ZiiGaat Lush

こんにちは。今回は 「ZiiGaat Lush」です。精力的に新モデルを投入している「ZiiGaat」ブランドによる新しい4BA+1DD構成のハイブリッド製品です。スタジオグレードのサウンドを目指しつつ自社製BAの採用などにより200ドル以下、2万円台の比較的購入しやすい価格設定を実現しています。

■ 製品概要と購入方法について

「ZiiGaat」は10年以上にわたってOEM/ODMで製品を提供してきた中国の製造メーカーが立ち上げた独自ブランドで、主にLinsoul系セラーで販売が行われています。昨年以降コラボ製品なども含め精力的に新モデルを投入しており、マニアの間での認知度も高くなっていますね。

ZiiGaat Lush」は1DD+4BA構成モデルで、高精度な自社製BAとカスタム複合振動板ダイナミックドライバーによるスタジオグレードのハイブリッドイヤホンとして仕上げられています。スタジオミュージシャンやサウンドエンジニアが求める精度と正確さを実現するために設計されており、スリムでタイトなサウンドプロファイルにより、スタジオモニターとしての忠実度を実現しています。
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ドライバーには4基の自社製の独自のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載。2基のフルレンジBAは200Hz~1kHzの中音域を極めてクリアに再生し、2基のツィーターユニットは高音域の繊細なディテールを表現し、一貫性のあるレスポンスを実現しています。
そしてウーファーとして10mmサイズのPET振動板ダイナミックドライバーを搭載。カットオフ周波数は200Hzに正確に調整されており、不要な膨らみのないクリーンでコントロールされた低音を実現しながら、ニュートラルな中音域と高音域の明瞭さを保ちます。

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またシェルは医療グレードのレジンを使用した3Dプリントで成形され、手塗りのフェイスプレートにより美しく仕上げられています。カラーバリエーションは「シルバー」と「シルバーブルー」の2色が選択可能です。
ZiiGaat Lush」の価格は179ドル、アマゾンでは29,880円です。

AliExpress(Linsoul Audio Store): ZiiGaat Lush ※4/21までセール価格 161.10ドル


Linsoul(linsoul.com): ZiiGaat Lush


Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): ZiiGaat Lush

免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

ZiiGaat Lush」のパッケージは比較的コンパクトなボックス。次回レビュー予定の「ZiiGaat Arcanis」と同じサイズでまとめられています。なお、「ZiiGaat」以外にも「THIEAUDIO」や「Kiwi Ears」などLinsoul系セラーが販売を手がけるブランドの多くはブランドを超えてパッケージデザインの意匠が似ていますね。販売にあたってLinsoul側で何らかのプロデュースなどを行っているのかも知れませんね。
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今回は「シルバーブルー」のモデルが届きました。パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、ケース。ミドルグレード製品としては最小限の内容ですね。
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本体は樹脂製でステムノズルは金属製。毎回美しい装飾が施されているフェイスパネルのデザインは比較的落ち着いた印象で高級感とともに使いやすさも感じます。シェルサイズは既存の「Arcadia」などを踏襲しており、同様でメッシュパーツが埋め込まれた側面のベント(空気孔)などの意匠も同様です。
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シェルサイズはやや大きめですがステムノズル部のリーチがあるため装着感はまずまずです。ケーブルは黒い樹脂被膜の4芯タイプ。柔らかく取り回しは良い印象です。プラグは中華2pinタイプで、一般的な2pin仕様のケーブルへのリケーブルも容易ですね。
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なお、シェル形状を同時期にリリースされた上位モデルの「Arcanis」(次回レビュー予定)と比較すると、フェイスデザインのほかシェル形状も僅かに異なっているとがわかります。ドライバー構成にあわせて設計も最適化しているようですね。
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イヤーピースは標準ではステムノズルが太いためイヤーピースは開口部の大きいタイプが付属します。以前の製品よりシリコン製イヤーピースは新しいタイプにアップデートされており、装着性が向上しています。ただ私の場合は少し小さめのサイズで耳奥までしっかり挿入して装着する方が好印象だったため今回は「Spinfit CP100+」を選択しました。


■ サウンドインプレッション

ZiiGaat LushZiiGaat Lush」の音質傾向はフラット方向の癖の無いニュートラルなバランス。製品説明にもあるようなモニター的な忠実性を持ちつつも重低音を中心に多少強調がありリスニング的にも楽しめるチューニングに仕上がっています。付属ケーブルを使用して小型のアダプター等で鳴らす場合は、やや低域がブーストされた印象に感じますが、ある程度しっかりと駆動力のある再生環境で鳴らすか情報量の多いケーブルにリケーブルすることで、よりニュートラル方向のバランスとなり、自然な立体的な空間表現が得られます。
仕様としてはインピーダンス17Ω、感度103dB/mWと駆動力(特に電流量)における変化がありますが、駆動力のあるDAP/アンプであれば十分に堪能できます。リケーブルによる情報量による変化も実感しやすい印象で、小型のオーディオアダプター等で低域が寄り強めに感じる場合はハイゲインで鳴らすかリケーブルを検討するのも良いでしょう。

ZiiGaat Lush海外サイトなどで公開されている「ZiiGaat Lush」のf値などを見ると製品説明の記載の通り、結構フラット方向の印象で、「Truthear HEXA」のようなバランスにも見えます。しかし実際聴いた印象は特に駆動力のある環境ではキレのある低域とともに中音域は僅かに暖かくはっきりした存在感があり、よりリスニング的な楽しさを感じさせます。また高域もf値の印象より自然な透明感と伸びやかさがあります。

ZiiGaat Lush」の高域は明瞭で自然な伸びの良さがあります。2基のカスタムBAによるツィーターによりスッキリした硬質感をもちつつ刺さりやすい帯域はコントロールされ聴きやすくまとめられています。過度な強調は無くバランスとしてはニュートラルなためV字傾向のメリハリのあるイヤホンと比べると、特に音数の多い曲ではそれほど主張を感じない可能性もあります。それでも見通しは良く分離も適切なため分析的なリスニングにもある程度は対応出来ると思います。ただ、よりしっかり高域を楽しむためには情報量の多いリケーブルによりバランス接続を行うなどで分離感をより高めることが必須となるでしょう。

ZiiGaat Lush中音域は癖の無いニュートラルな音で再生されます。印象としてはより音源に忠実で、いわゆるHi-Fi的なサウンドですね。同時に明瞭さがあり見通しも非常に良いため、不足を感じることは少なく、同時に分析的なリスニングには最適な印象です。ボーカル域は自然な距離で定位し、明瞭ながらドライになりすぎず僅かな温かみを持つことで豊かさを感じさせます。演奏との分離も良く、ギターやピアノの音も瑞々しく感じます。音場は左右、上下とも自然な広さがあり、特に駆動力のある再生環境ではより立体的な空間表現が楽しめます。輪郭も人工的では無く自然な印象です。全体的な強調感は無いものの、同時に淡泊な印象でもなく、リスニング的にも心地よさがあります。また情報量の多い銀メッキ線やミックス線などメリハリを強調するタイプのケーブルでは多少V字方向に強調されるため、よりリスニング的な楽しさを感じたい場合は色々試して見るのも良いと思います。

ZiiGaat Lush低域は全体としてはニュートラルなバランスながら重低音を中心に多少強調されており、リスニング的な臨場感を高め、立体的な音場感を増しています。小型のアダプターなどでは多少低域が強めのバランスに感じることがありますが、リケーブルや駆動力のある再生環境ではニュートラルな印象となります。重低音は深く沈み響きの良さがありますが、スピード感のあるキレの良い音で籠もること無く再生されます。ミッドベースはハーマンターゲット的なU字傾向のイヤホンと比べると強調感は無く、直線的で締まりのある音を鳴らします。いっぽうでPET振動板のダイナミックドライバーは硬質すぎず自然な輪郭を持っており、スピードの速い曲でもしっかり対応しつつ、バラード曲などでも豊かさを感じる印象です。ただ量感に対してよりパンチ力のある強い低域を好まれる方には物足りないかもしれませんね。


■ まとめ

ZiiGaat Lushというわけで、「ZiiGaat Lush」はニュートラルで優れたサウンドバランスを持ち、同時に自然な質感で仕上げられた印象のイヤホンでした。上位機種のようにKnowlesやSonion製のBAを使用せず、自社のカスタムBAを使用して4BA+1DDのハイブリッド構成にまとめることで「ZiiGaat」ブランドの製品としては比較的購入しやすい200ドル以下の価格設定にまとめつつ高い質感を実現している点は非常に好感が持てますね。分析的なリスニングにも耐えうる解像感と分離の良さを持ちつつもハイブリッド的なメリハリを感とは異なる、自然な輪郭な音像表現で仕上げられており、立体的な音場感も含め非常に聴きやすく心地良い印象で楽しめます。またリケーブルなどでいろいろ追い込んでいくのも楽しいと思います。ミドルグレードでニュートラル傾向のイヤホンを検討している方には良い選択肢のひとつとなりますね。



タグ :
#ZiiGaat
#構成:4BA+1DD
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:100-200USD
#中華イヤホン(A100USD~)
#有線イヤホン:2万円台