HarmonicDyne BAROQUE

こんにちは。今回は 「HarmonicDyne BAROQUE」です。550ドルオーバーのハイグレードモデルで、同社の第3世代フラグシップに位置づけられています。オープンバック構造でドライバーには大口径の60mmセラミックメタル振動板を採用。ニュートラルベースのリスニングサウンドで非常に豊かで心地よいサウンドを奏でます。

■ 製品概要と購入方法について

「HarmonicDyne」は「Zeus」や「Helios」といった個性的なヘッドホン製品をリリースしているメーカーで主に「Linsoul」系で販売されています。私のブログでも「P.D.1」や「Devil」といったイヤホン製品およびヘッドホン製品では「Athena」や「Black Hole」といった製品をレビューしています。
→ 過去記事(一覧):「HarmonicDyne」製品のレビュー

今回の「HarmonicDyne BAROQUE」は第3世代のフラッグシップモデルで、オープンバック構造に、60mmサイズのセラミックメタル振動板を採用した大口径ドライバーを搭載。
その外観はミニマリズムにインスパイアされており、緻密に洗練され、視覚的にも触感的にも優れた製品に仕上がっています。卓越したサウンドだけでなく、控えめで時代を超越したスタイリッシュなデザインに仕上げられています。
HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE

HarmonicDyne BAROQUE」が搭載するダイナミックドライバーは、振動板には高剛性と軽量化を巧みに両立させた60mmサイズのセラミックメタル振動板を採用。セラミック素材は振動時の変形を最小限に抑え、歪みを低減することで、クリアで繊細な高域再生を実現します。一方、メタル基板はレスポンスを向上し、過渡特性を向上させます。

HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE
また精密CNC加工により航空グレードのアルミニウム合金で作られた音響チャンバーは、優れた剛性を備えており共振を抑制します。特に中低域における歪みを最小限に抑えるだけでなく、より精密なチューニングによるピュアで明瞭なサウンドを実現します。

さらに快適性を追求し新設計されたヘッドバンドは、軽量かつ高品質のステンレススチール製で、耳への圧迫を軽減し、長時間のリスニングでも快適なフィット感を得ることが出来ます。
HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE
イヤーパッドはプロテインレザーと通気性のあるメッシュ生地を組み合わせることで、耐久性と快適性の理想的なバランスを実現。柔らかく熱のこもりを軽減する通気性に優れた形状で、さらに高密度構造により音の明瞭さと遮音性も向上します。ケーブルには高純度銅線を採用。3.5mmステレオプラグと4.4mmバランスプラグの2種類のケーブルを同梱しています。

HarmonicDyne BAROQUE」の価格は559ドルです。

Linsoul(linsoul.com): HarmonicDyne BAROQUE


AliExpress(Linsoul Audio Store): HarmonicDyne BAROQUE ※セール価格497.51ドル


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

第3世代のフラグシップモデルということで現時点では販売されている「HarmonicDyne」製品のなかでは最上位モデルとなるのが「HarmonicDyne BAROQUE」みたいです。というわけで、届いたパッケージは非常に巨大です。
HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE

パッケージ内容はヘッドホン本体、3.5mm用、4.4mm用の2種類のケーブル、6.35mm変換プラグ、ファブリック製キャリングポーチ、説明書。
HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE

本体はアルミニウム合金製で60mmサイズの大口径ドライバーは耳への収まりの良い長方形型のオーバーイヤーカップの中に収容されています。表面処理も丁寧に仕上げられています。オープンバック構造によるメッシュデザインはシンプルながら高級感があります。
HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE
ヘッドバンド部はより耐久性のあるステンレススチール製でプロテインレザーのヘッドバンドは装着時に自然にフィットします。本体は多少重量があり、また側圧もやや強めですが、イヤーパッドが適度な弾力を持っており、通気性に優れたメッシュ加工により快適な装着感を実現しています。
HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE
ケーブルは非常に太い線材を使用した4芯撚り線タイプで弾力のある被膜で覆われた線材を丁寧に編み込んでいます。アルミ製のプラグも太さがあり耐久性の高さを感じますね。本体同様にケーブルもやや重い印象ですが、開放型のフラグシップモデルということもあり基本は屋内の再生環境での利用がメインだと思いますので、多くの場合特に問題は無いでしょう。


■ サウンドインプレッション

HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE」の音質傾向はフラグシップモデルらしくほぼフラットに近い傾向ながら、明るく明瞭な高域と適度に温かみがあり豊かな低域、そして解像感が高く透明で見通しの良さと鮮明さを感じる中音域が印象的です。印象としてはリスニング的な豊かさを持ちつつ非常に見通しの良い自然なサウンドのヘッドホンだと思います。

HarmonicDyne BAROQUE」の仕様はインピーダンス64Ω、感度109dB/mWとこの価格帯の開放型ヘッドホンとしては比較的使いやすい印象ですが、それでも実際はある程度の音量を確保するためには相応に出力および駆動力を必要とします。できればDAPやポータブルアンプより据置きのDACやアンプの利用が望ましいでしょう。私は「FiiO K9 PRO LTD」「Shanling EH3」「Sabaj D5」といった据置きのDAC/AMPとヘッドホンアンプでは「SMSL H300」経由の環境でテストしました。

HarmonicDyne BAROQUEHarmonicDyne BAROQUE」の高域は、スッキリした印象で明瞭ながら同時に滑らかさも感じる音を鳴らします。解像度は非常に高くシャープなサウンドで、直線的な伸びの良さと煌めきを持っています。透明感は非常に高く、突き抜けるように超高域まで伸び、自然な印象で収束します。鋭い音は鋭く、煌びやかも感じさせつつ、しかし過度に硬質になるようなことはなく、音色は滑らかさがあり、耳障りな歯擦音などは完全にコントロールされています。全体的な印象を損なうこと無く自然に、しかし鮮やかさを持った明瞭な高音を鳴らす印象です。

中音域はニュートラルで癖の無い原音に忠実な印象で再生しつつ、透明さと豊かさを両立し、リスニング的に非常に心地よい音で再生します。おそらくバランスとしてはHIFIMANのミドルグレード以上、あるいは1,000ドルを大きく超えるような上位モデルをリファレンスとしたサウンドチューニングが施されている印象で、550ドル程度の「HarmonicDyne BAROQUE」のこのアプローチはある程度成功しているように感じました。
HarmonicDyne BAROQUE」のサウンドは、フラット方向にニュートラルですが、分析的ではなく、よりリスニング向けに調整されており、鮮やかさと倍音のある厚みのバランスに優れます。また明瞭かつ自然な印象で音源を忠実に再現しつつ、適度にウェットでかつ温かみがあります。
HarmonicDyne BAROQUE音像表現は、解像度は非常に高く1音1音を詳細に描写しますが輪郭は滑らかで不自然にエッジが立つことはありません。そのため多くの情報量を持ちつつ長時間でも心地よいリスニングが可能です。さらにオープンバック構造を活かし広く開放的な音場表現と、はっきりとした分離の良さにより立体的なレイヤー感があります。定位は自然な距離感で過度に前傾せず、全体を見渡せるような見通しの良さと、気になる音にしっかりフォーカスできる解像感を持っています。その音色は活き活きとした躍動感があり、非常にエモーショナルでリスニング的な聴き応えを実感させます。

低域は多少ゆったりとした印象で豊かさと深さのある音を鳴らします。モニター的なキレの良さやスピード感を重視した音作りではなく、リスニング的な心地よさにフォーカスした印象です。この辺は多くのハイエンドな平面駆動タイプのヘッドホンと比べも、よりグルービーで豊かさがあり、大口径のダイナミックドライバーを採用しているメリットを感じる要素です。それでもセラミックメタル振動板の採用で締まり感は維持しており、歪みを抑えた直線的な印象をもったミッドベースと深さのある重低音が非常に自然に、かつ心地よく中高域を下支えします。またオープンバック構成による非常に広い音場により音数が多い曲でもゆったりした印象ながら混雑すること無く再生されます。


■ まとめ

HarmonicDyne BAROQUEというわけで、「HarmonicDyne BAROQUE」は550ドル超と同社の現行ヘッドホンのなかではフラグシップ級のモデルながら、より高価格帯の製品をリファレンスに置いてチューニングを行うことで、ニュートラルベースで非常に質の高いリスニングサウンドを実現していました。60mmサイズの大口径ドライバーの搭載や太さのあるケーブル等で少し重さのある印象ですが、ヘッドバンド構造やイヤーパッドの質感により安定した装着感で、歪みを抑え安定した出力のサウンドを楽しむことができました。
この価格帯の製品では比較的ドライでモニター的な製品が多いなかで多少ウェットで豊かさのあるリスニングサウンドは結構特徴的だと感じます。近い価格帯の中華ヘッドホンでは、ウッドハウジングが特徴の「SIVGA」などの露出が最近増えていますが、「HarmonicDyne」のアプローチは全く異なっており、非常に興味深く感じました。「HarmonicDyne BAROQUE」は個人的にも結構好きなヘッドホンかもですね(^^)。



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