SHANLING TINO

こんにちは。今回は 「SHANLING TINO」です。DAPやオーディオアダプターでお馴染みのShanlingからリリースされた、アンダー100ドル級、1万円台前半で購入可能な新モデルです。10mmと8mmの2基のダイナミックドライバーを搭載し、伝統的な箔焼きによる美しいフェイスプレートを持つ3Dプリントシェルで、バランスの良いリスニングサウンドに仕上がっています。オプションでプラグ交換も可能な上質なケーブルも付属しています。

■ 製品概要と購入方法について

数々の高音質DAP(デジタルオーディオプレーヤー)やオーディオアダプター製品で日本でもお馴染みになっているオーディオメーカー「Shanling」の新しいイヤホン製品が「SHANLING TINO」です。
10mmと8mmの2種類のダイナミックドライバーによるデュアルドライバー設計のモデルで、本体は中国の伝統技法である箔焼きによってデザインされたフェイスプレートを備えたDLP-3Dプリントシェルにより成形されています。
SHANLING TINOSHANLING TINO
SHANLING TINO」に搭載されるドライバーは、低域用の10mmサイズのPUサスペンション・液晶ポリマー(LCP)振動板ダイナミックドライバーと、中高域用の8mm DLCカーボン振動板ダイナミックドライバーのデュアルドライバー構成。低域用ドライバーは振動板の弾力性と強度を高め、サスペンションによる柔軟性により、変換効率に優れ、深みとダイナミクスのある低域を実現。中高域用ドライバーは繊細かつクリアなサウンドにより高解像度とナチュラルなチューニングの中・高域を実現します。
SHANLING TINOSHANLING TINO
搭載されるドライバーは、軽量かつ高効率のDaikoku製ボイスコイルと強力なN52磁気回路を採用し、イナミックかつ低歪みで、正確なサウンドレイヤーと優れた音場表現を提供します。
付属ケーブルは、OFC高純度銅線および銀メッキ線による同軸リッツ構造のケーブルを採用。芯ごとに内部は0.08mm銅線×49本、外周は0.06mm銀メッキ線を133本使用して構成。左右2芯タイプの撚り線で構成されます。
またプラグは交換可能なモジュラー構造で、付属の3.5mmのほか別売りのオプションで4.4mmバランスおよびUSB-Type-Cデジタル対応のプラグが用意されています。
SHANLING TINOSHANLING TINO

SHANLING TINO」の価格はアマゾンのMUSIN直営店で12,870円。
別売りの交換用プラグは「4.4mm」「Type-C」とも1,980円です。
Amazon.co.jp(MUSIN直営店):  SHANLING TINO / 別売交換プラグ


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして MUSIN様 より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

パッケージは製品画像を掲載したシンプルなデザイン。少し厚みのあるボックスです。
SHANLING TINOSHANLING TINO

パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル(3.5mmプラグ)、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、Metalケース、説明書。
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本体はDLP-3Dプリントによるレジン製のシェルで、フェイス部は金属製リングに透明なレジンコートされた箔焼きによる個体ごとに模様の異なるプレートが埋め込まれ独特の美しさがあります。
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10mmと8mmのデュアルドライバー構成ですがシェルサイズはコンパクトで耳への収まりも良い印象です。
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ケーブルは銀メッキ線外周による同軸リッツ線で太さのある左右2芯タイプのケーブル。ホワイトシルバーの美しい外観で透明な被膜は適度な弾力があり、取り回しも良い印象です。プラグはネジ固定式でしっかりとした耐久性があります。
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今回オプションコネクタも「USB Type-Cタイプ」および「4.4mmバランス接続タイプ」の2種類も提供いただいています。「USB Type-Cタイプ」タイプは内蔵DACチップにより最大32bit/384kHz PCMに対応しています。


■ サウンドインプレッション

SHANLING TINOSHANLING TINO」の音質傾向は緩やかなV字またはU字に近い弱ドンシャリ傾向。ハーマンターゲット寄りのバランスながら適度に低域および高域にエネルギーが加えられており、リスニング的な印象が強化されています。2基のダイナミックドライバーのつながりは円滑で豊かなダイナミックレンジを生成しており、適度なメリハリの良さとやや前傾し鮮やかさを持ちつつ自然なボーカル域が心地よさを感じさせます。
また付属ケーブルの情報量が豊かで同軸線の採用により分離感や透明感もより高く伝送されるため、3.5mmのシングルエンドでも十分に高い解像感で音像を描写します。

インピーダンス16Ω、感度113dB±3dBという仕様ですが実際の音量は若干取りにくい印象。(出力だけで無く、アンプ側の電流量も含めた)駆動力のある再生環境の方がより立体的な音場感や詳細な描写を実感出来るでしょう。後述しますがオプションの4.4mmバランスコネクタによりケーブルの情報量をより活かた出力が得られるため、小型のオーディオアダプターの場合はこちらを選択し出力を稼ぐのも良い方法です。

SHANLING TINOSHANLING TINO」の高域は、明瞭で伸びやかさのある音を鳴らします。中高域付近から強めのアクセントがあり高域まで直線的に伸び、明るい煌めきがあります。2DD仕様のアンダー100ドル級としては十分に解像感は高く、透明で高高域への見通しも良い印象。またスピード感とキレのある印象ながら歯擦音を抑え、刺さる手前でコントロールされています。様々なジャンルの曲をそつなく鳴らすタイプの手堅い高域です。

中音域はニュートラルな印象ながら、U字方向の傾向によりボーカル域を中心に多少前傾し主張のある音で再生されます。ただ一般的なハーマンターゲット寄りのイヤホンと比べ多少高域および低域の主張が増しているため、中音域そのものは相対的に若干V字方向に凹む場合もあるようです。ボーカル域は非常に豊かで、女性ボーカルの高音など中高域付近のアクセントにより綺麗な伸びがあり、男性ボーカルは適度に温かく豊かなエネルギーがあります。また演奏と分離も適切で全体的に見通しも良く、自然な広さと若干V字寄りによる前後のレイヤー感により心地よい奥行きが生まれ、細かい音のディテール含め詳細かつ自然な印象で再生されます。

SHANLING TINO低域は重低音を中心に量感が増しており、全体として適切なインパクトを与えてくれます。低域用の10mmドライバーは滑らかさがあり、エネルギッシュですが自然な音を鳴らします。ミッドベースは力強い音を鳴らしつつ過度な膨らみは無く、適度な締まりにより中高域と明瞭に分離します。解像感やキレを重視した印象ではありませんが、バランス良く調整されており、中高域と滑らかに繋がります。重低音は過度なブーストはないものの心地よい存在感があり、深く沈む響きの良さと適度な重量感があります。量的に多いわけではありませんが、スピード感と解像感で心地よく下支えします。

なお、3.5mmより詳細な解像感を得たい場合は4.4mmバランスコネクタを用意し、S/Nの高い再生環境を利用するのも良いでしょう。バランス接続においては分離が向上し、より詳細な解像感と立体的な音場感を実感出来ます。ただし情報量の向上によりメリハリも多少増すため、音量がアップし、再生環境によってはちょっと聴き疲れしやすくなる場合もあります。
SHANLING TINOSHANLING TINO
またUSB Type-Cプラグを備えたコネクタの場合、スマートフォン直挿しで最大で32bit/384kHzのハイレゾ再生に対応します。iPhone 16 の場合は音量は中央値ではやや小音量ぎみで、10~15%程度アップした音量で臨場感をより楽しめる印象となります。ただこれくらいの音量まで上げるとApple MusicやAmazon Musicなどのハイレゾ配信を際した場合、曲によっては高域が多少強めに出る(少し歪む)印象があります。それでも「SHANLING TINO」の解像感や音場感は結構楽しめる印象。どちらかというと多少小音量でBGM的に楽しむ場合は USB Type-Cプラグを使用し、さらにしっかりとリスニングを楽しみたい場合は3.5mmまたは4.4mmで外部アダプターやアンプを併用した方が良さそうです。


■ まとめ

SHANLING TINOというわけで、「SHANLING TINO」ですが、美しいシェルデザインと情報量の多いしっかりしたケーブルが付属し、オプションでプラグ交換にも対応と充実した構成と、幅広いリスニング用途に手軽に対応出来る手堅い音作りが印象的なイヤホンでした。上位モデルのような高い解像感や上質さとは異なり、比較的カジュアルな印象のチューニングではあるものの、2基のドライバーの特性を活かしたチューニングで伸びの良さやボーカルの豊かさ、エネルギッシュな低域を備えつつ、ハーマンターゲット寄りのニュートラルバランスを実現。またニュートラル系の低価格イヤホンにありがちな中音域付近の荒様も無く非常に滑らかなサウンドに仕上げられています。この価格帯でちょうど良いイヤホンを探している方には非常に魅力的な選択肢のひとつになるのではと思いますよ。

タグ :
#Shanling
#構成:2DD
#ドライバー:DLC/DOC
#ドライバー:LCP
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#価格帯/グレード:50-100USD
#中華イヤホン(100USD未満)
#有線イヤホン:1万円台