選択可能。またカラーリングも「シルバー」と「ブラック」が選択できます。
公式ストアにてレビュー掲載時先行価格 59ドルで購入可能です。

HIDIZS公式ストア(hidizs.net): HIDIZS MK10 ArcSonics


Amazon.co.jp(HIDIZS JP): HIDIZS MK10 ArcSonics


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HIDIZS より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

HIDIZS MK10 ArcSonics」のパッケージは製品画像を掲載した黒箱デザイン。最近だと「MS2 PRO」などと同様のパッケージサイズですね。
今回も結構以前から依頼をいただいておりましたが、私の体調不良(およびそれに伴う耳の不調)のため、全てのレビュー掲載を延期しており、このタイミングとなりました。体調のほうはまだ万全ではありませんが少しずつ復帰していく予定です。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、サウンドフィルター(ケース入り)、レザーポーチ、説明書、保証カード。
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「HIDIZS MK10 ArcSonics」の本体は亜鉛合金製。やや重量感がありますが耳に収まりやすいデザインで装着性は良好です。だし亜鉛合金製でやや重いため、ケーブルの耳掛け部分にあわせて、ある程度フィット感を維持し固定できるイヤーピースとの組み合わせが必要になります。
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ケーブルは、高純度無酸素銅(OFC)銀メッキ線のツイストペアケーブルが付属。プラグは3.5mmまたは4.4mmを購入時に選択します。コネクタは0.78mm 2pin仕様を採用しています。
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また「HIDIZS MK10 ArcSonics」は100ドル以下のモデルながら3種類のノズルフィルターを備えています。標準では「低域」強調の黒リングが装着済みで、他に「高域」強調の白リング、「ボーカル」タイプの赤リングのフィルターが同梱されます。どのフィルターもハーマンターゲットカーブ(H-2019)に準拠したサウンドデザインで調整され、中高域~高域に変化を与えます。
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また実際には黒リングのフィルターと赤リングのフィルターはかなり近い印象で調整され、裏面のフィルター材のない白リングがより高域が伸びる、という印象ですね。イヤーピースは黒色の「Balanced Eartips」と白色の「High Frequency Eartips」の2種類が各S/M/Lサイズ付属します。3種類のノズルフィルターとあわせて6種類のサウンドチューニングが楽しめる仕様になっています。


■ サウンドインプレッション

HIDIZS MK10 ArcSonicsHIDIZS MK10 ArcSonics」の音質傾向はHIDIZSらしい緩やかなV字を描く弱ドンシャリ。ハーマンターゲット(H-2019)をベースに若干低域の厚みを持たせリスニング方向の調整されています。搭載される10mm シリコンカーバイドクリスタル(SCC)振動板の特徴もあり、最近の同社のモデルと比較してもより明るくハッキリした印象のサウンドが印象的です。
低域はニュートラルより若干ブーストされていますがタイトな印象でバランス良く再生され、高域は明瞭でクリーンな印象ながら刺さりなどはコントロールされており聴き疲れしないサウンドに調整されています。中音域は微細な音まで表現力が高く情報量の多いサウンド。ボーカル域も含めた見通しの良さが印象的です。

交換式フィルターは低域強化の黒リング(Deep Black)、ボーカル寄りの赤リング(Crimson Steel)、高域強化の白リング(Shimmering Silver)の3種類で、標準では黒リングタイプが装着されていました。HIDIZS MK10 ArcSonics黒リング(Deep Black)と赤リング(Crimson Steel)はバランスとしては比較的近い印象ですが、より低域の厚みを感じやすくV字方向のサウンドを楽しめるのが黒リング(Deep Black)、中高域(2~3kHz付近)のアクセントが強化され、女性ボーカルがより前傾する印象でボーカルの艶感がより強調されるのが赤リング(Crimson Steel)という印象。製品説明によると黒リング(Deep Black)はロック、メタル、EDMなどに向いており赤リング(Crimson Steel)はポップスやアコースティックサウンドに向いているということですが、概ね印象としては合致しています。
そして高域強調の白リング(Shimmering Silver)は高域の伸びが強化され、シンバルはより鮮やかで見通しよく、クラシックやジャズでの質感が向上します。しかしやや寒色傾向が強まるためドライに感じる場合もあります。

ということで以下は黒リング(Deep Black)フィルターを基準に記載しています。

HIDIZS MK10 ArcSonics」の高域(黒リング)は、明瞭で解像感が高く伸びもあるものの線は細すぎずハイハットなどもしっかり表現されます。また見通しも良く抜けよい印象。歯擦音などの刺激はコントロールされており、刺激は控えめ。
白リング(Shimmering Silver)では場合によっては若干の刺激がありますが同様に調整されつつ、より寒色系の印象で伸びが増します。

HIDIZS MK10 ArcSonics中音域はボーカル域はやや前傾しますが、バランスとしては癖の無いニュートラルな印象。先日レビューした「MS2 PRO」よりニュートラルさを感じつつハッキリした輪郭があり、情報量の多さを感じる印象。またより温かみのある「MK12 TURRIS」と比較するとクールな印象を受けます。印象としては分析的なリスニングには「HIDIZS MK10 ArcSonics」が最も向いていそうです。癖の無い印象の黒リング(Deep Black)に対して赤リング(Crimson Steel)ではよりU字傾向の印象が増し、ボーカルの主張と艶感が増します。
音場は左右にやや広めでかつ自然な奥行きとレイヤー感があります。ただ1音1音の粒立ちがよく情報量の多い印象のため、滑らかさより空間の中での個々の描写が優先される印象。この辺もより分析的な印象で、リスニング寄りの「MK12 TURRIS」との使い分けのポイントになりそうです。

HIDIZS MK10 ArcSonics低域はハーマンターゲット(H-2019)よりミッドベースを中心に若干ブーストされているものの、量感としては一般的で自然なバランスで再生されます。締まりが良くキレがある印象で立ち上がり・立ち下がりが速く、キックのアタックも分かりやすい印象。重低音は適切な深さがあり自然な厚みと重量感で下支えします。低域強調となる黒リング(Deep Black)フィルターに比べて赤リング(Crimson Steel)と白リング(Shimmering Silver)も低域の量感そのものは変化せず中高域の変化により相対的にバランスが変わる印象。それでもどのフィルターでも自然なバランスを維持しているため、低域が減るような印象はあまり感じないようです。


■ まとめ

HIDIZS MK10 ArcSonicsというわけで、「HIDIZS MK10 ArcSonics」はシャープな印象のシリコン系の振動板を採用し、明るく明瞭な傾向で再生しつつ、寒色に振りすぎずにHIDIZSらしいニュートラルなリスニングサウンドの範疇でバランス良くまとめられているのが印象的でした。3種類のフィルターもそこまで大きなバランスの変化はないため、好みに応じて使い分ける感じで楽しめるのも良いですね。
ハイブリッドサウンドをブラッシュアップした「MS2 PRO」や、滑らかさを感じるサウンドが特徴的な「MK12 TURRIS」に対して、今回の「HIDIZS MK10 ArcSonics」はより情報量が多くクリーンな印象で、明瞭な輪郭を持っていることから分析的なリスニングを好まれる方により向いている傾向と言えるでしょう。好みや用途に合わせて製品を選べるのもHIDIZSの興味深いところですね。


タグ :
#Hidizs
#構成:1DD
#価格帯/グレード:50-100USD
#有線イヤホン:1万円台
#中華イヤホン(100USD未満)
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin