
こんにちは。今回は 「NiPO N2」です。「NiPO」ブランドのフラグシップ級DAP(デジタルオーディオプレーヤー)です。国内でも40万円越えの価格設定ですが、その理由は独自のこだわりが詰まった内部設計で、使いやすくパフォーマンスも良いAndroid製DAPの操作感覚でバランスの良い上質なサウンドを実感できます。
なお、今回は国内販売元のオリオラスジャパン様より実機をお借りしてのレビューとなります。
■ 製品概要と購入方法について
深圳の新しいオーディオブランド「NiPO(ライポ)」のフラグシップDAP(デジタルオーディオプレーヤー)が「NiPO N2」です。初代モデル「N1」が掲げた「音の忠実な再現」という理念を継承し、さらなる進化を遂げた次世代フラッグシップモデルとして4年以上にわたる徹底的な研究開発を経て開発されました。
「NiPO N2」は同社が開発した「CMMT」「DRVC」「SLEA」技術を統合した独自アーキテクチャ、「ULA(Superlinear Full-Path Discrete Amplification Technology)」を搭載。繊細かつ豊かな音の表現に、驚異的な解像度、静寂性、そして音場の広がりを加え、ポータブルデバイスの域を超えた壮大な音響体験を実現します。
「CMMT」は「NiPO N2」のために独自に開発された革新的な技術で、信号経路を完全に分離することで、歪みやノイズの発生を徹底的に排除。一音一音がクリアに、そしてニュートラルに響き渡り、音源の持つ本来の魅力を最大限に引き出します。
「DRVC(Digital Resistance Volume Control)」
独自の全分離抵抗マトリクスにより、音量調整における精密さを新たなレベルに引き上げ、全帯域で一貫した音質を保ちつつ、微細な音のニュアンスを損なうことなく再現します。
「SLEA(Super-linear earphone amplifier)」
「NiPO N2」は「ULA」アーキテクチャに加え、DACにESS製「ES9039PRO」を採用。さらに「NDK 88fs」低位相ノイズデュアルクリスタルオシレーターを採用し、タイミング精度を極限まで 高める設計により信号の揺らぎを抑え、音楽の奥行きや立体感を忠実に再現しています。
「DRVC(Digital Resistance Volume Control)」
独自の全分離抵抗マトリクスにより、音量調整における精密さを新たなレベルに引き上げ、全帯域で一貫した音質を保ちつつ、微細な音のニュアンスを損なうことなく再現します。
「SLEA(Super-linear earphone amplifier)」
完全ディスクリートアンプ回路に8ペアの6Aスーパーリニア相補型トランジスタを採用し、驚異的な電流供給能力を誇ります。このアーキテクチャにより、繊細なピアニッシモから力強いフォルテまで、あらゆる音楽表現をダイナミックかつ正確に再現します。
「NiPO N2」は「ULA」アーキテクチャに加え、DACにESS製「ES9039PRO」を採用。さらに「NDK 88fs」低位相ノイズデュアルクリスタルオシレーターを採用し、タイミング精度を極限まで 高める設計により信号の揺らぎを抑え、音楽の奥行きや立体感を忠実に再現しています。そして革新的な電流制御技術により電源ノイズ対策と動的内部抵抗の最適化。電源供給の品質を徹底的に向上させ、電源経路での損失や相互変調歪みを大幅に低減。力強い低音から繊細で滑らかな高音まで、あらゆる帯域で安定した音楽表現を実現し、細部まで鮮明に再現します。
また10層HDI技術を活用したPCBシールド設計及び全ディスクリートアナログ回路により、音質の基盤となるノイズ抑制性能と信号安定性を飛躍的に向上。さらに分離型プラットフォーム構造により信号ラインの純粋さを確保し、クロストークや干渉を徹底的に排除しています。超低ノイズ(1.3µV @ 2Vrms)設計によって、音の静寂性を提供し、これまでにない透明感を提供します。


また10層HDI技術を活用したPCBシールド設計及び全ディスクリートアナログ回路により、音質の基盤となるノイズ抑制性能と信号安定性を飛躍的に向上。さらに分離型プラットフォーム構造により信号ラインの純粋さを確保し、クロストークや干渉を徹底的に排除しています。超低ノイズ(1.3µV @ 2Vrms)設計によって、音の静寂性を提供し、これまでにない透明感を提供します。


「NiPO N2」は主要専門店にて410,300円~で販売されています。
免責事項:
本レビューはオリオラスジャパン様からのレンタル機でのレビューとなります。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ 製品の外観および内容について
というわけで、今回は「NiPO N2」をお借りして2週間ほど利用してみました。本体は革張りの高級感のあるボックスに収納されています。


パッケージ内容はこのボックスに、本体およびレザーケース、保護スクリーン、USB Type-Cケーブル、クリーニングクロス、説明書などが同梱されます。


「NiPO N2」の本体はCNC成形によるアルミニウム製で、サイズは139×74×19.7mm、348g。720x1280ピクセルの5インチタッチスクリーンを備えています。一般的に高級DAPというとスペックモリモリな感じでサイズも結構大きめな印象がありますが、「NiPO N2」は40万円超の製品としては比較的コンパクトで、持ち歩きもしやすいサイズ感です。


それでも手に持ったときの質感は非常に良く、ゴールドカラーのボリュームノブや各ボタンの操作感などもとても使いやすい印象です。コントロールは右側側面に集中しており、シンプルなレイアウトです。出力は3.5mmシングルエンドと4.4mmバランス。下面にUSB Type-Cのインターフェースとmicro SDのスロットがあります。


今回はレンタル品ですのであらかじめ初期設定などは終了した状態でお借りしていますが、電源OFF状態からのAndroidの起動は非常に早く、数秒程度で利用可能な状態になります。本体はSoCに8コア仕様の「MTK MT8788」、メモリはRAM 6GB、ROM 128GBでOSにはAndroid 10がインストールされています。またGoogle Playが利用できる状態でしたので、アプリ等もAPKファイルを使用しなくても簡単にインストール出来ます。ただしいわゆる「root化」された状態のデバイスのため、現在のApple Musicなど一部のアプリは動作制限に影響が及ぶ可能性があります。
再生アプリは専用のものではなく、Android用のハイレゾプレーヤーアプリとして定評のある「USB Audio Player Pro」(通称「UAPP」)がプリインストールされています。インストールされている「UAPP」アプリはバージョン7.0.4.1より「NiPO N2」の独自設計への最適化を実施しているとのこと。「NiPO N2」内部のDAC部分は接続されたUSB-DACとして認識され、同様にレンタル機であらかじめインストールされていた「HibyMusic」など他のアプリも同様に認識しますし、「Amzon Music」などのストリーミングアプリでもハイレゾ環境で利用できます。
個人的にはもともとスマートフォンとUSB-DACを組み合わせる場合も「UAPP」をメインに使用していたため操作については特に違和感はありませんでした。なお「UAPP」は汎用アプリのため利用環境に応じた非常に細かい設定が行えますが、今回お借りした「NiPO N2」では、目立った設定では「ハイレゾドライバー使用(フラグ等は自動)」「ビットパーフェクト有効」「DSDネイティブ再生」「USB関連の調整2が有効」などが入っていました。ちなみに普段「UAPP」を使ってる方には周知だと思いますがビットパーフェクトを有効にすると矛盾するアップサンプリングは効かないので「アップサンプリング」の設定もOFFになっています。本体の動作はDAPとしては高速なSoCと十分なメモリを搭載していることもあり、どのアプリでもストレスなくスムーズな動きをします。画面上部をスワイプして表示されるメニューでは、WiFi、Bluetooth、Line-Out設定、USB-IN(SDカード)設定、そして「フィルター設定」と「ゲイン変更」が可能。一般的なAndroid搭載DAPと概ね同様の操作感ですので、このクラスの製品を使用する方であれば操作で迷うことはまず無いと思われます。操作上気になった点としては、起動後に再生時に一瞬のギャップがある点、SDカードについては挿入後に外部デバイスとして選択しておかないと、アプリからのアクセスが遅くなるため留意しておくほうが良いこととと、側面のボタンの反応が良いため、特に携帯して利用時は誤操作に注意した方が良いくらいですね。
■ サウンドインプレッション
「NiPO N2」のサウンドはハイグレード機らしい非常に優れた見通しの良さを持ち、印象としてニュートラルな音で再生されます。同時に鮮明度の音圧が強い「パワー系」のサウンドという側面もあります。1,000ドル前後、あるいはそれより少し下のミドルグレードのパワー系のDAP製品に多い寒色系の明瞭なサウンドとは異なり、鮮やかな音色と優れた解像感、さらに独自の「ULA」アーキテクチャによる圧倒的にノイズレスで透明な空間表現を持ちつつも、僅かに温かみがあり豊かさを感じる自然なサウンドに仕上げられています。ハイエンドらしい、非常に上質、あるいは上品な音像表現です。「NiPO N2」はESSのDACチップの中でもハイエンドモデルで採用されてきたPRO系の最新チップである「ES9039 PRO」を搭載していますが、ESS的な鮮やかさと同時に最近のR2RのようなDACと比較しても自然な印象をキープしており、接続する様々なイヤホンやヘッドホンの特性をしっかりと表現してくれます。
高域は滑らかで自然な伸びやかさがあり、詳細な解像感と分離感があります。中音域は極めてニュートラルで透明な印象があり、微細なディテールまで美しく表現されます。過度なエッジや強調は無く、接続するイヤホンやヘッドホンの特徴により、ありのままのプレゼンテーションが得られます。空間表現も自然な広さがあり音像は滑らかで上品な印象です。そして低域は音源の表現を非常に豊かに描いてくれます。若干ですが中低域から低域の量感が増すような印象がありますが、再生時の透明感が高く拡張性が高いため、イヤホンやヘッドホンの低域の質感を向上させてくれている、という感じかもしれませんね。
特に「NiPO N2」の大きな特徴のひとつはノイズや歪みを抑えた「透明感」の高さで、独自の「ULA」アーキテクチャや高性能なクリスタルオシレーター、優れたノイズ抑制性能と信号安定性を持つ基盤設計などのハイエンドらしいコストの投入により、自然な音像感を持ちつつも、透き通った明瞭さもしっかり感じるのが心地よいですね。こういった傾向は反応の良いCIEMなどDAPの傾向を分かりやすく反映するイヤホンを組み合わせることで特に実感することができます。
再生アプリはAndroid用の定番アプリまたはストリーミングで、かなりシンプルなAndroid搭載DAPという感じの「NiPO N2」ですが、この「上質さ」に価値を感じることができる方、あるいはそう感じさせるIEMなどを組み合わせる方にはとても良い選択肢となるのでは、と感じさせます。
そして、「NiPO N2」の最大出力はシングルエンド(3.5mm)で 633mW、バランス(4.4mm)で2,530mWと、DAPとしては大出力をサポートしています。搭載バッテリーも 8000mAhで最大13時間(シングルエンド)、9時間(バランス)の再生時間をサポートするなど電力面でも余裕を持って駆動します。そのため鳴らしにくい高インピーダンスのヘッドホンなどでもある程度は余裕を持って利用することができます。それでもハイパワーな鳴り方をする他社のDAP製品と比較すると、そこまで高出力という印象は無く、モードをハイゲインに設定し音量を50%以上に上げていくことで自然にカバーする感じです。つまり、「NiPO N2」は寒色系の明瞭さを前面にしたDAPほどの解像をを持つわけではありませんし、出力の強さを強調するわけではありませんが、適度に柔らかく自然で、非常に豊かでかつ透明なサウンドに仕上げられている印象です。まさにハイエンドらしいバランスの良さと質の高さを持っている、という感じですね。
なお、「NiPO N2」の特徴のひとつとして、搭載される「ULA」アーキテクチャに最適化された7種類のフィルターが選択できる点があります。多くの場合、通常の「LP Apodiz」のままで快適ですし、これらのフィルターはそこまで大きな変化が発生するわけではありませんが、音源の質感に併せて組み合わせることで、より豊かなサウンドを楽しむことができます。
■ まとめ
というわけで今回「NiPO N2」をお借りして2週間ほど利用してみました。感想としてはこのクラスの製品としては思ったよりコンパクトで使いやすく、ハイエンド製品に対する気負いも無く楽しめた印象でした。私自身は、普段はレビュー時は据え置き環境が多くなっているものの、DAPとしては「iBasso DX320」などを中心に、出張時は「Shanling M5 Ultra」といった非Androidを使うなど、ミドルグレード機または少し上くらいの製品を中心とした利用ですが、「NiPO N2」も違和感なく楽しむことができました。いっぽうで音質面では圧倒的な〇〇、という感じより、とにかく様々な点でのバランスに優れ上質さを感じる音作りが印象的でした。一言でいうと「とても心地よい」DAPですね。ちなみに、「NiPO N2」で搭載されるBluetoothは4.1(SBC、AAC対応)ですし、WiFiも最近の仕様ではないようです。
そのため特に屋外でストリーミング再生のアプリを利用する場合は、あらかじめプレイリスト曲をダウンロードしておくなど、オフラインでも安定して利用できる使い方をする工夫が必要そうです。この辺はDAP製品であれば多かれ少なかれ該当する要素ですので、ある程度は割り切って使いたいですね。店頭では「NiPO N2」と同価格帯、またはさらに高額な製品もわりとあるという昨今のDAPの世界ではありますが、価格はともかくとして(^^;)、製品としては比較的「わかりやすく」、ミドルグレード製品のアップグレードとして「入りやすさ」もある印象ですので、気になった方はまずは試聴から確認されてみるのもよいと思いますよ。
