TAKSTAR HF580

こんにちは。今回は 「TAKSTAR HF580」です。前回レビュー(再構成版)を再掲した「MW-HP20HR」を販売しているマクサー電機さんが国内での代理店をしている開放型ヘッドホンです。極薄振動板を採用した大口径の平面駆動ドライバーを搭載し、質の高いニュートラル系のサウンドを楽しめるヘッドホン製品です。

■ 製品概要と購入方法について

「TAKSTAR」は1995年に設立された音響機器メーカーで業務用マイクやヘッドセットなどを製造販売しているメーカー。「TAKSTAR HF580」は大型平面磁気ドライバーユニットを搭載する開放型ヘッドホンで、自然で繊細なHi-Fiサウンドが特徴のモデルです。日本国内ではマクサー電機が正規代理店をしており、日本代理店保証(1年)付きモデルを販売しています。
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TAKSTAR HF580」はフルレンジの大型平面磁気駆動ドライバーユニットを搭載。本体はオープンバックデザインを採用した開放型で、強い雰囲気で透明で自然なサウンドを実現。様々なジャンルの音楽の細部を再現します。ヘッドフォン周波数応答は15Hz-25KHzの広範なレンジに対応し、インピーダンス 32Ω±20%、感度 90±3dB で、音楽鑑賞、スタジオオーディオモニタリング、レコード鑑賞、DJ ミキシングモニタリングなどに最適な仕様です。
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搭載される平面磁気ドライバーには、ドイツの高級TUYU™ 5μm(0.005mm)超薄型ダイヤフラムを搭載し、低域は10Hzからの超周波を生成し、全身に響く低音サウンドを 実現します。また強力なNdFeB磁石を採用。高感度で広い周波数応答とダイナミックレンジを実現しています。
そしてヘッドバンドとイヤーパッドにはメモリーフォームクッションを使用しており、通気性に優れ、長時間の装着でもストレスを軽減します。ヘッドフォンの形状は人体測定データに基づいて設計されており、さまざまな頭の形状でも快適に装着できます。
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TAKSTAR HF580」(国内正規品)の価格は24,800円(税込み)です。
Amazon.co.jp(マクサー電機/セント・エスポワール販売): TAKSTAR HF580


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして マクサー電機様 より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

TAKSTAR HF580」のパッケージは製品写真を載せたボックスデザイン。

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パッケージ内容は、ヘッドホン本体、交換用のソフトイヤーパッド、説明書。また国内正規品では日本語スタートアップガイドも付属します。
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本体は樹脂製のイヤーカップと金属製のヘッドバンドによる構成で、サイズは165×90×200(mm)と結構大型サイズ。重量も550gと最近の軽量級のヘッドホンと比べるとかなり重さがありますが側圧はソフトで、イヤーパッドも柔らかくしっかりとホールドします。長時間の利用でも思ったより疲れない印象でした。
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ケーブルは左右からの直出しで交換はできません。ただレザーカバーでしっかり覆われており強度は確保されている印象です。ケーブルは4mm経で長さは3mタイプです。


■ サウンドインプレッション

TAKSTAR HF580TAKSTAR HF580」の音質傾向はフラット方向のバランスで全体的にややウォーム寄りの印象。手持ちの平面駆動のなかでは「HIFIMAN HE4XX」(HE400iと同様のドライバーを使用したDropモデル)に結構近い印象。平面駆動のなかでは比較的ウォーム寄りで解像感よりリスニング的な音場感を重視した印象。低域付近に雰囲気のある響きがあり、ニアフィールドのスピーカーで聴くような空間の表現があります。そのため、ライブ音源など臨場感を感じる音源や、ボーカル曲でもアコースティックな演奏による'80年代以前の音源との相性が良い印象。
逆に最近のJ-POPやアニソンなど音数が多く高域成分が多い楽曲では特に女性ボーカルの高域など中高域付近の抜け感で独特の籠もりのような違和感があります。そのため少なくとも最近の音源については得手不得手がある印象ですが、全体としてのバランスは良く、平面駆動らしい歪みを抑えた見通しの良さと、直線的な印象で沈む質の良い低域が印象的なヘッドホンです。

TAKSTAR HF580ちなみに、「TAKSTAR HF580」は結構以前から販売されているモデルで、海外レビューでは搭載される平面駆動ドライバーが「Sendy Audio Aiva」や「SIVGA P-Ⅱ」と同じでは?ということでちょっと話題になったことのあるモデルのようです。実際にはドライバー口径は97x76mmと同じですが、振動板が「TAKSTAR HF580」は5μmで、「Avia」が3μmと微妙に違ったりするなど、同じ製造元かもだけどグレードなどが微妙に違ったりはするかも、という気がします。とはいえ音質的には噂になる程度には実力があり、リケーブル不可だったりハウジングのプラスチックな意匠にちょっと中華ヘッドホン感はあるものの、音質傾向自体は非常に良いと思います。なお、バーンインは100時間~200時間以上が推奨でしっかり鳴らし込むほうが印象が向上します。

TAKSTAR HF580」の高域は刺さり等の刺激を抑えつつ、伸びが良く適度なエネルギーがあります。解像感は平面駆動タイプのヘッドホンとしては特別高いという印象はありませんが、十分な明瞭感と直線的な伸びが有り、かつ自然な輪郭で描写されます。十分にバーンインした状態であれば高高域はより透明で明瞭感を感じることができるでしょう。

TAKSTAR HF580中音域はニュートラルで自然な音色で再生されます。「Sendy Audio Aiva」や「SIVGA P-Ⅱ」と同様のドライバーではという海外の評価もある程度は納得できる表現力の高さがあり、歪みが無く、1音1音を自然な輪郭で非常に綺麗に鳴らす印象。ボーカル及び演奏の定位は非常に正確で、特にアコースティックな音源による演奏やライブ音源では、この価格帯のヘッドホンとしてかなり質の高い空間表現を実感出来るでしょう。また音色も鮮やかで、輪郭は自然で過度にエッジが立っているわけではありませんが非常に明瞭で透明に感じます。ボーカル域は適度に温かく、演奏は光沢があります。ただ、前述の通り特に最近のJ-POPやアニソンなどの音源に限定し、女性ボーカルの高音など中高域付近の特定の帯域に曇りがあり、打ち込みが多いこのジャンルの音源では多少の違和感があります。この点についてはイヤーパッドの付属のグレーのクッションタイプに交換することで、より明るく、ボーカル域が近づくため多少改善されます。

TAKSTAR HF580低域は平面駆動ドライバーを搭載したヘッドホンは概ね高い質感を持ちますが、「TAKSTAR HF580」も適度に温かく自然な印象を維持しながら、より直線的で豊かな表現力を持った音を鳴らします。
開放型のデザインではあるものの、完全に抜けてしまうような印象は無く、力強いアタックがあり、空間の定位を感じさせる描写で心地よい臨場感をもたらします。また重低音も深く、適度な重量感があります。それでも全体としてはニュートラルで、低域が過度に強調されることはありません。
なお、再生においては十分な駆動力が必要で、音量も取りにくい印象。スマートフォンの直差しや小型のオーディオアダプターなどでの再生はあまりお勧めできません。DAPなどでもポータブルアンプ等を併用した方がより鮮やかな質感と豊かな音場表現を得られる可能性があります。個人的には据置きのヘッドホンアンプでの利用がやはりもっとも快適でした。


■ まとめ

というわけで、「TAKSTAR HF580」ですが、製品としては以前からあるモデルながら、現在聴いてみても平面駆動らしさとややウォーム寄りで豊かな質感を両立しており、特に80年代、90年代以前の音源等を非常に魅力的に再生するヘッドホンという印象でした。
TAKSTAR HF580なお、海外のレビューのなかでイヤーパッドを「Sendy Audio Aiva」のものに交換する、という記載があったため、同じイヤーパッドを使用している同系列の「SIVGA P-Ⅱ」の後継モデル「SIVGA P2 PRO」のイヤーパッドを転用してみました(「Aiva」や「P-Ⅱ」のイヤーパッドより「P2 PRO」のほうが若干大きいかもしれません)。結果として標準のイヤーパッドで曇りを感じたアニソンの女性ボーカルも自然な印象で再生され、音場感も多少立体感が増した印象になりました。このようなジャンルの曲を聴かれる場合はサポート外ではあるものの試して見るのも良いかも知れませんね。


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