ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2

こんにちは。今回は 「ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」です。ZiiGaatブランドによる高音質3BA+1DDモデル「Odyssey」のサウンドをベースに、Crinacle氏率いる「Hangout Audio」とのコラボで新しく生まれ変わった新モデルです。最新のリファレンス傾向を踏襲し、金属シェルに新しいケーブル等付属品や外観も一新し、さらに非常にバランスの良いニュートラルサウンドを実現しています。

■ 製品概要と購入方法について

ZiiGaat」は10年以上にわたってOEM/ODMで製品を提供してきた中国の製造メーカーが立ち上げた独自ブランドで、主にLinsoul系セラーで販売が行われています。主にミドルグレード以上のラインナップで精力的に新モデルをリリースしておりマニアからの注目度も非常に高いブランドのひとつです。
→ 過去記事(一覧): 「ZiiGaat」製品のレビュー

ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」は、3BA+1DD構成を採用する同社の既存モデル「Odyssey」を踏襲した新モデルで、今回は有名レビュアー Crinacle氏のセレクトストア「Hangout Audio (The Hangout by Crinacle)」とのコラボ仕様となっています。
ただ従来のCrinacle氏コラボとは異なり、ストア側から様々な製品要望を出してはいるようですが、同氏によるサウンドチューニングは行っていないことを自身の動画で説明しています。
Crinacle氏の動画によると、ZiiGaatとコラボするにあたって、もともとストアにて評価の高かった「Odyssey」を踏襲しつつ、シェルデザインや付属品(そして音質傾向)などについて改善点を提案し、それらを反映する形で製品化したため、「Odyssey 2」という製品名を与えることになった、という経緯のようですね。これでも十分にCrinacle氏コラボのような気がしますが、逆に言うと同氏の名前を出している製品ではより詳細に、それこそ細かなチューニングまで関わっていた、ということなんでしょうね(^^;)。
ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」では従来のレジン製に対してアルミニウム合金製のシェルを採用。「Odyssey」同様に3BA+1DDのハイブリッド構成を踏襲しつつも搭載ドライバーを一新。低域用ウーファーには10mm バイオセルロース振動板ダイナミックドライバーを搭載し、中音域から中高域にかけてKnowles製のフルレンジユニット「RAF-32873」を2基、さらに高域から超高域用ツィーターにKnowles「RAD-33518」を1基の合計3基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを採用しています。
ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」では正確な低音の響き、透明な中音、滑らかで疲れない高音を重視してニュートラルに調整されています。低域用の第2世代バイオセルロース振動板ダイナミックドライバーでは音色のニュートラルさを維持しながら低周波の深みとパンチを強化し、2基のKnowles 「RAF-32873」BAはクリアで非常に精細な中音域再生を実現します。さらにKnowles 「RAD-33518」ツイーターBAを搭載し空気感が豊かで伸びやかな高音を加えています。
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ケーブルには、無酸素銅(OFC)線と銀線のミックスによるカスタム仕様の4芯 Litzケーブルが付属しています。2pin 0.78mmコネクタと交換式プラグを備えており、3.5mmと4.4mmのプラグが付属します。
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ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」はLinsoulの各ストアにて、価格は249ドル、アマゾンでは38,500円で販売されています。

Linsoul(linsoul.com): ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2


AliExpress(DD-Audio Store): ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2


Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」のパッケージは最近の大型ケースが同梱されるモデルと同様のタイプのボックスになりました。オリジナルの「Odyssey」よりちょっと豪華仕様ですね。
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パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ、イヤーピース(黒と透明の2種類の液体シリコンタイプがそれぞれS/M/Lサイズ、ウレタンタイプが1ペア)、大型のケース、説明書、保証書。
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シェルデザインは最近のZiiGaat製品を踏襲しつつ本体はアルミニウム合金製を採用。そのためフェイス部はアルミプレートの上に装飾を乗せレジンで覆う意匠となっています。フェイス柄はブルーのシルバーのラメ模様ですね。
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また側面にメッシュパーツが埋め込まれたベント(空気孔)がある点も最近の既存モデルのデザインを踏襲しています。実際に「Crescent」と比較してみるとシェル材質の違いはあるものの太めのステムノズルなども含めほぼ同様の形状であることが伺えますね。
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アルミ製のためレジン製の既存モデルより若干重量は増していますし、シェルサイズもやや大きめですがステムノズル部のリーチがあるため装着感はまずまず良好です。イヤーピースもステムノズルの太さに合わせた、形状の異なる黒色と透明の2種類の液体シリコンタイプが各サイズ付属するため、多くの場合付属品のみでしっかり装着できると思います。
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ケーブルはグリーンとブラックの被膜の線材による4芯撚り線タイプ。プラグも交換式です。「Crescent」のケーブルの色違いかと思いきや、こちらはOFCと銀線のミックスによるリッツ構成のようです。本体意匠と合せたケーブルのカラーリングは案外Hangout Audioからの指定かもですね。


■ サウンドインプレッション

ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」の音質傾向はニュートラル方向、リファレンス寄りと考えられるリスニングサウンド。ざっくり言うと、「Moondrop X Crinacle DUSK」などのサウンドバランスにも結構近い、いわゆる「New Meta」と呼ばれる傾向の印象です。ハーマンターゲット(特に「H-2019」)に近いものの、より中高域の自然さとボーカル再現が高く、聴きやすくまとめられている方向性ですね。
フルレンジで稼働する2基の「RAF-32873」を中心に、3基のKnowles製BAはニュートラルで滑らかな調和を示しつつ優れた解像感と見通しの良さを持っており、第2世代のバイオセルロース振動板を採用したウーファーユニットは低域の質を向上させ、深さとともに豊かな音場感を提供しています。低域は2BA+2DDの「Crescent」ほどのパワーはありませんが、全体としてフラット方向のニュートラルさと、ボーカル域を中心とした豊かさ、鮮やかさを両立しており、音楽的にまとまりのあるサウンドに仕上げられています。

ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2なお、前述の通り、「ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」についてはCrinacle氏はサウンドチューニングそのものには参加していないそうですが、コラボしているHangout Audioが公開しているf値を見ると、同氏による「IEF Preference 2025」に極めて忠実にチューニングされていることが分かります。
これがHangout Audioからの要望なのか、ZiiGaatによる歩み寄りなのかは不明ですが、オリジナルの「Odyssey」がそもそも結構近いバランスで、今回のベースとなったことも納得がいく内容になっています。
余談ですが、Hangout Audioのグラフは「B&K 5128」(あのヘッド型の測定器ですね)による測定で、一般的な711カプラによるf値とは測定器格差があるため、単純に曲線だけで判断はしない方が良いでしょう。
※「New Meta」の説明を含めた、このへんの詳細は今後別記事にしようかと思案中です。

ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」の高域は明瞭ながら聴きやすく、滑らかさと直線的な見通しの良さを両立しています。ニュートラル方向に適切な主張があり、不足を感じることはありません。BAによるツィーターユニットによる高域のため、15kHzを超える高高域は表現されませんが直線までに適度なアクセントがあるため自然な伸びやかさを感じさせます。スッキリした印象でシンバル音なども明瞭に鳴りますが刺激は完全にコントロールされており、歯擦音なども無く聴きやすい印象です。

中音域は明瞭で透明感の高い印象で再生されます。海外では「New Meta」あるいは「JM-1」と呼ばれるサウンドに忠実な印象で、ハーマンターゲット的な傾向よりやや中音域全体の主張が強く、さらに中高域にアクセントがある印象で、自然な定位ながらボーカル域が若干際立って感じられます。
ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2ボーカルは自然な距離で定位するため決して近いわけではありませんが、全体的に明るくエネルギッシュな印象で、淡泊に感じることは無いでしょう。また解像感や分離に優れスッキリした印象もありますが、寒色になりすぎず自然な温かみを持っており、演奏には豊かさを感じさせます。
音場は広さと奥行きも自然な広がりがあり、風通しの良い印象でスッキリしています。演奏も定位は正確で、レイヤー感や分離感も適切です。リスニング的な鮮やかさを持っているためモニター用途に向かないと思いますが、遜色無い適切な描写と正確さがあるため音源を堪能するという点では十分に完成度の高いチューニングと言えるでしょう。

低域は直線的で締まりのある音を鳴らし、重低音は深さを持っています。いわゆる「New Meta」準拠のためニュートラルベースから多少低域がブーストされていますが、実際はハーマンターゲット比較では同程度で、さらに中音域に主張があるため、相対的には少なめに感じる可能性もあります。
ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2この辺の「基準」が(「New Meta」などを織り込んだ)最近の海外レビューとの相違により、実際に聴いた印象と海外レビューの記載内容で違いを感じる可能性もありそうです。ニュートラルベースのためV字傾向やパワフルな低域を好まれる方には物足りなく感じる場合もありますが、新しいウーファーユニットによる重低音は深さとエネルギーを持ちつつ早さとキレの良さを持っており、ミッドベースは締まりの良い直線的な印象で再生されます。低域の音数の多い曲でも混雑することは無く、質感を重視される方には十分に好感できる低音だと思います。


■ まとめ

ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2というわけで、「ZiiGaat x Hangout Audio: Odyssey 2」はもともと完成度の高かった「Odyssey」のサウンドを踏襲しつつも、Hangout Audioの高い審美眼を踏まえ全く新しくデザインされたイヤホンとして完成度を高めていました。最近のZiiGaat製品と比較してもニュートラル方向でのバランスは非常に高く、また自然な温かみや滑らかさを持ちつつ、スッキリした見通しの良さから高い解像感と分離を実現しており、海外の「New Meta」界隈でも新たなリファレンスになりそうな実力の高さを感じました。いっぽうで、ある意味分かりやすいサウンド、という点では、「限り無く自然」というアプローチはむしろどっちつかずな感じに思う方もいらっしゃるかもしれません。とりあえずCrinacle氏コラボ製品にある程度好感を持っていらっしゃる方であれば、購入してみても十分に価格に見合う品質ではあると思いますよ(^^)。




タグ :
#ZiiGaat
#Crinacle
#構成:3BA+1DD
#ドライバー:セルロース
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:200-399USD
#中華イヤホン(A200USD~)
#有線イヤホン:3万円台