
こんにちは。今回は 「Kiwi Ears Atheia」です。精力的に新製品を投入しているKiwi Earsの300ドル級ヘッドホンで、50mm複合振動板ダイナミックドライバー+14.5mm平面磁気ドライバーのデュアルドライバー構成を採用した個性的なモデルです。ウッドハウジングの高級感のあるデザインに、バランスが良いサウンドを実現しています。
■ 製品概要と購入方法について
「Kiwi Ears」は2021年に登場した新しい中華イヤホンのブランドですが、非常に早いペースで新製品を投入しており急速に知名度が高まっていますね。同社のイヤホン製品は豊富なラインナップと質の高いサウンドで多くのマニアから注目を集めています。最近はオーディオアダプターなどのプレーヤー製品やヘッドホン製品などより幅広いラインナップでの展開も積極的です。
「Kiwi Ears Atheia」は300ドル台のヘッドホンで同社のヘッドホン製品の中ではもっとも高価格帯のモデルになります。オーディオマニアおよびプロフェッショナルの双方に向けて設計された「Kiwi Ears Atheia」は高度なデュアルドライバー技術と入念なチューニングを融合。細部までの表現力によりリスニング体験を向上させ、あらゆる音に明瞭さとバランスをもたらします。


「Kiwi Ears Atheia」のドライバーには50mm「複合振動板ダイナミックドライバー」および「14.5mm平面磁気ドライバー」を搭載したデュアルドライバー構成を採用。2基のドライバーをシームレスに統合し洗練されたリスニング体験を実現。 50mm 複合振動板ダイナミックドライバーは、力強い低音と卓越した明瞭度を提供し、カスタム設計の14.5mm 平面磁気ドライバーは質感、速度、高音のディテールを強化しながら、歪みを最小限に抑えます。2基のドライバーを組み合わせることで、比類のない精度とバランスを備えた没入感の高いリスニング体験を提供します。


本体は耐久性と快適性の両方を実現するクルミ材のイヤーカップ、アルミニウム合金のブラケット、ビーガンレザーの裏地を備えています。自動調整ヘッドバンドは疲労を軽減しながら、ぴったりとフィットし、カスタマイズ可能なため、何時間でも快適なリスニング体験が保証されます。


「Kiwi Ears Atheia」の価格は349ドル、アマゾンでは53,900円です。
Linsoul(linsoul.com): Kiwi Ears Atheia
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): Kiwi Ears Atheia
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「Kiwi Ears Atheia」のパッケージは製品画像を掲載したデザイン。箱はヘッドホンケースを覆う大きめのサイズ感です。


パッケージ内容は、ヘッドホン本体、ケーブル、収納ケース、説明書。


「Kiwi Ears Atheia」の本体はウォールナット材のイヤーカップとアルミニウム合金製のブラケットを組み合わせた高級感あふれるデザインが特徴的です。イヤーパッドとヘッドバンドにはヴィーガンレザーが使用されています。


側圧は比較的ソフトで締め付け感はほぼ無し。柔らかいイヤーパッドが耳をソフトに覆い、長時間の使用でも快適な装着感です。また、イヤーカップは90°回転し、ケースに収納できます。


ケーブルは両出しタイプで3.5mm TRS仕様。付属ケーブルはフックで固定できる仕様です。ケーブルはプラグ部分から分岐の金具までが布張り仕様で左右で分岐している部分は透明な樹脂被膜となっています。一般的な3.5mm TRS両出しタイプのケーブルが利用できるため、バランスケーブルへのリケーブルも容易ですね。
■ サウンドインプレッション
「Kiwi Ears Atheia」の音質傾向は全体的にニュートラルな印象でまとめつつ、2種類のドライバーの組み合わせによりU字方向で多少弱ドンシャリのバランスにチューニングされています。ハイブリッドぽい、という言い方もできますが、中低域寄りにチューニングされたダイナミックドライバーを高域用の平面駆動ドライバーがアシストすることでニュートラル方向ながら適度なメリハリやアクセントが生まれている印象。そのため「Kiwi Ears Atheia」は一般的なフラット方向のモニター的なヘッドホンともドンシャリ方向のヘッドホンとも異なり、U字に近い最近のイヤホンに多いチューニングをヘッドホンでやってる感じです。ある意味非常に聴きやすくまとめられているものの、同価格帯のヘッドホン製品と比べるとちょっと個性的に感じるかもしれませんね。
製品説明でもハーマンターゲットを意識したチューニングとされていますが、ミッドベースを中心に適度に厚みのある低域と刺激を抑えつつ伸びのある高域、フラット方向で癖の無い中音域が印象的です。
同時に、中高域~高域付近で若干質感の異なる明瞭さがあり、平面駆動ドライバーによる高域の表現を実感します。
「Kiwi Ears Atheia」の仕様は、インピーダンス32Ω(±10%)、感度102dB/mW(±3dB)と比較的鳴らしやすく、多くのポータブルアダプター等でも十分な音量を得ることが可能です。しかし、十分な駆動力のあるDAP/アンプを使用することで、より豊かな低音域や高解像度の再生が期待できます。一般的に平面磁気ドライバーの特性を最大限に引き出すためには、高出力のアンプとの組み合わせが推奨されますが、「Kiwi Ears Atheia」については再生環境により音場感や高域の伸びに多少違いを実感します。
「Kiwi Ears Atheia」の高域は刺激を抑えつつ適度な主張があり明瞭に伸びる印象。ある程度駆動力のある再生環境ではより明るく、直線的な見通しの良さがあります。平面駆動ドライバーのアシストで、より煌めきを感じる質感になっており、中音域や低域とは異なる多少異なる質感で再生されます。シンバルや弦楽器の高音部もクリアに表現され、適度な透明感と繊細なディテール表現を実感します。歪みを抑え滑らかさと明瞭感が有り、同時に刺さりやすい帯域はコントロールされており聴きやすくまとめられている印象です。
中音域は癖の無いニュートラルな印象で、ボーカル域は僅かに前傾するものの近すぎず自然な距離感を維持しています。全体的に滑らかな印象ですが、十分な解像感があり、演奏との分離も良好。自然な印象で定位します。ボーカル域は男性・女性とも滑らかな音像表現と質感があり、細かいニュアインスや余韻も自然に描写します。演奏も自然な解像感と分離の良さで細部まで再現し、全体として調和の取れたサウンドを提供します。音数の多い楽曲でも、詳細かつ豊かさのある印象です。音場は空間表現は自然ですが左右に広がりがあり、密閉型ながら窮屈さはありません。ややドンシャリ方向のチューニングにより適度なレイヤー感があります。低域はミッドベースを中心に量感があり、中高域と明瞭に分離しつつ存在感があります。50mmダイナミックドライバー自体は中低域寄りで再生されるため、中音域の中低域から低域のミッドベース付近の量感が最も多く、スピード感がある力強いアタックと直線的で締まりのある音で心地よく刻む印象です。重低音も量的にはミッドベースほどではありませんが沈み込みは深さがあり、心地よく全体を下支えします。
■ まとめ
というわけで、「Kiwi Ears Atheia」はデュアルドライバー構成により、300ドル台のミッドレンジのヘッドホン製品としてはやや個性的な印象ながら、U字方向の弱ドンシャリのバランスでさまざまな音楽ジャンルの音源を心地よく再生できるヘッドホンです。平面駆動ドライバーを併用する高域はしっかりと駆動力のある再生環境では、非常に明瞭な伸びの良さがあり、50mmドライバーによる低域もキレとスピード感があります。中音域ではボーカルが滑らかに表現され、自然な広がりと緩やかなレイヤー感のある自然な音場表現はリスニング的にも非常に心地よく感じます。また外観も高品質な素材によるウッドハウジングで高級感があり、ソフトな装着感で長時間のリスニングでも快適です。幅広いユーザー向けという感じではありませんが、Kiwi Earsらしいイマドキの音作りをヘッドホンにも適用した製品として、興味のある方には魅力的なアイテムのひとつになるかも知れませんね。