マクサー電機「MW-HP20HR」

※本レビューは2024年9月16日に掲載した評価機による記事を元に、製品版についての内容を加筆し、改めて再構成した内容となります。

こんにちは。今回はマクサー電機の「MW-HP20HR」です。 「ロック&メタル特化型ヘッドホン」として2024年6月にMakuakeで先行募集が行われ、11月下旬より一般販売が開始されました。日本製の高音質モニターヘッドホンをベースに、非常に個性的なサウンドチューニングにより製品化したたいへん「趣味的過ぎる」アイテム(褒め言葉)です。

■ 製品概要について

さまざまなサプライ製品やアクセサリ製品などの電気製品を取扱うマクサー電機から発売されたロック&メタル特化型ヘッドホンが今回の「MW-HP20HR」です。同製品は2024年6月23日~8月24日の期間に「Makuake」にて先行販売募集を実施。その後、2024年11月25日より一般杯倍を開始しました。

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「MW-HP20HR」は80~90年代のバンドサウンドに特化した密閉型ヘッドホンで、「当時のバンドサウンドをより気持ちよく、現代の視聴環境に合わせたサウンドで楽しめるヘッドホンを作りたい」との想いのもと一念発起し、「SOUND WARRIOR」ブランドで知られる城下工業の協力を得て製品化を実現しました。
ボーカルにくわえ、ロックやメタルなどのバンドサウンドの演奏の再現に特化したチューニングを行い、高域はシニア層のユーザーでも聴きやすく明瞭化し金物の音もしっかり届けられるよう調整され、低域も歯切れの良さと力強い再生によりハードなサウンドが心地よく聴けることを追求しているとのことです。
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ドライバーには40mmサイズのダイナミックドライバーを搭載し、インピーダンス40Ω、感度101dB/mWという仕様。本体部の重量は215gで1.2mケーブルと延長コードが付属します。

MW-HP20HR」の価格は27,500円(税込み)です。

Amazon.co.jp(マクサー電機): MW-HP20HR


また「MW-HP20HR」用のハイグレードオプションケーブルも5,480円で販売されています。

Amazon.co.jp(マクサー電機): MW-HP20HR用ハイグレードバランスケーブル(4.4mm)


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして マクサー電機様 より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ 製品の外観および内容について

というわけで、Makuake募集時の評価機レンタルに続き、実際の製品の提供をいただきました。今回は製品パッケージおよび4.4mmバランスケーブルが届いています。
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製品内容は、ヘッドホン本体、ケーブル、延長コード、6.35mm変換プラグ。また評価機には先行特典のオリジナルケーブルも同梱されていました。
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なお、前述の説明にも記載の通り、本製品は「SOUND WARRIOR」(城下工業)の協力を得て製品化しており、具体的には同社の「SW-HP20」をベースとした製品として仕上げられています。この製品は業務用ヘッドホンやヘッドセットでの開発生産実績を元に製造された日本製のモニターヘッドホンで、軽量かつ高い耐久性を持ちつつ快適な装着性を実現しており、品質・音質面でも定評があります。
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今回の「MW-HP20HR」についても形状および215gという軽量設計、適度に柔らかく自然な側圧の装着感などは「SW-HP20」を踏襲しており、側面にプリントされたデザインのみが外観上の相違点といえるでしょう。

ケーブルは2.5mm TRタイプの両出しで標準ケーブルに加え、延長ケーブルも付属します。断線時などの交換部品が確保出来るのは安心できますね。また今回届いたパッケージにはハイグレードケーブルについても3.5mmタイプが同梱されていました。ケーブルによって違いを試して見るのも良いでしょう。
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ハイグレードケーブルについてはオプシンで4.4mmのバランスケーブルが購入可能で、バランス接続にも対応可能です。一般的に小型のオーディオアダプターなどでもバランス接続のほうが高出力な仕様のため、分離感を向上させつつ、より高いパワーで鳴らすうえでも有効なオプションだと思います。


■ サウンドインプレッション

マクサー電機「MW-HP20HR」ロック&メタル特化型ヘッドホンMW-HP20HR」の音質傾向は明瞭感のあるV字傾向のサウンドですが、バンドサウンド特化いうだけあって、それぞれの演奏が非常に際立ち、前方で密閉感のある印象で鳴るのが特徴的。音場は広い/狭いという概念より「タイト」という印象で、実際(リアル)とは異なるものの、狭いライブハウスの前方でむせ返るように演奏を堪能するようなイメージで楽しむことが出来ます。

なお、「MW-HP20HR」はインピーダンス40Ω、感度101dB/mWで、音量は多少取りづらいですが比較的駆動はしやすく小型オーディオアダプターやDAPなどでも再生環境によっては若干軽めの音になるものの十分に再生できました。スマートフォン直挿しの場合(「XPERIA 1 IV」の3.5mmコネクタで確認)、最大音量付近で音量を確保出来、やはり少し軽めの印象となりました。屋外でロックやメタルを楽しみたい場合、スマホの場合は高出力でメリハリが強めのオーディオアダプターを併用するほうが望ましいでしょう。オプションのバランスケーブルを利用し、バランス対応のアダプタを使用することで駆動力を稼ぐのも良いと思います。

マクサー電機「MW-HP20HR」ベースとなっている「SW-HP20」が明瞭感のあるモニターヘッドホンであるため、1音1音のディテール表現は優れており、ややドライで見通しの良さがあります。そのため前後のレイヤー感は優れています。「SW-HP20」は低域が弱い印象でしたが「MW-HP20HR」によるベースはアグレッシブでバスドラは非常にエネルギーがあります。またハイハットなどのシンバル音も明瞭でキレがあり、高域も刺さるぎりぎりまで主張が増している印象です。いっぽうでボーカルは全体的に凹み、相性が悪い曲ではかなり歪みます。
つまり、「MW-HP20HR」では敢えてギターやベース、バスドラ、スネアやシンバルなど演奏が強調される音作りを行っており、考え方によっては「意図的に歪ませている」という、オーディオ的には表裏一体のアプローチを行っています。

マクサー電機「MW-HP20HR」ロック&メタル特化型ヘッドホンそのため、メタルやロックでも全てが相性が良いわけでは無く、特にエフェクトや打ち込み系の音などで演出が多い曲はあまり相性が良いとは言えないでしょう。
ちなみに、製品説明でも80~90年代のバンドサウンドに特化して、と記載されていますが、これは楽曲的な傾向だけで無く、音源の違い、特に2000年台のラウドネス戦争により過剰に音圧が上げられたプレスでの相性も気になってきます。
「ラウドネス戦争」というと、80年代以前のアルバムでも80年代後半~90年代前半にCD化された音源と、2000年代中盤に再リリースされた音源では音量とともに印象も結構違うというパターンを経験した方も結構多いと思います。結論からいうと、「MW-HP20HR」との相性という点だけで言えば最もラウドネス戦争がひどかった(2000年代中盤)ときの音源でもそこまで気にはならなかった(音源の違い相当の変化で楽しめた)という印象でした。
確かに当時はラウドネス戦争による過剰なコンプレッションでクリッピング(歪み)が目立つ音源も出てきていましたが、それでも現在の「きしめん」みたいな波形のアニソンよりだいぶマシ(笑)という状態ですね。
えっと、つまり何が言いたいかというと、ラウドネス戦争コンプレッションしまくったメタリカは大丈夫だと思いましたが、それ以上にえげつないコンプし倒してる某アニソン中心のレーベルあたりの音源ともなると、さすがにバンドサウンドでも相性が良くないかも、という(滝汗)。
マクサー電機「MW-HP20HR」ロック&メタル特化型ヘッドホンというわけで改めて健全にメタルを楽しむために特化したヘッドホンであると再確認できたわけです。
逆に言うとそれ以外の楽曲、特にボーカルが前面にでるポップスやアニソンなどの場合、曲によって程度の差はありますが、かなり盛大にバランスが崩れたり、ボーカルが歪んだりします。こちらも最近の製品ではV字傾向でも中高域や中低域のボーカル域が映える音域を少し持ち上げてW字寄りにする製品も多くなっていたりしますが、「MW-HP20HR」はそれら「ボーカル特化型」へのアンチテーゼとして成立していると言えなくもないですね(笑)。


■ まとめ

マクサー電機「MW-HP20HR」というわけで、「MW-HP20HR」でしたが、なんというか、メーカー側の趣味を本当に真面目にやってる感じがとても楽しい製品でした。
音作りについては、相当にクセが強いですが、ちゃんとターゲットとした音源が引き立つように、非常に入念にチューニングしているのが実感出来ます。
まあ10年くらい前だと日本の各オーディオメーカーが異常なまでに低域をブーストした製品を出していたりしましたが、そういった雑な音作りとは一線を画しており、「MW-HP20HR」では明らかに「好きな曲を好きな音で聴きたい」というマニアックすぎる想いにより、非常に細かく、情熱を持って製品化されているのはとても好感できます。

マクサー電機「MW-HP20HR」ロック&メタル特化型ヘッドホンMW-HP20HR」はこのようにターゲットを絞り明確にした製品ですので、相性がはっきり別れることは「本来の主旨に合致している」と言えるでしょう。ベースとなった「SW-HP20」の素性の良さもあり、製品としての品質も高く、嗜好に合う方であれば十分に価格に見合うヘッドホンでしょう。
非常にマニアックかつニッチな製品のためも対象となるユーザーはある程度は限られそうですが、刺さる人には確かに刺さる製品だと感じました。興味のある方は購入してみるのも良いのではと思います(^^)。


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