Kiwi Ears Septet

こんにちは。今回は 「Kiwi Ears Septet」です。最近相次いで新モデルをリリースしているKiwi Earsの片側7ドライバー構成の300ドル以下、4万円台のアッパーミドル級イヤホンです。1DD+4BA+1MPT+1PZT構成で再生環境は選ぶものの、非常に魅力的なサウンドを楽しむことができます。

■ 製品概要と購入方法について

Kiwi Ears」は2021年に登場した新しい中華イヤホンのブランドですが、非常に早いペースで新製品を投入しており急速に知名度が高まっていますね。同社のイヤホン製品は豊富なラインナップと質の高いサウンドで多くのマニアから注目を集めています。
→ 過去記事(一覧): 「Kiwi Ears」のレビュー

Kiwi Ears Septet」は、1DD+4BA+1マイクロ平面(MPT)+1ピエゾ(PZT)の片側7ドライバー構成のハイブリッドモデルです。この複数のドライバーを組み合わせた多様な構成により、優れたサウンドバランス、明瞭さ、そして音楽性の高さを実現し、オーディオファンとプロフェッショナルの両方に最適に調整されています。
Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet
Kiwi Ears Septet」のドライバー構成のなかで低域を担うダイナミックドライバー部は10mm複合振動板を採用し、パワフルな重低音とともに豊かでクリアな低域を実現しています。バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー部は低中音域用の2BAユニットと、中音域用の2BAユニットによる4BA構成で、明瞭で正確、そして繊細なサウンドを実現し、精密な音楽再生を実現します。
また超高音域ツイーターとして新たに改良されたマイクロ平面ユニット(MPT)を搭載。高音域の出力を大幅に向上させ、歪みを抑えつつ明瞭度を高めます。さらに改良されたピエゾ(圧電)PZTドライバーユニットが搭載され、高域の質感を向上。MPTユニットとの同期によりさらに卓越した明瞭さを実現し、解像度、音場感、そして定位を向上させます。
Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet
Kiwi Ears Septet」のシェルはプレミアムグレードのアルミニウム合金で成形。オープンバック構造の開放型IEMとして設計されており、ドライバーへの通気性と応答性が向上し、音場が拡張され、サウンドにアコースティックな質感が加わります。これは「Kiwi Ears Septet」の自然で没入感のあるチューニングに不可欠な要素として調整されています。
Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet

Kiwi Ears Septet」の価格は269ドル、アマゾンでは45,180円です。

Linsoul(linsoul.com): Kiwi Ears Septet


AliExpress(Linsoul Audio Store): Kiwi Ears Septet ※セール価格239.41ドル


Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): Kiwi Ears Septet


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

Kiwi Ears Septet」のパッケージは最近のモデルと一貫性のある比較的コンパクトなパッケージ。
比較的上位モデルということでややボックスは厚みがあります。
Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet
パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ、イヤーピース(2種類、S/M/Lサイズ)、ケース、説明書。
Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet
本体はアルミ合金製の金属製のシェル構成。片側7ドライバーの多ドラ構成と言うことを考慮すると大きすぎないサイズ感にまとめられていますね。それでも多少厚みのある形状で多少重量感はあります。
Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet
オープンバック構造のためリアキャビティ部(ドライバーに対して後方=フェイスパネル部分)はカッパーカラーのメッシュパーツが内部に貼り付けられた開放型構造。フェイスはスリット状のデザインを採用しています。イヤーピースは解放部が広いタイプと通常タイプの2種類が各サイズ付属します。多少重量がありますが装着感はまずまずの印象。
Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet
ケーブルは高純度銅線の4芯撚り線タイプ。プラグは3.5mmと4.4mmの交換タイプです。適度な太さがあるケーブルですが被膜は弾力があり、しっかり編み込まれた撚り線構造で取り回しは良好です。


■ サウンドインプレッション

Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet」の音質傾向はニュートラル方向の緩やかな弱ドンシャリ。印象としては同社でも評価が非常に高い「Quintet」(1DD+2BA+1MPT+1PZT)の後継またはアップグレードに相当する位置づけで、音質傾向もある程度踏襲している印象があります。ただ全体的には「Kiwi Ears Septet」は重低音を中心とした低域をブーストしつつオープンバック構造とすることで抜けの良いサウンドに調整し、高域は「Quintet」と同じくMPT(マイクロ平面)とPZT(ピエゾ)でブーストさせつつ、実際にはより高高域へのアプローチを強化し、刺激を感じやすい音域はよりコントロールされ、聴きやすさとスッキリした伸び感を両立させています。

またオープンバック構造による開放型にすることでより広がりのある音場感を実現しており、ニュートラルなさうんどによる自然な前後の定位でも心地よい空間表現を実現しています。
ただ片側7ドライバー仕様のため、非常に鳴らしにくく、しっかりと本来のサウンドを楽しむためには相応の駆動力を上流に求めます。付属ケーブルもバランス接続にすることである程度の情報量を持つため、リケーブルによる変化は限定的かもしれません。それでも高域の粒立ち感や音場では前後のレイヤー巻などに変化があるため、情報量の多い銀メッキ線やミックス線のケーブルを試して見るのも良いと思います。

Kiwi Ears SeptetKiwi Ears Septet」の高域は、上流でしっかり鳴らすことでニュートラル方向ながら明るく伸びのある音を鳴らします。刺激を感じやすい帯域は多少コントロールされており、中華ハイブリッドの硬質感のある主張に慣れている方には少し物足りなく感じる可能性もありますが、実際は直線的な伸びがあり、MPT(マイクロ平面)とPZT(ピエゾ)ドライバーの組み合わせにより高高域の主張が適度にブーストされることでスッキリした見通しの良さを感じさせます。
このように高高域をブーストさせるアプローチも最近の製品では増えてきていますが、「Kiwi Ears Septet」においても聴きやすさと明瞭感を両立させるアプローチとして2種類の超高域用ユニットは機能しているようです。

中音域はニュートラルなバランスながら凹むことなく主張のある印象で再生されます。ボーカルは僅かに前傾しつつも自然な位置で定位し、鮮やかさと豊かさ、そして自然な温かみを持った存在感のある音で再生されます。再生環境やイヤーピースなどにも多少影響されますが、全体としての音像表現は複数のドライバーの組み合わせにより多少個性的ではあるものの、非常に聴き応えのある印象。女性ボーカルなどの中高域は適度なアクセントで伸びやかですが過度に強調せず、男性ボーカルは締まりをもちつつドライにならず、明瞭でありながら自然な温かみや滑らかさを持っています。
Kiwi Ears SeptetBAドライバーを中心に各ドライバーが相乗効果を与えることで、単独のドライバーで出し得ない非常にエモーショナルな音を奏でます。さらに、「Kiwi Ears Septet」ではオープンバック構造、開放型とすることでそのハーモニーが過剰に折り重なる事は無く、適度な「抜け」を提供することで、中音域のある意味「濃い」音に、見通しの良い透明感、明瞭な音像表現、そして広大な音場を両立しています。間違いなく最もハイライトとなる音域で、この表現力が気に入れば、「Kiwi Ears Septet」の価格設定は十分に納得のいくものとなるでしょう。

Kiwi Ears Septet低域はニュートラルバランスながら非常にパワフルで力強い音を鳴らします。重低音は深く沈みエネルギーがあり、中高域も締まりをもちつつ非常にパンチ力のある音でキレのある音で再生されます。ゆったりした響きによる臨場感を好まれる方には多少タイトに感じると思いますし、ドンシャリ傾向のイヤホンと比較すると開放型構造を採用していることで、全体としてはニュートラル方向のバランスではあるもののリスニングイヤホンとして十分な強さと量感、そして質感をもった低域であり、全体としてのバランスも取れていると感じます。


■ まとめ

Kiwi Ears Septetというわけで、「Kiwi Ears Septet」は非常に複雑な構成の7ドライバーハイブリッド構成を採用しており、さらにオープンバック構造による開放型仕様と、あまり気軽に使えるような感じの製品では正直有りません。さらにこれらのドライバーをしっかり鳴らすために音量は非常に取りにくく、本気を出すためにはクリーンな音質かつ十分な出力だけでなくしっかりとした駆動力(アンプ部分の電力流量)を持つDAPやアンプを必要とするなど、それなりに敷居の高そうなイヤホンだと思います。
しかし、そこまでこだわった仕様にした甲斐があって、というべきか、音質面の完成度は非常に高く、同社の高評価モデル「Quintet」をビルドクオリティおよび音質の両面でしっかりと凌駕したアップグレードモデルとして仕上がっていました。特に最も特徴的な中音域は、見方を変えればマルチドライバーゆえの個性的な音とも言えますので、マニア向けでそれなりにユーザーを選ぶ製品だとは思いますが、開放型でも問題なく、この音質傾向が気に入った方なら非常に魅力的な製品のひとつになると思います。

タグ :
#KiwiEars
#構成:4BA+1DD+1Planar+1PZT
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:200-399USD
#中華イヤホン(A200USD~)
#有線イヤホン:3万円台・4万円台