KBEAR KB03

こんにちは。今回は 「KBEAR KB03」です。好評だった「KB02」をベースに、低価格ながら搭載される骨伝導ドライバーをよりブースト。さらにKnowles製BAを搭載したハイブリッド構成にアップグレードされました。全体的にゲーム用途を強く意識したチューニングで、万人向けでは無いものの結構興味深い製品に仕上がっていると思います。

■ 製品概要と購入方法について

「KBEAR」は幅広いラインナップを持つ中国のイヤホンブランドで、姉妹ブランドの「TRI Audio」と併せて意欲的な新製品を数多くリリースしています。同社自体はファブレスのため、製造を行うファクトリーごとに複数のラインが存在しまが、同社エンジニアによる一貫したチューニングにより、ブランドとして統一性のあるサウンドを実現しているのも特徴的です。
→過去記事(一覧): KBEAR/TRI製品のレビュー

KBEAR KB03」は1BA+1DD構成に骨伝導ユニットを加えた片側3種類のドライバー構成を搭載したモデル。既存の製品でベリリウムコート振動板ダイナミックドライバーに骨伝導ユニットを搭載した「KB02」がありますが、今回の「KBEAR KB03」では骨伝導ユニットを含めた各ドライバーのアップグレードに加え高域用にKnowles製FKシリーズのBAドライバーが追加されています。
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KBEAR KB03」では高精細3Dプリントシェルに「KB02」のフィードバックを受けてさらに駆動構造が最適化した骨伝導ドライバーを搭載。骨伝導の振動品質および伝達速度を向上させ、使用時の振動フィードバックを強力しました。ゲーム内での体感表現が格段に進化しています。
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メインのフルレンジドライバーにはベリリウムコート振動板ダイナミックドライバーを搭載。高い剛性と軽量特性を活かし優れた過渡特性を備え、音楽の繊細なダイナミクス変化を鮮明に捉えます。高域は透明で繊細、中域は豊かでナチュラル、低域は高速で安定したレスポンスを実現し、バランスの取れたリアルなリスニング体験を提供します。さらに「KBEAR KB03」では追加ツィーターにKnowles製のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載。高周波数帯域の微細なディテールを捕らえ、高密度情報量を向上させます。
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KBEAR KB03」のカラーバリエーションはパープルとグリーンが選択可能。
価格は55.99ドル、アマゾンでは9,399円程度で販売されているようです。

AliExpress(Goodsound audio): KBEAR KB03


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Goodsound audio より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

パッケージアートはゲーミングイヤホンらしさを感じさせるアートデザインを採用。ボックスサイズなどは「KB02」を踏襲しており、モデル名称同様シリーズとして踏襲していることが分かります。
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パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピースが3種類でそれぞれS/M/Lサイズ、アートカード、説明書。イヤーピースは一般的な赤軸グレーのタイプのほか、ブラックの少し柔らかいタイプと、ホワイトの開口部が広いタイプの3種類が付属します。
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KBEAR KB03」の本体は高精細3Dプリントによるレジン製。フェイスプレートは「KB02」とほぼ同じサイズで異なる意匠のデザインを採用。流れるようなデザインが綺麗ですね。
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シェルサイズはBAドライバーが追加され、骨伝導ユニットが強化されたこともあり「KB02」と比較し多少厚みが増したデザインになりました。それでも耳に収まりやすい形状で比較的コンパクトにまとめられ装着性も良好な印象です。
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付属ケーブルは4芯タイプの高純度無酸素銅線で、比較的細く柔らかい線材を使用しており、取り回しは良好です。コンパクトな本体と外観でもしっくりした組み合わせですね。
イヤーピースはこの価格帯のイヤホンとしては珍しく3種類のタイプが各サイズ付属します。付属品のほかよりフィット感のあるタイプに交換するのも良いと思います。


■ サウンドインプレッション

KBEAR KB03」の音質傾向はU字寄りのの弱ドンシャリをベースに、骨伝導ユニットにより重低音を中心にかなり強めにブーストされた印象。音質傾向自体はメインのとなるベリリウムコート振動板ドライバーの影響もあって「KB02」の印象を踏襲していますが骨伝導ドライバーの「効き方」を一般的な骨伝導搭載のIEM製品と比較してかなり過剰気味に効かせており、その対向でKnowles製BAをツィーターとして搭載し、V字方向のバランスに調整している、というアプローチですね。
KBEAR KB03しかし、実際には特に組み合わせるイヤーピースによっては骨伝導ユニットによる「位相の異なる」強い響きが前後に独特のレイヤー感を生み出し、結果としてU字寄りで前傾するボーカル域と不思議なバランスを構成します。ライブでの強めのPAのバランスみたいな印象もあり臨場感を楽しめるサウンドですが、ボーカル中心のリスニングやニュートラル寄りの傾向が好みの方には相応の違和感がある可能性もあります。イヤーピースを変更し装着位置を工夫することで多少の印象の変化は得られるため色々試して見るのも良いかもしれませんね。

正直なところこれ一本で楽しめるといったオールラウンダーではありませんが、特にゲーミング用途ではeスポーツ向けでは無いものの、骨伝導で臨場感を与えつつ、ニュートラルで比較的正確な定位により、ポジションを確実に捉えることが可能で、しっかりプレイを楽しめるイヤホンではと思います。

KBEAR KB03」の高音域は明瞭で伸びのある音を鳴らします。Knowles製BAを搭載することで「KB02」より硬質で寒色系の印象が向上し、直線的な見通しの良さが増しています。それでも全体としては刺激をコントロールし効きやすくまとめられており、刺さりなどは無く聴きやすい印象です。それもでシンバル音などは存在感のある音で描写され、心地よい表現力があります。

KBEAR KB03中音域は癖の無い音をニュートラルに鳴らす印象。ボーカル帯域は自然な定位ながらU字傾向により多少前傾した印象になります。解像感やキレ感という点では、より高価格帯のベリリウム系のドライバーほどでは無い印象ですが、レスポンスは良く、低価格帯のリスニングイヤホンとしては自然かつ明瞭な質感を実現していると思います。若干バランスは変わっていますが「KB02」を良い部分を踏襲している印象ですね。音場は左右には平均的な印象。前後は骨伝導のブーストにより影響されます。

低域はベリリウムコート振動板ダイナミックドライバーではニュートラルなバランスで調整され、ゲーミングなどの用途では締まりのある直線的な印象で個々の音を捉えることができます。いっぽうで骨伝導以外での低域への味付けはほぼ無い印象で、音色もゲーミング向けというか、実用性重視という印象です。
KBEAR KB03そして、骨伝導ユニットは、通常はこの低域を補完するように調整されていますが、「KBEAR KB03」では重低音を中心に、あえてダイナミックドライバーとは別の定位で鳴っているような印象もあります。ダイレクトに骨伝導で伝わる低域とは別の定位で通常のサウンドが再生され、前後に二重化されたレイヤーを構成するイメージですね。リスニング目的ではイヤーピースや曲の種類などでは違和感を感じる場合もあり、かなりクセが強い印象ですが、ゲーミング用途では、プレイ時の定位感と、重低音の臨場感のある響きを両立させる興味深いアプローチだと思います。


■ まとめ

KBEAR KB03というわけで、「KBEAR KB03」は50ドル台の価格設定で骨伝導ユニットを存分に堪能したい、という方(^^;)にはかなり楽しいイヤホンに仕上がっていると思います。ただオーディオ的にどうか、とうとかなり癖が強いので、用途やユーザーをある程度選ぶ製品となりますね。
製品パッケージもゲーミング向けを強く意識しているとおり、ゲーム用途では実用性と楽しさを両立した非常に興味深い製品だと思います。いっぽうリスニング向けでは「KB02」のほうが好印象に感じる場合も多いと思いますので、使い分けて見るのも良いでしょう。
個人的には、お手頃価格のライナップが拡充されることで、挑戦的な製品も楽しめるのが中華イヤホンの良い点だと思いますし、今回の「KBEAR KB03」もかなり楽しいイヤホンだと感じました。


タグ :
#KBEAR
#構成:1BA+1DD+1BC
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:50-100USD
#中華イヤホン(100USD未満)
#ドライバー:ベリリウム
#ドライバー:骨伝導
#有線イヤホン:5000円以上(1万円未満)