NF Audio RA15

こんにちは。今回は 「NF Audio RA15」です。中華イヤホンブランド「NF Audio」のMUSICシリースの新製品です。同社で個人的にも非常に気に入っているイヤホン製品の「NM2+」や「NA2+」といった製品のエッセンスを踏襲しつつ、安定したV字傾向の音質でアンダー100ドル級、1万円台前半の手頃な価格設定を実現したモデルです。またノズル交換にも対応し幅広く楽しめる製品に仕上がっています。

■ 製品概要と購入方法について

「NF AUDIO」は中国国内ではCIEMメーカーとしても知られる、2014年設立の古株の中華イヤホンのブランドのひとつとです。個人的にも「NM2」「NA2」シリーズは結構お気に入りのシリーズ。これらの製品は同社では「MUSICシリーズ」というラインに含まれるそうです。
→ 過去記事(一覧): 「NF AUDIO」製イヤホンのレビュー

今回の「NF Audio RA15」では、「MUSICシリーズ」の「NA2+」で搭載された「MC2L-10M」ダイナミックドライバーユニットを採用。より遮音性の高いシェルデザインおよび独自イヤーピースの採用に加え、2種類の交換式サウンドチューブを採用し異なる音色を楽しむことが出来ます。
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NF Audio RA15」では音質面で定評のある「NA2+」で採用されている「MC2L-10M」 10mmダイナミックドライバーを搭載。軽量かつ弾力に優れた5μmと極薄の高分子複合振動板を採用し、1テスラに及ぶ強力な二重磁気回路、ダブルキャビティ設計により優れたパフォーマンスを実現します。
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また「NF Audio RA15」では標準でステンレス製の「BRIGHT」と真鍮製の「WARM」の2種類の音色を楽しめる交換式サウンドチューブを搭載。異なる音色で高い完成度のサウンドを実現しています。
またシェルにはフィット感に優れよりノイズ特性を高めた形状の金属ハウジングを採用し、イヤーピースには独自の「MS42」高機能イヤーチップを付属。快適な装着性と良好な音響特性を持ちXSサイズを含む4種類のサイズを同梱しています。
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NF Audio RA15」の価格は89ドル。また8月23日より国内版も13,800円で発売予定です。
HiFiGo(hifigo.com): NF Audio RA15


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

パッケージは黒地に白とオレンジのロゴデザインが印象的な正方形のボックス。ロゴタイプなどがクールな印象なのはNF Audio製品のパッケージの特徴ですね。
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パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用サウンドチューブ、イヤーピース(「NF AUDIO MS42」イヤーピース、XS/S/M/Lの4サイズ)、レザーポーチ、説明書。
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本体は鋳造による金属製で、非常にコンパクトなデザイン。耳の小さい方でも収まりやすいサイズ感で装着性も優れています。ステムノズル部分の交換式サウンドチューブが結構大きく見えますね。ノイズ特性を高めたデザインと言うことですが遮音性はイヤーピースで多少変化さするものの印象としては若干高め、といった程度ですね。
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交換式サウンドチューブは標準のステンレス製「BRIGHT」とゴールドカラーの真鍮製の「WARM」がありネジ式での交換が可能です。両方とも内部にはフィルター材が詰められていますが、「WARM」のほうが内面の厚みがあり口径が細くなっているのが確認出来ます。材質の違いと形状の違いにより音質変化が得られます。
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ケーブルは銀メッキ5N OFC線材を採用した2芯撚り線タイプ。芯ごとに薄い透明な被膜で覆われており適度に弾力があり取り回しは良いです。コネクタはカバー形状がqdc互換の0.78mm 2pinタイプですのでこのサイズながらリケーブルも可能です。
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イヤーピースは小型の本体に合わせて新タイプのシリコンイヤーピース「MS42」が4サイズ付属します。個人的にはXSサイズも入っていたのが有り難いですね。適度に弾力がありフィット感も良好な印象です。ただしイヤーピースがやや短いタイプのため、耳が大きい方の場合長さが足りない場合もありますので、必要において最適なものを選ぶのが良いでしょう。


■ サウンドインプレッション

NF Audio RA15NF Audio RA15」の音質傾向は自然なバランスでV字を描く若干中低域寄りの弱ドンシャリ。同様のドライバー使用する「NA2+」はよりフラット方向のバランスで相対的に中高域の主張が強く伸びがある印象のサウンドでしたが、「NF Audio RA15」のほうが中低域から低域が強化され、逆に高域のピークは少し抑えられることで、全体としては聴きやすくニュートラル方向のサウンドに仕上げられています。
NF Audio RA15」の中音域は上位モデルの「NA2+」同様に質感は非常に高く、アンダー100ドル級のイヤホンですが、より上の価格帯の製品を彷彿とさせる印象があります。高域は「NA2+」やより突き抜ける感のある「NM2+」のように鮮明な印象をある程度残すため、特に標準のステンレス製「BRIGHT」チューブではより明るく鮮明で、真鍮製「WARM」チューブはより聴きやすくニュートラル方向。低域はニュートラルバランスながら十分な量感と自然な質感があります。

NF Audio RA15インピーダンス32Ω、感度108dB/mWと小型のプレーヤーを含め比較的鳴らしやすい仕様ですが、多少駆動力に余裕のあるDAPやアンプを使用したほうが音場の空間表現などが向上します。
またリケーブルも比較的効果がありそうですが、付属の銀メッキOFC線ケーブルでもある程度バランスとして安定している印象です。そのため、もしリケーブルを行う場合は、再生環境およびサウンドチューブとの組み合わせにより最も好みに合う最適なケーブルをいろいろ試すほうがよさそうです。

NF Audio RA15」の高域は、2種類のサウンドチューブでもっとも変化が出る音域で、標準のステンレス製「BRIGHT」チューブはより鮮烈でスッキリした明瞭感と煌めきのある音を鳴らします。鋭い音は鋭く表現し、音源によっては歯擦音なども感じるため刺激が苦手な方にはあまり向かないかも知れません。
NF Audio RA15比較すると「NA2+」の高域のほうが主張があるのですが刺激は「BRIGHT」チューブの「NF Audio RA15」のほうが強いかもしれませんね(それでも「NM2+」よりは大人しい)。
ここで真鍮製「WARM」チューブでは、高域のスッキリした印象や煌めきは維持したまま若干バランスが変わるため刺激が多少抑制されます。それでもパワーのある再生環境ではやはりある程度の刺激はあるため、気になる方はゲイン設定を下げる等で対応したほうがよいでしょう。

ただこれらの印象はケーブルを情報量の多いOCCなどの高純度銅線や合金線などに交換すると「WARM」チューブはもちろん、「BRIGHT」チューブでも全体的に音域が底上げされるためちょっと「NA2+」寄りになって相対的に聴きやすく感じます。

NF Audio RA15中音域は曲によっては若干凹むものの透明感が高く明瞭なため不足を感じることは無いでしょう。金属シェルらしい寒色系で明瞭な輪郭ながら全体として音像は滑らかで、スッキリしつつ癖の無い自然な音を鳴らします。
標準の「BRIGHT」チューブでは女性ボーカルの高音など中高域のアクセントがより鮮明な印象があり、「WARM」チューブでは僅かに温かみが増し、全体としてよりニュートラルに感じさせます。
音場は自然な広さがあり、定位も誇張などはありません。いっぽうで分離は良く、レスポンスの良さもあり音数の多い曲でも混雑したり窮屈に感じることは無いでしょう。

低域はニュートラルバランスのため過度に強調することはありませんが、適切な量感を持ち、同時にタイトで締まりのある音を鳴らします。
NF Audio RA15ミッドベースのほうが主張がありますがスピード感とキレの良い印象で中高域との分離も良好です。重低音は沈み込みはそこまで深くないため相対的に控えめに感じさせますが、全体としては低音の音数の多い曲でも小気味良く鳴ってくれるため、心地よく下支えする印象です。
低域の質感や重さ、響きなどにこだわる方にはやや物足りなく、もっと臨場感が欲しいと感じるかも知れませんが、もともと個人的に好きなイヤホンである「NA+」「NM2+」に通じる印象のニュートラル方向の音作りで個人的には好感しています。


■ まとめ

NF Audio RA15というわけで、「NF Audio RA15」は同社のMUSICシリーズ、特にドライバーを共有する「NA2+」などの上位モデルのエッセンスを踏襲しつつ、アンダー100ドル級のお手頃価格でまとめられたイヤホンでした。
Moondropなどのハーマンターゲットカーブ寄り、またはU字傾向のイヤホンと比べると、V字、ドンシャリ傾向らしい各音域にメリハリのある鮮やかさをもちつつ、モニター的な分離感や癖の無い表現などNF Audioの音作りの特徴をよく反映した秀作に仕上がっていると思います。
もちろん価格なりにトレードオフしている領域もあり、高域の解像感や質感、重低音の沈み込みの深さなど上位モデルやより高価格帯の他社製品に及ばない点もいくつか感じられましたが、中音域の滑らかさや質感などはアッパーミドル級の製品と比較しても遜色無い部分もあり、全体としては非常にコストパフォーマンスの高いイヤホンだと感じました。国内版もレビュー掲載後しばらくで発売されるようですので、興味のある方は挑戦してみるのも良いと思いますよ。

タグ :
#構成:1DD
#コネクタ:qdc-2pin(CIEM極性)/KZタイプC
#リケーブル:qdc/中華2pin
#価格帯/グレード:50-100USD
#中華イヤホン(100USD未満)
#NFACOUS
#有線イヤホン:1万円台