NICEHCK Octave

こんにちは。 「NICEHCK Octave」です。NICEHCKブランドによるオーディオアダプター製品で、「ES9039Q2M」DACを搭載し、バランス仕様、高出力低ノイズ設計の高性能モデルです。ただ低価格の「NK1 MAX」が分かりやすくライトユーザー向けだったのに対し、こちらは相当なマニア向け仕様である意味「いかにもHCKらしい」アイテムに仕上がっています。

■ 製品概要と購入方法について

ポータブルオーディオのマニア向けに数多くのイヤホンやケーブル、アクセサリー製品をリリースしている「NICEHCK」ブランドによる高音質オーディオアダプターです。最近では5万円オーバーの高級イヤホンも販売している「NICEHCK」ブランドのさまざまなイヤホン製品でも最適に最適できるパフォーマンスを持ちつつ100ドル以下の手頃な価格設定を実現しています。
→ NICEHCK製品(イヤホン、ケーブル、アクセサリー製品)のレビュー

NICEHCK Octave」はコンパクトなドングル型のオーディオアダプター製品で、DACチップにESS「ES9039Q2M」を搭載。最大32bit/768kHz PCM、DSD256に対応。フルバランス出力に対応し、最大出力550mWの高出力とSNR 130dBの低ノイズを実現しつつ100ドル以下の低価格を実現しています。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave
NICEHCK Octave」のDACチップにはESS製「ES9039Q2M」を搭載。32bitの「HyperStream IV」アーキテクチャに基づき優れたオーディオ性能とともに消費電力と発熱を効果的に抑制。最大32bit/768kHz PCM、DSD256に対応し、ダイナミックレンジは最大130dB、SNR 130dB、歪み率0.0001%の低ノイズ、低歪みを実現しています。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave
またオペアンプには2基の「SGM8262」を搭載しバランス出力に対応。最大出力550mW@32Ω(バランス)、150mW@32Ω(シングルエンド)の高出力に対応。また本体にゲイン切替スイッチを搭載し、さらに音量ボタンによる100段階の独立ボリュームに対応しています。反応の良いCIEM製品から高インピーダンスのヘッドホン製品まで幅広い出力環境に対応します。
また内部電源モジュールは低ノイズの電源チップを複数採用し、精緻な回路レイアウトにより出力ノイズを極小化します。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave
その他、3.5mmプラグはTRRSのマイク付きケーブルに対応。インラインリモコンによる操作にも対応します。また専用アプリによる詳細なイコライザー設定も可能です。

NICEHCK Octave」の価格は89ドルです。
またカラーバリエーションは「Titanium」と「Purple」が選択可能です。

AliExpress(NiceHCK Audio Store): NICEHCK Octave


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HCK Earphones より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

NICEHCK Octave」のパッケージは製品画像による化粧箱のシンプルなデザイン。今回は「Purple」カラーモデルで届きました。またマグネットの固定プレートも一緒に届きました。
実は結構以前から依頼をいただいておりましたが、私の体調不良(およびそれに伴う耳の不調)のため、全てのレビュー掲載を延期しており、このタイミングとなりました。体調のほうはまだ万全ではありませんが少しずつ復帰していく予定です。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave

パッケージ内容はオーディオアダプター本体、USB Type-C OTGケーブル、USB-A変換アダプター、説明書。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave

本体はアルミ製で上面および下面にはガラスコートにより装飾されたシンプルながら質感の良いデザイン。サイズは57×25×12.5mm、25gとコンパクトかつ軽量にまとめられています。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave
接続ポートは3.5mmシングルエンド(マイク付きケーブルにも対応)、4.4mmバランス出力の2系統を搭載しています。側面の操作ボタンは音量「+」「-」および「再生/停止」の3ボタン構成で、独立した100段階のボリュームに対応します。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave
また反対側の側面にはゲイン切替スイッチがあります。さまざまなイヤホンを使い分けるマニアほどゲイン切替えは実は結構良く使う機能なのでスイッチが分かりやすいのはとても良い仕様ですね。付属するUSB Type-C OTGケーブルは高純度の4芯撚り線タイプの銀メッキ線ケーブルを採用しています。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave
なお、今回届いた「NICEHCK Octave」のファームウェアではハードウェアの音量メモリー機能が無く、油断すると爆音で再生されるという仕様となっていました。これらの問題は最新のファームウェアで解消されており、HCKサイトでダウンロードし適用することで対応可能です(ファームウェアの適用にはWindows環境が必要となります)。
→ nicehck.com:ファームウェアダウンドードページ

また付属の説明書のQRコードを選択すると、専用アプリのダウンロードサイトに接続され、Android用のapkファイルをダウンロード可能です。専用アプリは日本語表示にも対応しており、詳細なイコライザー設定などを行うことが可能です。
NICEHCK OctaveNICEHCK Octave
なお、「NICEHCK Octave」はUAC2.0(USB Audio Class 2.0)に対応しており、Android、iPhoneのほかMacやWindowsなどにも接続して利用できます。MacでAudirbanaで確認すると対応する仕様を確認することができますね。

NICEHCK Octave初期ファームウェアには色々問題があった「NICEHCK Octave」ですが修正ファームウェアの適用により、「ハードウェアの音量メモリー機能が追加」(爆音問題の解消)、「ハイゲインからローゲインへ切り替え時の無音問題を解決」「iOS デバイスでの音量調整時の不連続問題を解決」「PC 端末での音量調整時の不連続問題」など音量に関する基盤ロジックをリファクタリングしています。
現在は第2次ロットでの出荷となっていますがこのファームウェアが適用済みかは不明ですが、利用時には最新ファームウェアの適用をお勧めします。


■ サウンドインプレッション

というわけで以下は修正ファームウェアを適用済みの「NICEHCK Octave」でのレビューとなります。

NICEHCK OctaveNICEHCK Octave」の音質傾向はESSらしい明瞭感とキレの良さを感じる音作りながら、バランスとしては癖の無いニュートラル傾向のサウンドです。それでも過度にエッジを強調するタイプのメリハリ型のサウンドでは無く、優れた解像感を持ちつつ、自然な音色でスッキリと再生されます。やや寒色寄りですがほぼ無味無臭で、イヤホンの特徴、しいては「良し悪し」を結構分かりやすく反映してくれる印象です。このへんはアプリによるEQ設定でいろいろなプリセットを作っていくことを想定している感もあります。現時点では初期設定以外のプリセットは特に存在せず、MoondropやTanchjim製品のような充実したEQ設定を利用できる環境と比較すると物足りないですが、この辺が充実してくると評価も変化しそうですね。

NICEHCK OctaveまたニュートラルでEQ設定のしがいのある音質傾向と併せて、ノイズ特性の高さは同クラスの製品の中でも非常に高く、ノイズレスなサウンドを楽しむことができます。
さらに前述の通りゲイン切替スイッチが側面に付いているのは様々なイヤホンやヘッドホンを取り替えて楽しみたいマニアの方ほど便利に感じる機能でしょう。
そして本体側の消費電力が若干不安ではあるもののバランス出力のハイゲインで最大550mWの出力は鳴らしにくイヤホンやヘッドホンにも対応でき、同様にこういった製品も使う方には心強いスペックです。
ただし、このクラスの出力となると本来は自身でバッテリーを搭載し余力のあるアンプを搭載したDAC、アンプ製品を利用するほうがより充実したサウンドを実感出来るため、基本的には「鳴らしにく製品を使うこともある」程度で思っておくほうが無難でしょう。何というか、こうやって書けば書くほど、ちょいちょい出張中でいろいろレビューするイヤホンを聴いている私のような人間向けの製品かしらん?と思ってしまいますね(^^;)。

閑話休題、「NICEHCK Octave」はフラット方向に近いニュートラルサウンドですが、ESS系らしい寒色系のサウンドのため、最近のオーディオアダプター製品のように、ややボーカル域にフォーカスし適度な温かみのあるチューニングと比較すると、けっこうキレのある印象で、特に高域は透明感のある伸びやかさを感じると思います。ただし直線的な印象のため、組み合わせるイヤホンによってはアプリのイコライザで1kHz~3kHzを少し上げると豊かさを感じるようになるかもしれません。

NICEHCK Octave中音域も癖の無い印象で、イヤホンの特徴がけっこうハッキリと出ます。最近のU字またはW字寄りのイヤホンと相性が良く感じるでしょう。この辺はEQではあまりいじらない方が良い(というか本気で調整するためにはそれなりに知識が必要)ですね。ただ「NICEHCK Octave」に限ったことではありませんが、この製品のように独立ボリュームでゲイン切替の差が大きめの場合、ローゲインでも鳴らせるイヤホンをあえてハイゲインの小音量で鳴らすことでアンプ回路の特性によりV字寄りのメリハリが強調されます。

低域もフラットで解像感の高さとレスポンスを適切に反映します。よりリスニング的な厚みが欲しい場合はEQで中低域から低域付近で2~3dB程度ゲインをあげてみるのも良いでしょう。


■ まとめ

NICEHCK Octaveというわけで、「NICEHCK Octave」は100ドル以下の価格設定で「ES9039Q2M」DACを搭載し、最大768kHzのハイレゾにも対応。さらにデュアル「SGM8262」オペアンプ搭載で、バランス出力で最大550mWの高出力と130dBのダイナミックレンジ、SNRに対応、さらに100段階の独立ボリュームと物理スイッチでのゲイン切替えに対応することで、さまざまなイヤホンやヘッドホンを使い分けるマニアに最適な仕様となっています。
フェームウェアに改善の余地があるなど、ある程度詳しく自身で対応可能なマニア向けであるという前提はあるものの、音質的にも明瞭なニュートラル傾向でイヤホンの特徴をよく引き出せる仕様となっています。またマニア向けの機能として専用アプリによる詳細なEQ設定にも対応するなど、使い込めばかなり楽しめる製品に仕上がっていると思います。
ちょっと以前レビューした「TRN Black Pearl」に通じるようなマニアックさを感じさせる製品ですが、「NICEHCK Octave」のほうが1ランク以上高いオーディオ仕様で、チューニングによりさらに高音質化できる余力を感じます。興味のある方はちょっと遊んでみるのも良いのでは、と思いますよ。


タグ :
#NICEHCK
#USB-DAC