
こんにちは。今回は 「Harmonic Empire XiaoQiao」です。「TANGZU」系の新しい中華イヤホンブランド「Harmonic Empire」のシングルダイナミック構成のモデルです。グラフェン振動版ダイナミックドライバーのキレのあるV字傾向のサウンドをセミオープン型のクールデザインのシェルとややウォームなケーブルで調整し、手頃で楽しいリスニングイヤホンに仕上げられています。
■ 製品概要と購入方法について
「Harmonic Empire」は三国志をテーマにしつつアニメモチーフのデザインを基準としたデザインが特徴の、「TANGZU」による新しい中華イヤホンブランドです。
「Harmonic Empire XiaoQiao」はグラフェン振動版ダイナミックドライバーを搭載したモデルで、デザインコンセプトとしてはアニメ的なメカデザインと三国志のイメージを反映し、メカニカルながら有機的なインスピレーションを反映しています。


「Harmonic Empire XiaoQiao」は10mm グラフェン振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載し、高速でクリーン、そして自然なサウンドを実現します。グラフェン振動板の卓越した剛性により、軽量でコンパクトな低音、繊細な中音域、そして鮮明な高音域が実現します。
またフェイスパネルにはセミオープンデザインを採用。精確かつ鮮やかなサウンドを生み出します。ドライバーの空気圧を調整しよりタイトでコントロールされた低音と、よりクリアな中音域を実現します。


本体は3Dプリントによるレジン製で、フェイスプレートは5N CNC加工したアルミニウム合金製。またケーブルにはケーブルブランド「Vortex Cables」のカスタムケーブルを採用しています。


ケーブルの線材には5N Litz同軸構造を採用したLC-OFC銀メッキケーブルを使用。コネクタは購入時に3.5mmまたは4.4mmを選択可能。カラーバリエーションも「オレンジ」と「パープル」の2色を選択可能です。
「Harmonic Empire XiaoQiao」の価格は69ドルです。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Angelears Audio より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「Harmonic Empire XiaoQiao」のパッケージはアニメ風デザインのなかなか派手な化粧カバーに覆われています。今回はオレンジ、3.5mm仕様で届きました。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(通常タイプ、液晶シリコンタイプがS/M/Lサイズ)、ケース、アクリルキーホルダー、ステッカー。60ドル台のイヤホンとしてはなかなか豪華な印象もありますね。


本体は3Dプリントによるレジン製で、フェイスプレートはアルミニウム合金製。10mmドライバーのシングル構成のモデルとしては結構大きめのシェルサイズで、実際、樹脂製のハウジングでもステムノズル付近に装着されているドライバーの背面に大きな空間があるのが伺えますね。


フェイスプレートの裏面にはメッシュフィルターが貼り付けられており、セミオープン型の構造を採用しています。このハウジング内の空間とセミオープン構造が音質にどのように影響しているか興味深いですね。


シェルサイズは比較的大きめですが耳へフィットしやすいデザインで装着性はまずまずな印象。イヤーピースは通常タイプに加えて液晶シリコンタイプも付属します。この価格帯のイヤホンで付属品が充実しているのは有り難いです。


ケーブルは本体カラーとブロンズシルバーの撚り線による4芯タイプ。線材は5N Litz同軸構造を採用したLC-OFC銀メッキケーブルを使用しているとのこと。やや絡まりやすい印象もありますが、適度な太さで取り回しは良い印象です。
■ サウンドインプレッション
「Harmonic Empire XiaoQiao」の音質傾向は抜けの良いドンシャリ。グラフェン振動版のダイナミックドライバーをシングルで搭載するイヤホン本体は比較的寒色系でキレの良い音を鳴らす印象ですが、付属するケーブルは比較的ウォームな傾向のようで、特に3.5mmでは再生環境にって音量はやや取りにくい印象。そのため音量をアップすることで相応にメリハリのある音になります。またリケーブルによる変化も大きいため、組み合わせによっては結構派手めのサウンドに変化したりもするようです。本体の印象としては、同様のグラフェン振動版を搭載する「TFZ LIVE1」(または「SUPERTFZ LIVE1 PRO」とか)あたりの印象に近く、似たような傾向のドライバーを使用していそうという気がします。
印象としてはこの辺の機種から(インピーダンスを上げて)少し鳴らしにくく、さらにセミオープン型にして低域の抜けや音場感を広げるとこんな感じかな、というイメージでだいたい合ってるかも、と思いながら聴いていました。また「Harmonic Empire」は「TANGZU」のサブブランドのようですし、そういえば同社のウォーム寄りのチューニングにも近いかも、とも感じますし、製品説明の「アニメ風メカデザイン」と「三国志的なイメージ」の融合というのがキレのある寒色系サウンドにウォームさを加える、ということであるなら、それもそうかな、と感じます。高域はスッキリとした明瞭な印象で鳴ります。ただ付属ケーブルでは多少高域は抑制され、ウォーム方向に調整されるため若干暗くなりますが、比較的解像感は高く見通しも良い印象。
情報量の多い銀メッキ線ケーブル等にリケーブルすることでより伸びのある明るい音に変化します。リケーブルによって多少刺激は増しますが、標準ケーブルの場合、曲によっては音量を高めにする必要があり、その場合結構メリハリがキツめに出る場合もあるため、相対的にはリケーブルして音量を下げるほうが聴きやすいかも、という気がしますね。中音域は曲や再生環境によっては相応に凹みます。最近分かりやすいドンシャリ傾向のイヤホンは減っているため、相対的に思ったよりボーカル域が下がっていると感じるかも。それでもキレのある明瞭なサウンドのため見通しは良くボーカル域に不足感はありません。解像感や分離は普通ですが、V字傾向の特徴でソリッドさを抑制しているためそれほど違和感はありません。
付属ケーブルでは中低域はややウォームで雰囲気を与えています。セミオープン型により音抜けは良く音場の広がりを補助しつつ、ドンシャリ的なレイヤー感でボーカル域と演奏も分離します。ただ定位はそれほど正確ではありません。

低域はミッドベースを中心に鳴ります。ドライバー自体はそれなりにパワフルに鳴っている印象ですが、セミオープン型を採用することにより音場感や抜け感を優先し、重低音の深さトレードオフした印象。やはり、この製品に合せてドライバーをチューニングしていると言うより、まずドライバーありきでシェルデザインやケーブルなどでサウンドを調整している方式の製品かな、と感じます。どれでもミッドベースは直線的で締まりが良く、アタックも力強いため、多くのボーカル曲などでは不満は少ないでしょう。
■ まとめ
というわけで、「Harmonic Empire XiaoQiao」は非常にクールな外観に、キレの良いV字傾向のサウンドを搭載しつつ、リスニング向けに適度な温かみも感じるチューニングを施した、結構楽しいタイプのイヤホンだと感じました。最近ではU字傾向の、ニュートラル寄りの製品が増えていますので、このように分かりやすいドンシャリ傾向のイヤホンも良いですね。また、もっとメリハリのあるキレキレのサウンドを好まれる方にもリケーブルによる変化の大きさでそれなりに対応出来そうです。価格も手頃ですし、とりあえずは外観と付属品だけで購入してみても結構楽しめるイヤホンだと思いますよ。