
こんにちは。今回は 「ZiiGaat Luna」です。ミドルグレード以上を中心に新モデルを精力的にリリースしている「ZiiGaat」より、同ブランド初のマルチBAモデルがリリースされました。Knowles製とSonion製のBAドライバーを採用に、高2+中2+低2のトラディショナルな3Wayの6BA構成、優れたリファレンスサウンドを実現したアッパーミドル級の高音質イヤホンです。
■ 製品概要と購入方法について
「ZiiGaat」は10年以上にわたってOEM/ODMで製品を提供してきた中国の製造メーカーが立ち上げた独自ブランドで、主にLinsoul系セラーで販売が行われています。主にミドルグレード以上のラインナップで精力的に新モデルをリリースしておりマニアからの注目度も非常に高いブランドのひとつです。
「ZiiGaat Luna」はKnowles製およびSonion製のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーで構成される6BA構成のモデル。リファレンスグレードの精度を求めるスタジオエンジニアやステージパフォーマーなどのプロフェッショナル向けに設計されており、クリティカルリスニングやライブパフォーマンスに必要な精度を実現します。
「ZiiGaat Luna」はKnowles製およびSonion製のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーで構成される6BA構成のモデル。リファレンスグレードの精度を求めるスタジオエンジニアやステージパフォーマーなどのプロフェッショナル向けに設計されており、クリティカルリスニングやライブパフォーマンスに必要な精度を実現します。


「ZiiGaat Luna」が搭載するBAドライバーは高域用ツィーターユニットにKnowles「RAD-33518」×2基、中音域用ユニットにKnowles「RAF-32873」×2基、低域用ウーファーユニットにSonion「39AY008」×2基の合計6BA構成。フラットな中音域、迫力のある低音域、スタジオ級の精度、高速トランジェント、非常にクリアなディテールを実現します。


「ZiiGaat Luna」のシェルは医療グレードのレジンで3Dプリントされており優れた耐久性と軽量性を実現しています。各BAドライバーは完璧なバランスを実現するために手作業で調整されており、全ユニットで個別にテストされています。同様にハンドメイドで生成されるフェイスプレートは堅牢なデザインに高級感と美しさを添えています。ケーブルは0.78mm 2pin仕様の銀メッキ無酸素銅線を使用。交換式のプラグを採用してます。


「ZiiGaat Luna」の価格は379ドル、アマゾンでは57,580円です。
Linsoul(linsoul.com): ZiiGaat Luna
AliExpress(DD-Audio Store): ZiiGaat Luna ※掲載時セール価格 337.31ドル
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): ZiiGaat Luna
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「ZiiGaat Luna」は大型のケースが同梱されるため先日レビューした「Arcanis」より大きめのパッケージサイズとなっています。今回も製品画像によるクールなパッケージデザインですね。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ、イヤーピース(黒と透明の2種類の液体シリコンタイプがそれぞれS/M/Lサイズ、ウレタンタイプが1ペア)、大型のケース、説明書、保証書。


本体は樹脂製でステムノズルは金属製。側面にメッシュパーツが埋め込まれたベント(空気孔)があります。フェイスパネルにはグリーンを中心としたに美しい装飾が施されており、より華やかな印象で高級感があります。


シェルサイズはやや大きめですがステムノズル部のリーチがあるため装着感はまずまずです。「ZiiGaat Luna」のシェルサイズは前回レビューした「Arcanis」より若干小さめで「Lush」とほぼ同じサイズですね。装着分の形状やステムノズルの角度などが微妙に異なっています。


ケーブルは従来より太さのある黒い樹脂被膜の4芯タイプ。太さにあわせて多少重くなっていますが被膜は弾力があり取り回しは良い印象です。プラグは中華2pinタイプで、一般的な2pin仕様のケーブルへのリケーブルも容易ですね。


イヤーピースは形状の異なる黒色と透明の2種類の液体シリコンタイプがそれぞれS/M/Lサイズ付属します。最初から液体シリコンタイプのみ(いちおうウレタンタイプも1ペア付属)としているのも分かりやすくてい良いですね。


また付属ケースもより大型のものになり太さのあるケーブルも含めて余裕を持って収納できるようになりました。小型のDAC、オーディオアダプターなどを一緒にケースに入れておくことも全く問題ないサイズ感ですね。
■ サウンドインプレッション
「ZiiGaat Luna」の音質傾向はニュートラルで滑らかさを感じるサウンドで、サウンドバランスは緩やかにV字を描く印象。「ZiiGaat」初のフルBA機である「ZiiGaat Luna」では、高2、中2、低2の3Wayのドライバー配置で、それぞれKnowlesとSonionのシングルユニットを2基ずつ配置するという、まるで上質なCIEMのような、全く奇をてらわない仕様を採用しています。実際のサウンドも極めて安定したニュートラルさを持っており、製品説明通り「リファレンス」なバランスを実現することに注力していることを実感させられます。ちなみに搭載しているドライバーの型番は異なるものの、低域にSonion×2基、中音域と高域にそれぞれKnowlesを2基ずつ搭載する6BA構成というと、個人的にはやはりオリジナルの「DUNU SA6」を彷彿とさせます。私自身当時トップクラスで好みだった6BA機ですが、「ZiiGaat Luna」も200ドル近く価格を下げつつ、同レベルの滑らかさと自然なバランス、そして高い解像感を持っています。またクロスオーバーを滑らかに調整し、BAらしさより上質なダイナミックドライバーのような質感に近く感じる音作りも多少類似しているかも知れませんね。
「ZiiGaat Luna」の高域は伸びやかで見通しの良い音を鳴らします。「DUNU SA6」に比べるとピークは少し抑えられており、今どきの刺激のをコントロールした聴きやすい印象に調整されていますが、明るく自然な鮮やかさと主張があります。2基のKnowles製BAによる高域はESTなど他のユニットと比べると解像感が突出する印象がありませんが、300ドルオーバーのクラスとして十分に優れており、BAらしいレスポンスの早さを持ちつつも人工的な感じは無く、適度に滑らかでかつ繊細です。中音域は曲によって僅かに凹むものの見通しは非常に良く明瞭な印象のため不足を感じることはありません。Knowles製の2基のフルレンジBAを中心とした中音域は優れた透明感があり、正確な定位で音像を描写します。女性ボーカルやピアノの高音などの中高域には僅かにアクセントがありエネルギッシュで伸びのある綺麗な音で再生され、男性ボーカルも豊かな余韻があります。
また滑らかながら解像度の高い音像表現により、ボーカル帯域は細かい息づかいまで極めて精緻に捉えます。ボーカル域は一般的なU字やW字傾向より自然な距離ですが、演奏との分離も良く、自然な広さと奥行きのある音場感のなかで立体的に定位します。
印象的には「DUNU SA6」のほうがさらにニュートラルで、「ZiiGaat Luna」は比較すると若干リスニング方向に調整されていますが、製品説明の通りスタジオモニターやステージモニターとしても対応出来る表現力を持っていると感じます。
また滑らかながら解像度の高い音像表現により、ボーカル帯域は細かい息づかいまで極めて精緻に捉えます。ボーカル域は一般的なU字やW字傾向より自然な距離ですが、演奏との分離も良く、自然な広さと奥行きのある音場感のなかで立体的に定位します。印象的には「DUNU SA6」のほうがさらにニュートラルで、「ZiiGaat Luna」は比較すると若干リスニング方向に調整されていますが、製品説明の通りスタジオモニターやステージモニターとしても対応出来る表現力を持っていると感じます。
低域はニュートラルバランスではあるもののマルチBAながら適度な厚みと量感を持っています。Sonion製の2基の低域用BAはダイナミックドライバーのようなパンチ力のある音とは異なるものの良好な質感で、直線的でパワーのあるミッドベースと深く厚みのある重低音を実現しています。
ミッドベースはBAの特徴である解像感とスピードを活かしたタイトで情報量の多い音を鳴らします。やはりモニター的なリスニングとの相性も良く、正確に音を刻む感じがあります。また重低音も聴覚外も含めた非常に深くまでやはり解像度のスピード感のある音で深く鳴らします。EMDやハードロックなど低域の音数が多くスピード感を求める場合には好感されると思います。ただし、ダイナミックドライバーのような豊かな響きや重量感、さらには臨場感やグルーヴ感みたいなものはあまりなく必要な音を正確に刻む感じのため、リスニング向けとしては好みが分かれる要素となるでしょう。
ミッドベースはBAの特徴である解像感とスピードを活かしたタイトで情報量の多い音を鳴らします。やはりモニター的なリスニングとの相性も良く、正確に音を刻む感じがあります。また重低音も聴覚外も含めた非常に深くまでやはり解像度のスピード感のある音で深く鳴らします。EMDやハードロックなど低域の音数が多くスピード感を求める場合には好感されると思います。ただし、ダイナミックドライバーのような豊かな響きや重量感、さらには臨場感やグルーヴ感みたいなものはあまりなく必要な音を正確に刻む感じのため、リスニング向けとしては好みが分かれる要素となるでしょう。■ まとめ
というわけで、「ZiiGaat Luna」は「ZiiGaat」ブランドとしては初のマルチBAモデルとして、Knowles製およびSonion製のBAユニットを採用し、2+2+2、3Wayのトラディショナルなドライバー配置と、製品説明にも記載されているスタジオモニターやステージモニター向けも想定したリファレンスサウンドを目指して調整されている意欲的なモデルでした。そのサウンドは同様なドライバー配置を持つオリジナルの「DUNU SA6」などの高評価機と比較しても遜色無く、優れた解像感と正確な音場感とともに滑らかさも感じる印象に仕上がっていました。また「ZiiGaat」の直前までのモデルで毎回ウィークポイントに挙げられている、ケーブル、イヤーピース、ケースなどの付属品がすべて大幅にアップグレードされている点もとても嬉しいところですね。
今回の「ZiiGaat Luna」も非常に良いイヤホンだと思いますので、興味のある方は挑戦してみてください。
なお、激しく余談ですが、個人的には本レビューを書くにあたって「DUNU SA6」の記事を振り返ってみたら、当時の本体価格が549ドルに対して国内価格も59,800円で、現在の「ZiiGaat Luna」の379ドルに対して日本円では5万円台後半と結構近い、という、たった数年での為替の違いになんとも言えない隔世の感を持ってしまったのでした。。。