
こんにちは。今回は 「Kiwi Ears Ellipse」です。大口径の50mm PU+PEK振動板を採用し、スタジオモニター的なチューニングを実施。中低域にフォーカスした臨場感のあるサウンドが特徴的なアンダー80ドル、1万円級のヘッドホンです。
■ 製品概要と購入方法について
「Kiwi Ears」は2021年に登場した新しい中華イヤホンのブランドですが、非常に早いペースで新製品を投入しており急速に知名度が高まっていますね。同社のイヤホン製品は豊富なラインナップと質の高いサウンドで多くのマニアから注目を集めています。最近はオーディオアダプターなどのプレーヤー製品やヘッドホン製品などより幅広いラインナップでの展開も積極的です。
「Kiwi Ears Ellipse」は80ドル以下で購入可能な低価格なヘッドホン製品で、スタジオグレードの50mm大口径ダイナミックドライバーを搭載し、オープンバック設計により広がりのあるサウンドステージと臨場感あふれるステレオパフォーマンスを実現します。


「Kiwi Ears Ellipse」はカスタムメイドのPU(ポリウレタン)とPEK(ポリエーテルケトン)によるPU+PEK複合振動板を採⽤した50mmダイナミックドライバーを搭載。ドライバーはN42高性能磁石とCCAWボイスコイルで最適化され、すべての周波数にわたって豊かでクリア、かつ詳細なサウンドを実現します。


また「Kiwi Ears Ellipse」はオープンバック設計を採用し、より広いサウンド ステージ、より深い低音、より空気感のある高音を実現。バランスの取れた⾃然なサウンドを実現するよう精密にチューニングされスピーカーのようなリスニング体験を提供します。
本体は⻑時間のリスニングでも快適に使⽤できるよう、ヘッドバンドには厚⼿のパッド⼊りヴィーガンレザーを採⽤しており、イヤーパッドにも特別に設計されたヴィーガンレザーを使⽤。柔らかさとしっかりとしたフィット感を両⽴し、低⾳のレスポンスを最適化する構造で、⾳質と快適性を⾼い次元で融合させています。


「Kiwi Ears Ellipse」の価格は75.99ドル、アマゾンでは13,380円前後です。
Linsoul(linsoul.com): Kiwi Ears Ellipse
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): Kiwi Ears Ellipse
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
実はヘッドホン製品も複数リリースしている「Kiwi Ears」ですが、私のブログでは初めての紹介ですね。パッケージは製品画像を載せたシンプルなデザイン。


パッケージ内容はヘッドホン本体、ケーブル、6.35mmアダプター、説明書。


50mmドライバーを搭載しているモデルということで、ハウジングは結構大きめ。デザインはベイヤー風というかDT990PROみもちょっとありますね。構造的には開放型ではなく半開放型に近い設計のようです。実際に「Kiwi Ears Ellipse」はbeyerdynamicを参考にしたらしく「DT990」的なアプローチで設計されているようですね。


カップは樹脂製ヘッドバンドのフレームは金属製でヘッドバンドおよびイヤーパッドともヴィーガンレザー(合皮)製。ヘッドホン側のプラグは両耳出しで3.5mm TRSタイプ。


本体は280gの軽量設計で側圧はそこまで強くは無いものの、しっかり耳にホールドする印象。イヤーパッドのクッションは厚みは一般的ですが柔らかく装着感はまずまずで実用的な印象です。
■ サウンドインプレッション
「Kiwi Ears Ellipse」の音質傾向はやや中低域寄りのニュートラルなバランス。中低域付近を多少ブーストしており温かみを感じ、高域は刺激を抑えつつ伸びが良く明瞭です。音場はある程度の広さを実感するものの、半開放型に近い構造のため、開放型のような抜け感とは異なる印象で、ミッドセントリック寄りの印象もあります。ただ、アンダー100ドル級のサウンドモニターで半開放型~開放型に近いデザインと言うと、マーケット的にはやはり定番の「AKG K240」あたりをイメージしますね。実際同価格帯のスタジオモニターにはK240フォロワー的な製品が多いのも事実ですが、AKGの中高域寄りのサウンドに対し、「Kiwi Ears Ellipse」では女性ボーカルの高音などの中高域付近より、男性ボーカルの厚みをより実感させる中低域付近にアクセントがあり、アプローチとして一線を画しているのを実感します。
スタジオモニター的なニュートラルなチューニングではあるものの、解像度重視の分析的な聴き方より、高域をやや暗めにすることで長時間の利用でも快適な音作りをしているのを実感します。
「Kiwi Ears Ellipse」の高域は明瞭で伸びのある音を鳴らしますが、明るさを実感しやすい音域がを低めに調整されており、刺激は少なく聴きやすい印象を受けます。反面、高域の主張はやや控えめで一般的なリスニング向け製品と比較するとやや暗めの印象を受けます。この辺はリスニング的なバランスよりスタジオモニターとしての実用性に配慮した設計のようです。ドライバー自体の描写は明瞭であるため、気になる方はEQなどでバランスを変更するとよりはっきりした解像感を実感出来ると思います。中音域は適度な主張があり、印象としては若干のカマボコ寄り、ミッドセントリックな感じも受けます。中低域を中心に温かみがあり、全体として滑らかで自然な音像表現があります。いっぽうで解像感はやや緩めに感じる場合もあります。ボーカル域は近く定位し、自然な印象で描写されます。ただ詳細なディテールの表現力はそれなりで、解像感や分離より滑らかさや空気感を重視した印象です。
低域はこのヘッドホンの最も特徴的な音域と言えるでしょう。男性ボーカルの低音などのミッドベース付近からブーストされており、心地よい臨場感が醸成されています。半開放型の構成のため中低域でブーストされた響きで籠もるようなことは無く、心地よい広さと、同時にちゃんと「ハコ」を感じる空間表現を実現しており、ライブやコンサートの音源を非常に活き活きと表現します。重低音もある程度強調されていますがミッドベースほどではなく、全体として心地よい厚みを加え、下支えします。
■ まとめ
というわけで、「Kiwi Ears Ellipse」はいわゆるスタジオモニター的なヘッドホン製品としては結構特徴的な、中低域付近にフォーカスした音作りが印象的なヘッドホンでした。
ニュートラルなバランスのため、どのようなジャンルの音源もしっかり表現しますが、なかでも最近の音数を減らし低域の印象を高くしている洋楽ポップスなど、ストリーミングでの海外チャート曲が相性が良く、またライブやコンサートなどの音源も臨場感を楽しめる印象です。つまりグローバル視点のでイマドキの音という感じですね。そのため、こういった方向の音源を普段から聴いている方や、実際に音作りをしている方向けとしては、結構実用的なのではと思います。いっぽうでJ-POPやアニソンなど音数の多い楽曲では解像感や中高域のエネルギーがもう少し欲しいと感じる場合もありそうです。用途を考慮して上手く使い分けるのも良さそうですね。