KAEI TAP1 PRO

こんにちは。今回は 「KAEI TAP1 PRO」です。「KAEI DESIGN」の高音質モデル「TAP1」がより高音質にアップグレード。ガラスパネル採用による洗練されたデザインに、4本の真空管とデュアル構成の高音質オペアンプを搭載したバランス対応のポータブルヘッドホンアンプです。

■ 製品概要と購入方法について

ポータブルアンプ製品を製造している中華メーカーとしてかつては知る人ぞ知るという感じだった「KAEI DESIGN」ですが、最近になって日本でも露出を強化しており、直販およびブランドサイトを立ち上げ精力的なアプローチを実施しています。また同社は複数のブランドとのコラボも精力的に実施しており、いくつかの製品は私のブログでも紹介しています。
→ 過去記事(一覧): 「KAEI DESIGN」製品及びコラボ製品のレビュー

今回の「KAEI TAP1 PRO」は同社の高音質ポータブルアンプとして高い人気を持っていた「TAP1」のアップグレードモデルです。「TAP1」は過去にレビューした「TAP2」の上位モデルにあたり、真空管がL/Rそれぞれ2本の4本となり、オペアンプもデュアルで搭載することでバランス出力への対応し、音質面も強化しているのが特徴。
そして今回の「KAEI TAP1 PRO」は「TAP1」のコンセプトを踏襲しつつ、基盤設計をアップデートし、さらに外観もガラス製の全面パネルを採用するなど、音質面及び利便性の面で大きく強化されています。
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また「TAP1」同様に5000mAhのバッテリーを搭載し9時間の動作が可能。最大2000mW(@16Ω)の高出力に対応します。標準モデルではオペアンプに高音質オペアンプ「MUSES02」をデュアルで搭載。標準で一般的なポータブルアンプより1ランク上のチップを採用している点は非常に魅力的です。さらに購入時のモデル指定で「OPA627BP ×4基」を選択することも可能です。オペアンプはユーザーによる交換も可能です。またフェイスガラスは透明パネルと半透明パネルの両方を同梱しており、交換して取り付けることも可能です。
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また「KAEI TAP1 PRO」には「TAP1」と同様の外部電源I/Fを搭載しており、同社の「PSU-1s」または新たにリリースされた「PSU-2」を接続することで「Desktopモード」で動作します。「Desktopモード」では最大出力が5600mW(@16Ω)にアップデートされるなど、据置き型の真空管アンプとしても十分な性能を発揮します。100W/200W用電源の「PSU-1s」に対し、「PSU-2」はバッテリーを搭載しており、モバイルユースでも「Desktopモード」が利用可能になります。
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また「KAEI TAP1 PRO」は購入時にUSB-DAC機能搭載モデルを選択可能です。DAC搭載モデルは「CS43198」を2基搭載し、USB入力により最大32bit/382kHzのPCM再生に対応します。

KAEI TAP1 PRO」の購入は「KAEI DESIGN」の直販サイトにて。価格は
・標準モデル(MUSES02×2)が480ドル、
・DACモデル(TAP1-PRO-DACs)が580ドル、
・「PSU-2」付き標準モデルが680ドル、
・「PSU-2」付きDACモデルが780ドル、などです。
他にも多彩なオプション設定が選べますので、詳細は製品ページをご確認ください。
また購入時にクーポンコード「TAP1PRO」で24% OFFの割引価格で購入できます。

KAEI DESIGN直販サイト: KAEI TAP1 PRO


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして KAEI DESIGN より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

今回は標準モデル「KAEI TAP1 PRO(MUSES02×2、DAC無し)」でサンプル提供いただきました。
ボックスは共通らしく、「PSU2」を同梱するスペースもありますね。
KAEI TAP1 PROKAEI TAP1 PRO

パッケージ内容は本体、アンプ接続用3.5mm-3.5mmケーブル、4.4mm-4.4mmケーブル、充電用USB Type-Cケーブル、半透明ガラスパネル、パネル取り外し用吸盤、シリコンバンド×2、説明書。
(※写真には3.5mmケーブルが写っていませんが撮り忘れで実際は同梱されています)
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本体は重厚感のある金属製で非常に安定感のある作りなのが特徴です。入出力のインターフェースは全面に集中しており、ボリュームノブを中心に、左側に3.5mm/4.4mmの入力、右側に3.5mm/4.4mmの出力が配置されています。
KAEI TAP1 PROKAEI TAP1 PRO
背面はスイッチ類が集中しており、電源(ON/OFF)スイッチのほか、GAIN(+10/0)、モード(真空管:TU/バイパス:BYP)、真空管モード時のアッテネーション(-64dB:Aー/0dB:A+)が調整出来ます。またDAC搭載モデルで使用できるUSBポートもありますが、通常モデルでは使用できません。充電などはCharge用のUSB Type-Cポートを使用します。「PSU-1s」「PSU-2」を使用するときは専用I/Fを使用します。

KAEI TAP1 PROKAEI TAP1 PRO

KAEI TAP1 PRO」ではガラスパネルの採用により基盤レイアウトが確認出来るのが良いですね。4本の真空管と2基の高音質オペアンプ「MUSES02」が存在感を示しています。


■ サウンドインプレッション

KAEI TAP1 PROKAEI TAP1 PRO」のサウンドは安定した低ノイズと非常に高い解像感がある印象。オリジナルの「TAP1」からの違いは比較できないため不明ですが、オペアンプに搭載しているデュアル構成の「MUSES02」の特徴がよく反映されており、特にバイパスモードでは非常に解像度が高く歪みを抑えた印象があります。音像に厚みがありはっきりした印象のサウンドです。
ここで真空管モードにすると適度に滑らかさが加わり、ボーカル域が豊かな印象になります。どちらのモードのサウンドも特徴が良く反映されており、高音質なヘッドホンアンプに求める要素をほぼ満たしてくれます。
「PSU-2」を組み合わせない標準モードでも、電源をつないだ状態で利用することもできますし、多くのヘッドホンでは十分な駆動力を得られます。手持ちの鳴らしにくいヘッドホン、「HIFIMAN Edition XS」や「beyerdynamic DT1770 PRO」、そして「Sennheiser HD800」でも十分に安定した駆動を提供してくれました。またイヤホンの利用においてもノイズは非常に少なく、安定した利用が可能です。

KAEI TAP1 PROまた「KAEI TAP1 PRO」の通常の入力は、3.5mmシングルエンドまたは4.4mmバランスの2系統ですが、例えば3.5mmのシングルエンドで入力しても4.4mmのバランスで出力することも可能です。もちろん、4.4mmバランスで入力して、3.5mmまたは4.4mmのどちらから出力することも可能です。「KAEI TAP1 PRO」はL/Rそれぞれにデュアルチャネルのオペアンプが接続され、チャネルごとに真空管が接続(合計4本)の構造になっています。シングルエンドでもバランスでも同様に接続され増幅されるため、フルバランス駆動しつつ同時にシングルエンドでもデュアルアンプ稼働する仕様のため、どちらの接続でも高い出力を得られるようです。

真空管モードをOFF(バイパスモード)にすることで、非常にクリーンでニュートラルなデジタルアンプとして動作し、プレーヤーからの出力を非常に高い解像感で増幅し、ノイズを抑えた広い音場感で出力します。プレーヤーの特徴を活かしつつ、より高音質なイヤホンや、高インピーダンスのヘッドホンで再生したい場合に最適なモードと言えるでしょう。
KAEI TAP1 PROこれに対して真空管モードでは優れた解像感やクリーンな印象を踏襲しつつ真空管のユーフォニックな味付けが加わり、中低域からボーカル域にかけてより滑らかで豊かさのある色彩が得られます。低域のメリハリなど寒色系用の印象は多少緩和されるため相対的に温かみを感じる印象となります。パワフルかつ明瞭なサウンドと真空管らしい豊かさを同時に楽しめるリスニングに最適なモードと言えるでしょう。
ここで真空管アッテネーションスイッチを「A-」(-64dB)にすると、音量が小さくなりますが、デジタルアンプ側のパワーが落ちることで相対的に真空管アンプとしてのキャラクターが強調されたモードになります。結果としてメリハリなどは少なくなりますが、よりウォームでミッドレンジにフォーカスしたサウンドを楽しめます。

プレーヤー側については、比較的ノイズの多い(とされる)スマートフォンの直挿しでも、「KAEI TAP1 PRO」を通す事でノイズが低減され、感度の高いイヤホンでも快適に楽しむことができますし、もちろん、高インピーダンスのヘッドホンを利用することも可能です。最近では「Moondrop」の「ECHO-A/B」や「BQEYZ LIN」のような変換ケーブルタイプで高性能なDACチップを搭載したUSB Type-Cアダプター等もあるため、これと「KAEI TAP1 PRO」と組み合わせるのも良いでしょう。
KAEI TAP1 PROKAEI TAP1 PRO
また「PSU-2」を組み合わせた「Desktopモード」を使用しない場合でも据置きのヘッドホンアンプとしても利用範囲は広い印象です。試しに、4.4mmからXLRバランスに変換するケーブルでSACDプレーヤー/USB-DACの「Shanling SCD1.3」に接続してSACDのリスニングをしてみましたが、高性能ヘッドホンでも十分に鳴らし切り非常に快適なリスニングが可能でした。トラディショナルなポータブルアンプですが、思いのほか利用範囲は広いかもしれませんね。


■ まとめ

KAEI TAP1 PROというわけで、「KAEI TAP1 PRO」は高性能な部品を使用し、非常に安定した設計で製造されることでポータブルアンプとして安定した音質を実現した製品でした。
今回レビューしたのはDACを搭載しない、アナログ入力仕様の標準モデルでしたが、ポータブルオーディオながらピュアオーディオ的な楽しみ方を手軽に実感出来るアイテムとして非常に楽しく使うことができました。
個人的にはさっそくポータブルタイプのターンテーブル製品の「サウンドバーガー(オーディオテクニカ)」と組み合わせて、バッテリ稼働のみでLPレコードを真空管アンプからヘッドホンで堪能する、みたいな使い方を試してみました。ほかにもいろいろオーディオ的な幅も広がりそうな気がします。アナログ仕様のヘッドホンアンプとして安定した性能の製品ですので興味のある方は購入してみるのも良いと思いますよ。



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