
こんにちは。今回は 「HarmonicDyne Black Hole」です。50mmサイズの大口径ドライバーと独自のセミオープン構造を採用し、パワフルな低域とともに、抜けの良さと密閉型のようなより近く濃い音を楽しめるバランスの良いヘッドホンに仕上がっています。アンダー100ドル級の製品としてはアルミ製のハウジングもクールにまとまっている点もポイントですね。
■ 製品概要と購入方法について
「HarmonicDyne」は「Zeus」や「Helios」といった個性的なヘッドホン製品をリリースしているメーカーで主に「Linsoul」系で販売されています。私のブログでも「P.D.1」や「Devil」といったイヤホン製品および最近はアンダー200ドル級のヘッドホン製品「Athena」をレビューしています。
今回の「HarmonicDyne Black Hole」は50mmサイズの「複合カーボンファイバー・バイオフィルム振動板」を採用した大口径ダイナミックドライバーを搭載し、同社独自の第2世代の「M-Type 圧力解放音響キャビティ」によるセミオープン構造を採用。アンダー100ドル級の低価格ながら快適かつ卓越したオーディオ品質を実現しています。


「HarmonicDyne Black Hole」では、不活性サンドイッチ構造に配置された第2世代の50 mm「複合カーボンファイバー・バイオ フィルム振動板」を採用しています。自然でプロフェッショナルな要望に応える高音の特徴を示し、低音のレスポンスも最適化し強力なサブベースを備えます。同時に中音域はニュートラルに調整され、楽器やボーカルに生き生きとした自然な音色を与えます。 イヤーカップのバックカバーは航空グレードのアルミニウム合金を採用し、耐久性と美しさを高めるデザインを採用しています。


さらにイヤーパッドも音響特性に合わせて半不活性スポンジの割合を最適化し、通気性がより均一になるベルベットの裏地を備えた新素材を採用しました。


「HarmonicDyne Black Hole」の購入はLinsoulまたはアマゾン(LINSOUL-JP)にて。
価格は99.00ドル、アマゾンでは15,480円です。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「HarmonicDyne Black Hole」のパッケージは製品画像を掲載したブラックのデザイン。シンプルな内箱のみだった「Athena」と比べるとより多くのユーザーを対象とした製品であることが伺えますね。


パッケージ内容はヘッドホン本体、ケーブル、6.35mm変換アダプタ、説明書。


本体は本体はアルミ製で重量も305g程度と、50mmサイズの大口径ドライバーを搭載したヘッドホンとしては十分に軽量です。つや消しの表面処理がされたシンプルな形状で「Athena」と共通感のあるデザインにまとめつつ、よりシンプルで質実剛健なイメージになっています。イヤーパッドおよびヘッドバンド部はベルベット生地を採用しており内部のスポンジも柔らかく、装着感は非常にソフトです。側圧は若干強めですが、ソフトな感触により長時間でもあまり耳は痛くならない印象。ただしメガネを使用している場合はちょっと気になるかもしれませんね。


ケーブルは両出しタイプの脱着可能なタイプで本体側は3.5mmコネクタを採用しています。そのため付属ケーブル以外でも同様の仕様のヘッドホンケーブルに交換も可能となっています。バランス化しやすい点はよいですね。付属ケーブルは布張りされたケーブルで非常に柔らかくしなやかさがあります。
■ サウンドインプレッション
「HarmonicDyne Black Hole」の音質傾向はニュートラル方向で中音域は前傾して定位し、低域が多少ブーストされている印象。全体としてはややウォーム方向の音色ですが、レスポンスの良いスピード感のある印象で、ある程度のキレの良さもあります。ボーカル域を中心としたメリハリもあり、元気な印象のサウンドにまとめられています。低域強めのニュートラルなサウンドバランスや、セミオープン構造を採用しつつ密閉型のような「音の濃さ」を持っているというアプローチは上位モデルである「Athena」と似た要素ではあるものの、「HarmonicDyne Black Hole」はより近く元気な印象と、より分かりやすいポップスチューニングで価格なりの棲み分けは行われている印象です。「HarmonicDyne Black Hole」の仕様はインピーダンス32Ω、感度110dB/mWとヘッドホン製品としては比較的鳴らしやすい印象で、再生環境はあまり選びません。ただ音量はDAP等ではやや取りにくくハイゲインで再生した方が良さそうです。いっぽうでハイパワーの据置きアンプではハイゲインではやや派手めになるためミッドで調節するほうが良いでしょう。
「HarmonicDyne Black Hole」の高域は若干暗めではあるものの、過度に強調しない自然なバランスで適度な鮮やかさのある音を鳴らします。ややウォームな印象で刺激を抑え聴きやすい印象ですが、セミオープン構造のためか天井が低いという印象はあまり感じない高音になっています。高域好きの方にはやや物足りない印象もありそうですが、過不足無くボーカル曲などをフォローしている印象です。
中音域はニュートラルで癖の無い音を鳴らします。ボーカル域は「Athena」より前傾でより近くに定位します。セミオープン型ながら密閉型のような音の濃さがあるのは同社のこのシリーズの特徴で、「HarmonicDyne Black Hole」でもしっかり継承されています。音場は左右は一般的な広さですが、近くに定位するため奥行きはあまり感じません。また高域同様にややウォームな音色のため解像感は100ドル級の製品として一般的な印象。それでもレスポンスが良くハキハキとした印象があることと、音抜けの良さによる広がりがあるため窮屈さや籠もりなどはありません。ポップス、ロック、アニソンなどのボーカル曲との相性が良く、またニュートラルかつスピード感のある音でかつ刺激を抑えている点で、ゲーミング用途での相性も良さそうです。低域は多少ブーストされておりパワフルな音を鳴らします。アタックは力強く、中高域同様にスピード感があるため分離も良好です。ミッドベースは強いインパクトを持ちつつ締まりがあり過度に響くことは無く直線的な印象。またセミオープンながら開放型的な重低音の抜けもなく、しっかり深さを持った音を鳴らしてくれるのも好印象です。重低音もキレがあるためEDMなどの相性も良さそうです。
■ まとめ
というわけで、「HarmonicDyne Black Hole」はアンダー100ドル、約1.5万円という価格設定のヘッドホンとしては外観の質感も良く、音質的にも同社らしいセミオープン構造のメリットを享受しつつ密閉型のような濃く楽しいサウンドを実現していました。見た目もクールで耐久性もあり、ボーカル曲を中心としたリスニングやゲーム用途など様々なシーンでの利用で楽しみたい方には「HarmonicDyne Black Hole」はお手頃価格で良い選択肢のひとつになるのではと思います。