
こんにちは。今回は「LETSHUOER D02」です。8月22日に発売された、LETSHUOERブランドの最新エントリーモデルです。30ドル級、5千円前後の低価格ながらシンプルで質の良い外観と、ニュートラルベースで音楽、ゲーム、動画など多用途で楽しめる実用性の高いサウンドを持つ、「日常使い」向けのモデルです。
■ 製品概要と購入方法について
「LETSHUOER」は2016年に創業したユニバーサルIEM/カスタムIEMのファクトリーブランドで、中国国内ではカスタムIEMビジネスのほか話題のモデルを数多くリリースしています。平面駆動ドライバーを搭載した「S12」で一躍人気ブランドとなり、すっかり定番イヤホンのひとつとなりました。また同社のユニバーサルモデルではマルチドライバー構成のミドル~ハイグレード製品も多く、自社製品および同社ODMと言われている各製品も含め手堅い音作りは定評があります。
今回の「LETSHUOER D02」は11mmサイズのシングルダイナクックドライバー構成で「日常使い」にフォーカスした低価格モデルです。同社の開発製造の経験を受け継ぎ日常的なニーズを想定して設計されており、音楽、ゲーム、ビデオ鑑賞、音声通話など様々なシーンで高品位な音質表現を目指したイヤホンです。


「LETSHUOER D02」が搭載するドライバーは、自社開発による11mmサイズのデュアル磁気回路デュアルチャンバー構造のダイナミックドライバーをシングルで搭載。0.03mm超薄型紙パルプ複合振動板を採用。ドーム部には高分子ナノ材料のコーティング技術を駆使し解像度を大幅に向上。さらにドイツから輸入した高弾性PUボイスコイルが搭載され、弾力のある低域と透明感のある明るい高域の伸びをもたらします。


また「LETSHUOER D02」のType-Cモデルでは高性能DACチップを搭載し、最大32bit/384kHzまでのハイレゾ再生にも対応します。またケーブルには高品質なMEMSマイクを搭載し通話時のノイズキャンセリングに対応します。
本体シェルはアルミ合金+高透明PCを使用し、シンプルで美しい外観で仕上げられています。LETSHUOERの一貫したスタイルを踏襲したデザインと耐久性を両立しています。


カラーバリエーションは「Aqua」(グリーン)と「Berry」(ピンク)が選択できます。
「LETSHUOER D02」の価格は、3.5mm版が29.99ドル、Type-C版が32.99ドル。
アマゾンでは3.5mm版が4,950円、Type-C版が5,450円です。
Amazon.co.jp(LETSHUOER 公式ストア): LETSHUOER D02
アマゾンでは3.5mm版が4,950円、Type-C版が5,450円です。
Amazon.co.jp(LETSHUOER 公式ストア): LETSHUOER D02
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして LETSHUOER より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージはコンパクトな段ボール製ボックスに化粧カバーを掛けたコストを抑えつつシンプルなデザイン。


パッケージ内容はイヤホン本体およびケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、ハードケース、説明書等。パッケージでコストダウンしつつ、この価格帯でハードケースが付属するのは良いですね。


本体は円筒形のリアキャビティとステムノズルはアルミ合金製で装着部のフロントキャビティ部は樹脂製を採用しています。11mmと比較的大口径のダイナミックドライバーを搭載しつつシンプルなデザインによりシェルサイズはコンパクトのにまとめられています。


そのため耳への収まりは良く、イヤーピースを合せれば装着感で困ることは少ないでしょう。ただステムノズルは結構太めのため、イヤーピースを付属品以外で交換する場合は、軸部分の口径が広いタイプを選択する必要があります。付属イヤーピースは2種類付属しますが質感は良いため、サイズに問題が無ければ特に問題なく利用できます。


ケーブルはフラット(突起部の無い)0.78mm 2pin仕様。透明な被膜で覆われた銀メッキ線による2芯撚り線タイプです。外観は本体デザインとの整合性もあり、取り回しも良い印象。


今回はType-Cモデルを選択しましたが、同タイプは珍しいL型プラグを採用しており、スマートフォンなどに装着した際に下方向にかさばらない点は使いやすくて良いですね。
■ サウンドインプレッション
「LETSHUOER D02」の音質傾向は僅かに中高域寄りのニュートラルなサウンド。スピード感がありキレの良い印象で女性ボーカルなどの中高域がより鮮明な印象。低域はやや控えめですが締まりのある音で、ミッドベースを中心に力強さがあります。音楽だけで無く、ゲームや動画なども想定した多用途向けのモデルですので、オーディオ的にはボーカル域が多少前傾するU字寄りのニュートラルでまとめつつ、自然な広さと正確で立体的な定位感を意識し、細かい音も捉えやすい明瞭感重視のチューニングに仕上げられている印象です。ちなみに、今回はType-Cモデルですが、参考までに手持ちの似たような3.5mmケーブルでもリケーブルして確認してみました。明瞭でニュートラルな印象は同様ですが、Type-Cケーブルのほうが輪郭がハッキリして多少メリハリがある印象になります。おそらく傾向としてはType-Cモデルのほうが若干V字方向(ドンシャリ寄り)に調整されている印象ですね。
「LETSHUOER D02」の高音域は明瞭で伸びのある音を鳴らします。超高域まで解像感は高く比較的スッキリした印象で直線的に伸びるのが特徴的。印象としてはドライでハイハット等のシンバル音は解像感は主張は適切ながら結構乾いた音で鳴ります。解像度も高いものの、いわゆる寒色系の金属質な音とは一線を画しており、軽さと若干の弾力がありつつ、同時にキレとスピード感もあるといった印象です。また歯擦音などの刺激も適切にコントロールされています。一般的にゲーミングやマルチパーパス(多用途)向けモデルの場合、高域はウォーム寄りまたは主張を控えめにするアプローチも多い印象ですが、「LETSHUOER D02」ではむしろ積極的に主張しているのが特徴的です。そこで振動板に紙パルプ複合振動板を使用していることがポイントで、ナノコーティングで解像感や反応速度を向上させつつ、金属振動板ほど硬質にならず軽快に鳴ってくれるのでは、と想像します。
中音域は中高域付近にアクセントを置きつつも、全体としては癖の無い音を鳴らします。音像表現ハッキリとした明瞭感と主張があり、見通しも良い印象。またボーカル域は自然な距離で定位しつつも、女性ボーカルの高音など中高域に強めのアクセントがあるため全体としては若干前傾した印象となり、またメリハリを感じるキレの良さもあるため、中音域が淡泊に感じることは少ないでしょう。いっぽうで相対的に中低域は控えめに感じるため、男性ボーカルはドライな印象で若干大人しめとに感じる場合があります。それでも情報量が多く自然な豊かさも感じられます。音場は自然な広さと奥行きがあり、ドライでスピード感のある音により演奏は比較的綺麗に分離します。ゲーミング用途でも細かい音を描写し位置を捉えやすい印象だと思います。
低域は、ミッドベースを中心に締まりのある音を鳴らします。全体的にキレの良さや解像感を重視した若干の中高域寄りにチューニングされているため、低域は相対的に控えめな印象ですが、大口径の振動板を採用することで中高域との分離を確保しつつ一定の量感を確保しています。振動板の特徴もあり高域同様にやや軽めの印象ではあるものの、キレは良く、エネルギーのあるアタックで小気味良く全体を下支えしています。トレードオフ的に重低音はより控えめで厚みや深さは今ひとつですが、解像感は高いため、低域の音数の多いEDMなどでも結構しっかり描写する印象もあります。この辺もゲーミング用途での優位性に多少寄与する部分かもしれませんね。
■ まとめ
というわけで、「LETSHUOER D02」は30ドル級、5千円前後の低価格モデルながら、「LETSHUOER」の上位モデルを彷彿とさせるシンプルながら質感の良い外観に、ニュートラルベースで解像感の高いサウンドを実現し、マルチパーパス向けイヤホンとしてかなり実用性が高い印象を持ちました。そして個人的に印象的だったのは高域のアプローチですね。ある程度はライトユーザーも想定したモデルでは刺激を抑えるため高域はウォーム寄りや主張を抑えるアプローチが多い中で、「LETSHUOER D02」では紙パルプ複合振動板を採用することで、伸びやかさやキレの良さなどの主張のある高音を鳴らしつつ硬質になりすぎない自然な聴きやすさを両立させている点は好感を持ちました。また低価格モデルでも妥協せず、目的に適した仕様を採用している点も「LETSHUOER」らしい堅実さといえるでしょう。ライトユーザーおよびマニア双方の日常使いとして最適な製品のひとつだと感じました。