
こんにちは。今回は「TimeEar」の超極細銀メッキ線のIEMケーブル「TimeEar TEN-99」です。同社はOEM/ODMでは有名ブランドのプロ用ケーブルの開発製造も行っており、その技術から作られた極細仕様のIEMケーブルとのこと。0.5mm銀メッキ線の4芯仕様という圧倒的な極細仕様ながら極めて優れた導電率と高い強度を実現し、ステージモニターなどのプロ用途でもピュアサウンドをしっかり伝達します。
■ 製品概要と購入方法について
「TimeEar」は実績のあるOEMメーカーが2020年に設立したオーディオブランドで、中国市場では2023年より10機種以上の製品を展開しています。主な製品はポータブルDAC/AMP製品、イヤホン製品などポータブルオーディオ分野で、全て自社開発・設計・製造を行い特許技術を複数保有しているとのこと。今年よりAliExpressなどの越境ECを通じて中国国外での展開も順次開始しています。今回の「TimeEar TEN-99」はプロフェッショナルニーズにも対応する極めて高い導電率を持つ極細線イヤホンケーブルです。使用している線材は0.78mmピンよりも細い導体を使用。同社は海外の大手ブランドへのプロ用途等での供給や開発の実績もあるようで、それらの技術や実績を反映し自社ブランド向けにさらに発展させ製品化したのが「TimeEar TEN-99」とのことです。

本レビュー掲載にあたり、「TimeEar」より提供いただいた技術資料によると、「TimeEar TEN-99」は単線あたり0.5mmという超極細線(イヤホンの2pinコネクタが0.78mmですから、それよりさらに細い、シャープペンシルの芯並み太さですね)を使用した4芯タイプの撚り線ケーブルです。
内部の導体には超高純度の無酸素銅(OFC)銀メッキ線を使用。表皮効果を可能な限り低減するため、導体を極めて細く加工し、多線を撚り合わせることで単線を生成しています。
(注記)表皮効果については「解説編」を参照。伝達時に高域が線の外周(表皮)を流れ減衰しやすくなる現象。銀メッキ線は表皮部がより高域伝導背の高い純銀のメッキにすることで相対的に高域が伸びる印象となる効果があります。「TimeEar TEN-99」では、非常に細い導体を使用することで導電性がよりシビアになり表皮効果を受けやすくなるため、その対策を行っている、という意図と思われます。
内部の導体には超高純度の無酸素銅(OFC)銀メッキ線を使用。表皮効果を可能な限り低減するため、導体を極めて細く加工し、多線を撚り合わせることで単線を生成しています。
(注記)表皮効果については「解説編」を参照。伝達時に高域が線の外周(表皮)を流れ減衰しやすくなる現象。銀メッキ線は表皮部がより高域伝導背の高い純銀のメッキにすることで相対的に高域が伸びる印象となる効果があります。「TimeEar TEN-99」では、非常に細い導体を使用することで導電性がよりシビアになり表皮効果を受けやすくなるため、その対策を行っている、という意図と思われます。
また極細線でも実用的な耐久性を確保するため、各線の内部には超高強度でかつ軍事用級でも最も細い水準の防弾糸を補強材に使用。これにより「TimeEar TEN-99」は研究所での過酷なテストでも約10kgの吊り強度を実現しました。通常利用ではより高い強度を実現する可能性もあります。またオーディオケーブルとしては例えばHCKのケーブルなど多様な材質や加工による音質変化を行うアプローチもありますが、「TimeEar TEN-99」では業界トップクラスの優れた導電率を技術の向上を通じて実現する追求を行いました。結果、極細のケーブルながらプロフェッショナルニーズにも対応出来るピュアサウンドケーブルを製品化することに成功しています。
(注記)補足として技術説明によると「物理公式 R=ρL/S に基づき、「TimeEar TEN-99」は極めて細い直径を有するため、断面積Sは非常に小さくなります。それでも、1.2mの長さにおいて、導電率を向上させる技術を最大限に活用することで、抵抗Rを1Ωに抑制しています」とのことです。
「TimeEar TEN-99」はMMCXおよび0.78mm 2pinで3.5mm、4.4mmプラグのケーブルを選択可能。
価格はAliExpressのオフィシャルサイトで 41.92ドルです。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして TimeEar より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
というわけで、今回はMMCX版4.4mmプラグと、0.78mm 2pin版3.5mmプラグの2種類のケーブルが届いています。パッケージは同社の共通のボックスですが、現在は順次販売を開始するという段階なので、今後変更になる可能性もあります。


4芯撚り線タイプとは言え、1本が0.5mmですので撚り線でも1mmちょっとくらいの細さです。そのため絡まり防止のため、ゴム製のケーブルガイドに巻き付けた状態でパッケージに封入されていました。


耳掛け部分は樹脂製のカバーにより加工済み、プラグは4.4mmがアルミ製のストレートタイプのプラグ、3.5mmはL字型のブラックのプラグでどちらも同社製イヤホンのプラグと同じ部品が使用されています。


というわけで「TimeEar TEN-99」を実際に手に取ってみるとその「細さ」に改めて驚かされます。個人的には初期のTFZあたりのイヤホンの撚り線タイプの銀メッキ線ケーブルに近いくらいかな、と思っていたのですが、4芯の撚り線状態で、これらのケーブルの単線より細いくらいで、まさに「糸みたい」なケーブルという感じです。また同時に強度もひじょうに高く、多少引っ張った程度では切れるような心配は皆無な印象です。あとどうしても絡まりやすくはなるものの、それでも思ったほどではなく、取り回しも結構問題ない印象でした。
■ サウンドインプレッション
実際に「TimeEar TEN-99」にリケーブルのうえ聴いてみると、文字通りの「ピュアサウンド」で原音に忠実な情報伝達性の高さを実感します。また情報量についても極細ケーブルにもかかわらず音質的に細ること無く極めて精緻に情報を伝達してくれます。スタジオモニター的な用途も考慮し、CIEM等でも確認してみましたが、見通しは良く、自然な音色ながら音像は正確に表現している印象です。


また比較としてMMCX 4.4mmバランスケーブルを「Shure SE846」でリケーブルし、定番のfinal Audioの「シルバーコートケーブル」と聴き比べてみました。「シルバーコートケーブル」も同社のフラグシップ製品でも使用するハイグレードケーブルとしてはかなり細い線材を使用していますが、情報量についてはその数分の一の太さしか無い「TimeEar TEN-99」とほぼ同じで、音量、解像感、低域の厚みなども遜色無い印象でした。いっぽうで「シルバーコートケーブル」は銀メッキ線らしい高域の伸びの強調を僅かに感じるものの、「TimeEar TEN-99」については、高域についても伸び感や見通しの良さなどは遜色無いものの、よりニュートラルで自然な音色の印象でした。極細線であるうえに価格的にも50ドル以下と結構安価なケーブルにもかかわらず、一定レベル以上のイヤホンと組み合わせても十分に実用性を感じることができる印象でした。
■ まとめ
というわけで、今回は「TimeEar」のなかでもかなり特徴的な「TimeEar TEN-99」を紹介しました。メールでのやりとりのなかで「製品には自身があるものの製造メーカーのためどのように売っていいか決めかねてる」といった感じのコメントをいただいていました。確かにかなり「玄人向け」すぎてアピールが難しい製品なのかも、という雰囲気もありましたが、実際のケーブルはそういった印象を払拭する質の高さで、「これは完全に業務用ではないのかな」という感想と、50ドル以下の価格設定に驚きをお感じました。AliExpressでは今後ケーブル長などでカスタムオーダーなどを受けることも検討しているようですし、実際にステージ上で使用しての率直な感想も知りたいですね。非常に興味深いケーブル製品でした。