
こんにちは。今回は 「JUZEAR Dragonfly 81T」です。8BA+1DD構成、250ドル級のハイブリッドイヤホンで、既にリースされている「Butterfly 61T」(6BA+1DD)とは似て非なる、よりニュートラルで明瞭なサウンドを楽しめます。こちらも魅力的なイヤホンだと思います。
■ 製品概要と購入方法について
「JUZEAR」は独立した中華イヤホンブランドのひとつで、これまでにハイブリッド仕様の「41T」や「51T」、平面駆動型の「TBS-01」、そしてコラボモデルの「FLAME」など、100~200ドル程度のモデルを中心にリリースしている印象のメーカーです。最近では以前レビューした低価格モデル「Clear」がシェルデザインの美しさと低域メインの個性的なサウンドで話題になりましたね。先日レビューした「Butterfly 61T」(6BA+1DD構成)に続きリリースされたモデルが今回の「JUZEAR Dragonfly 81T」(8BA+1DD構成)です。


「JUZEAR Dragonfly 81T」のドライバーには第2世代の10mmサイズのCCP(複合カーボンコートPU)振動板ダイナミックドライバーと高域用の「31736」カスタマイズ2BAユニットを2基(4BA)、新たに開発された中音域用のカスタム2BAユニットを2基(4BA)搭載し、あわせて8BA+1DDのハイブリッドを構成。DLP 3Dプリントの音響キャビティ構造と慎重に設計されたダクトチューブにより適切に制御され、最適なサウンドを実現しています。


本体は高精度DLP 3Dプリントによる樹脂シェルにCNC加工されたカラーウッドパネルを使用したフェイスパネルにより美しく装飾されます。ケーブルは18AWG 6N OFC銀メッキ線を使用した4芯ケーブルを付属。プラグは3.5mmおよび4.4mmの交換が可能です。さらに新開発のソフトシリコンイヤーピースなど付属品も充実しています。


「JUZEAR Dragonfly 81T」の価格は249.99ドル、Amazonでは39,904です。
購入はHiFiGoの直営店、AmazonおよびAliExpressのHiFiGoストアにて。
HiFiGo(hifigo.com): JUZEAR Dragonfly 81T ※掲載時25ドルOFFで販売中
Amazon.co.jp(HiFiGo): JUZEAR Dragonfly 81T
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
というわけで、「JUZEAR Dragonfly 81T」のパッケージも「Butterfly 61T」同様に製品写真を掲載したタイプです。


パッケージ内容は本体、ケーブル、交換プラグ、イヤーピース(通常タイプ、ソフトタイプ、S/M/Lサイズ)、ウレタンイヤーピース2ペア、クリーニングクロス、ケース、説明書など。


「JUZEAR Dragonfly 81T」のシェルもDLP 3Dプリントされた樹脂製で、ウッドベースのフェイスパネルが高級感があります。貝殻を利用した「Butterfly 61T」とはまた異なる意匠で興味深いですね。シェルサイズはやや大きめで、金属製のステムノズルも太さがあります。


また8BA+1DDとドライバー数が増えたことでシェルサイズも「61T」より若干大きくなっています。ただ耳にフィットしやすい形状のため、装着感そのものもはまずまず良好です。


ケーブルは銀メッキOFC線の4芯撚り線タイプで、ある程度太さのあるしっかりしたケーブルが付属します。またプラグは3.5mmおよび4.4mmの交換可能なタイプとなりました。
■ サウンドインプレッション
「JUZEAR Dragonfly 81T」の音質傾向はマルチドライバーらしい非常に高い解像感を持ちつつ、全体としてはハーマンターゲットカーブにほぼ準拠したバランスの弱ドンシャリにまとめられています。個々の音域で非常に高い解像感やレスポンスの良さを持ちつつ、ニュートラルな方向性でチューニングされているのが印象的。「Butterfly 61T」もハーマン的なバランスですが多少中低域寄りでハイブリッド的なメリハリ感もある音作りなのに対し、「JUZEAR Dragonfly 81T」はよりニュートラルな印象が強く、同時にドライバーを増した事で1音1音の表現力が大きく向上しています。ちなみに、再生環境の組み合わせにもよりますが、音像が明瞭であるためにバランス接続だと多少寒色系の印象が強く感じる場合もあり、また中高域だ際立つことで低域が物足りなく感じる場合があります。そのためシングルエンドのほうがリスニング的な滑らかさや中低域の音場感をより楽しめるケースもありそうです。
「JUZEAR Dragonfly 81T」の高域はバランスとして比較的穏やかな印象も感じさせますが、適度に明るく、高高域を中心に分離も良くスッキリとした伸びの良さがあり、硬質な煌めきと解像感も高い印象です。寒色系のBAらしい音ではあるもの歯擦音はぎりぎり制御されている印象で、バランスとしては聴きやすく、同時に鋭い音を鋭く表現する印象。見通しも良くエネルギーのある音でシンバル音は活き活きと表現されます。ただ再生環境によりドライな印象が強調される場合もあります。中音域は癖のないニュートラルな音を鳴らし、「Butterfly 61T」より若干中高域のアクセントが強調されています。ただバランスとしては「JUZEAR Dragonfly 81T」のほうがほぼハーマンターゲット準拠に近いらしく、全体としては自然なバランスで再生されます。ミッドレンジ用のカスタムBAドライバーの追加により解像感が大幅に向上しており、明瞭な音像と優れた分離感により見通しの良さも感じさせます。
ボーカル域は前傾し、女性ボーカルの高音などの中高域にアクセントがあり明瞭な伸びの良さがあります。中低域は相対的に「Butterfly 61T」と比べると厚みは少なく曲によってはやや薄く感じますが、締まりのある音像表現で明瞭に再生されます。音場は自然な広さと奥行きがありより正確な定位があります。リスニング的には「Butterfly 61T」のほうが臨場感などは感じやすいですが、より正確で自然な音場感という意味では「JUZEAR Dragonfly 81T」は表現力の高さを持っていますね。低域はニュートラルなバランスではあるものの自然な量感があり、解像感やスピード感も良好で、中高域を心地よく下支えする印象です。ミッドベースは少し控えめな印象もありますが、それ故に自然な輪郭ながら中高域との分離も良く、適度な温かみとスピード感のあるアタックを両立しています。重低音は厚みとともに深い響きがあります。解像感を感じさせつつも自然な温かみがあり、低域に濃密な印象を与えます。また低域も中音域同様にバランス接続ではよりスッキリした印象で見通しの良さや締まりも向上しますが、より柔らかく響きのある低域を好まれる場合はシングルエンドも良いかもしれませんね。
■ まとめ
というわけで、「JUZEAR Dragonfly 81T」は8BA+1DDのマルチドライバー構成を活かした非常に高い解像感とニュートラルなサウンドバランスをもった製品として、「Butterfly 61T」とは異なるキャラクターを提案してくれました。両製品は215ドルと245ドルといったように価格も近く、一概にアップグレードというわけではないのが興味深いですね。ハイブリッド的なメリハリの良さがあり、リスニング的な楽しさと滑らかさのある「Butterfly 61T」と、よりニュートラルバランスでチューニングされつつ高い解像感で正確性のある音を鳴らす「JUZEAR Dragonfly 81T」と、好みに応じて選んでみるのも良いでしょう。もちろん両方所有していても使い分けができて楽しいですね。価格に対しての完成度は十分に高くマニア向けの選択肢のひとつとして良いイヤホンだと思います。