NF ACOUS NM20

こんにちは。今回は 「NF ACOUS NM20」です。先日「NF Audio」から「NF ACOUS」にブランド名を改名し、新ブランドとして登場した最初の製品ですね。同社のプロフェッショナルシリーズの高評価モデル「NM2」の後継モデルとして登場しました。国内では本レビューが掲載される11月8日より販売が開始されました。個人的にも「推し」のシリーズの最新モデルと言うことでとても注目していた製品でもあります。

■ 製品概要と購入方法について

NF ACOUS」(旧ブランド名「NF Audio」)は中国国内ではCIEMメーカーとしても知られる、2014年設立の古株の中華イヤホンのブランドのひとつとです。私のブログでも「NM2」「NM2+」といった「Professional」シリーズや、「NA2+」や最近の「RA15」などの「MUSIC」シリーズの製品をレビューしてきました。なかでも「Professional」シリーズは同ブランドを積極的に購入するようになったきっかけでもあり、個人的にも非常に気に入っているラインナップです。
→ 過去記事(一覧): 「NF ACOUS(NF Audio)」製イヤホンのレビュー

今回の「NF ACOUS NM20」は同社の「Professional」シリーズとしては久しぶりの新モデルで、既存の高評価モデル「NM2」の後継としてリリースされました。

NF ACOUS NM20」では新たに第2世代の「MC2L-100P」ダイナミックドライバーを搭載。「NM2」に搭載された「MC2L-10」と比較し全面的にアップグレードされています。「MC2L-100P」では軽量かつ剛性の高いベリリウムメッキ振動板を搭載し、1テスラを超えるネオジム磁石、デュアル磁気回路&デュアル音響チャンバー構成を採用します。また電子回路もより高精度で安定性と信頼性に優れたPCB基板を採用します。
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さらにリアキャビティには「NF ACOUS」の特許技術である「Clutter Trap」を採用し、ヘルムホルツ共鳴原理に基づいて設計された5つの空気圧制御ダンピングネットと 2つのチューニングスポンジにより、反射音を減らし正確なサウンドリファレンスを提供します。
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シェルには高強度のポリカーボネート樹脂を採用した「NM2」を踏襲し、「NF ACOUS NM20」でもポリカーボネートを使用しさらにイヤホン側接合ベース部分も一体成形とすることで剛性および信頼性が向上。さらにCNC加工されたアルミフレームがフェイス部に追加され、外観も高級感がアップしています。またイヤーピースには「NF ACOUS」独自の「MS42」高機能イヤーチップを付属。快適な装着性と良好な音響特性を持ちXSサイズを含む4種類のサイズを同梱しています。
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NF ACOUS NM20」のカラーバリエーションは「ブルー」「ピンク」「グレー」の3色が選択できます。価格は118.99ドル。日本国内仕様は税込み17,800円で11月8日より販売されます。
Amazon.co.jp(伊藤屋国際): NF ACOUS NM20


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして 伊藤屋国際 様 より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

NF ACOUS NM20」のパッケージは黒地にライトグレーのロゴデザインととライトブルーのアクセントが印象的な正方形のボックス。毎度ですがロゴタイプなどがとてもクールな印象なのはNF ACOUS製品のパッケージの特徴ですね。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(「NF AUDIO MS42」イヤーピース、XS/S/M/Lの4サイズ)、6.35mm変換コネクタ、ハードケース、説明書。6.35mmジャックへの変換コネクタが付属するのは「Professional」シリーズの特徴ですね。
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NF ACOUS NM20」の本体はポリカーボネート製の樹脂シェルで「NM2」を踏襲しており、フェイス部分のフレームとステムノズルが新たにアルミ製になりました。ポリカーボネートは一般的なABS樹脂と比較して強度が高く割れにくいためプロ用のハードな利用でも高い耐久性を持っています。プロ用のユニバーサルモニターというと「Shure SE」シリーズあたりがお馴染みですがシェル割れのトラブルはよく見かけますからね(^^;)。
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NF ACOUS NM20」の形状は「NM2」を踏襲したサイズ感で、一般的なカナル型のイヤホン(KZやTFZの過去モデルなど)に近いデザインですが実際はひとまわり小さく、より耳に収まりやすい形状になっています。そのため装着性は非常に良く、付属の「MS25」イヤーピースとの組み合わせで遮音性も高く(製品説明では-25dBだそうです)快適に利用できます。コネクタはqdcタイプとカバー形状に互換性のある0.78mm 2pinタイプを採用。「NM2」「NA2」と比較してコネクタ部分が本体に直接接続され剛性が増しているとのことです。
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既存の「NM2」および「NM2+」と「NF ACOUS NM20」の外観を比較するとシェルのサイズ感はほぼ同じですが、フロントキャビティ(耳への装着面)部の突起がなくなりそりソフトな装着性となっているのが分かります。また本体もより透明な仕上げとなっていた「NM2」に対して「NF ACOUS NM20」では表面処理もより手が込んでいるのが分かりますね。
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ケーブルはシルバーの撚り線タイプで、「NM2」のケーブルよりグレードアップし、上位モデルの「NM2+」に付属しているケーブルとほぼ同様のものだと思います。柔らかく取り回しの良いケーブルです。
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イヤーピースは独自の「MS25」イヤーピースが付属し、ハードケースも付属します。個人的には「MS25」イヤーピースはXSサイズも入っていたのが有り難いですね。適度に弾力がありフィット感も良好な印象です。ただしイヤーピースがやや短いタイプのため、耳が大きい方の場合長さが足りない場合もありますので、必要において最適なものを選ぶのが良いでしょう。


■ サウンドインプレッション

NF ACOUS NM20NF ACOUS NM20」の音質傾向は自然なカーブを描くニュートラルなサウンドバランスながら「NM2」よりメリハリが多少強調され、サウンドモニターとしてのベースを維持しつつ少しリスニング的な楽しさも付加された印象です。遮音性の高さからステージモニターとしての実用性はもちろん、非常に優れたディテール表現と分離の良さによる定位性の高さがあり、耳コピなどもかなりスムーズに出来る精緻な描写が実感出来ます。
同社の「NA2」「NA2+」以降、最近の「RA15」までの「MUSIC」シリーズはよりV字またはU字傾向のリスニングチューンのサウンドで仕上げられていますが、「Professional」シリーズでは文字通りのモニターサウンドが楽しめます。そのなかでも「NM2」がもっともニュートラルで、金属シェルを採用した「NM2+」は鮮烈な高域を持つ中高域寄りフラットサウンド仕様として当時は個人的な一推しとして紹介していました。今回の「NF ACOUS NM20」では「NM2」の音質傾向を踏襲しつつ、僅かにV字方向の印象が強化され、「NM2+」ほどではないものの高域の伸びもアップしています。

NF ACOUS NM20同時に新しいドライバーの採用により、「NM2」と比較しても解像感は確実に向上しており、1音1音の音像がより精緻に表現され、分析的に聴いていくとかなり詳細に深掘りできる印象です。音場はレコーディングスタジオで鳴っているような、いかにもモニター的な表現で、雄大な臨場感を求めるとちょっと違う印象になりますが、それもで分離の良さから窮屈な印象は無く、カチッとした音で1音1音を瑞々しく表現します。同時にベリリウムコートの振動板を採用したことで過度にエッジが立つことも無く、粒立ちの良さと自然な滑らかさを両立しているのも好印象です。

NF ACOUS NM20」の高域は、適度に明るく伸びの良い音で、他の音域同様にニュートラルな存在感があるものの、過度に刺激を感じる事も無く、精緻に描写の繊細さや1音1音の表現を実感出来ます。新たに採用された特許技術の「Clutter Trap」により、音量を上げたりパワフルな再生環境で鳴らしても滑らかで自然な高域を維持する印象です。特に高域成分の多い曲では鋭く刺さる「NM2+」はもちろん既存の「NM2」と比較しても直線的な伸びやかさを維持しつつ聴きやすい印象です。

NF ACOUS NM20中音域は、凹むことなく鳴り、はっきりした主張で前傾しています。「NM2」と比べると音場は多少狭くなっており全体的に密度感のある印象ですが、解像感、分離感とも非常に優れており、全体的な見通しは良く、とても細かい音も含め1音1音を精緻に再生します。
ボーカル域もモニターサウンドらしい癖の無いニュートラルな印象ですが、比較的前傾して定位し、存在感を持って再生されます。音像は詳細かつ豊かさがあり、余韻や息遣いをしっかり感じられる表現力があります。
分離感が良く輪郭もしっかりしているため、演奏も詳細に聴くことができると思います。密度感のある傾向ながら濃すぎずスッキリした印象もあり、自然な印象を維持しながら、明瞭で解像感のある分析的なモニターサウンドを実現しています。

NF ACOUS NM20低域は直線的でスピード感があり、力強いアタックで心地よい存在感を発揮します。
全体としては中高域にフォーカスしたサウンドバランスのため低域好き向けでは無いかも知れません。それでも十分な量感とエネルギーが有り、特にミッドベースには厚みを感じさせます。これは「NM2」でも言えたことでしたが、寒色系ハイブリッドやTFZのようなキレ重視の低域とは異なり、中高域とはしっかり分離しつつ自然な豊かさを感じさせる音作りです。それでもドラムやベースを捉える解像感は持っていますし、重低音はよりインパクトがありスムーズでスピード感のある音を鳴らしてくれます。


■ まとめ

NF ACOUS NM20というわけで、「NF ACOUS NM20」はかつての「NM2」のモニター的なバランスの良さを踏襲しつつ、新しいドライバーの採用で全体的な質感が向上し、若干ミッドセントリック寄りなチューニングとすることでリスニング的な楽しさもアップしました。また付属ケーブル等も「NM2+」相当にグレードアップしており、スペック的にも幅広い再生環境で利用できる仕様と鳴った点で、モニターとしてリスニングイヤホンとしても幅広く楽しめる製品にアップグレードされていると思います。
ブランド的にも位置づけとしても多少玄人向け感はあるイヤホンですが、ポリカーボネートのシェルはハードに使っても結構丈夫ですし、様々なシーンでガンガン使う実用的な製品として魅力的だと感じました。


タグ :
#構成:1DD
#コネクタ:qdc-2pin(CIEM極性)/KZタイプC
#リケーブル:qdc/中華2pin
#価格帯/グレード:100-200USD
#中華イヤホン(A100USD~)
#ドライバー:ベリリウム
#NFACOUS
#有線イヤホン:1万円台