
こんにちは。今回は 「SHANLING EH1」です。お馴染みShanlingの据置き型のUSB-DAC/ヘッドホンアンプ製品で、4.4mmバランス出力に対応しつつ3万円台で購入可能なエントリー級のモデルです。オーディオ用途はもちろん、動画視聴やゲームなど、高音質なヘッドホンやイヤホンを組み合わせて幅広く利用できる、ライトユーザーにも最適な製品ですね。
■ 製品概要と購入方法について
ポータブルオーディオの世界で高い実績により確固たるポジションを築きあげている「Shanling」ブランドですが、同社が中国では据置きの製品も含めて結構老舗のオーディオブランドであることはマニアの間では周知のことでしょう。グローバルブランドとして定着してからここ数年は据置き型の製品のラインナップも大きく拡充しており、同社ならではの魅力的な製品が数多くリリースされています。
「SHANLING EH1」はShanlingの据置きのUSB-DAC/アンプである「EH」シリーズのエントリークラスのモデルとしてリリースされました。


「SHANLING EH1」はDACチップにCirrus Logic「CS43198」を搭載し、PCM 32bit/768kHz、DSD512のハイレゾ再生に対応。オペアンプには低ノイズ、ハイスピードレスポンスに定評のある、SG Micro「SGM8262-2」をデュアルで搭載し、フルバランスヘッドホンアンプ回路設計を採用。さらにSAMYOUNG 47μF×4、Panasonic FC/47μF×8、ELNA Silmic II/47μF×5の厳選されたコンデンサを、回路へ分配配置し、駆動力を高めながら、ナチュラルで温かみのある柔らかなサウンドと、パワフルな出力を実現しています。


ヘッドホン出力には6.35mmシングルエンドと4.4mmバランス出力を備え、シングルエンドで最大399mW@32Ω(DC接続時)、バランスで最大1015mW@32Ω(DC接続時)の高出力が可能です。
また「High」「Low」の2段階のGain機能と「Bass(最大±6dB)」「Treble(最大±10dB)」のトーンコントロール機能を搭載し、音楽再生から映像・ゲームなど幅広い用途で最適な出力に調整が可能です。
さらにGainボタンの長押しによりUAC1.0に対応したゲームモードへの切り替えが可能で、Switchなどのゲーム機を接続した利用も可能です。
ボリュームノブ周辺部分はサンプリングインジケーターとなっており、再生中のサンプリングレートや、EH1のステータスに連動しライトアップするカラーが変化します。


また「SHANLING EH1」の電源入力はUSBインターフェースからのバスパワー給電と、DCポートからの5V給電に対応。背面のRCA出力はラインアウトとプリアウトの両方に対応し、またコアキシャル(同軸)によるSPDIFデジタル出力にも対応します。
「SHANLING EH1」の価格は34,650円(アマゾン価格)です。カラーバリエーションは「シルバー」と「ブラック」の2色が選択できます。
Amazon.co.jp(MUSIN直営店): SHANLING EH1
Amazon.co.jp(MUSIN直営店): SHANLING EH1
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして MUSIN様 より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「SHANLING EH1」のパッケージは段ボールにラインアートで描かれたシンプルなデザインです。今回は「ブラック」のモデルで提供いただきました。


パッケージ内容は、本体、接続用USBケーブル(Type-A、Type-C)、DC5V接続用ケーブル(DC5V、Type-A)、6.35mm変換プラグ、保証書など。説明書は付属しませんが、製品パッケージのQRコードからアクセスするか、製品サポートページからダウンロードができます。


「SHANLING EH1」のサイズは156×96×36.5mm、392.5gと横長の形状ですが、据置き型のエントリーモデルと言うことでサイズ感はコンパクトにまとまっています。金属製の筐体は耐久性とともに放熱性も高そうです。なお、入力はUSB(Type-C)のみで、同価格帯のToppingやSMSLのようなSPDIF入力などは持ちません。また逆に4.4mmバランス出力にこの価格帯で対応した製品は少ないため大きなポイントのひとつになります。PC/Mac、ゲーム機などを接続したUSB-DAC専用機として特化した設計はとても分かりやすいですね。


「SHANLING EH1」の仕様としては、「CS43198」DAC &「SGM8262-2」アンプ×2と、ポータブルDAC/アンプだと「Shanling H2」あたりに相当するグレードですが、据置きモデルと言うことで内部回路は余裕を持った設計となっており、スペック的にも32bit/768kHz、DSD512と「Shanling H2」よりアップグレードされた仕様になっています(Macで接続の場合DSDはDoP接続となるためDSD256までの表示となります)。
ちなみに、「SHANLING EH1」が同価格帯で直接競合しそうな製品というと、横長の外観からもiFi-Audioの「ZEN DAC 3」が思い浮かびます。iFi-Audioの低中価格製品は一貫してBurrBrown時代の「枯れた」DACチップ(実際は現在のTI製?)を使用しており、USB入力IF側とD/A変換後のアンプ側で性能と音質を高めるというアプローチを採用しており、「ZEN DAC 3」でも同様に踏襲されています。「SHANLING EH1」も製品説明の通りDACチップ、オペアンプ、回路設計の相互作用で音質を高める設計は同様ですが、内部仕様を明示しており、ある意味音質面でのエビデンスがある、というのは好感できる要素のひとつだと思います(ピュアオーディオの「宗派」によって一概にはいえないかもですが^^;)。
また「ZEN DAC 3」では背面にバランスアウトがあるのに対し、「SHANLING EH1」ではCOAXデジタルアウト、「XBass+」に対して「Bass/Trebleコントロール」と、上位モデルからの仕様を踏襲している「ZEN DAC 3」に対し、「SHANLING EH1」はより汎用性が高く、この価格帯の製品を購入される層の実際のオーディオ環境に即した仕様になっている点は使いやすくメリットに感じやすいのではないかと思います。なお、通常の接続ではUSB Audio Class 2.0モードに対応しており、Windows、Mac、またiPhone/iPadやAndroidデバイス等に接続ができます。Windows用のASIOドライバーは製品説明書同様に製品サポートページからダウンロードが可能です。
■ サウンドインプレッション
「SHANLING EH1」の音質傾向は若干のウォームさのある滑らかな印象のサウンドです。バランスとしてはトーンコンロールを無効にした状態ではフラット方向ですが、高域を若干抑え、多少中低域寄りのカマボコ感もあり、ハイパワーながら聴きやすいサウンド、といった感じの音作りです。
いわゆるドングル型のオーディオアダプターでも「CS43198」をDACに使用している製品は何種類もありますが、多くがDACチップからのCirrus Logic 的な無味無臭感がベースになっているのに対し、「SHANLING EH1」では僅かに温かみもあり、アンプ回路側でサウンドチューニングしている印象もあります。
出力については同様のチップを使用している「SHANLING H2」との比較で、特にアンプ部の印象について分離や解像感では「SHANLING EH1」のほうが高く、より透明で詳細なディテールの表現を実感出来ました。対して、空間表現や深さといった印象はそこまで違いはなく、上位モデルとの差を感じる要素となっています。この点は「SHANLING EH1」が「EH」シリーズの中で唯一バスパワー動作が可能な設計であるため、ポータブル機同様の省電力仕様になっているのでは、という気もしますね。そのため用途として、例えば10万円前後~それ以上など、ある程度ハイグレードなヘッドホン製品などを利用することが前提な場合は、相応に上位モデルの「EH2」「EH3」を検討した方がよさそうです。
いわゆるドングル型のオーディオアダプターでも「CS43198」をDACに使用している製品は何種類もありますが、多くがDACチップからのCirrus Logic 的な無味無臭感がベースになっているのに対し、「SHANLING EH1」では僅かに温かみもあり、アンプ回路側でサウンドチューニングしている印象もあります。
出力については同様のチップを使用している「SHANLING H2」との比較で、特にアンプ部の印象について分離や解像感では「SHANLING EH1」のほうが高く、より透明で詳細なディテールの表現を実感出来ました。対して、空間表現や深さといった印象はそこまで違いはなく、上位モデルとの差を感じる要素となっています。この点は「SHANLING EH1」が「EH」シリーズの中で唯一バスパワー動作が可能な設計であるため、ポータブル機同様の省電力仕様になっているのでは、という気もしますね。そのため用途として、例えば10万円前後~それ以上など、ある程度ハイグレードなヘッドホン製品などを利用することが前提な場合は、相応に上位モデルの「EH2」「EH3」を検討した方がよさそうです。「SHANLING EH1」の用途としてもっとも実力を発揮しそうなのは、低~中価格帯のヘッドホン製品や様々なイヤホンとの組み合わせで、音楽、映像、ゲームなどさまざまなジャンルでPCやスマートデバイスを高音質化したい、というケース。
最近高音質化が進んでいる、コストパフォーマンスに優れた1万円以下~数万円程度のイヤホンやヘッドホンをしっかり駆動させ、明瞭かつ滑らかなサウンドで、ポップスやアニソンなどの音源を楽しむ、またはNetflixなどの動画視聴やゲーミングなどでヘッドホンをより使用してより高音質な体験を行うなど、ライトユーザーを含めた層でより本格的なサウンドを楽しみたい場合の「入り口」として最適なUSB-DAC専用機というイメージですね。
バランス接続に対応した据置きUSB-DAC製品としては低価格ながら解像感や分離は非常に高く、明瞭な印象のサウンドのため、これらの音源では透明感の高い、非常にクリアなサウンドを楽しめるでしょう。また自然な定位があるため、ゲーミングや映像視聴を楽しむ上でも最適です。映画などでは低域のトーンコンロールを強めることでより臨場感を高めることも感覚的にできるのが良いですね。いっぽう音楽のリスニングでは上位モデルのような「Hi-Fi(原音忠実)」とは少し異なりますが、中低域寄りで僅かに温かく若干カマボコな印象のため、ボーカル域が際立ち、高域の刺激を少し抑えることで長時間のリスニングでも聴きやすく調整されています。もし高域の伸びを強化したい場合は高音のトーンコンロールを強めることもできます。
最近高音質化が進んでいる、コストパフォーマンスに優れた1万円以下~数万円程度のイヤホンやヘッドホンをしっかり駆動させ、明瞭かつ滑らかなサウンドで、ポップスやアニソンなどの音源を楽しむ、またはNetflixなどの動画視聴やゲーミングなどでヘッドホンをより使用してより高音質な体験を行うなど、ライトユーザーを含めた層でより本格的なサウンドを楽しみたい場合の「入り口」として最適なUSB-DAC専用機というイメージですね。
バランス接続に対応した据置きUSB-DAC製品としては低価格ながら解像感や分離は非常に高く、明瞭な印象のサウンドのため、これらの音源では透明感の高い、非常にクリアなサウンドを楽しめるでしょう。また自然な定位があるため、ゲーミングや映像視聴を楽しむ上でも最適です。映画などでは低域のトーンコンロールを強めることでより臨場感を高めることも感覚的にできるのが良いですね。いっぽう音楽のリスニングでは上位モデルのような「Hi-Fi(原音忠実)」とは少し異なりますが、中低域寄りで僅かに温かく若干カマボコな印象のため、ボーカル域が際立ち、高域の刺激を少し抑えることで長時間のリスニングでも聴きやすく調整されています。もし高域の伸びを強化したい場合は高音のトーンコンロールを強めることもできます。■ まとめ
というわけで、「SHANLING EH1」はデスクトップオーディオを気軽に高音質化できるUSB-DAC製品として幅広いユーザーにとって使いやすい製品という印象でした。同価格帯で音質面でHi-Fi方向にこだわった製品も複数存在しますが、やはりある程度のグレードのヘッドホンやイヤホン、あるいは外部オーディオ機器に接続する場合は様々な側面で相応のグレードの製品が欲しくなるものだと思います。そういった意味ではある程度ライトユーザーやよりカジュアルな(マニア向けではない)用途にターゲットを特化した「SHANLING EH1」のほうが「実用的」に感じるシーンは多いかもしれませんね。
もちろんヘッドホン出力以外にも、RCA出力で手軽にアクティブスピーカーや手持ちのオーディオ環境に接続できますし、リビングのAVアンプ等と組み合わせる用途ではRCAよりCOAXによるデジタル出力のほうが(AVアンプ側の特性的に)相性が良い場合もあります。


個人的にはVRゴーグルで映画館並の仮想的な大画面で映画などを観る、という使い方をする場合に、これまではUSB-Cコネクタに「SHANLING H2」を接続して使っていたのですが、これを「SHANLING EH1」に変える(電源はDC接続で供給)ことで、より幅広いヘッドホンで利用でき、ゴーグルを装着したまま音量やトーンコンロールも容易なためかなり快適になりました。
お手頃価格の製品ですし、いろいろ最適な使い方を工夫してみるのも楽しいかもしれませんね(^^)。