KBEAR KB16 (Cepheus)

こんにちは。今回は 「KBEAR Cepheus (KB16)」です。6基のBAとサイズの異なる2基のダイナミックドライバーを搭載する6BA+2DD構成のミドルグレードハイブリッドモデルです。美しい外観にニュートラル方向のサウンドでまとめつつも重低音にフォーカスした低域にKBEARらしさも感じる仕上がりになっています。

■ 製品概要と購入方法について

「KBEAR」は幅広いラインナップを持つ中国のイヤホンブランドで、姉妹ブランドの「TRI Audio」と併せて意欲的な新製品を数多くリリースしています。同社自体はファブレスのため、製造を行うファクトリーごとに複数のラインが存在しまが、同社エンジニアによる一貫したチューニングにより、ブランドとして統一性のあるサウンドを実現しているのも特徴的です。
→過去記事(一覧): KBEAR/TRI製品のレビュー

KBEAR Cepheus (KBEAR KB16)」は6基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーと10mmおよび6mmのダイナミックドライバーを搭載する6BA+2DD構成のハイブリッドモデルです。
KBEAR KB16 (Cepheus)KBEAR KB16 (Cepheus)
KBEAR Cepheus (KBEAR KB16)」のシェルは高品質で透過性の高いレジンを使用し、フェイスプレートは星空をイメージし銀色の光の点は流れる天の川のような美しさがあります。キャビティからは内部のドライバー構造が確認できます。片側8ドライバーのハイブリッド構成ながら樹脂素材を効率的に採用することで軽量化を実現。長時間の装着でも快適に利用できます。
レーザー彫刻でKBEARロゴが刻印された6基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーは、超高域×2、高域×2、中音域×2の構成で、さらにひとつの金属シャーシに収容された10mmと6mmの2種類のダイナミックドライバーが低域と中高音域を担当する4Way構成を採用しています。これらのユニットは同軸構造で配置され位相歪みを低減し、一貫性を向上させています。
KBEAR KB16 (Cepheus)KBEAR KB16 (Cepheus)
低域を担う2種類のダイナミックドライバーはひとつの金属シャーシに収容されており、6mmドライバーは中高音域を正確に再現し、透明感のあるサウンドを実現。10mmのバイオ樹脂振動板ドライバーは深く強力な低域と重低音、優れた弾力性を提供します。
そして超高域、高域、中音域用でそれぞれドライバーを配置した6基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーはKBEARによるカスタムユニットを採用し、優れた解像度を提供するとともに、慎重に調整され、最適化されています。
KBEAR KB16 (Cepheus)KBEAR KB16 (Cepheus)

カラーバリエーションは「パープル」「ブルー」の2色が選択可能です。
KBEAR Cepheus (KBEAR KB16)」の価格は248ドル、アマゾンでは36,999円です。

KEEPHIFI(keephifi.com): KBEAR Cepheus (KB16)


Amazon.co.jp(Yinyoo-JP):  KBEAR Cepheus (KB16)


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして KEEPHIFI より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

今回は「ブルー」のモデルが届きました。パッケージは製品画像を掲載した化粧カバーで覆われており、裏面には仕様が記載されています。
KBEAR KB16 (Cepheus)KBEAR KB16 (Cepheus)

KBEAR Cepheus (KBEAR KB16)」のパッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(3種類、各S/M/Lサイズ)、ケース、説明書。
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KBEAR Cepheus (KBEAR KB16)」の本体は軽量かつ強度のあるプラスチック製のキャビティとレジン製のフェイスプレートによる構成。最近では3Dプリントによる成形がむしろ主流になっていますが、内部はハンドメイドにより音導管を通す仕様で製造されていることが外からもうかがえます。星空をイメージしたフェイスプレートも美しく仕上げられていますね。
KBEAR KB16 (Cepheus)KBEAR KB16 (Cepheus)
6BA+2DDという構成ですがシェルは大きすぎず非常に軽量です。またキャビティも耳にフィットしやすい形状でデザインされています。そのため装着性も高い印象。イヤーピースは3種類が各サイズ付属しますが、付属品のほかよりフィット感のよいものを選ぶもの良いでしょう。個人的には少し小さめで選び耳奥まで装着する方が好印象でした。
KBEAR KB16 (Cepheus)KBEAR KB16 (Cepheus)
ケーブルは4芯タイプの銀メッキ合金線ケーブルが付属。柔らかく取り回しも良い印象。一般的な中華2pinタイプですので、適時リケーブルするのも良いでしょう。


■ サウンドインプレッション

KBEAR KB16 (Cepheus)KBEAR Cepheus (KBEAR KB16)」の音質傾向はバランスの良いU字方向のカーブを描く弱ドンシャリで、いわゆるハーマンターゲット寄りのチューニングです。KBEARというと以前は結構ハッキリしたV字傾向も多い印象ですが、最近は全体のチューニングはトレンドに合わせた仕上がりの製品が増えていますね。
同時に「CCZ」などの関連ブランドにも見られるように伝統的に低域のチューニングについてのこだわりがあり、マルチドライバーのIEMデザインを採用する「KBEAR Cepheus (KB16)」においては全体としてはU字傾向でボーカル域にフォーカスした印象ながら、特に重低音の質感に個性を感じます。逆に言うとよりニュートラルなサウンド好まれる方には低域が強めと感じる可能性もあります。とはいえ全体の質感としては同価格帯(200ドル〜300ドル級)のミドルグレード製品を比較して音質面で遜色はなく、サウンドバランスが好みに合えば確実に良い選択肢となりそうです。

KBEAR KB16 (Cepheus)KBEAR Cepheus (KB16)」の高域は、少し暗めの印象を受けるものの伸びは良く見通しも良い印象です。高域にスッキリとした明瞭感や鮮明な明るさを求める方にはやや物足りない印象を受ける可能性がありますが、曇るような印象は無く、質の高い音を鳴らします。高域用×2基、高高域用×2基のカスタムBAによるチューニングは、解像感の高さを実現しつつ、低価格BAのような金属質のギラつきも無く歪みを抑えた直線的な印象です。同時に少し暗めに仕上げることでボーカル域がより強調されるとともに、歯擦音など刺激を抑制し、長時間のリスニングでも聴きやすくまとめられています。

中音域は全体のバランスとしてはU字傾向で中音域も凹むことなく鳴りますが、強調感のある低域とのバランスもあり、ボーカル域は存在感を持ちつつも、一般的なU字またはW字傾向のイヤホンと比べてそこまで前傾した印象は持たないかもしれません。どちらかというとよりニュートラルな自然な定位で、見通しの良い分離感と解像感の高さにより演奏との調和がとれています。
KBEAR KB16 (Cepheus)それでも中高域付近にはBAに加え6mmダイナミックドライバーが補完することで適度なアクセントと滑らかさを持っており、女性ボーカルの高音などは伸びのよさと空気感を持っています。男性ボーカルなどの中低域も自然な質感と輪郭で演奏との分離も良好です。これらの特徴により楽器もピアノやギターの音色は美しく、ブラスも心地よい光沢を持っています。
音場は解像感と分離の良さにより自然な空間表現で表現されますが、同時にオーディオ的なレイヤー感も感じられます。これは低域とのバランスにより適度な臨場感を演出していることも影響していると思います。全体としてはU字傾向のバランスで中音域も凹まず鳴るのにV字ぽい音場感を得られる感じがKBEARぽい音作りの片鱗の実感出来る要素かもしれません。同価格帯のイヤホンとしては少し地味な印象もある「KBEAR Cepheus (KB16)」ですが、この部分が好感できれば良い選択肢となりうるでしょう。

KBEAR KB16 (Cepheus)低域は全体としてはハーマンターゲットに近いニュートラルバランスを維持しつつ10mmドライバーにより重低音に比重を持つことでしっかりとした量感と存在感を得られます。ミッドベースはやや控えめなものの自然な締まりの良さで中高域との分離が良く、強調された重低音により多少V字傾向にも近い臨場感とレイヤー感を演出します。そのため低域メインで音数も多いEDMやハードロックなどの音源もニュートラルな印象を維持しつつ非常に心地よく再生されます。よりパワーのある低域を好まれる方や、より顕著なV字傾向が好みの方向けではないものの、ある程度低域好きのニーズも満たせそうな質感とレスポンスを持った低音だと感じます。


■ まとめ

KBEAR KB16 (Cepheus)というわけで、「KBEAR Cepheus (KBEAR KB16)」は、KBEARブランドとしては比較的上位モデルとなる6BA+2DD構成、200ドルオーバーのミドルグレード級の製品です。傾向としては同価格帯の製品らしいニュートラル方向の質の高さを維持し、バランスの良いU字傾向のサウンドでまとめつつ、重低音にフォーカスした音作りでKBEARらしさも感じる印象で、いっけんすると競合製品より少し地味にも感じますが、思いのほか個性的な要素も実感出来ました。
とはいえ、非常に魅力的な製品が多くリリースされている価格帯のため、突出したというほどではないという印象もあります。同価格帯に見合う質感は持っているため好みが合えば選択肢に加えるのもよいかも、という感じですね。ただケーブルについてはもう少しグレードアップを望みたい部分ではありましたが、組み合わせとしてのバランスは良い印象。さらにリケーブルで変化を楽しむのも良いと思います。


タグ :
#KBEAR
#構成:6BA+2DD
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:200-399USD
#中華イヤホン(A200USD~)
#有線イヤホン:3万円台