CVJ VVT-1

こんにちは。今回は 「CVJ VVT-1」です。高級感のあるアルミ削り出しの金属筐体に、デュアル「ES9038Q2M」DACチップ、TI製のオペアンプ、ヘッドホンアンプなどを搭載しつつ、お手頃価格を実現した、実質「ワイヤレス専用」のポータブルアンプです(いちおうUSB接続もWindowsとAndroidでは使えますが、48kHzまで)。いろいろ分かっているマニア向けですが、とりあえず「音」はとても良かったです(^^)。

■ 製品概要と購入方法について

「CVJ」は2019年に誕生した中華イヤホンのブランドで、個性的な低価格イヤホンを中心に最近存在感を一気に増している印象がありますね。中国国内のブランドサイトをみると自社工場を中心とした製造メーカーであることがわかります。現在は同社の「ちょっと攻めた製品」がより際立っている印象もありますね。

今回の「CVJ VVT-1」は同ブランドからリリースされたワイヤレス対応ポータブルアンプです。DACチップにデュアル構成のESS「ES9039Q2M」、ワイヤレスチップセットにQualcomm「QCC5125」を搭載し、LDAC対応の高出力・高音質Bluetoothワイヤレスアンプとして利用できます。高級感のある重厚な外観に大容量バッテリーと高出力アンプを搭載しつつお手頃な価格を実現しています。
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DACチップにはESS製の据置き型USB-DACや個性のDAPなどで定番の「ES9038Q2M」の後継となる最新チップ「ES9039Q2M」をデュアル構成で搭載。またワイヤレス制御用チップにはQualcomm「QCC5125」を採用。最新のBluetooth 5.3に対応し、「LDAC」などのハイレゾコーデックに対応します。
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接続ジャックは3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスに対応し、サイドにコントロールボタン、大型のボリュームノブ、そして低域強調(BASS)モード切替スイッチを搭載します。オペアンプにはTI製「TPA6120A2」、ヘッドホンアンプに2基の「OPA2107」を搭載し、THD+N 0.00008の低ノイズ、800mWの高出力を実現します。
さらに2000mAhの大容量バッテリーを搭載し、標準利用時で最大7時間の再生時間対応します。
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CVJ VVT-1」の価格は169ドル、アマゾンではLinsoul取扱いで28,580円です。
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): CVJ VVT-1
AliExpress(CVJ Offical Store): CVJ VVT-1 ※レビュー掲載時点で20ドルOFFクーポン配布中


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして CVJ Audio より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

CVJ VVT-1」は2月の春節のタイミングでリリースされた製品と言うこともあってか、非常に「めでたい」感じのカラフルなパッケージに入っています。こちらもパッケージにかなりコストをかけてますね(^^;)。
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パッケージ内容は本体、充電用USBケーブル、保証書。本体寸法は55mm×90mm×15mm、重量140gとワイヤレスのオーディオアダプターとしては大きいですが、ポータブルアンプとしては「小型」の範疇に収まっています。
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CNC加工されたアルミニウム合金の削り出しの本体は重量感および高級感があり、かなりしっかりした作りですね。製品概要などに特に記載はないものの、外観は以前レビューした「TRI TK2」とも似た印象があり、同製品を製造している「KAEI DESIGN」(淘宝)を彷彿とさせますね。CVJはイヤホンでは「CVJ × KAEI Kumo」というコラボ仕様のイヤホンをリリースしていますし、「CVJ VVT-1」もKAEIとのコラボレーション、またはODMの可能性もありそうです。
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本体側面に再生/停止と送り/戻しボタン、本体前面には3.5mmと4.4mmのジャック、大型のアナログボリューム、背面にはUSB Type-CポートとBASSスイッチがあります。また製品の下面はカーボン柄の加工が施されており高級感を高めつつ、多少の滑り止め効果もあるようです。
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なお、「CVJ VVT-1」はDACチップとしては「ES9039Q2M」をデュアルで搭載するものの、XMOSなどのUSBインターフェース用のチップは搭載しておらず、実質的に「Bluetoothでのワイヤレス接続専用アンプ」という仕様になっています。

CVJ VVT-1USBポートは基本的に充電用として機能するため、PCなどに接続してもバスパワーでの充電を行います。Windowsではドライバー無しでオーディオデバイスとして認識しますが、ビットレートは44.1kHzと48kHzのみに対応し、ハイレゾ動作はしません。MacでUSB接続した場合も同様で認識するものの44.1kHzおよび48kHzのみ対応で表示されます。このような仕様のため、有線での接続はオマケ程度に解釈し、USB-DACとしての利用は考慮しない方が良いと思われます。
個人的にはXMOSチップを搭載してUSB-DAC機能をつければ例えばプラス100ドルくらい価格がアップしても購入者は多いのでは、と思ったりしますね。。。

【追記】2024/06/08
KAEI DESIGNのポスト(X.com)で同社が製造委託を受けているとの記載がありました。詳細はこちら。



■ サウンドインプレッション

というわけで、「CVJ VVT-1」を実際にペアリングしての利用感です。電源はボリュームノブをアップすることでONにするタイプ。未ペアリング状態では「BT Link」インジケーターが点滅し、ペアリングするとグリーンに点灯します。Bluetoothのペアリング自体はスムーズで「VVT-1」の名称でペアリングし、最近のAndroidデバイスの場合は「LDAC」、iOSデバイスではAACコーデックでペアリングされます。
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ここで「XPERIA 1 IV」とペアリングし、「開発オプション」で利用できるコーデックを確認すると「SBC」「AAC」「aptX」「aptX HD」「LDAC」の5種類に対応していることが分かります。製品説明では「aptX Adaptive」「LHDC」の対応が記載されていますが、少なくとも現在届いているファームウェアでは未対応のようです。

CVJ VVT-1ボリュームコントロールはスマートフォン側と完全に独立しており、「CVJ VVT-1」のボリュームノブはアナログ・デジタル型で高ゲインほど加速度的に音量があがる仕様のようです。あらかじめペアリングしたスマートフォン側を最大音量にして、ボリュームノブを中央あたりで多くのイヤホンで適正音量くらい。中央(12時)を越えたあたりからゲインの上がり方が急速にアップし、平面駆動の「HIFIMAN Edition XS」のような鳴らしにくいヘッドホンでも2.5時くらいで十分な音量を確保できました。またノイズ特性も高く、感度の高いイヤホンでもホワイトノイズなどはほぼ感じません。
なお、プレーヤー切替え時、サンプリングレートなどのモード変更時に軽いホップノイズが発生します。

CVJ VVT-1CVJ VVT-1」の音質傾向は透明感が有りニュートラルな印象ですが、主に中音域がやや濃く、曲によっては自然な温かみを感じる印象で、以前レビューした「TRI TK2」とも共通した印象のサウンド。おそらくこのへんが「KAEI」ぽいサウンドなのかもしれませんね。一般的なワイヤレスオーディオアダプター製品と比較しても十分に駆動力のある電源環境を備え、据置き型に匹敵するアンプチップにより非常に余裕のある鳴り方で、鳴らしにくいヘッドホンでも非常に心地よく楽しめます。もちろんワイヤレス専用と言うことで解像感や輪郭などはUSB-DAC製品には及ばないものの、高性能DACチップをデュアル稼働させることで分離感も優れており心地よさがあります。
ただいかにもアナログなポータブルアンプ的な製品であり、ホップノイズなどは「アナログ回路的にしゃーないっしょ」みたいな感覚があるため、この辺が気になる方には抵抗を持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。


■ まとめ

というわけで、実は2月から手許にあったのですが、いろいろ慌ただしくしているうちにレビューはこのタイミングになってしまいました。正直なところ、万人向けの製品というのには遠い部分はあるのですが、ワイヤレス用途に割り切れば、今なら150ドル程度の価格でたぶんKAEIぽい高音質を楽しめるポータブルアンプ製品を購入できる、という意味では良いかも知れません。まあ色々「分かっている人」向けのアイテムだとは思いますので、興味のある方は検討してみても良いと思いますよ(^^;

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