
こんにちは。今回は「SIMGOT EW100P (Shark)」です。数百ドル級といったミドルグレード製品を得意とするSIMGOTが手がける、アンダー20ドル級の超低価格モデルですね。低価格とはいえ二重構造のLCP振動板を採用する10mmドライバーの搭載やハーマンターゲットカーブ準拠など、想像以上に「ちゃんとした」仕上がりで、なるほど、と思わせるSIMGOTらしい製品になっていますね。
■ 製品の概要について


「SIMGOT EW100P」はドライバーに10mmサイズのダイナミックドライバーをシングルで搭載。振動板は二重構造のLCP(液晶ポリマー)を採用。デュアルキャビティ設計およびドライバー配置の調子製により正確なイメージングおよびサウンドステージを実現しています。


本体はクリアブラックのシェルとアルミニウム合金によるフェイスプレートにより安定性と耐久性が向上しパフォーマンスを長時間持続します。ケーブルは0.78mm 2pin仕様で銀箔シールドにより最適な信号伝送を確保しつつ耐久性が向上しています。


「SIMGOT EW100P」の購入はLinsoulの直販サイト(Linsoul.com)にて。価格は19.99ドルです。
Linsoul(linsoul.com): SIMGOT EW100P
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「SIMGOT EW100P(Shark)」のパッケージは銀色のシンプルなパッケージデザイン。愛称の「Shark」のロゴとイラストが記載されています。箱の裏面には仕様諸元およびf値のカーブが掲載されており、ハーマンターゲットカーブ(H 2016 Target)に準拠したサウンドチューニングを行っていることが明記されています。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、説明書。20ドル以下の低価格モデルと言うこともありシンプルな内容となっていますね。


本体は樹脂製で10mmドライバーを中心とした非常にコンパクトなシェルサイズ。形状は「Kinera Celest Gumiho」のような耳に収まりやすい円形のドライバー部分と覆うような薄いハウジングで構成されています。


アルミ合金製のフェイスパネルはある程度の大きさかがありますが全体としてはコンパクトなため耳への収まりは良く装着性は良好です。またメタルワイヤー上のシールドが施されたケーブルは柔らかく、いっぽうで絡まりにくいため取り回しが良く使いやすい印象ですね。


低価格モデルと言うことでイヤーピースは一般的なシリコンタイプのものが3サイズ付属します。付属品のほか、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、「SpinFit CP100+」、個人的に最近よく使っている「TRN T-Eartips」などフィット感の良い製品を組み合わせるのも良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「SIMGOT EW100P(Shark)」の音質傾向はわずかに中低域寄り(ほぼニュートラル)で緩やかなU字のサウンドバランスを描く、「分かりやすくハーマンターゲットカーブ寄りの弱ドンシャリ」と言ったサウンド。低域も適度に存在感をもたせつつミッドベースを中心に締まりがあり、ボーカル域も適度にエネルギーがあるなど、非常に聴きやすく、均整の取れたバランスです。いっぽうで解像感や音場感などは価格なりというか、一般的で特筆すべき極端な特徴はありません。
とはいえ、ボーカル域から中低域にかけて適度な温かみを感じさせつつ、女性ボーカルやピアノの高音など中高域から高域にかけてスッキリとまとめられており、やや寒色寄りで曇りのない音像感を感じさせるのはSIMGOTらしい「上手さ」といえるかもしれませんね。ハーマンターゲットカーブに準拠することでトレンドを押さえつつ、ある程度ライトユーザーも想定できるような万人向けの使いやすい方向性でまとめられたイヤホン、という印象です。
SIMGOTは本来はニュートラルなサウンドベースでモデルによって方向性の異なる製品をデザインしても全体としての一貫性のある音作りが印象的なブランドですね。フラット方向だけでなく、「EM2」などの派手めのドンシャリ傾向のサウンドや「MT3」のようにややウォームに振る方向性もリリースしています。今回の「SIMGOT EW100P」はハーマンターゲット準拠という方向性を明示していますが、中低域の存在感もある程度は感じさせつつ、全体としてはやや寒色寄りの自然な印象で仕上げられています。
「SIMGOT EW100P」の高域は適度に明瞭感がありスッキリした印象にまとめられています。長時間のリスニングでも聴きやすくまとめられており歯擦音などはコントロールされていますが、煌めきや鋭さは感じられる程度に調整されています。
中音域は僅かに凹み、ボーカル域も自然な距離感で定位しますが適度に透明な印象で不足はありません。女性ボーカルやピアノの高音などの中高域に若干のアクセントがありエネルギーとともにスッキリした抜け感があります。いっぽうで男性ボーカルや中低域はやや温かく感じさせます。音像は適度な明瞭感がありますが解像感は一般的で音場感は普通またはやや狭く、少しライトで浅い印象もあります。そのため分析的なリスニングには向きませんが全体の雰囲気はまとまりがあり、どのようなジャンルの曲も明るく心地よい印象でリスニングが楽しめます。
低域はハーマンターゲットカーブ準拠の直線的なミッドベースと存在感のある重低音を持ちますが、実際はミッドベースのほうにアクセントがあり、中高域を下支えする鳴り方をします。上位モデルと比較したドライバーの性能の限界や粗さをミッドベースにアクセントを持たせることである程度マスクする効果があるのかもしれません。とはいえポップス、ロック、アニソンなどのボーカル曲主体であれば十分に楽しめるチューニングの低域だと思います。
■ まとめ
というわけで今回の「SIMGOT EW100P」は20ドル以下の低価格イヤホンながら、ハーマンターゲット準拠という方向性で仕上げられた製品ですが、想像以上にちゃんとまとまっていると感じました。全体的にやや軽めのチューニングで仕上げることで、温かくなりすぎず、やや寒色寄りの自然な印象で仕上げられています。また適度な明瞭感や透明感を維持しつつ、中低域の存在感も感じさせる仕上がりになっていますね。いっぽうで解像感や音場は上位モデルほどの多層的なレイヤーは感じさせず、神経質なリスニングをあえてさせないようなチューニングにも思えます。この手のバランスのイヤホンの場合ドライバーなどの基礎性能の差、つまり粗さが出やすい側面もあるため、あえてライトにまとめている感じもありますね。その辺の割り切りが上手いというか、落とし所をわきまえているなとも思います。心地よくバランスの良いサウンドを気軽に楽しめるイヤホンとして、楽しんでみるのも良いと思いますよ(^^)。
「SIMGOT」はミドルグレードの高音質モデルを得意とする中華イヤホンブランドで、2022年秋以降かつての「EN700」シリーズを踏襲する「EN1000」と新シリーズの「EA2000」、「EA500」と相次いで新モデルを投入し、再び存在感が増しているメーカーですね。
今回はアンダー20ドルの低価格帯で登場したモデルです。10mmサイズのLCP振動板を採用したデュアルキャビティダイナミックドライバーを搭載し、低価格ながらハーマンターゲットに準拠したサウンドバランスを実現しています。


「SIMGOT EW100P」はドライバーに10mmサイズのダイナミックドライバーをシングルで搭載。振動板は二重構造のLCP(液晶ポリマー)を採用。デュアルキャビティ設計およびドライバー配置の調子製により正確なイメージングおよびサウンドステージを実現しています。


本体はクリアブラックのシェルとアルミニウム合金によるフェイスプレートにより安定性と耐久性が向上しパフォーマンスを長時間持続します。ケーブルは0.78mm 2pin仕様で銀箔シールドにより最適な信号伝送を確保しつつ耐久性が向上しています。


「SIMGOT EW100P」の購入はLinsoulの直販サイト(Linsoul.com)にて。価格は19.99ドルです。
Linsoul(linsoul.com): SIMGOT EW100P
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「SIMGOT EW100P(Shark)」のパッケージは銀色のシンプルなパッケージデザイン。愛称の「Shark」のロゴとイラストが記載されています。箱の裏面には仕様諸元およびf値のカーブが掲載されており、ハーマンターゲットカーブ(H 2016 Target)に準拠したサウンドチューニングを行っていることが明記されています。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、説明書。20ドル以下の低価格モデルと言うこともありシンプルな内容となっていますね。


本体は樹脂製で10mmドライバーを中心とした非常にコンパクトなシェルサイズ。形状は「Kinera Celest Gumiho」のような耳に収まりやすい円形のドライバー部分と覆うような薄いハウジングで構成されています。


アルミ合金製のフェイスパネルはある程度の大きさかがありますが全体としてはコンパクトなため耳への収まりは良く装着性は良好です。またメタルワイヤー上のシールドが施されたケーブルは柔らかく、いっぽうで絡まりにくいため取り回しが良く使いやすい印象ですね。


低価格モデルと言うことでイヤーピースは一般的なシリコンタイプのものが3サイズ付属します。付属品のほか、定番の「スパイラルドット」や「AET07」(互換品含む)、「SpinFit CP100+」、個人的に最近よく使っている「TRN T-Eartips」などフィット感の良い製品を組み合わせるのも良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「SIMGOT EW100P(Shark)」の音質傾向はわずかに中低域寄り(ほぼニュートラル)で緩やかなU字のサウンドバランスを描く、「分かりやすくハーマンターゲットカーブ寄りの弱ドンシャリ」と言ったサウンド。低域も適度に存在感をもたせつつミッドベースを中心に締まりがあり、ボーカル域も適度にエネルギーがあるなど、非常に聴きやすく、均整の取れたバランスです。いっぽうで解像感や音場感などは価格なりというか、一般的で特筆すべき極端な特徴はありません。とはいえ、ボーカル域から中低域にかけて適度な温かみを感じさせつつ、女性ボーカルやピアノの高音など中高域から高域にかけてスッキリとまとめられており、やや寒色寄りで曇りのない音像感を感じさせるのはSIMGOTらしい「上手さ」といえるかもしれませんね。ハーマンターゲットカーブに準拠することでトレンドを押さえつつ、ある程度ライトユーザーも想定できるような万人向けの使いやすい方向性でまとめられたイヤホン、という印象です。
SIMGOTは本来はニュートラルなサウンドベースでモデルによって方向性の異なる製品をデザインしても全体としての一貫性のある音作りが印象的なブランドですね。フラット方向だけでなく、「EM2」などの派手めのドンシャリ傾向のサウンドや「MT3」のようにややウォームに振る方向性もリリースしています。今回の「SIMGOT EW100P」はハーマンターゲット準拠という方向性を明示していますが、中低域の存在感もある程度は感じさせつつ、全体としてはやや寒色寄りの自然な印象で仕上げられています。
「SIMGOT EW100P」の高域は適度に明瞭感がありスッキリした印象にまとめられています。長時間のリスニングでも聴きやすくまとめられており歯擦音などはコントロールされていますが、煌めきや鋭さは感じられる程度に調整されています。
中音域は僅かに凹み、ボーカル域も自然な距離感で定位しますが適度に透明な印象で不足はありません。女性ボーカルやピアノの高音などの中高域に若干のアクセントがありエネルギーとともにスッキリした抜け感があります。いっぽうで男性ボーカルや中低域はやや温かく感じさせます。音像は適度な明瞭感がありますが解像感は一般的で音場感は普通またはやや狭く、少しライトで浅い印象もあります。そのため分析的なリスニングには向きませんが全体の雰囲気はまとまりがあり、どのようなジャンルの曲も明るく心地よい印象でリスニングが楽しめます。低域はハーマンターゲットカーブ準拠の直線的なミッドベースと存在感のある重低音を持ちますが、実際はミッドベースのほうにアクセントがあり、中高域を下支えする鳴り方をします。上位モデルと比較したドライバーの性能の限界や粗さをミッドベースにアクセントを持たせることである程度マスクする効果があるのかもしれません。とはいえポップス、ロック、アニソンなどのボーカル曲主体であれば十分に楽しめるチューニングの低域だと思います。
■ まとめ
というわけで今回の「SIMGOT EW100P」は20ドル以下の低価格イヤホンながら、ハーマンターゲット準拠という方向性で仕上げられた製品ですが、想像以上にちゃんとまとまっていると感じました。全体的にやや軽めのチューニングで仕上げることで、温かくなりすぎず、やや寒色寄りの自然な印象で仕上げられています。また適度な明瞭感や透明感を維持しつつ、中低域の存在感も感じさせる仕上がりになっていますね。いっぽうで解像感や音場は上位モデルほどの多層的なレイヤーは感じさせず、神経質なリスニングをあえてさせないようなチューニングにも思えます。この手のバランスのイヤホンの場合ドライバーなどの基礎性能の差、つまり粗さが出やすい側面もあるため、あえてライトにまとめている感じもありますね。その辺の割り切りが上手いというか、落とし所をわきまえているなとも思います。心地よくバランスの良いサウンドを気軽に楽しめるイヤホンとして、楽しんでみるのも良いと思いますよ(^^)。