
こんにちは。今回は 「SHOZY P20」です。歴史のある老舗ブランドが手がける14.5mm平面駆動ドライバー搭載モデルです。耳を覆うようなしっかりした装着感による高い遮音性と、解像感と滑らかさの絶妙なバランスによるチューニングで、大口径平面駆動ドライバーの歪みの少ないニュートラルサウンドを堪能できるマニア向けのイヤホンです。
■ 製品概要と購入方法について
「SHOZY」は2012年に設立された比較的歴史のある中国のイヤホンブランドです。今回の「SHOZY P20」は14.5mmの平面駆動振動板ダイナミックドライバーを搭載したモデルですね。
14mm級の大口径の平面駆動ドライバーを搭載した製品はここ数年で一気に増加し、ひとつのジャンルとして定着した感もありますが、「SHOZY P20」では個性的なフェイスデザインの金属シェルに、同社のサウンドチューニングにより仕上げられています。


「SHOZY P20」では大口径の平面駆動ドライバーの特性を活かし、強化された低域と最小限の低歪みを実現。コネクタは0.78mm 2pin仕様で 3.5mmまたは4.4mmケーブルを選択できます。


「SHOZY P20」の購入はLinsoul(linsoul.com)またはAmazonのLINSOUL-JPにて。
価格は139ドル~、アマゾンでは20,280円~です。
Linsoul(linsoul.com): Shozy P20
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): Shozy P20
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「SHOZY P20」のパッケージはブラックカラーのシンプルなデザイン。箱の中に大きめのケースが入っており、ケース内に付属品は収容されています。今回は3.5mmタイプで届いています。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、ケース。最小限の非常にシンプルな構成となっています。


本体は金属製で、大口径の平面駆動ドライバーを搭載していることもあってフェイス部分はやや大きめ。表面はつや消しのブラックで落ち着いた印象です。やや重さがある印象ですが厚さを抑えているため重すぎず、イヤーピースでしっかり固定することで耳全体を覆うようなぴったりとした装着感が得られます。遮音性も高く、老舗メーカーらしいよく考慮されたデザインだと感じます。


ケーブルは樹脂被膜の細い銀メッキ線タイプ。取り回しは良い印象です。0.78mm 2pin仕様ですので、適時リケーブルして利用するのも良いでしょう。またイヤーピースも標準で2タイプが付属しますが、開口部の広い浅めのタイプの方が個人的には好印象でした。ただできればよりフィット感の良いイヤーピースに交換するほうが良いでしょう。私は今回も例によって「TRN T-Eartips」を使用しています。
■ サウンドインプレッション
「SHOZY P20」はニュートラルな印象ながら僅かに中低域に寄った弱ドンシャリで、バランスとしては、ボーカル域から中低域にかけて若干厚みがあるU字カーブを描く印象のサウンド。十分な解像感と分離の良さを持ちつつ、低域には自然な厚みがあり、高域は過度に強調せず刺激を抑えた印象ながら直線的な伸びやかさがあります。さらにボーカル域はやや前傾し、量感と滑らかさがあります。14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンのなかでは「Hidizs MP145」と「7Hz Timeless」の中間くらいのバランスに感じますが、実際のバランスよりフラット方向の印象を感じることも多く、「SHOZY」によるニュートラルなチューニングの特徴を感じさせます。
インピーダンス30Ω、感度105dBということで、通常のイヤホンよりは鳴らしにくく、本来のサウンドを楽しむためには十分に駆動力のあるDAPやアンプなどの再生環境での利用が必要となります。
14mm級平面駆動ドライバーは一般的な平面駆動のなかでは鳴らしやすい機種も多いですが、「SHOZY P20」については相応のマニア向け製品として上流を確保出来る、あるいは情報量の多いケーブルにリケーブルして利用することを想定しているようですね。バランス接続、リケーブルによる変化は大きく効果をしっかり実感出来る印象です。特に高域の煌びやかさをより引き出したい場合は情報量の多い銀メッキ線で、よりV字方向で楽しみたい場合は高純度銅線系のケーブルを組み合わせてみるのもよいのではと思います。「SHOZY P20」の高域は、付属ケーブルでは過度な主張を抑えた聴きやすい印象ですが、直線的な伸びのある音を鳴らします。平面駆動らしく歪みを抑え滑らかさのある音ですが、解像感も確保されており明瞭さも感じられます。僅かに温かみもありますが、「TANGZU Zetian Wu」のようなウォーム方向のサウンドとは異なりハッキリした印象で、リケーブルなどによりより主張を引きだすことでスッキリ感を増すこともできます。
中
音域は癖の無いニュートラルな印象ですが、比較的主張は強く、ボーカル域は前傾して定位します。バランスとしては若干の低域寄りのV字またはU字のサウンドですが、中音域に適度な厚みがあり同時に見通しの良さもあるため凹むような印象はほぼ感じさせない音作りです(実際は曲によって僅かに凹みます)。音場は広く平面駆動らしい自然な定位感により立体的な空間表現を楽しめます。高域同様に僅かに温かみがあり滑らかな印象のサウンドのため、解像感やキレを強調した印象ではありませんが、解像感や分離は良く、寒色になりすぎずウォームでもない自然な印象にまとめられています。この辺の「絶妙さ」を気に入るかどうかが「SHOZY P20」を評価する上でのポイントとなりそうです。低域は力強く厚みと量感があり、ミッドベースを中心に存在感のある音を鳴らします。ただ全体のバランスとしてはニュートラルで過度に低域を強調した印象はありません。低域の量感についてはイヤーピースなどでも多少変化するため、よりフィット感のあるイヤーピースでしっかり固定することで印象が変化する場合があります。アタックのキレは良く締まりのある音ですが自然な輪郭で全体としての滑らかな印象を下支えします。重低音は深さと重量感がありかつ締まりのある音で心地よく鳴りますが、量的にはミッドベースより控えめな印象です。
■ まとめ
というわけで、「SHOZY P20」は14mm級平面駆動のイヤホンのなかでは若干の中低域寄りで滑らかさを感じさせるサウンドという印象で、寒色系のキレ重視のイヤホンとは別のアプローチになりますが、同時にウォーム過ぎず、スッキリした明瞭感や解像感もしっかり得られる「絶妙さ」がたのしいイヤホンです。また耳を覆うような装着感で遮音性も高く平面駆動らしい歪みの少ないサウンドを堪能しやすいデザインであることなどスペック以外のこだわりにも注目したいところです。またリケーブルでの変化も大きいため、いろいろなケーブルや再生環境で変化を楽しむのも良いでしょう。多少「渋さ」を感じるモデルですがマニア向けのモデルとして興味のある方は挑戦されるのも良いと思いますよ(^^)。